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何度か紹介しているので繰り返しになるが、自作空母戦ゲーム「海空戦!南太平洋1942」(以下、本作)は、太平洋戦争時における空母対空母の戦いを描いたシミュレーションゲームだ。1Turnは実際の4時間、1Hexは30海里(約55km)に相当し、1ユニットは1隻の艦艇、2~10機の航空機を表す。

今回、その中のシナリオの1本である「珊瑚海キャンペーン」をプレイすることになった。下名は連合軍を担当する。選択ルールは「生存者」を除いて全て採用した。

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前号まで

1942年5月4日から始まった珊瑚海海戦は、米空母「ヨークタウン」艦載機によるツラギに対する波状攻撃により始まった。ツラギで上陸作戦中の日本軍輸送船団は、「ヨークタウン」艦載機の餌食となり、輸送船2隻が沈没した他、敷設艦「津軽」、駆逐艦1隻、哨戒艇2隻が失われた。
一方ポートモレスピー攻略作戦を進める日本軍は、手始めにポートモレスピーに対する航空撃滅戦を仕掛けるべく、5月4日からポートモレスピーに対する航空攻撃を開始していた。
明けて5月5日。ポートモレスピー上空に日本空母艦載機が姿を現した。これまで基地機による攻撃には慣れていたポートモレスピー基地だったが、空母機の来襲は予想外であり、いよいよ日本軍の上陸が近いことを予想させた。

詳しくは --> こちら

1942年5月5日

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イメージ 2この頃、ニューブリテン島から東部ニューギニア一帯にかけての天候は悪天候であった。そのため両軍の索敵機は悪天候に阻まれなかなか敵発見を報じて来ない。しかしオーストラリアを発進したB-17爆撃機の1機がニューギニア東北東沖の海上に空母3隻を中心とする空母機動部隊を発見した。恐らくこの部隊がポートモレスピーに対して艦爆隊を発進させた部隊であろう。しかしそうすると先に米空母の北北西360海里に発見した敵は何だろうか?。水上打撃部隊?。それともツラギから撤退してきた敗残の艦隊か?。水上部隊であるとすれば、こちらの空母艦載機で打撃を与えるチャンスといえる。しかし攻撃を実施すれば、こちらの空母の位置について日本側に情報を与えることになる。奇襲の優位を失うのはあまり面白くない。

熟考の結果、米機動部隊は日本水上部隊への攻撃を諦め、珊瑚海を西に進むことにした。今日1日で珊瑚海を西に進んでポートモレスピー南東海面に移動。ポートモレスピーに攻撃を企図する日本空母を奇襲するのが狙いである。幸い日本側の索敵機は、今日は未だに米機動部隊を発見していない。

イメージ 1その頃、ニューブリテン島北東端にある港湾都市ラバウル上空は厚い雲に覆われていた。ポートモレスピー攻撃を終えてラバウルへ帰投してきた日本軍攻撃隊は、巨大な雨雲に阻まれてしまったのである。
雨の中強引に着陸を強行した日本機は、次々と事故を起こした。空中では無敵の零式艦上戦闘機も、巨大な雨雲を前にしては赤子同然であった。双発の陸攻機とて大差はない。風にもまれて、雨に叩かれて、それでも懸命に滑走路を目指して降りていく。
一連の事故で失われた機体は、零戦6機、陸攻15機及んだ。戦闘による損失を合わせると、出撃72機中実に35機が失われたことになる。

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珊瑚海を西に進む米機動部隊が遂に日本側の索敵機によって発見された。これで奇襲の望みは断たれた。こんなことなら先に日本水上部隊を空母艦載機で叩いておけば良かった、と、少し後悔する米軍指揮官なのであった。

イメージ 3ニューギニア東方海上の天気は、前Turnとは打って変わって晴れ上がった。午後の日差しを浴びて、B-26マローダの編隊がポートモレスピーのセブンマイル飛行場から次々と発進していく。彼らの目標はニューギニア北東海域キリウィナ近海を遊弋する日本空母機動部隊だ。これまで叩かれっぱなしであったポートモレスピ-基地は、ここに初めて反撃の刃を日本空母に向けたのである。
36機のB-26が2グループに分かれて日本空母に迫る。第1波18機は、零戦の迎撃を受け、対空砲火による被害と合わせて9機を失った。続く第2波18機は、幸い零戦の迎撃を免れたが、対空砲火によって3機を失った。そして残念ながらいずれの攻撃隊も敵空母に対して命中弾を得られなかった。しかし日本空母に攻撃意思を示したことで、日本空母はニューギニア近海に遊弋する危険を悟り、ポートモレスピ-への接近が抑制されることとなった。
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グレートバリアリーフの東方約300海里に到達した米機動部隊は、針路を西から北北西に転じた。ポートモレスピ-近海に進み、同基地を狙う日本機動部隊と雌雄を決する企図だ。

1942年5月6日

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未明には米機動部隊はニューギニア東部南岸から210海里(7Hex)の位置に進出していた。さらに北上を続ける米機動部隊。

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0600

イメージ 4夜明けの頃には米機動部隊はニューギニア東部南岸から90海里(3Hex)の距離まで進出していた。ポートモレスピ-の南南東180海里(6Hex)の位置である。決戦3日目。日米空母の対決が迫っている。

両軍の索敵機はほぼ同時に活動を開始した。2隻の米空母からも偵察爆撃機18機が索敵の網を広げる。空母艦載機の索敵任務投入は攻撃力低下につながるのであまり望ましくはないが、敵を発見しなければどうしようもない。しかも海上行動に不慣れな陸軍機による索敵にも不安はある。
米空母の索敵機は見事に期待に応えた。

「敵空母ミユ」

その位置はニューギニア東端の港湾ギリギリ南方60海里(2Hex)である。米空母からの距離は120海里(4Hex)。まさに理想的な攻撃距離だ。2隻の部空母「ヨークタウン」「レキシントン」からは次々と攻撃隊が発進していく。「ヨークタウン」からは戦闘機8機、艦爆23機、艦攻9機の計40機。「レキシントン」からは戦闘機8機、艦爆27機、艦攻9機の計44機だ。これらの攻撃隊は、艦隊上空援護機や索敵機を除くと、米空母搭載機の全稼働機であった。さらにポートモレスピ-基地からは18機のB-26からなる攻撃隊2個が日本空母を目がけて飛び立っていく。

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おまけ:ハドソンの優秀

イメージ 5本シナリオで1ユニットだけ登場するロッキードハドソン双発爆撃機は、オーストラリア空軍に所属する機体である。坂井三郎氏の「大空のサムライ」にロッキード爆撃機として登場するこの機体は、B-25やB-26に比べると爆撃機としての能力は劣っている。しかし哨戒爆撃機という性格上哨戒範囲がこれらの爆撃機よりも広く設定されており、単なる沿岸哨戒の枠を超えた運用が可能である。無論、B-17の方があらゆる面で優れているのだが、B-17はその高性能故様々な任務を行う必要あるのに対し、ハドソンはほぼ哨戒専用機と言って良い。B-17が使えるのならB-17を使った方が良いのは間違いないが、B-17を温存したい場合などにはハドソンの哨戒能力が有り難く感じる。

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