もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2005年06月

イメージ 1

 本を1冊紹介する。

 「戦艦ミズーリに突入した零戦」

 これは沖縄戦の最中、米戦艦ミズーリの舷側に突入した1機の零戦について、その操縦者を特定する調査を過程を記した著作である。単なる読み物としてもとても面白い本であった。また、本書は沖縄戦期における日米空の戦いについて、今まで知らなかった事実を明らかにしてくれる。500kg爆弾を抱えた零戦52型丙、ミズーリとウィスコンシンの対空戦闘、ピケット駆逐艦の苦闘等。また死闘の中で繰り広げられる人間物語。色々な読み方が楽しめる1冊だった。

評価★★★

イメージ 1

イメージ 2

水上戦ゲームのチャート類が完成した。
A3で1枚、またはA4両面1枚にまとめたかったが、
なんとかうまく行った。
レイアウト的には少し不満があるものの、テスト用には十分だ。
もしこのゲームが商品化(笑)されることがあれば、
その時はプロが綺麗まとめてくれるだろう。

プレイの感想

前回

このシナリオは面白い。夜間の接近戦なので必然的に殴り合いになる。勝利条件の関係で日本艦隊が「逃げの一手」も有り得るが、奇襲ルールと指揮ポイントの制限によって逃げてばかりではいけない。
今回のポイントは第5ターン。日本艦隊を追跡体勢に入った米艦隊がまっすぐ距離を詰めようとした時だ。しかしこれは軽率だった。強力な魚雷を持つ日本艦隊を相手にする時には、無闇に突撃せず適度な距離を置くべきであった。今回は勝利条件が厳しいのである程度の接近戦は必要だが、それでも5ヘクス程度の距離を置くべきであった。

ゲームの感想

いい感じになってきた。
このシナリオを作る過程で色々とルールをいじったが、それが良い方向に向いてきたと思う。
最大の変更点は指揮ポイント。従来の倍にした。もちろん消費量も多くなるはず。この修正によって艦隊をいくつかのグループに分ける戦術が可能になった。今までのルールだと単縦陣以外では殆ど有効な作戦行動が取れなかったので改定の効果は大きい。もちろん単縦陣の有利さも失われていないので、プレイヤーは艦隊運動に頭を使うことになるだろう。今回のプレイでは米駆逐艦3隻が日本側の魚雷を回避するために一斉回頭をしたことがあったが、その状態から単縦陣に復帰するために莫大なCPを必要とした。
砲撃ルールの改定も今回の目玉である。チャートがやや煩雑になったが、その分6インチ以下の中口径砲の威力がより実感できるようになったと思う。旧ルールでは低火力で今ひとつ使い道に乏しかった米大型軽巡やアトランタ級などが、今回の改訂で駆逐艦キラーとして一躍脚光を浴びることになった。
ルールの複雑化によってチャートを見る機会が増えた。チャートを上手くまとめて簡潔なプレイスタイルを確立したい。

ルール改定

改定を必要とするルールは特にない。
今後の作業としては、
・ルールブックの執筆、チャート類の完成
・サイバーボード化(余裕があれば)

次回は第1次ソロモン海戦でもやるか。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

(写真1)セットアップ時の状況
(写真2)第3ターン、両艦隊が至近距離ですれ違う
(写真3)第5ターン、高速で日本艦隊を追う米艦隊。しかしその直後酸素魚雷の恐怖が彼らを襲う。

テスト3:サボ島沖海戦

第3回目のテストはサボ島沖海戦である。
「やる、やる」と宣言して1週間が経過してしまった。ルールの見直しやデータの見直しが色々と入ってしまった。細かいディテールを追求しようとするとどうしてもルールは複雑になる。その複雑さをできるだけ少なくし、シンプルなルールを維持したいと思うのだが、なかなか思うようにはいかない。特に水上戦闘については個人的にも思い入れが多いテーマなので、色々と細かいルールを入れたくなってしまう。テーマに対する過剰な思い入れは、良いゲームをデザインする際には弊害が多いのかも知れない。
とまあ前置きはこれぐらいにして、早速はじめましょ。

基本戦術

このシナリオは米軍が主役である。日本軍は奇襲効果によって最初の数ターン等速直進運動を強いられるからだ。
米軍はまずどのような運動を行うか決断することを求められる。ここでは史実同様日本艦隊にT字戦法を取ることにしよう。日本艦隊の頭を抑えることができれば、まず有利に立てる。その後はどの時点で砲火を開くか。中距離での照明弾射撃を行うか、それとも接近戦で無照射射撃で一気にケリをつけるか、それは戦況次第だ。
日本軍は米軍の出方に対応するしかない。ただ兵力的には少なくともその魚雷力は優れているので、それを生かす戦い方をしたい。

