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Gulf Strikeは1981年に米国Victory Games社から発表されたシミュレーションゲームだ。テーマはイラン・イラク周辺における軍事衝突で、4つの仮想戦シナリオと1つの半仮想戦シナリオ(イラン・イラク戦争)を含む。当時はイランイラク戦争が継続中であったため、本作のシナリオもイランイラク戦争の結果と連動した形になっている。実際の歴史はご存じの通りで、イランイラク戦争終結とその後の湾岸危機から湾岸戦争、裏で進行していた冷戦構造の終結とソ連の崩壊、そして21世紀に入ってからの対テロ戦争、イラク戦争へと続いていくのだが、本作のシナリオは実際の歴史とはかなり異なった「過去における未来」を扱うことになる。

本作については、以前に猿遊会でのプレイを紹介させて頂いた。しかし対人戦の場合は時間的な制約その他で最終Turnまでプレイできないことが多い。またプレイヤーの実力差等で展開が安定しないという問題もある(それが対戦ゲームの魅力なのだが・・・)。そこで今回はVASSALを使ったソロプレイにチャレンジしてみた。
シナリオはシナリオ1「ジハード」を選択した。これはイラン・イラク戦争に勝利した革命イラン軍が、湾岸諸国へ攻め入るという内容のもので、そこへ米ソ両大国がそれぞれの立場にて戦争に介入する。イランとイラクという違いはあるとはいえ、このシナリオは正に数年後に実際に行われたイラク軍によるクウェート侵攻を予言した内容になっている。

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なお、今回のプレイを行うにあたり、以下のハウスルールを採用した。

<<ルール案>>
1.原則としてHJ版日本語ルールに従うが、以下のエラッタ及び明確化を優先する。(従って米空母のCAPは2戦略ヘクス)
http://boardgamegeek.com/thread/560841/collected-errata

2.選択ルールは空中給油を除いて全採用。空中給油は以下のハウスルールを使用
空中給油を実施できるのは、両プレイヤー共1アクションステージ当たり1ユニットを上限とする。ただし米空母からの空中給油はこの制限に適用しない。(別枠でカウントする)

3.機雷については以下のルールを採用する。
(1) USのSH-3に掃海能力を認める
(2) USSRのSSNの機雷敷設能力は1ユニット1レベルまでとする。

4.探知に関して以下のハウスルールを採用する。
(1)アクションステージ終了時にいかなる敵の探知距離外に存在し、入港もしていない潜水艦は非探知状態になる。
(2)最終ステージ終了時にいかなる敵の探知距離外に存在し、入港もしていない水上艦は非探知状態になる。
注:(1)(2)の違いに留意。潜水艦は1Turnに3回非探知になる機会を有するのに対し、水上艦は1Turnに1度しか非探知になれない。

5.迎撃に関して以下のハウスルールを採用する。
イメージ 10EWDAの誘導で迎撃する場合、迎撃側は、EWDAが侵攻側を探知した後にEWDAの探知範囲内で侵攻側が消費した移動力分と等しい移動力を、最初の移動時におけるボーナス移動力として受け取ることができる。ただし最大20作戦ヘクス(2戦略ヘクス)まで。このボーナス移動力は全て使い切る必要がないが、使わなかったボーナス移動力は失われる。この特別移動はある侵攻編隊に対する第1回目の迎撃時のみ適用される。
(例)ソ連軍Tu-26の編隊がサウジアラビア軍のAWACS探知距離内に侵入して探知された。Tu-26は被探知後にAWACSの探知距離内で15ヘクス移動した。そこでサウジアラビア軍はF-15戦闘機による迎撃を宣言した。この時F-15戦闘機はボーナスとして最大15作戦ヘクス分の移動力を受け取る。実際にはその後さらにF-15は2作戦ヘクス移動する権利を得るので、実質17作戦ヘクス分の移動力を受け取る。

このルールはGulf Strikeの迎撃システムに潜む根本的な欠点を解消するためのルールである。このルールを採用しない場合、P-3CやB-52のような長距離爆撃機を広域迎撃するのは非常に困難になる。


6.ルールの明確化:空対空迎撃と対地/対艦攻撃が同一ヘクスで実施される場合、常に空対空戦闘を対地/対艦攻撃に先だって解決する。
例:航空基地ヘクスに侵入したB-52に対し、そのヘクスで探知に成功したソ連軍は、基地からMiG-23を発進させてB-52を迎撃する。この場合、B-52による爆撃を実施する前にMiG-23フロッガーによる迎撃を解決する。


それでははじまりはじまり・・・・

1Turn(1985年6月1日)

イメージ 11戦争が始まった。宿敵イラクを打ち破った革命イラン軍は、湾岸諸国へその矛先を向けた。機械化師団6個、歩兵師団2個を主力とするイラン陸軍はクウェート領内に侵攻。クウェート市を囲んだ。海からはイラン海軍が猛烈な艦砲射撃を加えて、空からはイラン空軍の大編隊が波状攻撃でクウェート市を襲う。クウェート軍も善戦し、イラン空軍に対しては対空砲火だけで5ステップもの損害を強要した。さらに生き残ったA-4スカイホークは果敢にも防衛戦闘に参加。市街地郊外に迫るイラン軍機甲師団に対して無視できない損害を与えていた。

