鋭意作成中の空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本ゲーム)だが、初めて本格的なシナリオにチャレンジしてみた。
テーマは珊瑚海海戦。言わずと知れた史上初の空母対空母の戦いである。

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第1回
第2回
第3回

追撃戦

イメージ 5イメージ 6その頃、ラバウルを発進した1式陸攻18機の編隊が、珊瑚海を西に進む連合軍水上部隊を発見していた。重巡4、駆逐艦4からなるクレース少将の水上部隊である。彼らの任務はポートモレスピーに対する日本軍の上陸を海から阻止することにあった。
眼下に連合軍艦隊を見た陸攻隊は左右に散開して先頭の重巡を狙う。9門の8インチ砲を3基の3連装砲塔に搭載した条約型重巡洋艦「ニューオーリンズ」だ。対空砲火によって陸攻4機が失われたが、残りの各機が雷撃に成功。魚雷2本が「ニューオーリンズ」に命中し、同艦は大破した。
冒頭にも述べたが、日本側陸攻隊の威力を甘く見た米軍側の失策であった。

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イメージ 7新たなTurnに入って再び両軍の索敵が行われる。無論、ここで索敵をすっ飛ばして攻撃を仕掛けても良い。日本軍はそれを選択した。何故なら中破した「ヨークタウン」の移動範囲は限定されており、前回の攻撃地点の隣接したヘクスに存在していることは100%確実だからだ。
先手を取った日本軍は、艦爆2ユニット、艦戦1ユニットで米機動部隊を攻撃する。グラマン3ユニット(24機)がこれを迎撃したものの、零戦隊の奮戦と艦爆隊の防御砲火によって戦闘機数機が撃墜され、艦爆隊は1機も失うことなく攻撃を敢行する。対空砲火によって艦爆の半数が撃墜されるが、爆弾1発が「ヨークタウン」に命中した。「ヨークタウン」は大破し、航空機運用能力を失ったが、未だに沈没の気配はない。

中破した「ヨークタウン」の移動力は2。ただし攻撃隊を少しでも発進させた艦隊は移動力が1減少する。ここで移動力減少の対象が個艦ではなく艦隊規模である点に注意されたい。

同じ頃、日本軍の輸送船団が散発的な米陸軍機による攻撃を受けていた。延べ攻撃機数は結構多かった(54機)が、米陸軍機の対艦攻撃技術が稚拙な事もあり、沈没艦船は皆無。輸送船3隻が損傷したに留まった。尤も、攻撃を実施した米陸軍機にも損害はなかったが・・・。

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イメージ 8夕方になって「瑞鶴」「祥鳳」を発進した日本側の戦爆連合約50機が再び手負いの「ヨークタウン」を襲った。この攻撃ではさすがの「ヨークタウン」も耐えられずに沈没する。日本側に損害はない。
同じ頃、「レキシントン」を発進したSBD艦爆1ユニット(9機)が「瑞鶴」を奇襲攻撃した。危うい所で爆弾を回避した「瑞鶴」なのであった。

こうして長い1日が終わった。米軍の損害は空母「ヨークタウン」沈没、重巡「ニューオーリンズ」大破、空母「レキシントン」小破。日本軍は空母「翔鶴」沈没、重巡「加古」大破、輸送船3隻中破である。バランスシート的にはやや日本軍が有利と言えるが、まだまだわからない。決戦は翌5月8日まで持ち越される。

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5月8日

米軍は損傷した「レキシントン」を中心として機動部隊を再編制。珊瑚海南方で再集結する。ただし正面切っての対決は不利なので、敵との間合いを測りつつ、奇襲攻撃による一撃を狙う。主な攻撃目標は輸送船団で、ポートモレスピーの基地航空部隊が主担当となる。

日本軍は空母機動部隊によって「レキシントン」の発見、撃沈に努める一方、ラバウル攻撃隊はポートモレスピーに対する空爆作戦を開始する。これは輸送船の損害を局限するための作戦だ。

