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機械化兵器読本

吉田豊彦 アーキテクト

元々は昭和15年(1940年)に東京日日新聞から発刊されていた著作の復刻版である。当時フランス戦でフランス軍がドイツの電撃戦に敗れた時期であり、当時日本陸軍における機械化推進の熱気が伝わってくる著作である。本書の内容は現在の視点から見ても特に変に思える個所は少なく、少なくとも本書の著者が陸軍の機械化について水準以上の知見を持っていたことを示している。精神主義的で近代的な思想に乏しいと思われがちな日本陸軍であるが、少なくとも軍の機械化について世界の潮流を正しく認識していたことは留意すべきだろう。
戦前、戦中における日本陸軍の機械化について考察する場合には必読の著作と思える。

お奨め度★★★★