イラン陸軍によるクウェート総攻撃に対しても一度は耐えたクウェート陸軍であったが、イラン軍は執拗だった。駆逐艦やコルベット艦は兎に角としてミサイル艇までもがクウェート市街に接近して激しい艦砲射撃を加えてきたのである。この攻撃でクウェート国際空港付近に布陣していたクウェート空軍は壊滅してしまう。

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2Turn(6月3日)

イメージ 12このTurn、湾岸諸国がイランに対して参戦してきた。そこでイラン軍は、まずペルシャ湾の制海権を確保すべく、湾岸諸国の海軍部隊に対して攻撃を仕掛けてきた。まずは革命イラン海軍のP-3C対潜哨戒機が対艦ミサイルでオマーン海軍のミサイルボートを攻撃するも、外れ。続いてホルムズ海峡付近から発進したイラン空軍のF-4ファントムがサウジアラビア海軍の艦隊を空襲するも、激しい対空砲火によって一挙に4ステップもの損害を被ってしまう。これらの攻撃で空からの攻撃の困難さを悟ったイラン軍は、空襲ではなく艦対艦戦闘で湾岸諸国の海軍部隊に襲いかかった。イラン海軍のミサイル艇部隊は猛攻撃を仕掛け、結果的に全対艦ミサイルを消費した。その結果、遂にサウジアラビア海軍の駆逐艦、コルベット艦を仕留めた。
湾岸諸国もすぐに反撃に転じ、生き残ったサウジアラビアのミサイル艇とバーレーンのミサイル艇が北に逃れたイラン海軍ミサイル艇に対してサウジアラビア海軍のミサイル艇が反撃の火ぶたを切る。さらにオマーン、アラブ首長国連邦、カタールの高速ミサイル艇が続く。これら一連の攻撃によってイラン海軍ミサイル艇部隊の大半は撃沈されてしまう。

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陸では、革命イラン軍の先鋒が国境線を超えてサウジアラビア領内になだれ込んだ。クウェートに対する総攻撃も継続されたが、クウェート軍が市街地に立て篭もってなおも抵抗を続けている。

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3Turn(6月5日)

イメージ 13クウェートが陥落した。開戦から4日後の陥落である。しかしクウェート陥落を待たずに革命イラン軍はサウジアラビア領内に侵攻しており、海岸地帯を驀進していった。

一方インド洋からは米大型空母「キティホーク」を主力とする空母機動部隊がペルシャ湾に接近しつつあった。革命イラン軍による湾岸諸国制圧を阻止せんとする米軍は、戦場のすぐ外側にあって介入への機会を伺っていた。そんな中、F-15Cイーグル戦闘機3個中隊がオマーンに進出。ホルムズ海峡上空を睨んだ配備についた。
米軍は未だ湾岸戦争には介入していないが、それでも戦機は熟しつつある。

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4Turn(6月7日)

イメージ 14イメージ 9サウジアラビア領内を進む革命イラン軍は、港湾都市ダマイ(Damay)で初めてサウジアラビア軍の抵抗に出会った。攻撃する側は革命イラン軍第2機甲師団(6-3-8)、守るのはサウジアラビア軍は空挺旅団(2-1-4)。兵力では革命イラン軍が圧倒的に有利であったが、サウジアラビア軍の空挺部隊はエリート部隊である。練度的にはサウジアラビア側に分がある。革命イラン軍は砲兵部隊と海からの艦砲射撃による支援を受けながら攻撃を敢行した。攻撃の結果は兵力に勝る革命イラン軍の勝利。サウジアラビア軍空挺部隊は撤退し、それを革命イラン軍が追う。空からはイラン空軍のF-4ファントム3個中隊が地上支援にはせ参じる。

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しかしサウジアラビア軍の反撃は猛烈だった。AWACS機による警戒を受け取ったサウジアラビア空軍は、リヤド近郊から虎の子F-15Aイーグル2個中隊とF-5Eタイガー2 1個中隊を発進させた。
イラン空軍とサウジアラビア空軍はダマイ北方の洋上で激突。イラン機のミサイル攻撃でサウジアラビア空軍機は全てステップロスするという損害を被ったが、サウジアラビア軍のミサイルはもっと強烈で、空対空任務で護衛についていたF-4Eファントム2個中隊を完全に壊滅させた。残ったファントム1個中隊はなおも進撃し、サウジアラビア軍地上部隊に対地攻撃を敢行したが、サウジアラビア軍地対空ミサイルの反撃で、そのファントム中隊も壊滅した。
空からの支援を欠いた革命イラン軍は、それでも果敢にサウジアラビア軍空挺部隊を攻撃する。再びイラン軍が勝利し、サウジアラビア軍空挺部隊は撤退を余儀なくされる。

海上では、対艦ミサイルの再装填を終えたイラン海軍がサウジアラビア海軍を襲った。対艦ミサイルを撃ち尽くして反撃できないサウジアラビア海軍ミサイル艇はイラン海軍による一方的な攻撃を受けて壊滅した。


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