自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、6本目の作戦シナリオである南太平洋海戦に挑戦する。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
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入手方法は-->
こちらを参照して下さい。
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南太平洋海戦シナリオの概要は-->こちらを参照されたい

両軍の計画

今まではブレスト的に考えてみたが、今度はもう少し常識的な線で作戦を考えてみたい。
本シナリオの勝利条件は自軍よりも多くの敵を撃破することにある。また日本軍の立場から言えば、付加的な条件としてエリアNに味方空母が存在していると追加VPが得られる。逆に連合軍はハンデとして最初に10VPが得られている。従って両軍の方針は以下のようになる。

その後のシナリオ調整によってVP獲得条件が少し変更になり、日本軍としては必ずしもエリアNに入る必要はなくなった。

日本軍の計画

日本軍の作戦としては主に2通りが考えられる。
第1のプランは最初からエリアN接近によるVPを狙いに行くプランである。この場合、日本機動部隊はガダルカナルの北東海域から東方海域に進出し、ガダルカナルへの連合軍補給路を扼する。この場合、日本機動部隊はガダルカナル東方から北東海域で行動が予想される米機動部隊と正面からの決戦になる。空母戦力こそ4対2で日本軍有利だが、空母のうち2隻は「隼鷹」「瑞鳳」で改造空母。従って実質的な戦力比は3:2以下になる。さらに米軍はガダルカナル、エスピリッツサント方面から発進する基地航空戦力の援護も期待できる。従ってこのプランは王道と言えば王道だが、リスクも高い。
もう1つは初日には決戦を避けてガダルカナル島の米基地航空隊をアウトレンジ戦法で徹底的に叩き、同島の米航空兵力を制圧した後、2日目以降に米機動部隊と決戦するというプランだ。この場合、日本機動部隊は恐らくガダルカナルの北西から接近することになり、距離9~11ヘクス(270~330海里)の距離から攻撃隊を放つことになろう。このプランでは、序盤における米機動部隊との直接対決の可能性はやや低くなる。なぜなら米軍はこれを迎え撃つためには、その空母部隊がガダルカナルよりもさらに北西に進む必要があり、ラバウルやブインから発進する日本側基地航空隊の脅威に晒されることなるのでリスクが高い。従って通常は米空母の脅威を恐れることなくガダルカナル基地だけを各個撃破できるチャンスが生まれてくる。
このプランの欠点は、もし米軍がこれを読み切って対策を打ってきたらかなり厳しい状況に晒されるということ。この場合、ガダルカナルを攻撃中の日本空母の横合いから米機動部隊が奇襲攻撃をかけるというまるで「ミッドウェー海戦の再現」のような状況になる危険性がある。またこのプランは、初日にエリアN接近によるVPが得られないので、VPの奪い合いという観点からはやや不利になる。

イメージ 1


ちなみに日本機動部隊の攻撃によりガダルカナル飛行場にどの程度の打撃を与える事が可能か、検証してみた。対空砲火や戦闘機による妨害を無視した場合、日本空母に搭載されている計14ユニットの艦爆、艦攻は一度の攻撃で期待値5.6打撃となる。1日2回程度攻撃を実施できると仮定すると、期待値は11.2打撃。しかし実際には戦闘機、対空砲火による妨害によって10打撃以下までダウンするだろう。そこにラバウル、ブイン等から発進する基地航空戦力による攻撃が加わるので、1日で12~13打撃程度は与えられよう。連合軍側の修理努力などを考慮すると、攻撃初日の終了時点で8打撃程度が残っていることが予想される。すると、翌日の持続攻撃による修理妨害を行うことで、決戦2日目終了時頃まではガダルカナルの飛行場をほぼ無力化できよう。
一方日本側の損害については、対空砲火による損害期待値は、出撃機の7~10%程度となる。敵戦闘機による妨害も加味すると、損害率を10%強と仮定しよう(かなり甘いが)。1日2回の攻撃によって損害率は20%となるので、平均3ユニットの艦爆、艦攻が犠牲になる計算だ。ほぼ「隼鷹」級空母1隻分の攻撃力がそっくり消えてる訳で、結構痛い。

