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無謀かもしれないが、GMT社の大型現代戦ゲーム"Next War Korea"の上級ルールシナリオに挑戦してみた。選んだシナリオは16.2.3 Tactical Surpriseである。以下はそのレポートである。

前回の展開 --> こちら

7Turn

Weather Phase

晴れ(Claer)

Initiative Phase

北朝鮮軍の主導権Turnである。

1st Special Operations Forces Phase

イメージ 2北朝鮮軍が久しぶりに特殊部隊を投入してきた。韓国軍レーダーサイトを攻撃したのである。3部隊が投入され、戦果は探知レベルが1低下した。損害は特殊部隊1部隊が戻らなかった。

Air/Naval Phase

イメージ 3連合軍はF-22を制空任務から引き下げ、対地攻撃任務に回した。その代り空戦以外は役立たずの空自部隊、対地攻撃には向かないF-15C/J、そして米海軍とオーストラリア空軍のF/A-18E「スーパーホーネット」を制空任務に投入した。北朝鮮航空部隊の挑戦を排除できる数である。一方の北朝鮮軍は航空線力による対決を回避した。

2nd Special Operations Forces Phase

イメージ 4連合軍は9部隊の特殊部隊全てを標定任務に投入した。とにかくVPの高い目標を潰してVP稼ぎが狙いである。しかし標定任務の出目が振るわず、標定に成功したのは航空基地が1箇所と化学兵器工場が2ヶ所のみ。当て外れに終わった。

1st Strike Phase

イメージ 5大規模航空攻撃の始まりだ。まずはワイルドウィーゼル機が発進して早期警戒網とSAMサイトを叩く。しばらくの間攻撃対象から外れていたためにかなり回復していた北朝鮮軍の早期警戒レーダーとSAMサイトだが、今回は徹底的に叩かれた。早期警戒レーダー、SAMサイト共最低レベルにまで落ち込み、その活動が封殺されてしまう。
引き続いて攻撃本隊が北朝鮮上空に進入する。B-1BとF-15Eの混成編隊が化学兵器工場を狙う。大型誘導爆弾が地下施設を次々と直撃し、化学兵器工場は灰燼に帰した。韓国空軍F-15Kによる航空基地攻撃は失敗に終わったが、B-52とF-16Dを投入した地上部隊への絨毯爆撃は功を奏し、北朝鮮軍1個師団が壊滅した。

Initiative Movement and Combat Phase

DPRK Movement/Combat Segment

イメージ 7北朝鮮軍も兵力不足のため積極的な行動が取れなくなってきた。今回唯一の攻撃は中部戦線ウォンジュ(原州Wonju S3501)に対する攻撃である。ここには連合軍の大型補給基地があり、ここを北朝鮮軍が奪取すれば、連合軍の補給網に打撃を与えることができる。機械化旅団4個、歩兵師団5個を投入し、さらに空軍支援も仕掛けた本格攻撃であったが、連合軍のAH-64「アパッチ」攻撃ヘリ、A-10C「サンダーボルト2」攻撃機による防御支援によって攻撃は頓挫した。

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ROK/US Elite Reaction Movement Segment

連合軍の動きは殆どなし。第2機械化歩兵師団の装輪車部隊(3-4-8)がウォンジュへ向かう。

DPRK Exploitation Movement/Combat Segment

北朝鮮軍が再びウォンジュへ攻撃を仕掛けてきた。今回もAH-64「アパッチ」、A-10C「サンダーボルト2」の支援を受けて韓国軍が奮戦。米軍の司令部が撃破されたが、残った部隊はウォンジュを死守した。

ROK/US Reaction Movement/Combat Segment

イメージ 6連合軍が各戦線で反撃を開始した。まず東部戦線では新鋭の米第101空中機動師団がヘリボーン機動で海岸付近の北朝鮮軍を包囲した。海上からは米艦隊が支援し、それからはAH-64「アパッチ」、F-35「ライトニング2」が支援する。これら支援が功を奏して北朝鮮軍の1個師団と1個旅団がUijin付近で壊滅した。対する連合軍は全くの無傷である。

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イメージ 8西部戦線でもNamynangju(N3220)東南に進出してきた北朝鮮軍機械化歩兵旅団(9-6-6)と歩兵師団のスタックに対し、韓国軍戦車旅団2個を含む部隊が反撃を仕掛けた。この時も空からオーストラリア空軍のF/A-18F「スーパーホーネット」と米空軍のF-16D「ファルコン」が近接航空支援を行い、北朝鮮軍による反撃を完全に封じ込めた。攻撃は大成功。北朝鮮軍は壊滅し、連合軍はまたもや被害なし。

