もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2010年03月

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Winged Victory - The Army Air Force in World War 2

Geoffrey Perret

Random House

タイトル通り第2次大戦期における米陸軍航空軍の戦いを描いた著作です。先駆者としてWilliam Mitchellやその後を継いだHenry.H.Arnold、そしてCarl A Spaatz、George C Kenney、James H Doolittleといった人々の奮闘ぶりが描かれています。と書きたい所ですが、私の拙い英語力では組織論やリーダシップといった微妙な部分を読み取ることはできませんでした。ですから私にとって本書は専ら「WW2米陸軍航空隊戦史」として読ませて頂きました。
米陸軍航空隊といえば「知られているようで意外に知られていない」部分が多く、例えば米海軍航空隊や空母部隊の活躍ならば洋書を探せばいくらでもヒットするのですが、米陸軍航空隊関係の資料は驚くほど少ない。特にニューギニア戦線で戦った彼らの活躍を調べようと思っても、なかなか良書を見つけることができないのです。
本書はWW2における米陸軍航空軍の闘いを概論的に捉えているので、ディテール面では十分とはいえませんが、それでも今まで殆ど紹介されることのなかったガダルカナルやニューギニアでの米陸軍航空軍の活躍について、その一端を知ることができます。特に1942年における米双発爆撃機によるラバウル攻撃(坂井三郎氏の「大空のサムライ」にも紹介されています)や1943年中期における彼らと我が第4航空師団との戦いは興味を引く点が多いでしょう。
本書のメインテーマは勿論第8空軍によるドイツ本土爆撃です。「マイティーエイティ」と呼ばれた彼らが、如何に戦ったか。ドイツ空軍防空戦闘機との熾烈な航空戦はまさに本書のメインテーマです。そして(我々にとっては残念なことなのですが)ドイツ空軍の苛烈な抵抗に比べると、日本本土上空で遭遇した我が戦闘機隊の抵抗等は殆ど取るに足らないものであったことが本書には記されています。
英文400ページ以上という大作で、読み通すのはかなり根性が要りますが、米陸軍航空軍の活躍を知る上で有益な著作であることは間違いないので、その筋に興味のある方は一読をお勧めしたい作品です。

お奨め度(評価不能)

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こちらで予告したとおり、YSGAさんの3連休例会に参加し、Conflict of Heroesをプレイしました。

注:Conflict of Heroesシリーズは、第2次世界大戦における地上戦闘を車両1両、火砲1門、歩兵1個単位で描くボードシミュレーションゲームです。出版は米国Academy Games社。

Conflict of Heroesシリーズについて詳しくは-->こちら
Conflict of Heroesシリーズの購入については-->こちら



Storms of Steel シナリオ13-14 Luchki

コンフリ三昧第5番目のシナリオは、SoSのシナリオ13,14の連結シナリオです。このシナリオが扱うのは、Luchki村を守るソ連軍を撃破して装甲部隊のための突破口啓開を目指すドイツ軍と、それを阻止するソ連軍の戦いです。独ソ両軍に歩兵部隊と戦車部隊が登場し、それぞれが敵の撃破と敵地の占領を目指します。

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セットアップ時の状況

第1Turn

戦線右翼を乗り越えて敵対戦車砲陣地に肉薄した我が歩兵分隊。それが赤軍SMG分隊の反撃を受けて壊滅してしまう。別の歩兵分隊は不用意に通りを渡っていたいるとき機銃掃射を浴びて壊滅。さらに1個分隊が集中射撃を受けて壊滅。第1Turnに歩兵兵力の半数を一挙に失ってしまい、泣きそうになる。
泣き面に蜂。T-34が2台側面から現われてこちらの火炎放射戦車が撃破されてしまった。

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早くも歩兵兵力の半数近くを失ったドイツ軍部隊。期待の3号戦車改造の火炎放射戦車もT-34の砲撃を受けて撃破されてしまった。歩兵相手には無敵の3号火炎放射戦車もT-34相手に勝てるわけがないよー。

第2Turn

先ほどのTurnに大損害を出したために兵力不足の上、敵戦車2両が現れたので攻撃は中止。守りを固めることにする。調子に乗った敵部隊が突進してくるが、迫撃砲や機関銃の猛射を浴びせてしばしばそれを撃破する。それでもソ連軍はなおも前進してくる。

また私の管轄ではないが、戦線右翼を担当する装甲部隊が大戦果をあげている模様。損害皆無で敵戦車4両、対戦車砲5門を撃破したとの報告が入る。

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損害にも関わらず前進してくるソ連軍歩兵(図中の赤丸)。我が軍にとって試練の時が始まる。

第3~4Turn

ソ連軍はなおも前進してくる。機関銃が銃身も焼けよと撃ちまくり、敵軍歩兵を次々となぎ倒す(ドイツ軍国営放送談)。しかしソ連軍は出血を厭わない、重機関銃座がソ連軍の近接突撃を受けて潰された。敵の迫撃砲チームを我が迫撃砲がなぎ倒す。我が軍に残るのは迫撃砲チームが2つと工兵分隊が1つのみ。
「勇者達はみんな死んでしまった」

