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台南海軍航空隊【ニューギニア戦線篇】: モレスビー街道に消えた勇者を追って

ルーカ ルファート/マイケル・ジョン クラーリングボールド 平田光夫訳

これまで零戦や海軍航空隊を扱った著作は何冊も出版されてきた。そのため近年では所謂「零戦神話」は次第に色褪せ、ガダルカナルやミッドウェーでも決して圧勝していた訳ではないことが次第に知られてきた。そんな中、今なお零戦伝説が残っている数少ない戦場が、1941~42年におけるフィリピン、蘭印方面と、同じく42年におけるニューギニア方面での戦いである。これらの方面では連合軍側の資料が乏しく、従って零戦の実際の戦果について検証するのが難しかった。
本書は、その中で後者、すなわちニューギニア方面における零戦の戦いを追った著作である。欧米人による著作なので、当然ながら連合軍側の事情に詳しい。また日本側の事情についても良く調べてあり、双方の視点から見たニューギニア上空の戦いを見事に描き出している。本書によって明らかになったニューギニア上空の戦い。果たして勝利を収めているのは日本側だったのか、連合軍側だったのか。果たしてエララコブラやキティホークは零戦にとって真の意味で手強い敵であったのか。あるいは七面鳥に過ぎなかったのか。それは本書を読んでのお楽しみである。
本書によってニューギニア上空の戦いが明らかになった。既にソロモン方面での戦いや空母同士の戦いについては、先行研究によって零戦神話の実情はほぼ明らかにされている。残るは開戦劈頭のフィリピン戦と蘭印戦。これらの戦いで零戦神話の実情は如何に・・・。
あとは値段がもう少し安ければ・・・

お奨め度★★★★