5月のGW明けの日曜日。YSGAの追浜例会に参加しました。
今回は「ゲーム成仏の会」ということで、比較的短時間で終わるゲームを多数プレイしました。

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CMJ#110「尖閣ショウダウン」


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イメージ 8米中戦争を扱った「レッドドラゴンライジング」のシステムを使った架空戦ゲームです。テーマは尖閣諸島から南西諸島にかけての日本と中国の激突。主役は日中両国で、我が自衛隊は陸海空の精鋭部隊が登場します。他に米軍や台湾軍も登場します。
基本的なシステムは「レッドドラゴンライジング」と同じ。ただし扱っている戦域が狭く、また1ユニットの単位も小さいので、細部は異なっています。ルールの量もレッドラに比べるとやや多く感じます。
一番の違いは空母艦載機の扱い。レッドラでは空母ユニットは艦載機も込みでレーティングされていましたが、「尖閣」では別ユニットとなっています。従って空母から艦載機が発進し、攻撃し、帰還するという一連のシーケンスをゲーム上で再現できます。

このゲームについては、他の作品に比べてルール量が多く、事前にルールを読む時間がありませんでした。従って「今回は無理かな」と半ば諦めていたのですが、幸いな事に対戦相手氏がルールをかなり把握されていたので、インストを受けながら何とかプレイに漕ぎつけました。

イメージ 91回目は中国軍を担当。党の方針は「限定戦争/尖閣」。6段階の戦争方針のうち、一番小規模なものです。尖閣諸島を軍事占領して既成事実化し、尖閣諸島の実効支配を実現しようとするもの。従って中国軍の方針は速戦速決です。
開戦初日。尖閣諸島を包囲している中国艦隊は、付近をパトロール中の海上自衛隊護衛艦「たかなみ」「いかづち」をいずれも対艦ミサイル攻撃で撃沈。さらに空挺部隊と特殊部隊が尖閣小島と魚釣島をそれぞれ軍事占領します。不意を突かれた自衛隊は沖縄近海に集結。尖閣周辺を警戒する中国艦隊に挑む体制を整えますが、中国はいち早く尖閣諸島占領を既成事実化。結局最終Turnを待たずしてゲーム終了となり、中国が今次紛争に実質勝利した。

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イメージ 10まあこんなものでしょ、ということで、仕切り直しの第2戦。今回も下名は中国軍を担当します。
今回、党の基本方針は「覇権主義/先島諸島・尖閣」。6段階の方針のうち、2番目に強硬な姿勢です。尖閣諸島と先島諸島に対する侵攻を目標としていますが、沖縄本島へは侵攻できません。
序盤は定番の尖閣進攻を実施。今回は海自の艦隊は尖閣周辺海域から撤退していたので、尖閣小島と魚釣島を無血占領。さらに宮古島への侵攻を画策しますが、宮古島周辺には海自の艦隊が集結していたので、目標を変更。八重山諸島に侵攻作戦を実施しました。空挺部隊が石垣島に降下。自衛隊を撃破じて石垣島を制圧します。
そして中国の大艦隊が八重山諸島一帯に進出。日本側の反撃に備えます。

対する海上自衛隊は艦隊決戦を企図。宮古島周辺の艦隊を八重山諸島近海に進出し中国艦隊と激しく戦います。対艦ミサイルの激しい撃ち合いの結果、兵力に勝る中国艦隊の勝利に終わり、日本艦隊は壊滅。この段階で「ま、こんなもんでしょ」ということでお開きとしました。

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イメージ 11プレイ時間は2回の対戦で計2~3時間ぐらい。セットアップを含めても1ゲーム1~2時間程度でプレイできそうです。細かいルールが多いのでルールを読みだけで結構大変。ただ基本システムはシンプルなので、慣れた人が混じっていればスムーズにプレイできそうです。両軍共取り得る選択肢が結構多く、時事ネタにも関わらずゲームとしてはちゃんと成立しているようです。ただレッドラシステムの常として所謂「大艦隊主義」が有効なので、両軍共大艦隊主義に走ると大味なゲーム展開になりがちなことかな。

いずれにしも今回はルール確認の対戦といった感が強かったので、機会を見つけて再戦してみたいです。

旧GJ#63「太平記」


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かつてSSシリーズで出版されていた作品のリメイクです。SS版では公家方が有利だったので、支配ルールを改定し公家方の支配をより困難になるようになっています。

イメージ 12「太平記システム」というネーミングで一世を風靡したシステムを採用しています。「太平記システム」とはいくつかのバリエーションはありますが、基本的にはイニシアチブシステムと地縁を重視した支配システムからなります。イニシアチブシステムは、毎ターン両軍ともダイス(D6)を振り、大きい目を出した方がイニシアチブを握ります。イニシアチブ、非イニシアチブ、イニシアチブ、非イニシアチブ・・・の順番で両軍が交互に移動を行い、最後にイニシアチブ側が移動をして移動終了です。つまりイニシアチブ側はTurnの最初と最後に確実に移動できることになります。

