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2013年に発売されたGMTのFrance'40は、ファン待望の一作といえよう。
鬼才マーク・シモニッチの最新作。既に作戦級ゲーマーの間では定評のある「シモニッチ」システムを使い、フランス戦という一見「ゲームとして成立し難い」テーマを彼がどのように料理したかに注目が集まった。
筆者はまだ一度しか対人戦を戦ったことがないので大それたことは言えない。しかし既に数回プレイ済の歴戦の諸氏に話を聞くと、期待に違わぬ傑作ゲームとのこと。そこで筆者も遅まきながら、このFrance'40にチャレンジしてみることにした。
前回の対人戦では、ドイツ軍側からのプレイであったため、ゲームの全体像が理解し難かった。そこで今回はソロプレイで本作のメインシナリオ「大鎌の一閃」にチャレンジした次第である。

1Turn('40/05/13)

イメージ 14第1Turnのドイツ軍は、概ねルールブックに記載されているプレイの例と同様に攻める。唯一の違いは、第6装甲師団による単独攻撃は慎み、その代わりロンメル第7装甲師団を含めた第15自動車化軍団(赤帯)に航空支援を2個投入し、万全を期す。
3箇所で実施した攻撃はいずれも成功。最北端では第16装甲軍団(ヘプナー)所属の2個装甲師団(黄帯)がフランス軍第3DLM(軽自動車化師団)(10-8-6)を攻撃。1ステップロスを与えた上で潰走させていた。

要塞都市ナミュール(Namur 5304)を挟んだ南側では、ディナン(Dinant 5408)から突破を図るホトの第15装甲軍団(赤帯)の2個装甲師団がミューズ川越しにフランス軍第18歩兵師団(4-7-3)を攻撃した。空軍支援を2個投入し、さらにロンメル効果も手伝ってフランス軍を撃破したドイツ軍がディナン西方に橋頭保を築く。

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イメージ 15戦線最南端のセダン(Sedan 5518)では、ドイツ軍最強のグデーリアン自動車化部隊(第19装甲軍団:水色の帯)が対岸に陣取るフランス軍第55歩兵師団(4-7-3)を攻撃。空軍3個を投入して6-1まで比率を上げての攻撃は予想通りの成功。フランス軍は堪らず潰走し、ドイツ軍はセダン西方に橋頭保を築いた。

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イメージ 16連合軍はまだ大きな動きを見せていないが、セダン南方で限定的な反撃を実施した。渡河してきた独第10装甲師団に対して、歩兵2個師団(5-7-3,4-6-3)、騎兵2個師団(各3-3-5)、さらに軽戦車大隊2個(各2-1-6)の支援付きで攻撃を実施したのである。司令部による支援もついてオッズは2-1。結果はA1/D1で、両軍とも1ステップを失った。独軍は「断固たる防御」を実施。出目にも恵まれてなんとかその場に踏みとどまった。


2Turn('40/05/14)

セダンではグデーリアンの3個装甲師団が反撃してきたフランス軍を撃破すべく突破挺身を行う。2個装甲師団を集中した攻撃でフランス軍軽戦車大隊(2-1-6)と騎兵師団(3-3-5)のスタックを撃破(DS)。南西へ大きく突破しつつ、セダン東方におけるフランス軍を拘束する。

イメージ 17その北、シャルルヴィル=メジエール(Charleville Mezieres 5217)の北方では、ラインハルトの第41装甲軍団(緑帯)に所属する独第6装甲師団が第36歩兵師団(6-8-3)の支援を受けて仏第102要塞歩兵旅団(2-4-2)を攻撃した。渡河作戦という不利な条件下での攻撃なので苦戦を強いられたドイツ軍であったが(A1/DR)、なんとか渡河点を確保した。

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ディナン西方では、ホトの2個装甲師団がミューズ川西方で仏第5自動車化師団(5-7-6)と軽戦車大隊(2-1-6)のスタックを攻撃する。ロンメルの見事な指揮もあって仏軍を撃破(DS)。独軍はさらなる前進を達成した。

戦線北部では先の戦闘で損害を受けていた仏軍第3DLM(7-5-6)を、ヘプナーの2個装甲師団が増援として登場してきた第20自動車化師団と共同で攻撃する。攻撃によってさらなる打撃を受けた(D1*)第3DLMは、残余兵力となって要塞線の後方へと後退していった。

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3Turn('40/05/15)

イメージ 18戦線北部ではナミュール(Namur 5304)の南北から攻勢を継続した。ナミュール南側からはホトの2個装甲師団が仏軍歩兵師団と軽戦車大隊のスタックを攻撃。これを撃破してナミュール西方に進出。独第5装甲師団がシャルルロア(Charleroi 4805)に隣接した。
しかしナミュール北方からの攻撃は陣地に篭るフランス軍の抵抗により攻撃は失敗(EX)。独第3装甲師団の戦車部隊(8-4-7)が大損害を被った。