ゲーム展開

第1ターン

軽巡「ヘレナ」が北西約20キロから近づく日本艦隊をレーダーで捉えた。米艦隊は前衛駆逐艦を分離し、巡洋艦隊は敵前一斉回頭で日本艦隊の前面の展開する。前衛の駆逐艦3隻は速度7(28kt)まで加速し、日本艦隊の左翼をつく。

第2ターン

日本艦隊右舷を警戒中の駆逐艦"初雪"が迫りくる米巡洋艦隊を発見した。距離7500m。米艦隊はまだ敵を視認していない。しかし日本艦隊の反応は鈍かった(緊急指揮ポイント0)。
「味方じゃないのか?」
旗艦"青葉"の艦上ではそんな会話が交わされていたのだろう。
距離7500m。米艦隊は照明弾を打ち上げて猛烈な射撃を開始した。ボイスの放った照明弾が"青葉"の頭上を明るく照らした。サンフランシスコ、ソルトレーク、ボイスが"青葉"に集中砲火を浴びせる。しかしなんたることか。3艦の射撃は"青葉"から少し離れた海域に空しく水柱を立てるだけだ。
ヘレナは"初雪"を狙って電探射撃を試みた。4発の6インチ砲弾が命中した。損害2。"初雪"は中破した。

第3ターン

突然の奇襲。しかし日本艦隊の立ち直りは早かった(主導権は日本側が取った)
日本艦隊は左60度回頭。米艦隊と反航体勢に入る。米前衛駆逐艦3隻は日本艦隊の目前で左回頭。距離1500mという至近距離で日本艦隊の鼻先を走りぬける。
日本艦隊発砲。"青葉","古鷹"の2艦がソルトレークを狙う。しかし惜しくもはずれ。
米艦隊はサンフランシスコ、ソルトレーク、ボイスが"青葉"を持続照準する。今度は3艦すべてが夾叉を得た。8インチ2発、6インチ2発が青葉に命中。損害4。"青葉"小破。でもまだ"青葉"は戦える。
「ヘレナ」と駆逐艦2隻は距離1500mに迫った「吹雪」を狙う。全艦夾又。6インチ2発、5インチ3発が命中した。損害3。"吹雪"中破。日本側にとっては雷撃能力を失ったのが痛い。
"青葉","古鷹"が93式魚雷8本を放った。
米艦隊も前衛駆逐艦3隻が計15本の魚雷を発射した。

第4ターン

主導権は米側。米駆逐艦の放った魚雷15本が日本巡洋艦に殺到する。至近距離。しかも射角最高。雷撃士官が夢見たような好条件だが、果たして彼らの戦果は?。
1本が"古鷹"の右舷に命中した。巨大な水柱が上がるはず・・・。ところが無常にもダイスは「1」。不発。敵巡洋艦は何事もなかったかのように通り過ぎて行く。自らの魚雷の戦果を見届けるまもなく米駆逐艦は敵側に60度の一斉回頭を行う。殺到する酸素魚雷に対して少しでも被弾面積を減らすための処置だ。それでも1発が米駆逐艦に命中した。しかしなんとこれも不発。お互いの渾身の一撃は互いに不発に終わった。
その間米艦隊は右120度逐次回頭を行い日本艦隊の後尾を追う。日本艦隊は左へ回頭して米艦隊との離隔を図る。
米艦隊の砲撃は駆逐艦2隻が損傷した"初雪"を仕留めるべく行ったのみ。しかしすべてはずれ。
日本艦隊は「衣笠」「古鷹」が米駆逐艦1隻を狙った。両鑑とも夾叉を得たが命中は1発のみ。6門艦はどうも投射弾数が不足している。しかしその8インチ砲弾1発は米駆逐艦ラフェイの痛い所に命中したらしい。損害2。ラフェイは中破した。

第5ターン

米艦隊は主力戦隊(巡4、駆逐2)を移動力7に加速した。損傷した艦を抱える日本艦隊は移動力6が精一杯なので必ず追いつく。それにしても加速のために消費した3CPは痛い。
日本艦隊は左60度回頭。米艦隊の前面に立ちふさがる。乙字戦法だ。距離7500mで重巡3隻がサンフランシスコに砲火を集中する。"青葉"の1発が命中。損害1。さらに主砲電路切断でサンフランシスコは射撃不能になってしまった。
米艦隊の反撃。ソルトレークが照明弾を発射し、その照明下の米巡3隻が"衣笠"を狙う。しかし全部はずれ。6インチ砲にとってこの距離は少し遠すぎた。
"青葉","古鷹","衣笠"が左舷発射菅から魚雷を発射する。本数は今は決めない。(米軍プレイヤーの立場に立つと彼らが何本発射したかは不明なのだ)

