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先日の山科会で、「関ヶ原1600」(EP/SSG)をプレイしました。下名は西軍を担当しました。

前回の展開-->こちら


7Turn

先のTurn、サドンデス勝利の夢が崩れた上、基幹部隊の1つである毛利秀元隊までも半身不随にされてしまった西軍。まずは兎に角目下の状況を立て直すのが肝要である。
イメージ 7まず先に「手弁当」事件を起こした毛利隊だが、毛利秀元の指揮の元、素早く兵力の立て直しを行った。毛利隊を戦力化するためには、行動セグメント毎に戦意チットを引き、"1"のチットを引く必要があったが(確率1/6)、最初のチット引き"1"を引いたので毛利秀元はすぐに行動可能となった。元々戦意の高い毛利秀元が自由に行動できるようになったため、吉川の寝返りは西軍にとって益した部分もあった。
先に「吉川寝返り事件」が起こった福束城に対しては宇喜多秀家隊が攻撃を仕掛けた。この城を一撃で落城させ、さらに逃げる吉川隊を追って撃破したい所であったが、福束城を落とすのに思わぬ苦戦を強いられた宇喜多隊は、2回の合戦セグメントで漸く陥落福束城を陥落させた。

イメージ 8その頃、岐阜城のはるか東から東軍主力部隊が続々と登場してきた。徳川秀忠率いる約15000名の東軍部隊である。さらに清州には徳川家康本隊約2万も登場。戦力を整いつつある東軍なのであった。

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8Turn

イメージ 9長良川を挟んで対峙する東西両軍。西軍最右翼を守るのは石田三成、小西行長ら約15000名で、竹ノ鼻対岸に布陣している。その左、墨俣付近に宇喜多秀家隊、さらに毛利秀元隊、鍋島勝茂隊と並び、最左翼が岐阜城で、そこには島津隊、立花隊、長宗我部隊が布陣している。薄く伸びきった西軍戦線に対し、東軍はさらにその南、堀津付近で長良川を強引に渡河してきた。細川忠興率いる1万余である。湿地を進む細川隊の姿を石田隊の物見が捉えた。
「これは好機」
石田隊は直ちに迎撃のため移動し、細川隊の頭を押さえる。しかしこの瞬間石田隊とその左に布陣する宇喜多隊の間に間隙が開く。それでも普段の宇喜多隊なら間隙を突こうとする東軍部隊を阻止することも可能だっただろう。しかしその時の宇喜多隊は戦意が低く、突進してくる東軍部隊に対処できなかった。東軍黒田長政隊が石田隊の左翼を突き、石田隊を包囲する形をつくる。そこに福島隊、そして徳川家康本隊も前進し、石田隊を四方から攻めかける。兵力に劣り、しかも包囲下にある石田隊は忽ち苦戦を強いられる。

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イメージ 10石田隊の苦戦を見た宇喜多隊が東軍右翼を突き、黒田長政隊を逆包囲して痛打を浴びせる。宇喜多隊の猛攻を受けて忽ち崩されていく黒田隊。
だが、時すでに遅し。
四方から攻撃を受けていた石田、小西の両隊が最初に崩れてしまう。包囲された上、戦意崩壊を起こした石田、小西両隊に助かる見込みはなかった。両隊は完全に壊滅。石田三成、島左近、小西行長ら主だった諸将は尽く討ち取られてしまう。
その直後、東軍黒田長政隊が宇喜多隊の猛攻に耐えかねて後退を開始したが、宇喜多隊の小さな勝利が戦場に寄与できる可能性はほぼなくなっていた。

こちらのミスで石田、小西を失ったのは大ショック。ミスに対して言い訳するのは見苦しいが、敢えて言わせて頂くと、「包囲された部隊が後退即壊滅」というのは些か残酷過ぎるシステムだと思う。最近のゲームでそこまで厳しいゲームは少ないように思うのだが・・・。

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9Turn

イメージ 11その後の展開は簡単に触れておこう。先のTurnに大活躍した宇喜多隊が今度は東軍に包囲されてしまう。援護すべき他の部隊は別の東軍部隊によって足止めさせてしまい、宇喜多隊の撤退を助ける術はなかった。宇喜多隊は壊滅。宇喜多秀家も戦死してしまう。

