F-14A_VF-211_SectionTop


最近嵌っているRed Storm - Baltic Aooroaches(以下、本作)である。
今度は米空母艦載機が登場するシナリオをプレイしてみる。シナリオ23「Danger Zone」だ。スウェーデンに侵攻したソ連軍。そこに補給物資を運ぶソ連軍輸送船団に対して米空母航空団が攻撃を仕掛けるシナリオだ。ここに来ていよいよ本命、米空母機動部隊が登場することになる。「Danger Zone」というタイトルも、米空母の活躍を予感させるものになっている。
今回、私はソ連軍を担当し、無敵の米空母部隊を迎え撃つ。

前回までの展開 --> こちら

14Turn

ZZ_SAMLaunchまるで「利根4号機」のような活躍。
米攻撃隊最先端でソ連艦隊をレーダー捜索し続けていたS-3Bヴァイキングに、ソ連新鋭駆逐艦「ベズプレーチュヌイ」(ソブレメンヌイ級)の発射した艦対空ミサイルSA-N-7bが命中した。炎に包まれて落ちていくヴァイキング機。米攻撃隊にとっては貴重な「眼」が失われたことになる。とはいえ、既にソ連艦隊の多くがヴァイキングの活躍で発見状態になっており、やや手遅れの感が否めない。

そしてソ連軍は、MiG-23MLD 2機を米攻撃隊に突入させ、一番厄介なEA-6Bプラウラーに対してBVR(視認距離外)ミサイルで攻撃を仕掛ける。米攻撃隊が随伴しているプラウラー機は計2機。そのうち1機は先に長距離SAMの攻撃によって撃破したので、残りは1機。これを撃墜又は撃破すれば、米攻撃隊の電子妨害能力は大幅にダウンする。これまでF-14トムキャットを恐れて逃げ回っていたWP軍戦闘機にのって、まさに乾坤一擲の反撃であった。

が、
ソ連戦闘機による攻撃は見事にスカ。ソ連側にとって千載一遇のチャンスを逃してしまう。

Turn14a


15Turn

US_F14_Maverickソ連側は諦めない。今度はポーランド空軍のMiG-23 4機がEA-6BにBVRミサイル攻撃を仕掛ける。しかしまたもや攻撃は「スカ」。そしてF-14トムキャットが翼を翻してMiG-23に迫ってくる。混戦状態であったためトムキャット自慢のフェニックスミサイルは使用できないが、至近距離からMiG-23に対してドッグファイトを仕掛けていく。マーベリック・チームとアイスマン・チームの計4機のトムキャットは、数に勝るMiG-23相手に優位に戦いを進め、2機撃破の戦果を挙げた。トムキャットは1機が損傷する。

Turn15a

16Turn

NATO_ASM_906先に発射されたハープーンミサイルがソ連艦隊に到達した。ソ連艦隊は艦対空ミサイルでハープーンの迎撃を試みるが、プラウラーによるジャミング、友軍戦闘機誤射の危険、そして対艦ミサイル迎撃自体の困難さが相まって、困難を極めた。それでも12発のミサイルのうち3発を撃墜することに成功するも、残り9発のミサイルがソ連艦隊に殺到する。
対艦ミサイル2発がカニン型駆逐艦に命中。同艦は轟沈する。他にクリヴァク型フリゲート艦の2隻が、それぞれ4発、2発のハープーンが命中。両艦とも沈没する。僅か12発の対艦ミサイル攻撃で、1隻のミサイル駆逐艦と2隻のミサイル・フリゲート艦が瞬時に失われてしまった。

PO_MiG23_Sarna先にトムキャットと交戦していたポーランド空軍のMiG-23は、トムキャット隊が混乱している隙を突いて交戦空域を突破し、EA-6Bプラウラーに格闘戦を仕掛けた。トムキャットに劣るMiG-23であったが、亜音速の電子戦機に比べるとその性能は圧倒的であった。そもそも電子戦機や哨戒機が戦闘機と戦って勝てるハズもない。プラウラーは、MiG-23の放った23mm機関砲の斉射を浴びて空中に四散した。ソ連艦隊を苦しめ続けた電子妨害機を、漸く一掃したのである。