第6ターン

日本艦隊が放った本数不明の魚雷が迫る。しかし回避する余裕はない。そのまま直進。艦首を敵に向ける。囮であることを願うだけだ。魚雷が迫る。米艦隊と接触。ここでダイスを振って「実際に何本撃ったか」を決める(これはソロプレイ用の独自ルール)。ダイスの結果、"古鷹"の魚雷だけがダミーで、あとは全部全弾発射だった。距離4500~6000m。救いは艦首を敵に向けているので被弾面積が小さいことか?。
ヘレナに1本が命中した。損害7。さらに衝撃によって方位盤がやられた。肝心のレーダーも使えなくなる。しかしヘレナはまだ戦える。
米艦隊の射撃はボイス1艦のみ。他の艦は損傷や味方艦の頭越し射撃なので打てない。そしてボイスの射弾は見事に外れた。
日本巡洋艦3隻は目標変更。全艦が魚雷を食らったヘレナを狙った。損傷した同艦をまず脱落させようという魂胆だ。射撃精度は良好で、5発の8インチ砲弾がヘレナに命中した。損害6。累積損害13。特殊損傷の「衝撃」も出たが、その結果に関係なくヘレナは大破した。米海軍期待の大型巡洋艦1隻はここに完全に脱落した。ヘレナの脱落によって米艦隊は指揮ポイントを1点失った。
(と、ここでルールを1つ失念していた。大型または中型艦1隻、あるいは小型艦2隻が中破以上の損害を被った時点で指揮ポイント1点を失うルールを。日本側は駆逐艦2隻を中破させられた時点で指揮能力を1点失ったいたのだ。いまさらもう遅いので、次のターンの持ち点を3点減らそう。)
"古鷹"が魚雷4本を発射。もう隠す必要はないだろう。しかも"衣笠"が左舷発射菅の次発装填完了。またもや酸素魚雷の恐怖が米艦隊に迫る。

第7ターン

米巡サンフランシスコの横腹から"古鷹"の放った酸素魚雷4本が迫る。回避の余裕はない。1本がサンフランシスコの舷側を食い破った。損害6。幸い急所は外れていたのでサンフランシスコはまだ戦える。
日本艦隊の砲撃。"衣笠"は大破したヘレナにトドメをさすべく射撃を行う。1発が命中しヘレナに1損害を与えたが、惜しいかな撃沈には至らなかった。
残った2隻は魚雷を食らって傷ついたサンフランシスコを狙った。2発命中。うまい具合に追加打撃が出て損害4。サンフランシスコは累積損害10で中破した
米艦隊は残ったソルトレーク、ボイスの2艦で"衣笠"を狙う。ソルトレークの射弾が夾又したが、残念ながら命中はなかった。

第8ターン

両軍とも指揮ポイントが少なくなってきた。激しい運動はできない。
距離3kmという至近距離で両者の並行砲撃戦が続く。米艦4隻の砲火はすべて"衣笠"に向けられた。8インチ2発、6インチ3発が命中した。損害5。特殊損傷の"強い衝撃"が出て"衣笠"は戦闘力を失った。
日本艦隊は2隻が脱落しつつあるサンフランシスコを狙う。2発命中。累積損害12。サンフランシスコ大破。この段階で日本側は勝利条件を満たした。
でもあと2ターンだから最後まで続けよう。
米駆逐艦2隻が魚雷10本を放つ。最後の反撃だ。
大破したヘレナにこれも中破した"吹雪"が迫る。"吹雪"の5インチ砲が火を噴いた。しかし至近距離にもかかわらず結果は「外れ」。
「日本に帰ったら鍛え直さないといかんな」

第9ターン

主導権は米軍。魚雷10本が"衣笠"に迫った。米駆逐艦乗りの執念が乗り移ったのか、3本が"衣笠"に命中した。1本不発。しかし残った2本が損害12を与えた。さすがはTorpex弾頭である。特殊損傷も出たが、これについて結果を判定する必要はない。"衣笠"撃沈。
"衣笠"の沈没を目の当たりにした日本艦隊は怒りに震えた。あと1ターン。ここは必ず敵の旗艦サンフランシスコを仕留めて"衣笠"の仇をとりたい。左60度回頭。迫りくる米艦隊にその艦首を向けた。
砲撃。CPの少ない米艦隊はソルトレークと2隻の駆逐艦で"青葉"を狙う。8インチ1発、5インチ2発が命中した。損害3。累積損害7。「青葉」中破。日本艦隊の指揮能力は遂に1にまで落ち込んだ。
日本艦隊は2隻の巡洋艦でサンフランシスコを狙う。"古鷹"の放った4発の8インチ砲弾が立て続けに命中した。損害4。累積損害16。サンフランシスコ沈没。ここに日本艦隊は"衣笠"の仇を取った。

