もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2005年07月

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近況

ルールブックの執筆

ルールブックの執筆を進めた。砲撃戦関係のルールを書き込んだ。書き始めるまでは億劫だったが、書き始めると案外サクサク書ける。まあ半日かけてようやく砲撃ルールが書き終わったぐらいだから、他のルール(移動、指揮統制、雷撃等)を書いていると、完成がいつになることやら・・・。
ルールブックを書くときに参考にしたのが「戦艦の戦い」と「聯合艦隊」。「戦艦の戦い」は書き方がアッサリしていてくどくど書いていない。これは参考になった。自分で書いていると、知らず知らずのうちにクドクド書いてしまう。クドクド書くとルールの量が多くなり、書く方も大変だけど読む方も嫌になる。さすがに沢山のウォーゲームを出版してきた国際通信社。ルールの書き方を心得ているようだ。「聯合艦隊」は全体構成を考える際に参考になった。本ゲームはスケールや狙いが「聯合艦隊」に似ているので、個別のルールを執筆する際に大いに参考になった。

スケール改定

1ターンを6分から5分に変更した。その狙いは、砲撃をブラッディにすることと、リプレイを書いたときに気分を盛り上げること(約12分間の連続射撃、よりも約10分間の連続射撃の方が気分が良いでしょう?)。副次効果として、各艦の速度も4~6という分かりやすい数値に統一できた。ちなみに速度4は米旧式戦艦、速度5は大和、長門、扶桑等、速度6はアイオワ、金剛等である。計算上は速度7以上というのもありえるが、ゲーム上での最大速度はすべて6で統一した(含む島風)。これは実戦での速力が30ktを超えることは稀であるという事実に基づいている(「31ノットバーク」の逸話は駆逐艦の編隊速力が30ktであることを示す格好の逸話だ)。
魚雷も鈍足になった。これで魚雷、特に米魚雷は当たりにくくなったと思う。

おまけ

今日から山篭り。しばらくゲームもできましぇん。

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(写真)軽巡「ホノルル」とその6インチ主砲

電探射撃の実態

このゲーム、どうも砲撃がヌルい。
撃っても撃ってもなかなか艦が死なない。
なるほど、夜戦だから魚雷が主役なのは仕方がないかもしれない。
でも電探射撃ってこんなにダメダメなの?。
「新月」も「神通」も「川内」も、こんなダメダメな電探射撃にやられちゃったの?。
という訳で、実戦における電探射撃とゲームにおけるそれを比較して検証してみることにした。
昭和18年。暑い暑いソロモンの海である。

実戦で示した実力

ビラ・スタンモア海戦(1943/03/05深夜)

日本側の参加兵力は駆逐艦2隻(「村雨」「峯雲」)、米艦隊は軽巡3,駆逐艦3。軽巡はいずれも新鋭のクリーブランド級だ。結果は米艦隊の一方的な砲雷撃により日本側は反撃する間もなく全滅した。両軍の兵力を冷静に比較すれば日本側の完敗もある意味当然ともいえる。が、しかし歴戦の駆逐艦2隻が全く反撃する間もなくやられてしまったことは、当時の日本海軍にとって相当ショックだったようだ。
肝心の電探射撃だが、この戦いで米軽巡3隻は15キロ以内の距離から13分間の射撃を行い、駆逐艦を2隻とも仕留めている。もし同じ状況をゲームで再現すると、日本駆逐艦に与えられる平均的な命中弾数は精々3~4発、打撃数は2~3ぐらいである。駆逐艦1隻を中破させる程度で、運がよければ1隻撃沈できるぐらい。史実の結果に比べるとかなり貧弱である。
ただ史実では「村雨」には魚雷も当たっているらしいので、やや割り引いて考える必要があるが・・・。

クラ湾夜戦(1943/07/05深夜)

参加兵力は日本側が駆逐艦7、米側が軽巡3,駆逐艦4。隻数は互角だが軽巡を含む米艦隊が優勢なのは言うまでもない。しかしこの戦いでは日本側も善戦した。砲撃で新鋭駆逐艦「新月」が沈められたもの、歴戦の軽巡「ヘレナ」を撃沈したからである。
本題の電探射撃だが、第1次戦闘では距離6~7km、軽巡3隻による7分間の射撃で「新月」に15発の命中弾を与えてこれを大破、さらに駆逐艦2隻に軽微な損害を与えた。ゲームで同じく事を再現すると、平均的な命中弾数は3発強。打撃数は2~3ぐらいで、大型駆逐艦を始末するには心もとない数である。ここでも史実よりダメじゃん。