ただ、MiG-23の大金星は、やや遅きに失した感があった。

Turn16a


US_A7_Shebaハープーンミサイルに引き続いて侵入してきた米軍の攻撃本隊は、A-7Eコルセア12機からなるが、これがミサイル攻撃を受けて混乱するソ連艦隊の防空スクリーンを飛び越えて、その後方にあるソ連輸送船団を攻撃する。
最初の編隊4機がマーベリック短距離ミサイル数発を発射。それが輸送船2隻に命中し、忽ち輸送船は大破する。
第2編隊4機も同じくマーベリックミサイルを発射。ロプチャー型LSTの1隻が沈没し、もう1隻が大破する。
そして最後の4機が突入態勢に入ろうとした時、ポーランド空軍のMiG-21がコルセア機に襲いかかった。旧式のMiG-21であったが、それでも爆装した攻撃機よりは遥かに強かった。コルセア隊はミグの攻撃を回避するのが精一杯で、爆装を投棄。攻撃の機会を失う。

A-7E_Corsair


この段階で概ね決着がついたとして、今回のプレイは終了とした。ここまでのプレイ時間は、休憩時間を除いて8時間半であった。

両軍の損害

WP軍の損害

沈没:ミサイル駆逐艦1隻、ミサイル・フリゲート艦2隻、LST1隻
大破:輸送船2隻、LST1隻
航空機損傷:MiG-23 2機

米軍の損害

航空機撃墜:F-14A 1機、EA-6B 2機、S-3B 1機
航空機損傷:F-14A 1機、A-7E 1機
戦死/行方不明:7名、捕虜:1名

NATO軍VP:2(航空機)+72(艦船攻撃)=74VP
WP軍VP:26(航空機、搭乗員)+32(輸送船生き残り)+3(ASM撃墜)=61VP
差が13VPでNATO側の勝利、ただし戦果確認の偵察が完了していないので、仮に戦果確認の半数に失敗したと仮定すると、引き分けになる

感想

うーん、かなり頑張ったような気がしたんだけど、これで「負け」と言われても、少し納得できないと思ってしまう。圧倒的な米艦載機を相手に、高価な電子戦機2機を含む4機を撃墜。米攻撃隊の1/3を無力化したにも関わらずだ。対艦ミサイルにせよ、EOGBによる対艦攻撃にせよ、防御側としては「どうしようもない」ほど圧倒的であり、如何ともし難い。敢えて言わせ貰えば、仮に私が今回の状況で米側を担当すれば、1機も失うことなく作戦遂行する自信がある。

これまでいくつかのシナリオをプレイしてみたが、全般的には対艦攻撃が容易すぎると思う。いくら精密誘導兵器とはいえ、100発100中に近い対艦ミサイルの命中率は違和感を禁じ得ない。あのフォークランド紛争ですら対艦ミサイルの実質的な命中精度は50%程度に過ぎなかったのだから。もう少し対空砲火による対艦ミサイル対処の可能性を高めた方が良いように思う。特にCIWSについては、もう少し「当たって」欲しいなぁ。現状のルールだとCIWSによるで対艦ミサイル阻止に多くは期待できない。

今回の反省として、ハープーンが接近してきた時にSAMによる迎撃が有軍機の存在によってかなり制約を受けてしまったことがある。基本ルールでは、SAMの目標から4Hex以内に有軍機が存在していると、友軍誤射を恐れるという意味でSAM発射ができないのだ。しかし15.3項の選択ルールを使うと、友軍誤射の危険があるケースでもSAM発射が可能になる。そこで次回プレイ時に艦船側を担当する時は、事前調整で15.3の選択ルールを採り入れるように調整してみたい。

まあ色々書いたが、ジェット戦闘機や対艦ミサイルによる対艦攻撃は、他のゲームではなかなか味わえないテーマと言える。そういった意味で本作は極めてユニークな作品であると言えよう。機会があれば、1980年代日本近海バージョンを作ってみたいが、著作権の問題とかあるから難しいかも・・。英語で著作権交渉とか、敷居が高そうだし・・・。(個人での遊び用としてVASSALでコッソリ作るか・・・。)

Sovre

F-1