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海軍零戦隊撃墜戦記3

梅本弘 大日本絵画

以前に紹介した海軍零戦隊撃墜戦記1の全3巻最終版である。時期的には1943年12月~44年2月の3ヶ月間の戦いを扱っている。この時期はラバウル防空戦が本格化し、連日ラバウルに来襲する連合軍機とそれを迎え撃つ零戦隊との間で死闘が演じられていた頃である。岩本徹三らの零戦エース達が活躍し、散っていったのもこの時期である。
本書ではこの時期のラバウル航空戦を日米両軍の視点から追い、零戦が落とした敵戦闘機の数、敵戦闘機によって落とされた零戦の数を明らかにしている。無論、この種の数値には不明点が多く、必ずしも本書の結論が「絶対正しい」訳ではない。しかし戦場における真実を明らかにする一つのアプローチであることは間違いないだろう。
例によってボリュームの割に値段が高いという欠点があるものの、他に類を見ない研究なので、3000円を出す価値は十分にある。ソロモン戦役だけではなく、その他の戦役、その他の機材についても研究範囲を広げてもらえることを期待したい。

お奨め度★★★★★
海軍零戦隊撃墜戦記1: 昭和18年2月-7月、ガダルカナル撤退とポートダーウィンでの勝利
海軍零戦隊撃墜戦記2: 昭和18年8月-11月、ブイン防空戦と、前期ラバウル防空戦
海軍零戦隊撃墜戦記3: 撃墜166機。ラバウル零戦隊の空戦戦果、全記録。
ガ島航空戦上: ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月-10月
台南空戦闘日誌: 最強零戦隊330日の全戦歴
The First Team: Pacific Naval Air Combat from Pearl Harbor to Midway (English Edition)
The First Team and the Guadalcanal Campaign: Naval Fighter Combat from August to November 1942 (English Edition)