イメージ 1

ガダルカナル戦記

亀井宏 光人社

全三巻、文庫本で約2000ページにも及ぶ大作である。ガダルカナルに関する戦記の決定版とも言える著作である。内容はガダルカナル戦に参加した将兵の肉声を集めたものと言うべきもので、筆者がガダルカナル戦の生存者と面会し、インタビュー等によって得た記録を元にガダルカナル戦を再構成したものである。無論、生存者の記憶といっても、本書が執筆された当時でも終戦後30年以上が経過しており、正確を期するのは難しい。そこで筆者は日付や兵力といった数値面での検証は主に公刊戦記等の記録を引用し、その裏側にある細かい数値や公刊戦史に現れてこないディテール等を生存者の肉声で補う形をとっている。このような膨大な作業量と史料に基づいて再現されたガ島戦の描写は圧倒的であり、現時点でも他書の追随を許さない。特に補給が切れて島に置き去りにされた兵士たちの辿った末路や九死に一生を得た生還者の肉声は、本書の白眉と言って良い。
私が本書を初めて読んだのは、今から20年以上前のことであった。一度読んだ本を再び読み返す場合、どのような感想を得たのがが個人的に興味深い所であるが、本書については全く新鮮な読み応えがあった。前回読んだ時に得られなかったような衝撃が全身を貫いた感じがする。そういえば前回は海空戦部分だけを丹念に読み、陸戦部分は適当に読み飛ばしていたような気がするが、今回読み返してみて、陸戦部分こそが本書の最大の魅力ではないかと思う。
ガダルカナル戦に興味を持つ方なら必読書と言って良いと思う。

お奨め度★★★★★