「ラコックの陰謀」はTDFという同人グループが出版しているシミュレーションゲームです。テーマはアニメ「太陽の牙ダグラム」における連邦軍と解放軍の戦いで、所謂「デロイア独立戦争」を戦略レベルで描きます。
ゲームスケールは不明ですが、1ユニットは数百~数千名の歩兵、1機(ダグラム)~50機ぐらいのコンバットアーマーといった所でしょうか。1ヘクスは数千キロ、1Turnは2~4週間ぐらうと思われます。
システムとしては移動・戦闘の繰り返し。そして政治的なイベントを解決するためのカードプレイがあります。またゲリラ戦という特殊な戦いを再現するため、解放軍側は潜伏や煽動、連邦軍側は治安維持活動に関するルールがあります。

今回、この「ラコックの陰謀」をソロでプレイしてみます。

前回まで
1~9Turn
10~24Turn

25-27Turn

イメージ 6ダグラムを始めとする解放軍がガーランドに進撃。連邦軍を撃破してガーランドを奪回した。この戦いでは、連邦軍のエースパイロット「ハンクとアーロン」がダグラムとの交戦で戦死している。またエストール方面から進撃してきた連邦軍別動隊に対しても、ヘイスティ部隊が迎撃してこれを撃破した。

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イメージ 7頃合いよしと見た解放軍は、ダグラムを主力とする侵攻部隊を編成し、首都カーディナルに上陸作戦を敢行した。カーディナルを守る連邦軍は、精鋭24部隊のソルティック・コーチマ・スペシャル、ヘイスティ、そして今や旧式化したブッシュマン2部隊である。解放軍はダグラムとヘイスティ5部隊。質と量に勝る解放軍は連邦軍を撃破。24部隊は何ら戦果を挙げることなく壊滅してしまう。首都カーディナルは解放軍の手に落ちた。

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イメージ 8このまま連邦軍Turn終了まで持ちこたえれば解放軍の勝利が確定していた所だが、連邦軍はなおも執拗に抵抗した。エストール守備隊として温存していた極地守備用のブックフットとブリザードガンナーからなる部隊を、なんと解放人民政府の首都であるドガ市に上陸させたのである。解放軍主力は首都を離れて活動中であったため、ドガはあっさりと陥落。解放軍は勝利目前でお預けとなった。

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28Turn

イメージ 9しかし連邦軍の抵抗もそれまでだった。ドガ市を奪回した連邦軍は、精鋭とはいえコンバットアーマーのみである。歩兵を伴っていないため占領能力は低い。それに対して解放軍は圧倒的多数の歩兵をドガ市奪回に送り込んだ。それをアイアンフッド3ユニット、ソルティック1ユニット、そして旧式のクラブガンナー1ユニットが援護する。対する連邦軍はブリザードガンナー1ユニットとビックフット4ユニット。コンバットアーマー戦は性能に勝る連邦軍の勝利となったが、圧倒的な数を誇る解放軍歩兵部隊を排除することはできなかった。ドガ市はその歩兵部隊によって再び解放軍の手に落ちた。

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イメージ 6そして首都カーディナル。連邦軍はサンドレアに残った僅かな兵力を動員してカーディナル奪回作戦を発動する。主力のコンバットアーマー隊は、強力なアイアンフッドは1ユニットのみ。それに随伴するのはブロックヘッド3ユニットである。それをダグラムとアイアンフッド4ユニットからなる解放軍が迎え撃つ。
デューイ攻撃ヘリ等の支援もあり、戦闘を有利に進めたのは連邦軍であった。しかしここでも解放軍の「数の力」を押さえることはできなかった。連邦軍によるカーディナル奪回作戦は失敗に終わり、カーディナル市街には両軍のコンバットアーマーの残骸や兵士の死体が残されることとなった。

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こうしてこのTurn終了時、VP10点を確保した解放軍側の勝利でゲームは終了した。

感想

最終的には解放軍の勝利に終わったが、途中で2度ダグラムが撃破されているのでやり直しをしている。従って「ズル」しないでまともにプレイすれば、連邦軍の勝利ということになる。
ゲームとしては面白い。ダグラムにハマった人ならハマること間違いなしである。ただ、原作自体政治的な動きがやや解り難い面があったので、その辺りについていけないと本作を楽しめないかもしれない。逆に本作をプレイして原作の政治的な背景を理解する、という楽しみ方もある。

