もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2008年04月

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和歌山のローカル私鉄を紹介します。
「紀州鉄道」
JR御坊駅と西御坊駅を結ぶ全長約3kmのミニ私鉄です。
超旧式のディーゼル車が1両。御坊と西御坊の間を30分に1回の割合で往復しています。

走行経路の大半が市街地ということもあって景観的な魅力にはやや乏しいですが、この路線の魅力は景色ではありません。線路のすぐ横が一般の民家だとか、駅の隣が一般住居だとか、そんな面白い風景がゴロゴロしています。特に終点西御坊の景観は圧巻で
「オイオイ、こんな所に駅があったのかよ」
と驚くこと請け合いです。

かつて和歌山には数多くのローカル私鉄が営業していましたが、今やこの紀州鉄道と和歌山市内の「わかやま電鉄貴志川線」線を残すのみとなりました。紀州鉄道の今後に期待したいです。

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紀州鉄道。御坊駅にて。

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紀州鉄道の車内

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西御坊駅に停車する紀州鉄道の単行車

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西御坊駅を国道42号線から見る。国道42号線はかつて個人的に何度も利用しましたが、こんな所に駅があるとは、ついにぞ気がつきませんでした。

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西御坊駅の構内。ローカル色満点です。

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西御坊駅の行き止まり。手前の川で線路が切れています。

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HELLCAT The F6F in World War 2

Barrett Tillman The Naval Institute Press

ヘルキャットは太平洋で最速の戦闘機ではない。またその上昇性能も多くのパイロットが望む値には達していない。他の航空機は特定任務においてヘルキャットよりもいささか優れている。コルセア戦闘機だけがヘルキャットに匹敵する多用途性を持っていたが、コルセアの高速空母上での運用はヘルキャットよりも優に1年以上遅れていた。(第10章「Victory」より)

F6F「ヘルキャット」といえば、我が国では恐らく人気のないヒコーキだと思います。
「性能は凡庸だが数で圧倒」
こんなあたりがヘルキャットに関する我が国での一般的な評価ではないでしょうか。
しかし戦史を紐解くとこのヘルキャットが日本軍にとって最も恐るべき戦闘機であったことがわかってきます。米海軍の公式記録によれば、米海軍と海兵隊のヘルキャットが撃墜した日本機は合計5,156機。空中戦で失われたヘルキャットが約270機。撃墜比率19:1という数値は、そのまま鵜呑みにはできないとしても、本機の恐るべき戦歴の一端を伺わせます。
本書はヘルキャットの全戦歴を扱ったノンフィクションです。1943年9月に実戦投入されたヘルキャットは、マーカス島空襲で大々的にデビューし、その後ブーゲンビル、ギルバート、マーシャル、トラック空襲、そしてマリアナ沖海戦等で日本軍戦いました。本書ではそれらにおけるヘルキャットの戦いぶりについて詳しく記載しています。特に戦果と損害についての記述はかなり詳細で、単に「何機落して何機落された」というだけではなく、部隊毎の戦果や損害に関する記録や損害についてはその原因(空中戦、対空砲火、その他等)についても記載しています。本書と日本側の記録を突き合わせれば、大戦後半における日米航空戦の実像がかなり明確になってくるでしょう。
それ以外にも本書では、例えば夜間戦闘機型ヘルキャットの活躍や欧州戦線におけるヘルキャットについてもそれぞれ章を設けています。個人的に興味を引いたのは欧州戦線に関する記述で、米海軍の護衛空母2隻がヘルキャットを使用して南仏上陸戦を支援した、という件は、今まで知らなかっただけに新鮮に思えました。

著者のバレット・ティルマン氏は、米海軍航空戦史に関する研究では良く知られた人物です。我が国では、大日本絵画から出版されている「オスプレイ軍用機シリーズ」の中で、米海軍機に関する作品の著者として知られています。

本書は初版が1978年出版ということでかなり古い著作です。しかしヘルキャットに関する定番とも言える著作であり、今でも価値の高いものだといえます。本書を読むと「あっ、これって読んだことがある」という記述に再三出会います。特に柳田邦夫氏の「零戦燃ゆ」や渡辺洋二氏の「大空シリーズ」に登場するヘルキャットのかなりの部分が本書に依っていることがわかります。

太平洋戦争の航空戦、特に空母の戦いについて興味のある向きには、必携とも言える著作です。

お奨め度★★★★★

P.S. この本、当然ながら英語です。でも日本語で書かれた「つまらない」戦史よりもよっぽど面白かったです。例えばこんな本あんな本よりもこちらの方が「面白さ」では上です。