コロンバンガラ沖海戦(1943/07/12深夜)

参加兵力は日本側が軽巡1,駆逐艦5、米側が軽巡3,駆逐艦10。単純に隻数を比較しただけでも米軍の優勢は明らかである。でもこの戦いの勝者は日本海軍である。日本海軍夜戦部隊の面目躍如といったところだろうか。
さて電探射撃だが、第1次戦闘では軽巡3隻が距離6~10kmで「神通」に集中砲火を浴びせた。5分間の射撃で「神通」に火災発生。さらに12分後に開始された第2次戦闘では軽巡2隻が距離9km前後で「神通」を11分間砲撃した。「神通」は2度に渡る砲撃によって戦闘能力を失った。さて、同じ事をゲームで再現しよう。第1次戦闘ではかなり近距離から攻撃しているが、それでも平均命中数は約3発。第2次戦闘では距離が遠くなり射撃艦も1隻減ったが、射撃時間が伸びたために平均命中数は2~3発。合計して4~5発の命中を与えられるが、打撃数は3~4。「神通」を大破させるにはやや苦しい値だ。

ブーゲンビル沖海戦(1943/11/02未明)

最後は今まで何度も取り上げてきたブーゲンビル沖海戦だ。詳細は省略する。
電探砲戦の結果とゲーム上との比較は下記の通り。
第1次戦闘は軽巡4隻が距離14kmで「川内」を6分間砲撃。「川内」航行不能。ゲームで再現すると命中弾2発弱。打撃数は1~2である。「川内」を航行不能にするには全然足りない。
第2次戦闘はやはり軽巡4隻が距離18kmで「阿賀野」を7分間砲撃。命中なし。ゲームで再現すると命中弾0.4発。打撃数は0~1である。史実の結果はまあ妥当か。
第3次戦闘は米軽巡4隻と日本重巡2隻の決闘。射撃時間8分。命中弾は「羽黒」に6発、「妙高」に1発。盲弾が多かったために実質的な戦果は乏しい。ゲームで再現すると、日本重巡への命中弾数は平均2~3発。打撃数は1~2ぐらいである。打撃数はほぼ史実通りだが、命中弾数は史実よりも少ない。
ついでに日本側。「羽黒」「妙高」による米艦隊への砲撃は距離13~17kmで9分間行われた。命中弾数は3発で米軽巡1隻を小破させた。ゲームで再現すると平均命中弾数は1~2。打撃数は1~2で、やはり史実と比べるとかなりさびしい。

別の問題

今度は別の観点から電探射撃(というよりも夜間射撃全般)の問題を考察してみたい。
夜戦における射撃は実に短時間で終了していることに気づく。よくゲームで見られるように「1時間連続砲撃」というようなことはまずあり得ない。短い場合は2~3分、長くても10分強である。ゲームでの時間で言えば1~2ターンということになる。
例えば以下のように。

クラ湾夜戦の米軽巡

戦闘時間約1時間、射撃時間合計10分

コロンバンガラ沖海戦の米軽巡

戦闘時間約1時間、射撃時間合計16分

ブーゲンビル島沖海戦の米軽巡

戦闘時間約50分、射撃時間合計21分

ではこうしましょう

火力は今の2倍ぐらいが丁度良いように思う。
次に射撃間隔の問題だが、これは射撃時に消費するCPを多くすることによって射撃制限を加えたい。
さてさて、どうなることやら・・・。