宇喜多隊の壊滅を以て西軍は投了。関ヶ原の合戦、いや天下分け目の「墨俣の合戦」は東軍の大勝利に終わった。

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感想

プレイ時間はセットアップを含めて約9時間。セットアップに1時間以上かかったので、途中の休憩時間等を含めて1Turnの所要時間は1時間弱といった所だろう。合戦システムがファイヤーパワー方式なので、そこそこ時間がかかる。逆に合戦、攻城戦の行わないTurnは比較的サクサクと進む。

反省点としては、なんといっても長良川河畔でのムーブミスにつきる。相手の移動力をある程度予想し、包囲されないように布陣する。逆に見込みが立たない状況なら無理に交戦せずに後退を利用して下がる。相手の移動可能範囲を予想するとか、側面にダミーを出して相手の警戒心を誘うとか、色々と試してみる必要があった。調略戦云々よりも盤面の動きについてもっと熟練が必要だと感じた。

調略戦については「騙し」のテクニックが必要だと感じた。基本弱いカードを敵にバラ巻き、相手の密報カードを浪費させる。広い範囲に調略を仕掛けて相手の対応能力を飽和させる等が必要だと思う。西軍の場合、積極的に口説き落としが期待できるのは前田利長だけなので、後は騙してこっそり引き抜くしかない。福島正則、黒田長政ら大物は確かに狙い目だが、東軍に読まれたら落とせるチャンスは少ない。
そういった意味で西軍にとっての調略戦は守りが主要テーマになるのだが、これがまたまた難しい。「中立カード」といって、恩賞金関係なしに戦意脱落を期待できるカードが西軍武将についてそれぞれ用意されているため、そのカードを使えば東軍は西軍の武将をノーリスクで中立化可能である。一旦中立化してしまえば、今度はいつでも調略可能となり、かつその時恩賞金の大小と隣接する彼我の戦力数が中立化した武将の帰趨を決める(要するに金で釣って、武力で脅して)。従って東軍は頃合いまで「中立化カード」を手元に持っておき、チャンスに中立化させて戦列を離れさせて、あとは武力を背景にして強引に自陣営に引きずり込むといった戦略が使える。西軍がこの戦略に対抗するのは非常に難しい。全てを守るは元より不可能なので、守るべきポイントと捨てても良いポイントを見極める必要があるだろう。

カードの使い方も不味かった。「上田の足止め」カードで秀忠隊を止める所で、雑魚の榊原隊を止めてしまい、お陰で秀忠本隊は妨害を受けないまま中山道を抜けてしまった。その時は「上田で足止め」カードが手元に1枚しかなかったので、大したダメージではあるまい、と思っていたのだが、秀忠隊通過直後に次々と「上田で足止め」カードが出てしまい、悔しい思いをしたものである。秀忠隊を上田で止めていれば、東軍としてもあれほど積極的な策に討って出られなかったはず。そういった意味では小さなミスが大きな敗因になったものだと思わざるを得ない。

とまあこんな感じのゲームである。
慣れればある程度は楽しめるゲームであるが、勝つのはなかなか難しい。ビギナーズラックで勝てないこともないが、やはり経験が物を言う作品である。恩賞カードの枚数、各武将の行動能力(戦意別の移動力、接敵能力、偵察能力)、情報カードの内容、そして盤上の戦力等、基本的な情報は押さえておいた方が良い。とはいっても昔の受験勉強じゃあるまいし、これらを暗記するのも如何なものかとも思ってしまう。

とまあ色々と書いてみたが、ある程度の慣れは必要だとしても、プレイ不可能な程ルールが多い訳ではない。1日あればプレイ可能なプレイ時間だし、慣れればもっとペースアップが可能だろう。下名自身勝ち負けは別として、もっと「楽しんでみたい」ゲームの1つである。

おまけ

ゲーム終了後にルールブックを読み返してみたら、いくつかルール間違いに気がついたので列挙しておく。
(1)損耗部隊や小部隊は偵察能力がゼロなので、これらに隣接してもストップしなくても良い。
(2)戦略移動は敵との隣接を禁止するものではない。(偵察範囲に入ったら止まりなさい、というだけ)
(3)接敵能力がない部隊も迎撃は可能
(4)上田に進入する東軍は、部隊名を明らかにしなければならない。
(5)ダミーは敵の3移動力以内に進入できない

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