第10ターン

最終ターンである。使用可能なCPは日本側1、米側2にまで落ち込んだ。日本艦隊は隊列を立て直す余裕すらない。両軍とも散発的な射撃を応酬しただけで戦果はなし。ここにサボ島沖海戦は終了した。

両軍の損害

日本軍
 沈没:重巡1(衣笠)
 中破:重巡1(青葉)、駆逐艦2(初雪、吹雪)
米軍
 沈没:重巡1(サンフランシスコ)
 大破:軽巡1(ヘレナ)
 中破:駆逐艦1(ラフェイ)

プレイ時間:2時間半(記録時間含む)

つづく

イメージ 1

魚雷の威力はどのぐらいだろうか?。
太平洋戦域で魚雷攻撃(水上艦又は潜水艦発射による)を受けた艦船の被害状況を調べてみた。
すると面白い現象が見えてきた。
(以下の文章では、不発魚雷は命中とは数えない)

駆逐艦級の場合

駆逐艦級、すなわち概ね3000トン未満の排水量の戦闘艦艇について言えば、
 魚雷1本命中の場合、少なく見ても5割以上で助からない。
 魚雷2本命中の場合、ほぼ100%助からない。
ということになる。
太平洋戦域で魚雷1本の命中を喫して生還した駆逐艦は少なくとも3例知られている。
 「グゥイン」   第3次ソロモン
 「セルフリッジ」 ベララベラ沖夜戦
 「フート」    ブーゲンビル島沖海戦
いずれも米艦であり、日本艦で上記のような戦例はない(私の知る限り)。
一方で魚雷1本喫して生還し得なかった例は7例ある。
魚雷2本喫して生還した駆逐艦はない。
これは小型巡洋艦(概ね6千トン未満)でも事情は同じである。
従って駆逐艦、小型巡洋艦については、魚雷2本で確実な致死量と考えて良さそうだ。

重巡級の場合

排水量が1万トン前後の大型巡洋艦になると事情はやや異なってくる。
魚雷1本命中の場合、これらの艦を抹殺することは困難である。
実戦例を見ても魚雷1本で死に至らしめられた大型巡洋艦は殆どない。
魚雷2本の場合は微妙である。
生還例(ミネアポリス、高雄等)と戦没例(ノーザンプトン、インディアナポリス等)が概ね半々である。
魚雷3本以上命中して生還した大型巡洋艦を私は知らない。
従って大型巡洋艦は魚雷2本命中は多分ギリギリで耐えるだろうが、3本以上命中した場合はまず生還できない、ぐらいのレーティングが丁度良い様に思える。
もう1点。
重巡は魚雷1本命中でも大きな被害を被る。ということを忘れてはいけない。重巡クラスで魚雷を喫した後もほぼ支障なく戦闘を継続した事例は皆無である。ゲーム上では魚雷命中による被害は船体ボックスの喪失という形で表現される。それだけだと魚雷命中に伴う重大な被害を実感できないので、特殊損傷ルールをうまく組み込んで魚雷命中に伴う重大損傷を再現したい。

戦艦の場合

実は戦艦の場合も大型巡洋艦とさほど事情は変わらない。魚雷2本で戦没した例(扶桑、金剛)もあるし、魚雷3本以上喫して生還した例がないのも大型巡洋艦と同じ。むろん艦が大きく浮力にも余裕があるので大型巡洋艦よりは耐久力があるとは思うが、それでも例えば「魚雷10本食らっても大丈夫」とはならないと思う。
ただ魚雷命中時の衝撃や戦闘能力に与える影響は、大型巡洋艦に比べると遥かに小さいであろう。致死量については、大雑把な計算で

排水量÷1万トン

ぐらいが案外妥当な線ではないか、と最近は思っている?。大和や武蔵についても魚雷6本前後を致死量と考えて良いと思う。
シブヤン海や坊が崎沖の海戦は、大和・武蔵が「魚雷10本以上に耐えられる」ことを証明したのではなく、大和・武蔵は「魚雷を十数本受けたら耐えられない」ということを証明したに過ぎない。

↑このページのトップヘ