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南部ではフランス軍の弱点部をAUTO-DSで攻撃して突破口を形勢した後、仏第3スペイン人騎兵旅団(4-4-5)と歩兵師団のスタックを正面から攻撃。これを撃破して前進した。

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連合軍はこのTurnも反撃せず、戦線を引いて独軍の突破を阻止せんとする。


4Turn('40/05/16)

ナミュール北方で突破を図る独第16装甲軍団であったが、再び仏軍の奮戦によって突破を止められてしまう。完全包囲下での攻撃であったが、戦闘結果は無情のA1/D1。先の戦闘でステップロスしていた独第3戦車師団の戦車部隊が壊滅してしまう。包囲された仏軍2個師団は壊滅の危機が迫るが、断固たる防御に成功し、なんとかギリギリで踏みとどまった。

ここでドイツ軍の戦車部隊が壊滅したのはルール適用ミスであった。ルール10.2によれば、スタックしているドイツ装甲師団に損害を適用する場合、完全戦力に損害適用を優先する、とある。

中央ではホトの2個装甲師団が攻撃軸をナミュール方面から変じてカンブレー(Cambrai 3210)方面への突破を狙う。しかしホトの正面にはマチルダ重戦車装備の英重戦車旅団が迫り、容易に突破の隙を見せていない。

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南方では主力であるグデーリアン装甲軍団がフランス軍を撃破してランス(Reims 4226)に迫る。しかしフランス軍も増援部隊が続々と登場し、グデーリアン前面に展開しつつあった。

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イメージ 19連合軍は久しぶりに本気度の高い反撃を実施することになった。
英第48自動車化歩兵師団(6-8-6)と仏第3DLMの残余部隊(4-2-6)がナミュール北西で仏軍2個師団を囲むドイツ歩兵師団(4-6-3)を攻撃する。仏第1軍司令部が軍砲兵を以てその攻撃を支援する。必ずしも十分とは言えない兵力であったが、攻撃は成功。独歩兵師団は損害を受けて後退し、包囲されていた仏軍2個師団は包囲下から解放された。


5Turn('40/05/17)

ベルギーが降伏した。ナミュールに篭っていたベルギー軍は消滅し、独軍はナミュールを超えて西へ向かう。ナミュール西方では今まで果敢な防衛戦を展開していた消耗した仏軍自動車化歩兵2個師団(各3-5-6)が第3DLMの残余と共に防衛戦を構築していた。それに対して独軍は第16装甲軍団の第4装甲師団と5個歩兵師団で攻撃を仕掛けた。圧倒的な兵力差でさしもの仏軍部隊も大損害を受けて後退。独軍はナミュールとシャルルロアの間に突破口を穿った。

ベルギー降伏云々は私の完全なルールミスである。ベルギー軍が降伏するのはダイナモシナリオの方で、大鎌シナリオではベルギー軍は最後まで戦い続ける、が正しい。

またシャルルロアの西方では、ホトの2個装甲師団が攻勢を仕掛けて、仏軍の弱点部に重大な損害を与えていた。シャルルロア西方に突破口を穿ったホト装甲部隊は先のB軍集団と共同でシャルルロアに残る英仏約3個師団相当を包囲した。

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南方を進むグデーリアンは、6個装甲師団、2個自動車化歩兵師団を並べて西へ向かう。ランスの北で攻勢を仕掛けたグデーリアン装甲軍団は弱小の仏軍部隊を撃破。さらに西へ進み、ラン(Laon 3120)に近づく。

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イメージ 20戦線後方ではフランス軍が反撃に転じた。シャールB2重戦車装備の2個予備機甲師団(DCR)(各8-6-5)を主力とし、植民地歩兵師団(5-7-3)、損耗した第5騎兵師団(3-3-5)が、独軍左翼後方を守る独第71歩兵師団(6-8-3)を攻撃した。出目は最悪の"1"だったが、オッズが6-1だったために攻撃は成功(DRX*)。独軍歩兵師団を撃破した仏軍は戦闘後前進で独軍の後方連絡線を脅威する。

戦線右翼からはマチルダ重戦車装備の英第1戦車旅団(4-3-6)が、仏機甲師団(第1DLM 10-8-6)、歩兵師団2個(5-7-3,4-6-3)、軽戦車大隊(2-1-6)と共同で戦線右翼の独軍第36歩兵師団(4-6-3)を攻撃する。圧倒的な兵力差で独軍歩兵師団を撃破した連合軍部隊は、グデーリアン装甲軍団の後方を伺う気配を見せている。

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