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塩尻は中央東線と中央西線が交わる交通の要所です。
でも、隣接する松本や岡谷に比べるとやや地味な印象があります。
私も数年に一度ぐらい塩尻駅で時間を潰す機会があるのですが、大抵は駅の待合室で時間つぶしをすることが多いです。

先日、中央西線から中央東線へと乗り継ぎで塩尻駅を利用する機会がありました。
待ち時間があったので「食事でも」と思い、駅前の料理屋に入りました。
一応「そば屋さん」みたいなのですが、そば以外にカツ丼や定食類もメニューになっています。いわゆる「なんでも屋さん」です。一応「ざるそば」を注文したのですが、正直な所、あまり期待していませんでした。

ところが・・・・、

ざるそばが美味しかった。
黒くて太目のそばなのですが、水っぽくなく、ちゃんと腰があって旨いそばです。
今まで「塩尻駅の近くは旨い店がないなあ」と思っていたのですが、自らの不明を恥じなければなりません。
この料理屋さんの名前は「ほっとしてざわ」。
駅のすぐそばにある店で、雨の日でも濡れずに行けます。
塩尻で列車待ちの時には是非立ち寄ってみてください。

お奨め度★★★★

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先日、表題のゲームをソロプレイしました。
以下はそのレポートです。

第1ターン

イメージ 1日本軍は史実通りシンゴラ、パタニ、コタバルの3個所に強襲上陸を敢行。これまた史実通りにシンゴラ、パタニは守備隊がいなかったので無血上陸に成功したが、コタバルは英印軍第9師団の3個大隊が頑強に抵抗した。コタバル上陸を敢行した佗美支隊は多数の兵員を失ったが(20戦力中11戦力を失った)、辛うじて英印軍を撃破。コタバルへ橋頭堡を築いた。
一方シンゴラ、パタニへ上陸した部隊は順調に進撃を続けた。シンゴラを進む第5師団主力は国境を突破し、英印軍第11師団が守るジットララインに迫っていた。またパタニに上陸した安藤支隊も順調に進撃を続けた。一時的に安藤支隊と行動を共にした佐伯挺進隊は国境地帯を守備する英印軍歩兵大隊を撃破し、要域コホーに迫っていた。

第2ターン

イメージ 2第5師団主力はジットララインに対して総攻撃を敢行した。兵力で優る英印軍だったが、士気と練度に優る日本軍の敵ではなかった。ジットラの線は突破され、英印軍は敗走に移った。その機を逃さず突進する日本軍。山岳地帯を突破してきた佐伯挺進隊は海岸地帯へ英印軍を肉薄。中戦車10両以上を失うという損害を被りながらも英印軍をスンゲイパタニ付近に包囲した。また第5師団第41連隊を基幹とする渡辺支隊はベラク川を渡河。英軍が抵抗線を構築しつつあるイボーの線に肉薄した。

第3ターン

イメージ 3日本軍はイボーに陣地を構える英印軍に対して総攻撃を敢行した。英印軍の兵力は4個大隊。対する日本軍は2個歩兵連隊と中核とする混成部隊である。練度と兵力に優る日本軍は陣地に篭る英印軍を次々と撃破しイボー、カンパルといった要域を次々と手中に収めていった。
その後方では戦列に加わった近衛師団がペナン島総攻撃を敢行し、ペナン島を守備する英印軍を降伏に追い込んだ。

第4ターン

イメージ 4イボー、カンパルの線を抜いた日本軍は、次に英軍が防衛線を構えるクアラルンプールに迫った。歩兵連隊が高速道路を南下して前哨陣地を守る英印軍1個大隊を難なく撃破し、さらに湿地帯を突破した日本軍歩兵がクアラルンプール主抵抗線に肉薄する。さらに西海岸からは別働隊が舟艇機動で南下し、クアラルンプールの側背を突くべく機会を伺っていた。
一方、東海岸では、コタバルから長躯南下してきた佗美支隊が、後続の木庭支隊と合同してクアンタン側面の森林地帯を突破。クアンタンを守る英印軍2個大隊を包囲下に追い込んだ。

第5ターン

イメージ 5クアラルンプール防衛線に対して総攻撃をかける日本軍。しかしここを守る英軍は今までの敵とは違う。オーストラリア第8師団。今までのインド軍よりも練度、装備共に優る精鋭部隊である。勢いに乗る日本軍ではあったが、ここは少し慎重かつ大胆な攻撃を行った。
まず舟艇機動により西海岸を南下してきた部隊がクアンタン南西のポートセッテンハムに上陸。クアラルンプールの背後から英軍陣地を狙う。さらにほぼ全力を投入してきた第5師団、近衛師団の歩兵6個連隊が三方からクアラルンプールを守る英軍を襲った。
精鋭を誇るオーストラリア第8師団といえども、質量共に優る日本軍の集中攻撃を受けたらたまらない。オーストラリア兵は各所で敗退。そのターンの間にマレーシアの首都クアラルンプールにも日章旗が翻った。
英軍混乱の隙を突いて分遣隊が高速道路を南下突進。マラッカ付近にまで南下した。

