自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、6本目の作戦シナリオである南太平洋海戦に挑戦する。実際にプレイを開始する前に、こちらで提唱した「ブレスト的バグ検出法」(勝手に名前をつけてみた)に従って机上でバグを探してみた。すると、意外や意外、バグがどんどん見つかるではないか・・・。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
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入手方法は-->
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南太平洋海戦シナリオの概要は-->こちらを参照されたい

前回まで-->こちら

ブレスト的に考えよう(承前)

ブレスト的に考えよう
「味方の空母を危険に晒さず、敵空母を叩く良い方法はないか」
例えば「基地航空隊に戦わせて味方の空母は安全圏に下げてしまう」といった戦術が考えられる。これは特に戦場近くに航空基地を有する連合軍側にとって有益な戦術となり得る。
足の短い機体、単発機はこの際評価対象から外しても良い。日本空母はその行動半径に入らないだけで容易にその脅威を排除できる。問題は足の長い双発機以上だ。このシナリオに登場する双発以上の機体について、ユニット数と海上目標攻撃距離をまとめてみた。

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イメージ 2このうちHudsonの18ヘクスまでは日本空母としても移動だけで回避可能なので、必勝法にはならない。ただしB17の22ヘクスになると、攻撃範囲がほぼマップの東端まで届いてしまうので、移動だけでは逃げようがない。B17の高高度爆撃は必勝法足り得るのか・・・。
もし米軍の基地航空部隊がヘンダーソンとエスピリッツサントを基地とし、米空母が日本空母の攻撃圏外に下がった場合、日本軍としてはかなり厄介な状況になる。
まずエスピリッツサントを発進する4発爆撃機は、エリアKとエリアNを完全にカバーしている。従ってエリアKからエリアN(勝利条件エリア)を目指す日本空母の動きは完全に遮断された形になる。日本軍としてはエリアJ又はエリアMからエリアNを伺う形になるが、エリアJはまさしくヘンダーソン基地が位置しているので、米海兵隊機の反撃を覚悟しなければならない。エリアMまで回り込む手もあるが、今度は珊瑚海の向こう側から第5航空軍のB17がやってくる。これも拙い。

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ではこの戦法は連合軍にとって必勝法かといえば、そうではないと思う。もし米空母が近くにいないと判ったら、日本空母はヘンダーソンなりエスピリッツサントなりを徹底的に爆撃することができるようになるからだ。同時運用できる航空機の数、対空防御、機動性、どれを取っても基地航空隊は空母部隊の敵ではない。空母部隊に本気で向かって来られたら、基地航空戦力だけでは耐えられないのだ。
結局の所、ミッドウェー海戦がそうであったように、敵基地航空隊の存在は空母機動部隊にとって「厄介」ではあるが、「決定的」な存在ではなかったのである。

さらにブレスト的に考えよう。
先ほどは連合軍基地航空部隊の存在が必勝法になるのではないか、という観点から考察してみた。
今度は逆に日本側の基地航空隊の存在が必勝法になるではないかと考えてみた。検証する命題は、以下の通り。
「味方空母を危険に晒すことなく敵空母を攻撃できるか」

まず対空母攻撃という観点から見た場合、基地航空隊の存在は必勝法にならない。これは以前の検証で既に見てきた通り。米空母は日本陸攻機の攻撃圏を容易に回避できる。
今回のシナリオでは、ブーゲンビル島南部のブイン基地が使用可能となるが、ここは足の短い単発機しか運用できないので、日本機の行動半径を延伸するには役に立たないし、裏技「爆装零戦」については前回の検証でバグを潰した。
イメージ 4日本軍の中で裏技的な存在として考えられるのは、ショートランドから発進する水上機、飛行艇の存在である。そのうち対空母攻撃に使えそうなのは、飛行艇2ユニットだけだ(他の機材は足が短いので、精々ガダルカナル近海までしか往復できない)。
しかしこれも余り気にする必要はない。というのも飛行艇を除くと、3エリア先の広範囲を索敵できる基地機はない。従って飛行艇を攻撃に投入すると、今度は索敵が不可能になってしまう。無論、索敵に艦載機を投入する手もあるが、それだと「味方空母を危険に晒すことなく」という前提条件に反してしまう。いくつか対応策が考えられるが、米軍にとっては一番厄介(ただし上手く行けば、であるが)と思われる戦法について検証してみたい。
それは「索敵を諦めて山カンで空母攻撃を狙う」という戦法だ。成功確率は極めて低いが、上手く行けば飛行艇2ユニットで攻撃できるので、戦果は大きい。例によってCAPや対空砲火を無傷で突破したと仮定すると、米空母に対して5-2の攻撃を2回実施できる。これはかなり強烈で、敵空母に何らかの被害が与えられる確率は64%。一撃で撃沈できる可能性が約8%もある。平均すると2打撃ぐらいは行けそうだ。こう考えると結構「美味しい戦術」に見えるが、実際の所はどうなのだろうか。
まず敵空母を発見できる可能性が限りなく低い。最良のケース(潜水艦乃至水上艦が敵空母を見つけてくれた場合)で20%程度、ホントの山カンならたぶん1%以下だろう。
首尾よく敵空母を発見したとしても、CAPと対空砲火を潜り抜けて攻撃を敢行できる可能性はかなり厳しい。CAPに見つからずに進入できる可能性は20%。CAPに捕まったら、無傷で済む可能性は20~30%(あるいはそれ以下)でかなり厳しい。対空砲火に関しては、米機動部隊の対空火力を40火力と仮定すると、2ユニットの飛行艇がそれを無傷で突破できる可能性はゼロ。傷つきながらも空母に投弾できる可能性はそれぞれ40%である。これを加味すると、先に掲げた「撃沈確率8%」というのはかなり怪しくなる。
こう考えると、飛行艇で空母を狙うという戦法はあまり有効性はなく、それよりも貴重な長距離哨戒能力が一瞬で失われてしまうリスクの方が大きいように思う。という訳でこの戦法は「バグではない」ことになる。

イメージ 5さらにブレスト的に考えよう。
例えば水上艦で空母を追いまわすという戦法はどうだろうか。味方空母がリスクに晒されずに敵空母を攻撃できるという点では有効かもしれない。特に水上兵力に優越する日本軍にとっては魅力的なプランにも思える。しかし水上艦が敵を発見できる可能性はかなり低い上、見つけるまでに一方的に敵空母機によって攻撃されてしまう危険がある。また首尾よく水上戦に持ち込めたとしても、昼間の戦いなら敵戦艦と戦いつつ空母を狙うという不利がある。日本の方が水上戦力で優越しているとはいえ、索敵の為に艦隊を分散させたりした時にはその優越も怪しくなる。なんせ米戦艦2隻はいずれも艦齢2年以下の新鋭艦なのだ。
ただし空母決戦と平行して高速戦艦による水上打撃戦を挑むのは悪い手ではない。米軍としては日本空母と日本戦艦の両方に対応しなければならなくなり、どちらか(あるいは両方)に対して十分な手当てができなくなる。これが必勝法がどうかは難しいが、日本軍の勝利を確実にする戦術ではないので、必勝法扱いしないで良いと思う。これは今までに述べた基地航空隊等についても同じで、それ単独で戦って敵空母相手に確実な勝利が約束されているのであれば「必勝法」と考えざるを得ないが、他兵科との複合運用を前提にした「より勝率が高い戦術」であれば、必勝法とは言えないと思う。


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