ブーゲンビル沖海戦再び

ブーゲンビル島沖海戦の第2回戦を戦った。
今回は日本艦隊が積極的に戦ったために米側にもかなりの損害が出た。
両軍の損害は以下の通りである。

日本軍

軽巡「川内」

バーク隊の雷撃により魚雷1本命中。中破。
16ノットで退避中、バーク隊の追跡を受ける。
集中砲火を浴びて沈没

駆逐艦「時雨」

バーク隊の雷撃を受けて轟沈

駆逐艦「五月雨」

バーク隊の雷撃を受けて轟沈

駆逐艦「長波」

米駆逐艦と交戦。5in砲弾数発を浴びて中破。
戦場を離れる。

重巡「妙高」

艦隊先頭にたって米艦隊と戦う。その砲火で敵駆逐艦数隻を撃沈破する。
米軽巡の集中砲火を浴びたために損害続出。大破する。

米軍

駆逐艦「チャールズ・オースバーン」

日本重巡の砲火を浴びて大破。その後、日本第10戦隊(「阿賀野」以下駆逐艦3)の包囲攻撃を受けて撃沈さる。

駆逐艦「スタンレー」

日本軽巡「川内」の砲火により軽微な損傷を被るも戦闘航行に支障なし。最後まで奮戦する。

駆逐艦「スペンス」

日本重巡「妙高」の砲火により8in砲数発の命中を受ける。沈没。

駆逐艦「サーチャー」

日本重巡「羽黒」の連続砲火を浴びて大破するも無事戦場を離脱する。

駆逐艦「コンバース」

日本重巡「妙高」の砲火により轟沈。

総計

日本軍
 沈没:軽巡1、駆逐艦2
 大破:重巡1
 中破:駆逐艦1
米軍
 沈没:駆逐艦3
 中破:駆逐艦1
VP 日本軍=50、米軍=87
米軍の勝利

ターン数=10ターン
プレイ時間=約1時間半(記録なし)

感想

結果的には日本側の敗北に終わった第2回戦だったが、今回は日本側もかなり善戦した。
善戦の要因は日本側が積極的に前へ出たこと。有視界戦闘に持ち込めば重巡の主砲が生かせるし、そうなれば砲の口径に優る日本側にも勝機が見えてくる。また今回あえて米軽巡を狙わず、前衛の駆逐艦を狙ったのも効果的だった。米駆逐艦は米軽巡を隠すように煙幕を展開することが多いが、逆に言えば駆逐艦そのものは煙幕帯の外側にいる。そこを狙えば敵駆逐艦の数を確実に減らすことができる。敵駆逐艦の多くを無力化すれば、その分雷撃の恐怖も緩和される。
米側の戦術にも発展が見られた。米軽巡の砲力は決して強力ではない。特に6~10ヘクスの中距離帯なら命中精度も破壊力も2流である。そこで米軍としては5ヘクス以内に踏み込んで戦いたくなる所だが、これは危険な行為で、日本側の酸素魚雷をまともに浴びることになる。今回は自らの砲力不足に我慢しつつ、常に日本艦隊との距離を意識したアウトボクシングを戦ったため、日本側魚雷による損害を完封することができた。


前回

感想

日本側にとっては史実以上の大敗北となってしまった。艦隊は「妙高」を除いてほぼ全滅。敵駆逐艦3隻撃沈破は受けた損害に比べればささやかなものだ。敗因としては米魚雷の威力を甘く見たこと。「羽黒」「阿賀野」「初風」はいずれも魚雷にやられた。敵の魚雷を封じつつ、自らの強力な雷撃力を生かすような戦術が日本艦隊に求められよう。それから駆逐艦隊が各個に撃破されたのも痛かった。日本軍の主力は重巡ではない。6隻の駆逐艦だ。巡洋艦を囮にして駆逐艦の突撃路を啓開するぐらいの発想の転換が必要なのかも知れない。
いずれにしてもこのシナリオはバランス的にはかなり「どうしようもない」部分がある。米艦はいずれも強力な新鋭艦で、日本艦と同等以上の性能を持っている。しかもレーダー装備。対する日本艦隊は目視戦闘のみ。照明弾が使えるとは言っても、その使用は基本的に相手の出方次第で、相手が撃って来なければ反撃すらできない。兵力面でも相手よりも劣っている。これでは「勝て」という方が無理かも知れない。