イメージ 9圧巻だったのは中部戦線ウォンジュ付近の戦闘。ウォンジュが北朝鮮軍により陥落の危機に瀕していたため、連合軍は米韓の連合機械化部隊を投入して反撃を行った。空からはいつものようにAH-64「アパッチ」と、さらにこのTurnから対地任務に回されたF-22「ラプター」2ユニットが襲いかかった。ステルス化された「ラプター」による近接航空支援は圧巻で、北朝鮮軍の対空砲火は全く太刀打ちできずに「ラプター」に翻弄された。圧倒的な航空支援を受けた連合軍の反撃によって北朝鮮軍はまたもや大損害を受けて後退を余議なくされてしまう。

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今回の一連の戦闘で、北朝鮮軍は機械化歩兵師団1個、歩兵師団4個、旅団規模2個、司令部1個を壊滅せしめられるという大損害を被った。一方の連合軍は全く被害なし。これら一連の戦闘は、圧倒的な制空権下で行われる地上戦闘が、如何に一方的になるのかをまざまざと見せつける結果となった。

戦争の流れが変わりつつあった。

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2nd Strike Phase

イメージ 14連合軍が第2波の航空攻撃を行う。初登場のB-2「スピリット」がF-35「ライトニング2」を従えたステルス攻撃隊で化学兵器工場を狙い、F-15E「ストライクイーグル」、F/A-18F「スーパーホーネット」が航空基地を攻撃する。化学兵器工場には巡航ミサイルも向けられた。
攻撃はいずれも成功。化学兵器工場はまたもや大型誘導爆弾の餌食となって壊滅。航空基地の方も在地のIl-28「ビークル」軽爆撃機を巻き沿いに壊滅した。

Basic Movement and Combat Phase

DPRK Movement/Combat Segment

イメージ 11北朝鮮軍は後退する。大きく後退するのではなく、少しづつ、少しづつだ。戦争の流れが変わったことは認めざるを得ないが、これまで奪い取った土地を簡単に手放すつもりはない。我々が血を流して奪い返した土地を帝国主義者共が再び奪おうとするのなら、彼らは我々の倍の血を流すことになるだろう。
そして後退しつ北朝鮮軍はウォンジュ付近で反撃を決意した。機械化兵力の大部を継ぎこみ、米韓の機械化部隊に痛打を与える腹積もりである。この戦闘で初めて北朝鮮軍は化学兵器、つまり毒ガスを使用した。100年前に欧州を襲った悪夢が、今また朝鮮半島で蘇る。

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ROK/US Movement/Combat Segment

イメージ 13北朝鮮軍の攻撃によって米第82空挺師団の第2旅団(2-3-4)がステップロスを被って後退した。しかし北朝鮮軍は前進しない。ガスによる通過不能地形を作りたかっただけなのか、とも邪推したくなる。
ともあれ、北朝鮮軍による化学兵器の使用は、連合軍をして危機感を抱かしめるには十分であった。しかし連合軍にとっても今はチャンスである。このTurn、ここまで大量のVPを獲得した連合軍は、次Turnに主導権プレイヤーとしての権利を得ることがほぼ確実になってきた。所謂「ターンオーバー」が発生することになる。従ってこのTurnに突破口を啓開できれば、次Turnに大突破あるいは大包囲の可能性も生まれてくるのだ。


イメージ 10連合軍の作戦はユニークだった。反撃兵力の主力となる米空中機動部隊と海兵隊が東海岸、韓国軍機械化部隊と米第2機械化歩兵師団が中部に展開している状況を利用して、中部の韓国軍機械化部隊と米第2機械化歩兵師団を太白山脈を突破して東海岸へ向かわしめる。米海兵隊はカンヌン(江稜 Gangneung S4922)付近に上陸。ここに橋頭保を築く。東海岸の南からは米第101空中機動師団が北朝鮮軍に対する小包囲を繰り返しながら、やはりカンヌンに向かう。こうして西からの進撃線と南からの進撃線がカンヌンで繋がった瞬間、カンヌン南に残る北朝鮮軍数個師団が包囲下に陥る。
かつてマッカーサー将軍が実施した仁川上陸作戦に比べるといささかスケールダウンした感は否めないが、地上兵力不足に悩む連合軍にとっては、作戦成功が期待できる最大限の作戦であったと言えよう。

イメージ 7「オペレーション・ペイトリオット」(愛国者作戦)と名付けられた連合軍の反撃は、太白山脈山中の村、Pyeonghae(S4913)に対して実施された。損耗した北朝鮮歩兵師団(4-3-4)に対し、米空中機動旅団(2-2-24)を主力とする部隊が襲いかかった。北朝鮮軍は化学兵器を用いて反撃する。直ちにF-16D/KF-16が飛来するも、対空砲火の奮戦により損害を被る。苦戦を強いられる連合軍であったが、それでもなんとか北朝鮮軍を撃退し、Pyeonghaeを確保した。

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Isolation/Surrender Phase

東海岸で米空中機動部隊により背後を断たれて孤立状態にあった北朝鮮軍のうち、自動車化歩兵師団1個、砲兵旅団1個、機械化歩兵旅団1個が降服した。

Victory Determination Phase

北朝鮮=175VP
連合軍=129.5VP

一気に50点近く点差を縮めた連合軍。大逆転なるか?。