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第二次大戦の分岐点

大木毅 作品社

第二次大戦の様々な局面に焦点を当てたエピソード集である。取り上げられているのは、ノモンハン、ミッドウェー、珊瑚海、バルバロッサ作戦、クルスク戦、北アフリカ、さらには独ソ和平工作などである。本書を読んで驚くのは、徹底した史料主義。あらゆるデータを一次史料から洗い直し、裏付けを取っている点である。歴史に対する真摯な姿勢には学ぶべき点が多い。一方で残念な点はエピソードの選び方がやや節操なく感じられる点があり、そのため本書を読み終えた後、混乱した思いに駆られる。一体この本は何が言いたかったのか、と。
雑誌記事を再編集した内容なのでやむを得ない面もあるとは思うが、興味深い内容が多いだけに、編集の仕方がやや残念な気がする。

お奨め度★★★