ルールの改定

今回、6インチ砲の威力不足が少し気になった。中距離からの砲撃で「川内」や「阿賀野」が意外としぶとく粘れたのも6インチ砲の過小評価によるところが大きいように思う。そこで少し威力アップを図りたい。無論米側のみならず日本側の同級砲も同じように修正する。
もう1点、電探射撃についてだが、史実における電探射撃はどうも大型艦に集中する傾向があった。クラ湾の「新月」、コロンバンガラの「神通」、ブーゲンビルの「川内」等である。ところがゲームの場合目標選定が自由に行えるため、非力な割りにしぶとい軽巡よりも、恐るべき酸素魚雷を持った駆逐艦が真っ先に狙われてしまうということになってしまう。そこで電探射撃に少し制限を加えたい。
 無視界電探射撃では以下の制限が課せられる。
(1) 味方艦の2ヘクス以内にいる敵艦を射撃目標としてはいけない。
(2) 大型艦又は中型艦の1ヘクス以内に位置している小型艦を射撃目標としてはいけない。

ただしこれは選択ルールとしたい。


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(写真1)セットアップ:3列縦陣の日本軍。日本軍左翼の左舷には距離6kmで反航体勢の米バーク隊が迫る。
(写真2)第2ターン:米軽巡頭上に照明弾が輝き、日本重巡が砲火を浴びせる。
(写真3)第6ターン:煙幕を展開しながら電探射撃を続ける米艦隊に対し、「阿賀野」は酸素魚雷を放った。
(写真4)第8ターン:日米の艦隊が至近距離で砲火を交える。この時既に「阿賀野」「若月」の姿はない。

テスト5:ブーゲンビル島沖海戦

初期配置

日本艦隊は3列に分かれて進撃している。左翼の第3水戦(軽巡1,駆逐艦3)が大きく左に突出し、その右後方から重巡2,軽巡1,駆逐艦3の本隊が追従する形になっている。対する米艦隊は日本艦隊左翼を挟むような形になっている。日本艦隊の針路を扼する形で展開しているのは、メリル少将指揮する軽巡4,駆逐艦4の本隊で、日本艦隊との距離は約14kmである。大きく突出しているのはアーレイ・バーク大佐指揮する第45駆逐隊(駆逐艦4)である。バーク隊と日本艦隊との距離は約6km。バーク隊は今まさに魚雷発射の態勢に入ろうとしている。

第1ターン

このシナリオでは先攻側砲撃フェイスにより開始される。先攻側は米軍と決まっているので、米軍の先制砲撃からゲームは始まる。メリル本隊の軽巡4とバーク隊の駆逐艦4が第3水戦に集中砲火を浴びせた。しかし射撃は拙劣で命中弾は少なかった。6in弾2発と5in弾2発が「時雨」に命中。「時雨」中破。同艦は落伍し始めた。
日本艦隊の反撃はバーク隊を狙う。日本艦隊の砲撃はバークの旗艦「チャールズ・オースバーン」をしばしば夾又したが、運悪く命中弾は皆無であった。
雷撃フェイズ。バーク隊は片舷全魚雷の40本を発射した。日本艦隊も計20本の魚雷をバーク隊に向けて発射した。

第2ターン

主導権は米軍。バーク隊は右へ一斉回頭。迫りくる酸素魚雷から必死に逃れる。イニシアティブの関係から米軍の魚雷が先に目標へ到達した。40本の魚雷は、その大半が傷ついた「時雨」に向かった。3本が命中。そのうち2本は不発であったが、最後の1本が「時雨」の船体を引き裂いた。追加損害の2重適用でなんと損害は20!。累積損害22で「時雨」は瞬時に轟沈した。
米軽巡4隻の砲火がなおも第3水戦に注ぎ込まれる。「モントピリア」の放った6in砲弾2発が「川内」に命中したが、1発は不発、もう1発は装甲板に弾かれて実害なし。「デンバー」の主砲弾は2発が「五月雨」に命中。損害2。「五月雨」中破。さらに「五月雨」は機関部に命中弾を受けて航行不能に陥った。「五月雨」中破により日本軍の指揮値は1低下して5になった。
日本重巡戦隊が距離18kmで米軽巡を捉えた。「妙高」の放った照明弾が米軽巡の頭上を明るく照らす。「妙高」「羽黒」が初めて主砲を放つ。しかし夾叉はなし。