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第4Turn終了時における状況。我が軍による防御射撃が功を奏し、ソ連軍にも多大は出血を強いていた。盤面からソ連軍ユニット数が大幅に減少していることからもそれが伺える。

第5Turn

最終ターンである。さすがのソ連軍も歩兵戦力がかなり消耗してきたようだ。撃破したユニット数は10ユニットに達し(独軍は歩兵分隊5、機関銃チーム1、戦車1を失う)、攻勢継続はかなり苦しいようである。
右翼の友軍機甲部隊は敵機甲兵力をほぼ完全に掃討し、任務を終えた。
最終的な勝利得点は以下の通り。

VP27vs24:ドイツ軍の勝ち。

感想

戦車戦と歩兵戦を同時に楽しめる欲張りなシナリオである。プレイ人数は2~4人となっているが、プレイヤー数=4人デフォルトと考えていた方が無難であろう。

全般感想

という訳でコンフリ三昧の2日間は終わりました。これほど集中して同シリーズをプレイしたのは今回が初めてです。今回のプレイでコンフリシリーズについて感じたことを以下に列挙します。

まずコンフリシリーズの良い点。
これはなんといってもルールが簡単なことに尽きるでしょう。初めての人でも短時間の説明とインストプレイをすればプレイできるようになります。歩兵や戦車に関する特殊ルールも少なめで、間接射撃や携行兵器のような特殊兵器もカードで処理されているので、面倒なルールを覚える必要がありません。
兵器のレーティングも興味深い点がありました。まず迫撃砲。本シリーズは迫撃砲の威力をまざまざと感じることができます。常に「側面からの射撃」扱いになるので、火砲のように前面と側面の防御力差が大きい兵器に対しては非常に有効です。また大型迫撃砲による間接射撃も面倒なルールなしで再現できる点が良いです。迫撃砲といえば、単に「威力の小さい火砲」扱いされている例が多いのですが、本作ではそれだけではなく、迫撃砲が「使える兵器」となっています。

次にコンフリシリーズで気になった点。
コンポーネントの一部に「もう一つ工夫してほしいなあ」と思うものがあります。いくつか列挙すると、マップ上に記載されたヘクスナンバーの振り方が、かなり特殊です。おかげでセットアップには随分苦労しました。またユニットの防御力表記も側面/前面の順番なので混乱し易いです。
またプレイ時間も気になる所です。個々のシナリオは3~4時間程度で終わるのですが、登場するユニット数(10~20個)やターン数(4~5ターン)を考慮すれば決して短い訳ではありません。特に4人プレイの場合、プレイヤーの待ち時間が結構長く感じます。プレイ手順がプレイヤー順に完全シーケンシャルなので、プレイヤー数が増えたから効率が良くなる訳ではありません。

本作をして「戦術級ゲームの最高傑作」と評する向きもあるようですが、私の中では「よく出来た佳作ゲーム」といった所です。

(おわり)

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こちらで予告したとおり、YSGAさんの3連休例会に参加し、Conflict of Heroesをプレイしました。

注:Conflict of Heroesシリーズは、第2次世界大戦における地上戦闘を車両1両、火砲1門、歩兵1個単位で描くボードシミュレーションゲームです。出版は米国Academy Games社。

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Storms of Steel シナリオ15

コンフリ三昧の2日目は、Storms of Steel最大級の戦車戦シナリオに挑戦します。選んだシナリオはシナリオ15「Dance of the Totenkopfs」。以前にこちらでも紹介した通り、クルスク戦役におけるドイツ第3SS装甲師団「トーテンコップ」とソ連第31戦車軍団の戦いを描くシナリオです。
ランダムに陣営選択した結果、私はまたもやロシア軍担当。T-34c 9両、T-70 5両の他、拠点防御する45mm対戦車砲 2門を指揮することになりました。

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セットアップ時の状況。赤丸に囲まれた部分が私の指揮下の部隊である。

第1Turn

戦いは初めから乱戦模様となる。
T-34の1両が丘の上から300m向こうで側面を晒したPantherを射撃して混乱させた。別のT-34が3号突撃砲を側面至近距離から射撃してこれを撃破。さらに別の3突もT-34がこれを撃破。一番の殊勲はTigerを撃破したT-34で、狙撃兵の一撃でひるんだTigerを(CAP値-1)、近接突撃で撃破した。幸先の良いスタートである。
一方の損害である。T-34の1両が正面からTigerの連射を浴びて炎上、別のT-34はTigerに接近戦を挑んだ所で別のTigerから側面射撃を受けて炎上。T-70は森の中に潜むPantherに接近戦を挑んだ所をPantherの反撃に会い撃破されてしまう等、当方の損害も予断を許さない。

第1Turn終了時における両軍の戦果/損害を以下に記す。

 ソ連:撃破5(3突x3,Tigerx2)、中破1(Pz5)
 独軍:撃破6(T-34,T-70,Su-76m,Su-76m,KV-1),中破1(KV-1)

