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戦史叢書-ミッドウェー海戦

防衛庁防衛研修所戦史室著 朝雲新聞社

タイトル通りミッドウェー海戦を扱った戦史叢書である。現時点で同海戦に関する日本側の記録としては最も権威ある著作の1つであるが、何分古い(初版1971年で今から半世紀近く前になる)ので、新版の発行が望まれる。
本書の記録は日本側のものが中心であるが、機動部隊の航空決戦だけではなく、主隊や攻略部隊の行動。支援部隊や基地航空部隊の行動についても詳しく記載されている。下名が興味深く読んだのは、機動部隊が航空決戦に敗れた後の避退行動で、航空兵力を持たない水上部隊だけの行動が如何に困難であるかを聯合艦隊は思い知らされることになる。この戦いでの敗北が、日本海軍をして航空優位を認めること(あるいは認めざるを得なくなること)になった契機となった。
米側の事情にも詳しく触れられており、現時点でも同海戦を研究する者にとっては必読書と言えよう。

お奨め度★★★★