第3ターン

主導権は日本側。先ほど放った魚雷がようやくバーク隊の位置にまで到達した。届いたのは酸素魚雷だけで、「川内」の発射した90式魚雷は燃料切れで水没した。16本の魚雷は米駆逐艦の至近距離を掠めたが、惜しくも命中はなかった。しかしこの回避運動のため。バーク隊は大きく戦場を離れてしまった。
日本艦隊の照明弾が再び米艦隊の頭上を明るく照らし出す。その光の下、米軽巡に対して「妙高」「羽黒」が主砲を放った。しかしまたもや夾叉はなし。日本艦隊は自らの射撃技量に対する自信が揺らいだ。
米艦隊の砲撃は「川内」に6in砲弾3発が命中。損害2。初めて「川内」に損害が出た。

第4ターン

主導権は米軍。早くもバーク隊が戦場に戻ってきた。機関部に命中を受けて動けない「五月雨」を米駆逐艦4隻の集中砲火が襲う。しかし5門艦の悲しさ。夾叉は出るものの命中はない。
一方巡洋艦同士の打ち合いでは、米駆逐艦が煙幕を展張して味方軽巡群を隠した。これには日本艦隊もなす術がない。煙幕の隙間から「妙高」が照明弾を放ったが、狙いが外れてしまった。

第5ターン

主導権は日本側。「川内」「白露」は「五月雨」救援のために反転した。残りの主力6艦は、単縦陣を形成。米艦隊との距離を詰めるべく左60度回頭する。対する米艦隊。バーク隊は「五月雨」を撃沈すべく展開する。メリル隊は前衛駆逐艦に煙幕展張を続けさせる一方、主力の軽巡群は日本軍本隊に対してT字を描く形となった。米軽巡の砲火が再び火を噴く。「阿賀野」には「クリーブランド」の6in砲弾4発が命中。損害2。「阿賀野」は小破した。「長波」には「コロンビア」の主砲弾2発が命中。損害2。「長波」中破。駆逐艦が次々と米軽巡の砲火によって抹殺されていく。バーク隊の砲火は傷ついた「五月雨」に降り注ぐ。5in砲弾2発が命中。損害2。累積損害4で「五月雨」は沈没した。救援に向かっていた「川内」「白露」は9kmの距離からバーク隊に砲撃を加えたが、命中弾はなかった。

第6ターン

主導権は日本。とにかく距離を詰めて有視界戦闘に持ち込むしかない。ここで日本艦隊の砲火がようやく一矢を報いた。バーク隊と撃ち合っていた「白露」が2発の5in砲弾をバークの旗艦「チャールズ・オースバーン」に命中させたのだ。損害2。さらに特殊損傷で機関部がやられた「オースバーン」は航行不能となった。
米艦隊の砲撃は6in砲弾3発が「阿賀野」に命中した。しかし「阿賀野」の装甲に阻まれて損害なし。
「阿賀野」「白露」が魚雷を発射。「阿賀野」は雷数を決めずに発射する。「白露」は4本発射としたが、それは航行不能の「オースバーン」を葬り去るためだ。

第7ターン

主導権は米。「オースバーン」を狙うかに思えた4本の酸素魚雷は、不用意にも舷側を向けた米駆逐艦「ダイソン」の横っ腹に命中した。追加損害も出て損害16。「ダイソン」は何が起こったのかわからないまま真っ二つに割れて轟沈した。
メリル隊も日本艦隊相手に苦戦していた。「阿賀野」の放った本数不明の酸素魚雷は、米艦隊を混乱させるのに十分だった。魚雷回避と隊列立て直しの為に180度一斉回頭を行う米艦隊、その隙を付いて重巡2、駆逐艦2の日本艦隊が遂に米駆逐艦を視認距離に捉えた。猛烈な砲火が接近中の日本艦隊を襲う。しかし回頭中の射撃は正確さを欠き、軽巡4、駆逐艦4の砲撃は1発の命中弾も得られなかった。一方バーク隊は「ダイソン」の仇を取った。2隻の駆逐艦が「白露」に集中砲火を浴びせた。5in砲弾2発が命中。損害2。「白露」中破。しかも追加損害の衝撃も出て「白露」は戦闘能力を失った。
日本艦隊の反撃。「川内」が停止している「オースバーン」を狙った。夾又。5.5in砲弾2発が命中。損害2。累積損害4。「オースバーン」中破日本艦なら沈没している所だが、防御力に優れたフレッチャー級駆逐艦は度重なる打撃に良く耐えていた。
メリル隊に随伴していた米駆逐艦4隻が魚雷を放った。本数不明。