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第1Turn終了時の状況。赤線がこのTurnにおけるソ連軍の動きである。撃破した敵戦車数ではやや負けているが、両軍戦車の性能差を考慮すれば現時点では良好と評価してよい。ただ攻撃力の大なPantherが残ってしまったので、今後の展開はなおも予断を許さない。

第2Turn

ドイツ軍の間接射撃(ロケット砲による砲撃)が辺りに着弾する。それにより45mm対戦車砲の1門が撃破された。
引き続いてJu-87「スツーカ」が飛来してきた。37mm機関砲を唸らせて突進しているスツーカは、その機銃掃射によりSU-152「アニマルハンター」をまず撃破。さらに目標を切り替えてレンドリースのチャーチル重戦車を砲撃して中破。

スツーカが暴れまわっている下ではソ連軍戦車部隊がドイツ軍に猛撃を続ける。まずT-34の近距離射撃によりTiger 1両が走行不能。他のKV-1は、その近距離射撃によりPantherを撃破した。この時点でドイツ軍が勝利を諦めてソ連軍の勝利が確定した。

感想

こちらでも書いたが、戦車数が多く、乱戦模様なので「行き当たりばったり」の感が強い。今回ドイツ軍は行動数のダイスに恵まれなかったが、なるほど、確かにこのシナリオでランダムAPを採用すると、バランスがかなり傾く可能性がある。

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讃岐うどんといえば「讃岐」が本場なのは言うまでもありませんが、最近は「讃岐うどんブーム」のお陰で全国各地で讃岐うどんを食べることができるようになりました。
そんな中、「讃岐うどんブーム」の火付け役ともいうべき麺通団が、名古屋に出店した店について紹介します。

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地下鉄の八事駅、6番出口を出た所にそれはありました。店構えは普通のうどん屋さん。中はセルフスタイルになっていますが、今ではセルフスタイルの店も多くなっているのでそれほど戸惑いはありません。

ちくわの天ぷらと半熟玉子の天ぷら、それに冷やし生醤油うどんの(小)を注文して\510。本場で食べるよりはやや高いですが、市街地で本格的な讃岐うどんが食べられるのだから文句はありません。

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うどんは美味しかったです。本場の一流店に比べると「少し腰が弱いかな」と思える部分もありましたが、気になるほどではありません。むしろ本場で不味いうどんを食べるよりも余程美味しいです。

名古屋に出かけた際にはお奨めできる店の一つです(名古屋っぽさはありませんが)。

お奨め度★★★★

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こちらで予告したとおり、YSGAさんの3連休例会に参加し、Conflict of Heroesをプレイしました。

注:Conflict of Heroesシリーズは、第2次世界大戦における地上戦闘を車両1両、火砲1門、歩兵1個単位で描くボードシミュレーションゲームです。出版は米国Academy Games社。

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3.Awaking the Bear ボーナスシナリオ4 Night Defense

nさんが時間切れで帰宅。残り3名となったので、「3名でプレイできる簡単そうなシナリオを」ということで、主題のシナリオを選択しました。


AtB ボーナスシナリオ4 Night Defense

時間が余ったので最後に簡単な3人用シナリオをプレイすることにしました。このシナリオは1941年12月、厳寒のロシア戦線で村楽を守るドイツ軍歩兵小隊と、それを夜襲するソ連軍との戦いを描くものです。ソ連軍を2人のプレイヤーが担当し、ドイツ軍は1人で担当します。ドイツ軍は5ユニット、ソ連軍は12ユニットで、兵力的にはソ連軍有利ですが、雪のため機動力が大きく殺がれる点と、ドイツ軍のみ認められてい初期隠匿配置によって兵力的に劣るドイツ軍もある程度対抗できるようになっています。
私は今回もソ連軍を担当することになりました。

第1Turn

歩兵分隊が突出するも村役場に陣取るファシスト軍機関銃座の射撃を浴びたので後退した。別の分隊は駆け足で前進中にLMGの射撃を受けて壊滅。早くも1個分隊を失ったので駆け足はやめて慎重に距離を詰める。

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第1Turn終了時の状況。赤丸で囲んだ部分が私の指揮する部隊である。

第2Turn

敵機関銃火点を射撃を加えて一時制圧。その間に歩兵5分隊が距離3ヘクスまで詰めていく。

第3Turn

歩兵4個分隊が村役場に陣取るファシスト軍機関銃座に向けて突撃を敢行。機関銃座からの射撃によって歩兵分隊2個をキズものされてしまったが、何とか機関銃座に近接した歩兵分隊が近接共同攻撃でこれを撃破した。2VP獲得

第4Turn

村役場を占領。

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第4Turn終了時の状況。村役場は赤丸で囲んだ部分である。

第5Turn

さらに村落を前進。ファシスト軍歩兵分隊を撃破した後、郵便局を占領。

ソ連軍:11VP、ドイツ軍:4VP

感想

積雪の移動ペナルティが結構きつかったが、基本的には兵力の優位を生かして乗り切った。
第3Turnにドイツ軍LMGチームを近接突撃で撃破したことが大きかったと思う。
駒数は少なめのシナリオだが、両軍とも考えさせられる部分が多く、面白いシナリオであった。


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