上記の得失を考慮した上で、今回日本軍はプランAを選択した。すなわちゲーム開始後機動部隊はガダルカナル北東海域を一路南下し、ガダルカナルとエスピリッツサントの中間海域に進出する。そこで迎撃に北上してくるであろう米機動部隊を決戦し、これを撃破する。
ガダルカナル島に対しては、ラバウルとブインの基地航空兵力を利用して制圧攻撃を行い、決戦2日目には外南洋部隊による艦砲射撃も実施する。


連合軍の計画

連合軍の作戦は、「出るか引くか」である。ただし空母単独で戦うと連合軍は隻数面で不利なので、基地航空隊との共同作戦が望ましい。日本軍もそこは心得ていて基地機の威力圏内に入ってくることはないだろうが、そこを逆手にとり、相手の移動経路を読んで待ち伏せする戦術が使えるかもしれない。
決戦は2日目。エリアNに近づいてくる日本艦隊を側面から襲う。それまでは日本空母の威力圏に入らず、索敵に徹する。基地航空隊も有力な兵力はエスピリッツサントに後退させておき、ヘンダーソン飛行場は戦闘機と少数の短距離攻撃機だけを配置する。決戦1日目の後半に様子をみながら基地機をエスピリッツサントからヘンダーソンに派遣し、翌日の決戦に備える。
なお、今回連合軍は空母を中心とした機動部隊の他に、戦艦を中心とした水上打撃部隊を編成することにした。この部隊の主任務は、敵水上艦の攻撃から味方空母を守ること。さらには敵機の攻撃を吸引し、味方の空母を敵の航空攻撃から守ることもあう。

10月25日

0600

イメージ 2いきなりエリアPが雨天になった。エスピリッツサントの周辺海域だ。エスピリッツサントからの航空攻撃が来ないので日本軍としては少し有利になった。ただしスコールの下に米空母が隠れている可能性もあるので要注意となる。
一方の連合軍、エスピリッツサントに配備していた大型航空機が雨天の為発進できない。攻撃力ががた落ちになる。しかし索敵の主力であるPBY飛行艇はエファテに配備されていたので、雨天の影響は受けずに発進可能であった。

ここで一旦ストップ。天候表を見ると、エスピリッツサントは降雨に見舞われる可能性があるが、エファテはその可能性が殆ど無いことに気がついた。これは不自然なので、天候決定表を少し修正することにした。ただし、今回のプレイはそのまま継続する。

イメージ 4米軍の哨戒飛行艇がガダルカナル北西海域に数度にわたって日本艦隊発見を報じた。そのうちの1機は空母の存在を認めていた。この時、日本艦隊の発見位置と米機動部隊との距離は18~21ヘクス(540~630海里)。両者の距離はまだ遠い。両者が全力で接近したとしても、攻撃圏内に入るのは午後となろう。
なお、一連の索敵の際に、零戦隊の迎撃によって4機のPBYカタリナが撃墜された。

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一方の日本側索敵機は、米機動部隊が分厚い雨雲の下に位置していたため、その姿を捉えられずにいた。

イメージ 6ラバウルを発進した日本軍の攻撃隊は、このTurn終了直前にガダルカナル上空に到達した。レーダーで日本機の接近を察知していたガダルカナルの米軍は、発進準備待機中のSBD艦爆隊に空中待避を命じると共に、F4F戦闘機が日本側攻撃隊を迎え撃った。

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空中戦は日本軍の勝利に終わり、F4Fは3ステップを失い後退。27機の陸攻隊が攻撃を実施し、対空砲火によって4機を失ったが、地上に2打撃を与えた。


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