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GMT社の新作Wing Leaderはユニークな空戦ゲームだ。
通常、空戦ゲームは、2次元マップを利用する。この方法だと高度の違いをマップ上では表現できないので、別の記録シート等を用いて高度を記録する。この方法の問題点は、高度の違いを視覚的に把握できないことである。しかし我々の愛するボードウォーゲームは、原則として紙媒体で全てを表現することになっているため、上記の問題点については目を瞑るしかなかった。

WLは、この問題に対して極めてユニークなアプローチで対応している。WLもマップを使用する。マップを使用しない空戦ゲーム(例えばDown in Flames等)もあるが、WLはそのようなゲームではない。ユニークなのは、そのマップが高度と距離を示すマップになっているということだ。要は縦軸に高度、横軸に距離を示すマップになっているのである。なるほど、この方法なら彼我の相対的な高度差は一目瞭然になる。

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「ちょっと待て、その方法だと旋回運動が表現できないではないか」
と思われる方もあるだろう。その通り。WLではその点を割り切っており、横方向の運動は抽象的に表現するに留めている。彼我の水平面での位置関係は距離の違いだけで表現されているのだ。要するに昔よくあった「横スクロール」ゲームと同じだ。そういえば某空母戦ゲームの戦術戦闘システムもこんな感じだったかな。

1ユニットは1個中隊(7~12機)又は1個小隊(2~6機)を表わす。マップやTurnのスケールは明記されていないが、恐らくマップ上の1スクエアは約2000ft(600m)ぐらいだろうか?。Turnスケールは12~15秒ぐらいだろう。

登場する航空機は、1940~42年の日独伊米英ソの主用機で、零戦21型、一式戦、Bf109E/F、Bf110C、Fw190A-2、Ju87B-1、G50、MC202、SM79、F4F-4、P-40B/E/F、ハリケーン1/2、スピットファイア1/5、ブレニム、Il-2、LaGG-3等である。

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シナリオは計23本と結構豊富で、太平洋における空母戦は勿論、フランス戦役、バトルオブブリテン、独ソ戦、マルタ島、ディエップ上陸戦、フライングタイガース関連等のシナリオが収録されている。我々にとって一番興味を引くのは太平洋の空母戦で、珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦のシナリオがある。

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ルールブックは英文48ページとかなりボリュームがあるが、ルールブックの半分は写真紹介と説明になっているので実質的なボリュームはその半分である。一気読みしてプレイしてみたい作品だ。