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Compass Gamesの「Blitz!」(以下、本作)は、第2次世界大戦を戦略規模で描いたシミュレーションゲームである。極地地方を除く世界5大陸とその周囲の海洋がフルマップ1枚に描かれている。マップはいくつかのエリアによって区分されており、陸上エリア、海上エリア及び島嶼エリアに分かれている。ちなみに日本本土は2つの地上エリアによって構成されている。

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登場する勢力は、日、米、ソ、独伊枢軸、英仏連合の5勢力。それぞれの国家をプレイヤー1名が担当する。なおプレイヤーが5名未満の場合、1人のプレイヤーが複数の勢力を担当することになる。
1Turnは実際の約半年、1ユニットは1個艦隊、軍又は軍集団規模の地上部隊、航空軍規模の航空部隊となる。ユニットの内容は抽象的なものであり、"Zero"(ゼロ戦のこと)だとか"Naval Air"(海軍航空隊)とか、"Moble Fleet"(機動部隊)等といった名称がついている。

基本システムはシンプルで、枢軸陣営、連合陣営の順で移動・戦闘を行い、その後に両陣営が生産を行うというもの。余分に石油を消費すれば、電撃戦と称して1回分の移動・戦闘を追加で実行できる。生産はリソースと呼ばれるポイントを消費することで行われ、1ポイント毎に1ステップ分の戦力を生産/回復できる。さらに新兵器開発と称して開発中の兵器をフォースプールに移動させることもできる。新兵器開発には1Turnで開発可能な上限が設定されており、上限を超えた開発投資は禁止されている。また開発投資はタダではなく、既存兵器の生産/開発と新兵器開発はトレードオフの関係にある。従って既存兵器の生産/回復にリソースを回しすぎて、新兵器開発まで手が回らないのは良くある話。とはいえ、既存兵器だけだと兵器生産が頭打ちになことが必定。従って兵器開発は可能な範囲で着実に推進しておくことが重要である。
ちなみに開発を成功させるためには膨大なリソースが必要になるのだが、原爆も各国が開発することができる。無論、我が大日本帝国でもだ。

ゲームプレイ

今回、私は大日本帝国を担当した。

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序盤、中国大陸での勢力拡張を図った我が大日本帝国は、しかし拝金主義者の米国が裏で手を引いた戦闘機部隊(フライング・タイガース)に等によってその進撃を阻まれた。
その頃欧州ではポーランドとの間に先端を開いたナチスドイツが、ポーランド攻略に失敗(ポーランドはその後介入してきたソ連が分捕る)。さらにフランスへの侵攻を開始したものの、マジノ線に阻まれて苦戦中である。
そうこうしている間にも拝金主義者共は大東亜共栄圏の中核というべき比島に対して続々と兵力を増強してきている。このまま放置すれば比島が難攻不落の大要塞となりかねない。そう考えた帝国は、平和と自主独立を守るため、真に止むに止まれぬ理由により、成金主義者の米国に対して宣戦を布告した。
米国との間で戦端が開かれたことで、これまで米国から提供を受けていた石油資源の入手が困難となった。それを補うためにオランド領インドネシアに進駐いた帝国は、同地の石油資源を手に入れた。
しかし肝心の比島攻略は苦戦続き。"1"の目以外なら攻略できる所で"1"の目を連続して出してしまい、開戦後1年ぐらいは比島を占領することができなかった。しかし米国も欧州第一主義に基づき比島へ積極的な兵力増強を怠ったため、開戦後1年余りの1943年夏に帝国はようやく比島を占領した。

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その間、北西大西洋ではUボートと英艦隊が激闘を繰り広げ、その隙をついてソ連が中近東へ進出。ペルシャを支配し、インドを伺う。さらにシベリア鉄道を利用して軍を極東へ派遣しつつあった。ソ連による対日侵攻の意図は火を見るより明らかである。帝国は直ちに兵力を整備し、満州へ派遣。さらに海軍の精鋭航空部隊も満州へ送られ、極東ソ連軍の越境侵攻に備える。

ドイツが動いた。独ソ不可侵条約を破って西部ロシアへの侵攻を開始したのである。シベリア方面へ向かっていた極東ソ連軍は直ちに反転して欧州へ戻る。やってくれたね。ドイツさん。

北からの脅威が解消した帝国は、いよいよ本格的な対米戦に挑む。比島と蘭印を支配した帝国は、東南アジアの要地を次々と平定し、大東亜共榮圏の基礎を築いた。さらに英国が欧州戦線に手を取られている間、無防備状態のインドに帝国が侵攻。ここを支配した。
さらに再編成なった帝国海軍機動部隊が長駆ハワイ真珠湾を奇襲攻撃。在泊していた米太平洋艦隊を撃破した。時に1943年冬。第2次世界大戦は新たな局面を迎える・・・。

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感想

今回は時間の関係上ここで終了とした。全16Turn中8Turnまでである。
私にとって今回の対戦はルールを1度読んできただけでのプレイであったため、正直何をやって良いのか判らず、概ね歴史的な流れを意識しながらのあまり方針のハッキリしないプレイであった。戦略級ゲームの場合、単に歴史の流れを追うだけではなく、自ら方針を決めて「状況を作っていく」必要があるのだが、今回はそこまでできなかった。また本作で「勝つ」ためには「帝国主義的なプレイ」(他者から資源地帯を奪って自国の国力伸張を図る)が必要なのだが、それは我々が普段教えられてきた常識や倫理観(戦争はいけない、帝国主義は悪い)に反する。
「そんなこと気にするぐらいならウォーゲームするな」
という批判が聞こえてきそうだが、この種の偽善的な倫理観は、他の多人数マルチをプレイする際にも感じる部分である。とはいえそれではゲームに勝てないし、さらにはゲームを主体的に楽しむこともできない。次回プレイする際には、もっと積極的、帝国主義、そして主体的な戦略で挑みたい。