イメージ 13地縁を重視した支配システムとは、各ユニットには「勢力地域」と呼ばれるレーティングがあり、マップ上の特定エリア(言い忘れましたが、太平記システムはエリアマップを採用しています)又は「全国」と記載されています。各Turnの支配フェイズに両軍とも土地の支配を判定しますが、その時「勢力地域」と一致するエリアに存在する武将は自動的に支配が成功し、それ以外の場合は1D6で武将の身分値(1~3のいずれか)以下の目を出せば支配が成立します。その時、勢力地域が全国の武将は出目から1を引くことができます。

他に身分と支配を重視した徴兵システムとか、戦闘前に毎回実施される調略システムとか(結構な確率で調略が成功する)、マップにいないユニットが潜伏できる「在国マス」の存在等が太平記システムの特徴です。調略システムが結構強力かつ理不尽なのが太平記システムのもう1つの特徴かな。

イメージ 14今回は私は武家方を担当しました。序盤(建武2年)は京を支配し、関東から東海、畿内、四国に至る一帯を支配し、盤石の態勢を固めます。しかし2年目の建武3年以降は占領地域を徐々に広げてきた公家方に圧倒され、兵力を著しく失う始末。最終的には足利尊氏、足利直義のみとなり、九州へ落ち延びていきました。

途中でルールミスに気付いたので、今回は練習ということで、次の機会に仕切り直しを図ります。

CMJ「Victory at Sea」


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旧AHのWar at Seaをヒストリカル性を重視してリメイクした作品です。War at Sea自体殆どプレイしたことがない私ですが、本作については「海戦ゲームの傑作」という評判だったので、購入しました。全然話は違いますが、AH版の"War at Sea"はボックスアートが秀逸だったと思います。

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イメージ 16システムはエリア方式の海戦ゲーム。移動手順がイタリア、連合軍、ドイツの順番になっているので、イタリア軍は受動的な行動しかとれず、ドイツ軍は連合軍の手薄な場所を選んで攻撃できます。勝敗は海域の支配によって決まり、海域を支配する毎に毎Turn一定量のPOC(制海ポイント)が手に入ります。入手できるPOCの平均値は、枢軸側の方が連合軍よりも遥かに多く、通常1:2程度の海域支配でも枢軸軍有利です。従って連合軍は(不利とわかっていても)守るべき全海域に戦闘艦艇を均等配置し、ドイツ軍は連合軍の配置の弱点を叩く戦術が求められます。

イメージ 15今回、下名は枢軸軍を担当します。
序盤に地中海で大海戦が起こり、イタリア艦隊の半数が海の藻屑となってしまいました。英軍にも相応の損害を与えたとはいえ、地中海の脅威が激減したことは英軍にとって大きな助けとなってしまいました。
そこでドイツ軍は相手の弱点を徹底的に突く作戦に出ます。狙い目は北海と南北大西洋。第3Turnには独ソ戦の影響で出撃してきたソ連海軍旧式戦艦2隻をバルト海で捕捉して撃破(バルト海海戦)。さらに第5Turnには相手の護衛の隙を突いて北大西洋に連合軍輸送船団を捕捉。水上部隊による砲撃によってこれを海の藻屑としました。
イメージ 18その後、Uボートの大群が大西洋船団を攻撃するも、強化された対潜哨戒網(Uボートテクノロジーが連合軍+2という連合軍にとって最良の結果となっていた)によって攻撃に向かった7隻がいずれも帰還せず。一時的にUボート群が壊滅してしまいます。

イメージ 17第7Turnに連合軍がフランスに上陸。ドイツ艦隊はフランスから独本土に撤退を余儀なくされます。第8Turnにはイタリアが降伏して地中海を連合軍が完全支配する所となりましたが、同じTurnにドイツ艦隊が英仏海峡を強行突破して南大西洋に全力出撃。復活したUボート部隊の支援もあり、同地の制海権を奪取します。

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第8Turn終了の段階でPOCがドイツ7。次Turnに奪回できる可能性がなかったので、このTurnで終了としました。独艦隊の損害はポケット戦艦1隻とヒッパー級重巡3隻。英艦隊と本格的な交戦がなく、ビスマルク級とシャルンホルスト級が全艦健在だったのが勝因だと思います。プレイ時間は約2時間。

Victory at Seaは大西洋の海戦をやや抽象的な形で扱ったゲームですが、非対称な戦いを扱った佳作です。ドイツ海軍の能力が史実よりもかなり高く評価されている感はありますが、ゲームとしてはそれはそれでアリだと思います。これも再戦したいゲームです。

とまあこんな感じでした。1日で纏めて4本のゲームをプレイしたのは、稀有な経験でした。