このゲーム、カードの使い方がポイントになるのだが、このカードのデッキメーキングを考えるだけでも結構楽しい。近い将来、カードから見た本作の戦略について、少し書いてみたいと思っている。

余談1

「ラコックの陰謀」にはある重要なキャラが扱われていない。それはラルターフとデイジーだ。
デイジーは主人公クリンとの関わりがメインなのでゲームに登場しないのは仕方がないが、折角のキャラゲーなのでちょっと「色」がないのは寂しい。例えば「野戦病院」とか「人質作戦」とかでカードができたら面白いかな、と思うのだが・・・(たぶん、全体のバランス調整が崩れるので、無理だとは思いますが・・・)。

ラルターフについては、今から思えば「一体何だったのだろうか?」という思いがしてくる。カード化するにしても適当なイベントが思いつかない。結局ラルターフはデイジーの「保護者」としての役割が原作での立ち位置だったのかもしれない。

女性キャラといえば、中盤に登場するココナ、じゃなかったリタというのがいたけど、これもカード化するのは難しいかな?。例えばリタが射殺された事件をイベント化し、それによってデスタンチットを1枚追加できる、というのはどうだろうか?。

余談2

カードの話が出たので、序に本作のカード上で各登場人物の登場回数をカウントしてみた。カードの絵柄に少しでも登場すれば1回とカウントする(例えば「13.ターボザック開発」には、ロッキーとクリンが小さく写っている)。その結果が以下の通りだ。上位5人である。左の数値が登場回数、右の数値が所謂「センターポジション」での登場回数だ。

ラコック 10(4)
ザルツェフ 9(6)
ドナン 7(4)
ロッキー 7(2)
デスタン 6(4)
サマリン 6(2)

イメージ 10予想通りというか、タイトルになっているラコックが見事1位に輝いた。ただしセンターポジションが意外と少ない。2位ザルツェフが登場回数9回ながらもセンターポジション6回とラコックを凌駕している。そうか、このゲームは「ザルツェフの変転」というタイトルが正しいのかもしれない。

意外と頑張っているのが4位のロッキー。センターポジションは2枚と少ないが、ゲリラ会議とかサマリン関係のカードでコッソリ登場しての4位入賞である。そのサマリンが6位でセンターポジションが2回というのは寂しい限り。ただサマリンの場合、「誰かとのツーショット」が結構多いので、やはり「組織作りのサマリン」面目躍如という所か・・・。

イメージ 11ある程度予想されていた(というか、それを書きたいためにワザワザ数えたのだが・・・)通り、主人公クリン君は登場4回でセンターポジション1回。オヤジのドナンには遠く及ばず(人間としての格の違いを見せつけられた?)、同じ太陽の牙メンバーの中でも、ビリーの5回に負けている。他にカルメル、レークといった2級キャラも登場5回でクリンを上回っている。歴史の中での位置づけ、太陽の牙の中での位置づけ、そしてカシム家での位置づけ、どれをとってもクリンの位置づけは「2番手以下」というしかなさそうだ・・・。

余談3

イメージ 12今回のプレイに先立って「ダグラム」を全話見返してみたが、ドナン・カシムの慧眼には驚いた。
作品上は「頑固な親父」的な位置づけであったが、彼の時代を読む能力は大したものである。物語の中でも暗示されていたが、ドナンはデロイアの潜在的能力に気づき、所謂「国力」では既にデロイアは地球連邦を凌いでいることを知っていた。地球連邦の優位性は軍事面だけであり、その軍事的優位を背景として地球人はデロイア人に対する差別的政策を続けてるが、ドナンは近い将来それが破綻することを見抜いていた。ドナンは、やがて地球が田舎となりデロイアが地球連邦の主導権を握ることになることが時代の流れであると気づいていたのではないか。しかしあくまでも「地球人」であるドナンは、その流れを何とか押しとどめようとして、苦闘していたのではないか。彼自身は自分の政策が時代の流れにそぐわない矛盾したものであることを知っていた。だから息子であるクリンがゲリラに身を投じた時、半ばそれを認めるような態度を取ったのでないか。

作品を見ている当時はあまり気づかなかったが、今から見るとつくづくドナン・カシムは偉い人だと思う。
それに比べるとやはりラコックは小物だなぁ・・・。