その頃東海岸では木庭、佗美両支隊の攻撃によりクアンタンが陥落した。

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クアラルンプール決戦に勝利した日本軍

第6ターン

イメージ 6防御の支柱であるオーストラリア第8師団を失った英軍ではあったが、情報によるとこのターンに本国から増援部隊が到着したらしい。彼らはその兵力を使って最後の防衛線を構築しつつあった。
クアラルンプール決戦に勝利した日本軍は休むことなく進撃を続行。セレンバンを落してゲマスに迫っていた。

第7ターン

イメージ 7新たに前線守備についた英本国部隊であったが、日本軍の勢いを止めるには非力すぎた。日本軍はマレー半島南部を守る英軍部隊を次々に撃破。その先鋒は遂にジョホールバルの前面まで到達していた。

第8ターン

英軍はなんとしてもジョホールバルだけは守備する決意を固めていたようだ。3個大隊の英本国兵がジョホールバルの守りにつき、その前面にはさらに1個大隊の兵力が陣地を構えていた。
ジョホールバル攻撃の栄誉を担ったのは第5師団第21歩兵連隊である。第4ターンより戦列に加わった同部隊はクアラルンプール決戦より戦闘に参加し、その後南部マレー平定戦でも活躍した歴戦の部隊である。ジョホールバルを守る英軍部隊は、日本軍による最初の攻撃こそ耐えたものの、続く第2次攻撃(強行軍フェイズ)を支えることはできなかった。英軍3個大隊は文字通り壊滅。ジョホールバルには日章旗が翻った。

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ゲーム終了時の状況

結果

ジョホールバル占領による日本軍のサドンデス勝利。ちなみに勝利得点換算では、合計130点を確保した英軍の勝利でした。

感想

ゲームとしてはなかなか面白いです。
駒数が少ない上、ターン数も少ないため、「負担感」が小さいですね。プレイ時間は2~3時間ぐらい。個人的には、「マーケットガーデン作戦」(CMJ74)よりも負担感が小さいように感じました。
展開としては一方的ですが、英軍が陣地の使い方を学べるようになればかなり粘れるように思います。今回はサドンデスで終わりましたが、もしVP争いになれば英軍がやや有利かな。そんな気がします(日本軍ステップロスのVPが高すぎる)。あと舟艇機動には要注意。頑強に構えた英軍陣地も舟艇機動に対する配慮をミスると途端に崩壊します。

歴史的な観点から見た場合、ユニットはとにかくとして、マップ上の地形に一部マレー戦らしさが見られないように思います。例えば史実ではあれほど日本軍を悩ませたペラク川は、本ゲームではただの「移動力+1」の地形障害に過ぎず(まあ横山工兵連隊の活躍を暗に表現したルールなのかも知れませんが)、史実での激戦地スリムやタイピンもマップ上に描かれていない。些細な問題といえばその通りなのですが、マレー戦は日本人にとっても馴染みの深い戦いなので、少し残念です。

「短時間でマレー戦を体験できる佳作」というのが本作に対する私の評価です。

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ソフトウェアテストHAYST法入門 吉澤正孝他

日科技連出版社

いきなり私事で恐縮なのですが、私、この春に異動がありました。異動前は専ら設計部門に籍を置いていたのですが、異動後はソフトウェアの品質保証全般を担当することになったのです。今までとは違った知識やスキルを要求される分野なのでが、まあ今の所は取りあえず楽しくやっています。
さて、異動の際に上司から奨められたのが今回紹介する書籍です。
奨められるままに読んでみましたが、この本は確かに上司が奨めるだけの価値があるものでした。
この本はソフトウェアテストの手法について扱っています。皆さんは「直交法」という手法をご存知でしょうか?。直交法とは、ソフトウェアテストの効率を上げるためのテクニックで、簡単にいえば「少ない手間で高いテスト効率を目指す」手法です。
本書で取り扱うHAYST法は、直交法を基本としています。しかし本書は単に直交法の入門書ではありません。直交法を基本としながらも、実戦に応用するための様々なテクニックが紹介されています。詳しく知りたい方は是非本書を手にとって見てください。
この本を読み終えて思ったことは、「確かに有益な本だったけど、自分の身につけるのは大変だなあ」ということです。
ソフトウェア開発に携る人やソフトウェアの品質に関与している人であれば、一読する価値のある書籍だと思います。
お奨め度★★★★★

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