イメージ 10決戦2日目の夜が明けた。先手を取った連合軍の索敵機が次々と敵発見を報じる。しかし索敵情報は曖昧模糊としており、どこまで信じていいものやら。

「2123,敵艦隊」
「1321,2隻」
「1520,敵艦隊」
「1521,敵艦隊」
「2018,敵艦隊」

一方の日本側の索敵報告はもう少し具体的であった。
「2032,空母を含む8隻」
「2032,敵艦隊」
「2030,敵艦隊」
「2431,中型艦2隻、水上艦4隻」

仮に2032の報告が本物だとした場合(本物であった)、「瑞鶴」との距離は11ヘクス(330海里)であった。やや間が遠いので、このTurnは攻撃を行わず、次のTurnに攻撃を行うことになる。またもう少し詳しい報告が欲しい所だ。これは米軍も同じであり、第1回目の索敵情報が怪しいので、続報を待つ。

日本側の第2回索敵である。
「2032,空母1、中型艦3、小型艦4」
「2032,中型艦4、小型艦3」
「2030,中型艦1、小型艦1」
「2431,中型水上艦2隻、小型水上艦4隻」

2度目の索敵によって米艦隊が珊瑚海に広く散開している様子をかなり詳しく知ることとなった。
一方米軍による2回目の索敵である。
「2121,空母を含む6隻」
「1421,2隻」
「1520,10隻以上」
「1521,中型艦4,小型艦3」
「2018,中型艦1,小型艦1」

空母を発見したのは良かったが、発見位置が2ヘクスずれているのが問題である。無論米軍プレイヤーがそれに気づくことはない。いずれにしても位置こそずれていたが、彼我の距離が正確であったことが米軍にとって幸いであった。距離11ヘクス(330海里)は日本機にとってギリギリ攻撃圏外である。距離を離隔するには都合が良い。

イメージ 9ポートモレスピーを発進したB26 2個中隊が日本側上陸船団を襲った。既にポートモレスピーと船団との距離は8ヘクス(240海里)まで近づいていた。B26等の中型爆撃機でも反復攻撃可能な位置である。日本船団にとっては正念場だ。
護衛戦闘機を伴ったB26の編隊が次から次へと船団を襲う。2隻の輸送船が撃沈された。先日に損傷した輸送船3隻も進攻を諦めて帰路についている。元来12隻であった輸送船団だが、今や7隻まで減少してしまった。

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空母「レキシントン」危機一髪

ポートモレスピーに日本軍の攻撃隊が来襲した。零戦2ユニット、陸攻2ユニットの計4ユニット36機である。高高度性能に劣るP-39だが、果敢に迎撃戦闘を展開した。この攻撃で零戦4機が未帰還となったが、P-39の未帰還機は2機のみ。性能面での劣勢を自軍基地上空での戦うという地の利で補った形となった。
なお陸攻の爆撃により数機の戦闘機と双発爆撃機が炎上している。

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日本艦隊が米艦隊を追跡する。距離10ヘクス(300海里)。99艦爆と零戦のコンビであればギリギリ攻撃圏内だ。なお、索敵任務に就いていた95式水偵1機がグラマン戦闘機の迎撃によって撃墜された。
一方、オーストラリア空軍のハドソン哨戒機も珊瑚海を南下中の日本機動部隊を発見したが、その直後零戦の迎撃によって撃墜されてしまう。撃墜される直前に「敵空母ミユ」の一報を打てたことが唯一の慰めとなった。

イメージ 11日本軍の攻撃隊が米機動部隊上空に殺到する。零戦1個中隊に護衛された99艦爆3個中隊27機だ。CAPによる迎撃を上手く回避した日本の攻撃隊は、「レキシントン」に殺到する。しかし対空砲火が凄まじく「レキシントン」に投弾できたのは1個中隊のみだった。爆弾は寸前の所で「レキシントン」に命中せず、「レキシントン」は危ない所を乗り切った。しかし随伴していた重巡「シカゴ」は250kg爆弾数発の直撃を受けて大破。速度8ktまで低下してしまう。

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