第8ターン

主導権は日本。「阿賀野」の魚雷8本が米駆逐艦に迫る。しかし運悪く全魚雷はずれ。一方米駆逐艦の放った魚雷が「阿賀野」に迫る。発射したのは10本だったが、そのうちの1本が「阿賀野」に命中した。爆発。損害5。さらに特殊損傷のボイラー爆発が出て追加損害3。累積損害10。「阿賀野」は沈没した。日本海軍期待の新鋭軽巡は初陣で倒れたのである。
日本艦隊は距離3kmで米駆逐艦を捉えた。重巡2,駆逐艦2の砲火が米駆逐艦に降り注ぐ。「若月」の放った4in砲弾2発が「サーチャー」に命中。損害2。しかしこのフレッチャー級はまだ戦える。
「川内」は手負いの「オースバーン」にさらに1発命中させた。累積損害5。「オースバーン」撃沈。海に投げ出されたバーク大佐はその後どうなったのだろうか?。
メリル隊の砲火が日本艦隊に降り注いだ。軽巡2、駆逐艦4(残り軽巡2は目標変更とCP不足のため射撃せず)は「初風」に6in砲1発、「若月」に6in砲3発、5in砲4発を命中させた。「初風」は軽微な損害(損害1)であったが、「若月」の損害は7に達した。勿論許容量を超えている。「若月」沈没。日本海軍期待の新鋭防空駆逐艦も米艦隊の餌食となってしまった。
そして魚雷発射フェイズ。米軍は意図を隠す必要は最早ない。残った全魚雷30本を迫りくる日本艦隊向けて発射した。日本艦隊も発射可能な全魚雷24本を放つ。残していても発射する機会はもうないだろうからな。

第9ターン

主導権は米。避けるまもなく魚雷が日本艦隊を襲う。「初風」には2本が命中。1本は不発であったが、もう1本が合計9損害を「初風」に与えた。「初風」轟沈'。
重巡「羽黒」にも1本が命中。損害7で「羽黒」はまだ戦える。しかし特殊損傷がよりによって舵機命中。「羽黒」航行不能。手負いの獅子に米軽巡が迫る。
「初風」が死ぬ間際に放った魚雷8本が米駆逐艦を捉えた。1本が「フート」に命中。損害5。「フート」沈没。米艦隊に3隻目の犠牲が出た。
米艦隊は軽巡2,駆逐艦3で手負いの「羽黒」に集中砲火を浴びせる。6in砲弾4発が命中。損害3。累積損害10で「羽黒」中破。
日本艦隊の反撃。「妙高」の砲撃が米軽巡を捉えた。メリルの旗艦「モントピリア」に8in砲弾2発が命中。損害2。しかし「モントピリア」にとってはかすり傷のようなものだ。

第10ターン

最終ターン。主導権は米。日本側が先ほどの「羽黒」の脱落により指揮値が2にまで落ち込んだ。CPも残りはわずか3点しかない。米軽巡4隻が動けない「羽黒」に集中砲火を浴びせる。6in弾5発が命中。損害3。累積損害13で「羽黒」大破
「妙高」の反撃。「モントピリア」に8in砲弾1発が命中。損害1。累積損害3。しかし「モントピリア」はまだまだ大丈夫だ。
ここでゲームが終了。米側が必要勝利得点を満たし、日本側が達成できなかったので米側の勝利が確定した。しかし少なくとも勝利条件上は惜しかった。もう1隻米駆逐艦が沈むか、あるいは軽巡1隻を中破させていれば、勝利条件上は日本軍の勝利となるのだ。しかしいずれにしても以下のバランスシートを見て「勝利」を感じることができる日本海軍軍人は殆どいなかったとは思うが・・・。

両軍の損害

日本軍
 沈没:軽巡1(阿賀野),駆逐艦4(時雨,五月雨,初風,若月)
 大破:重巡1(羽黒)
 中破:駆逐艦2(白露,長波)
 小破:軽巡1(川内)
(無傷で残ったのは大森少将の旗艦「妙高」だけ)
米軍
 沈没:駆逐艦3(ダイソン,オースバーン,フート)
 軽微な損害:軽巡1(モントピリア),駆逐艦1(サーチャー)

勝利得点
 日本:45、米:125、米艦隊の勝利

プレイ時間:約3時間(記録時間含む)

つづく


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