Ukraine'43(GMT)新版(以下、本作)における大都市攻略戦は、ゲームの勝敗を左右するキーになる事項である。そこで本作における大都市攻略戦の考え方を整理しておきたい。

まず前提条件を整理しておきたい。
(1) 攻撃側は赤軍である。
(2) 大都市には予め陣地が構築されている。


強攻又は兵糧攻め

一般の城攻めと同じく本作でも大都市攻略の手段としては強攻と兵糧攻めの2種類がある。強攻は兵力の消耗を招くが比較的短時間で目的を達成できる可能性があり、兵糧攻めはその逆だ。
本作でも兵糧攻めは可能だが、実の所あまり効果的ではない。時間がかかる、という問題もあるのだが、包囲状態を維持するのが難しいのだ。特に包囲を形成する部隊が独軍の機動反撃に脆弱な場合が多く、そこで損害を出してしまうことも多い。また大都市は交通の結節点で、しかも勝利条件にも絡まることから、攻略の遅れはゲーム全体の流れに悪影響を与える。そんなこんなで兵糧攻めは作戦として採用し難い。

ここでは兵糧攻めは考慮せず、強攻による大都市攻略戦を検討する。

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条件1:防御力16

イメージ 5ステップロスした装甲師団または装甲擲弾兵師団(5防御力)、完全戦力の歩兵師団(7防御力)、保安師団(4防御力)で守備しているケースを想定する。この場合、大都市の防御効果で防御力32となる。赤軍が攻撃力を集中したとしても、戦闘比1-1は立つが、2-1がギリギリ可能ぐらい。額面2-1の戦闘比としよう。
陣地と練度で2シフトダウン。赤軍が砲兵2個を投入して2シフトアップである。そこにジューコフ効果、航空支援を入れてやっと4-1。赤軍が航空機を投入してきたら独軍としても対抗上航空機を入れざるを得ない(4-1だと無条件落城が1/6の確率で発生する)。もしここで独軍が航空機を使い切ったら、死守の成功率が100%を保証できなくなる。
従って防御力16でも独軍側にリスクはある。そのために赤軍はジューコフ将軍の支援を必要とする。ジューコフ効果なしでは、防御力16の大都市を攻略するのは難しい。

もし雨天の場合、さらに1コラムシフトダウンが加わる。さらに航空機の支援を投入できない。従ってジューコフ効果を使用しても戦闘比2-1が精一杯である。ただし独側も航空機を利用できないので、死守の成功率が100%にはならない。この場合、攻略成功率は11%になる。ジューコフ効果なしでは攻略成功率が8%に低下し、さらに攻撃自体が徒労に終わる可能性が33%もある。

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条件2:防御力10

イメージ 6ステップロスした装甲師団または装甲擲弾兵師団(5防御力)、ステップロスした歩兵師団(5防御力)で守備しているケースを想定する。この場合、大都市の防御効果で防御力20となる。赤軍が攻撃力を集中した場合、戦闘比3-1が達成可能である。ここでは額面3-1の戦闘比としよう。
陣地と練度で2シフトダウン。赤軍が砲兵2個を投入して2シフトアップである。そこにジューコフ効果、航空支援を入れて5-1の戦闘比が成立する。5-1の戦闘比は都市攻略成功を保証する値である。独軍が航空機支援で対抗した場合、戦闘比は4-1となり攻略成功の可能性が低下する。その場合でも1/6の確率で無条件陥落が発生し、それ以外の場合も1/6以上の確率で死守失敗がある。状況にもよるが、概ね33%の確率で大都市が一撃陥落する。
従って防御力10では独軍にとってかなり高いリスクを覚悟しなければならない。さらに攻略に失敗した場合でも独軍守備隊は著しく弱体化する。従って次ターンに陥落する可能性が高くなる。

もし雨天の場合、さらに1コラムシフトダウンが加わる。さらに航空機の支援を投入できない。従ってジューコフ効果を使用しても戦闘比3-1が精一杯である。ただし独側も航空機を利用できないので、死守の成功率が100%にはならない。この場合、攻略成功率は19%になる。ジューコフ効果なしでは攻略成功率が11%に低下し、さらに攻撃自体が徒労に終わる可能性が17%もある。

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結論

独軍としては大都市には最低16戦力を投入してリスク低減を図りたい。16戦力でも一撃陥落のリスクをゼロにはできないが、大都市に赤軍の兵力が集中するため、他の部分に対する圧力を軽減できる。そういった意味では、大都市に16戦力を集中することは、全体戦略から見て有益と判断する。

追記:ちなみに大都市とはハリコフ、キエフ、ザボロジェなどで、ポルタワ、チェルカッシ-等ではない。

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