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1943年初頭、ガダルカナル方面での戦況は連合軍が優勢を確立しつつあった。連合軍はガダルカナルに残った日本軍を一掃すべく新たな増援部隊を同島に送り込んだ。輸送船団を護衛するのは、ギフェン少将率いる護衛空母2、重巡3、軽巡3、駆逐艦8からなる護衛部隊だ。
船団がレンネル島近海に差し掛かった頃、日本軍の索敵機がギフェン少将の部隊を捉えた。日本軍は薄暮攻撃でこれを撃破すべく、第701航空隊及び第705航空隊所属の陸攻計x機を発進させた。ここに太平洋戦争初の日本軍陸攻隊による夜間雷撃戦が行われる。

今回紹介するのは、現在鋭意製作中の「海空戦、南太平洋1942」の次期バージョンに掲載予定である戦術シナリオだ。レンネル島沖海戦を扱ったこのシナリオは、1943年1月29日に起こった日本陸攻隊と米巡洋艦部隊の戦いを、作戦戦術レベルで描いたものである。

オーダーオブバトル

日本軍は第705航空隊の一式陸攻2ユニットと第701航空隊の九六陸攻2ユニットである。第1波は705航空隊の2ユニットで薄暮攻撃を行う。第2波は第701航空隊の九六陸攻2ユニットで夜間攻撃を行う。

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連合軍は重巡3、駆逐艦3とした。実際のギフェン部隊は、この時期護衛空母2隻と駆逐艦2隻を切り離しており、重巡3、軽巡3、駆逐艦6が正しい編成となる。しかし実際のギフェン部隊はかなり拙い陣形を敷いており、部隊は広く散開していて全艦統一した形での対空戦闘は実施困難な状況にあった。本シナリオではその事を再現し、連合軍側の登場兵力を重巡3、駆逐艦3に限定することにした。

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さらにこのシナリオでは以下の特別ルールを採用する。
1つは日本軍の夜間攻撃に関するルールだ。通常夜間攻撃の基本命中率は3となっている。しかしこのシナリオに登場する第701航空隊はかなり練度の高い部隊であったらしい。事実、この戦いでは夜間攻撃にも関わらず計4本もの命中魚雷を得ている。そのことを考慮して日本軍の夜間雷撃時の基本命中率を3ではなく4とした。
もう1つは連合軍の対空戦闘に関するルールである。このシナリオでは連合軍の対空戦闘はかなりヘボいレベルであった。そのことを再現するため連合軍は対水上陣形を敷いているものとし、対空砲火の威力発揮を困難にしている。

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テスト結果

1回目

最初の薄暮攻撃(705空)では対空砲火で1ステップを失い、雷撃戦果はなし。
第2波の夜間攻撃(701空)では無傷で対空砲火を突破。複数の魚雷を重巡「シカゴ」に命中させてこれを撃沈。

日本軍の勝利

2回目

最初の薄暮攻撃(705空)では攻撃隊無傷のまま重巡「ウィチタ」に魚雷1本を命中させてこれを小破。
第2波の夜間攻撃(701空)では双方共戦果/損害なし。

連合軍の勝利

3回目

最初の薄暮攻撃(705空)では攻撃隊は対空砲火で2ステップを失ったが、重巡「ルイビル」に魚雷2本を命中させてこれを大破。
第2波の夜間攻撃(701空)では重巡「シカゴ」に魚雷1本を命中させてこれを小破。対空砲火で2ステップを失う。

日本軍の辛勝

感想

航空攻撃だけの簡単なシナリオであり、競技性は乏しい。ただし、この時期その昼間対艦攻撃能力が無効化されつつあった日本軍陸攻隊にとって、夜間攻撃だけが唯一有効な攻撃を実施する手段であったことを感じて頂ければ幸いである。

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