もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2010年05月

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「装甲擲弾兵」シナリオ10「サン・ヴィット街道」。バルジの戦いにおける一局面を描いたシナリオです。

「装甲擲弾兵」について詳しくは-->こちら

初期配置

イメージ 8このシナリオは初期配置時に配置されるのが米軍の歩兵6ユニットのみとなっている。しかもそのいずれもが混乱状態である。彼らは撃破された第106歩兵師団の生き残り、という位置づけになっている。
残りは両軍とも盤の両端から順次登場してくる。どちらかの陣営が待ち構えるというシナリオではなく、典型的な遭遇戦シナリオだ。独軍は盤端からの突破を目指し、米軍はその阻止が目的である。

第3ターンまでに登場してくる部隊数を比較すると、独軍23ユニットに対し米軍40ユニットと、数では米軍が圧倒している。ただし装甲兵力では15対16とほぼ同数となり、さらに独軍には強力な5号戦車や6号B型戦車といった化物が含まれていることを考慮すれば、少なくとも装甲兵力では独軍が有利に立っている。

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第1ターン

イメージ 9第1ターンに登場してくる独軍は、歩兵4、装甲車4からなる先遣部隊である。彼らは敗走する米兵を追い、足の速い装甲車で退路を遮断した。一方足の遅い歩兵部隊はゆっくりと前進し、次ターンの突撃に備える。
米軍の方は捕捉を免れた歩兵部隊を後退させる一方、M4戦車x2、M18駆逐戦車x1、M8装甲車x2、対戦車砲x2、歩兵x4からなる増援部隊がサンヴィット周辺に展開した。



第2ターン

イメージ 15このターン、独軍の主力部隊が登場する。5号戦車x4、4号戦車H型x4、3号突撃砲x2からなる快速戦闘部隊である。足の速い5号戦車は、米軍の敗残兵を無視して長躯前進。4号と3突は友軍歩兵と共同で米敗残兵に対する掃討作戦を行った。掃討作戦の結果は、米軍は敗残兵x3を失ったのに対し、独軍は歩兵x1を失った。
米軍の増援部隊はM36駆逐戦車x3、M5軽戦車x2、90mm対空砲x1、歩兵x2である。このうちM36は強力な90mm砲を装備し、虎や豹といった独軍主力戦車を正面から撃破できる威力を持っていた。米軍は戦線後方数箇所に拠点を築き、前衛に装甲車や軽戦車を展開させていた。両軍の偵察車両同士が接触する。

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第3ターン

イメージ 14主導権を米軍が握った。すかさず間接射撃をドイツ装甲車のスタックに誘導する。防御の弱い装甲車は1ユニット壊滅、1ユニット混乱の損害を被った。米軍の増援はM4/76x4、M4ジャンボx2、歩兵x4、工兵x2、迫撃砲x3である。後方に展開して防衛ラインを構築する。
独軍は間接射撃を避けるために物陰を移動。先頭を5号戦車が。その後方を4号、3突、そして移動隊形になった歩兵が続く。


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第4ターン

イメージ 10イメージ 11主導権は独軍。まず目の前に立ち塞がるM5軽戦車x2のスタックに対して間接射撃を降り注いだ。防御力に劣る軽戦車2ユニットは瞬く間に壊滅し、独軍は突破への道が開かれた。
続いて5号戦車x4からなるキラースタックが道路上を前進する。その眼前にはダミーに隠れたM36の90mm砲が待つ。しかし大胆に前進する5号戦車に対し、米駆逐戦車の主砲が火を吹くことはなかった。防御力に優れた5号戦車相手にサプライズアタックが中途半端な結果に終わることを恐れたためだ。結局5号戦車はM36の目の前を通過し、米軍の増援部隊を扼する要域に布陣した。
ちなみに左が5号戦車、右がM36である。個人的にはM36の対戦車火力は5号戦車と同じ「8」でも良いと思っている。

この時米軍がサプライズアタックを行わなかったことが後の戦局に大きな影響を与えることになる。

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5号戦車は前進したが、防御力を劣る他の独軍部隊が前進するのは容易ではない。米駆逐戦車のダミーを排除するのが先決である。ドイツ偵察車両が前進する。最初の1ユニットは付近に潜んでいた米歩兵のバズーカに撃たれてほうほうの体で後退(大損害)。続いてもう1ユニットが前進したが、こちらはM36x1のサプライズアタックによって瞬殺された。姿を現したM36駆逐戦車に対し、先ほどの5号戦車が砲火を注ぎ込んでこれを撃破する。残るM36は2ユニット。しかし5号戦車も1ユニットが弾切れを起こした。

米軍は前進してきた5号戦車を牽制すべくM4ジャンボx2を前進させた。姿を現したジャンボに対して再び5号が火を吹く。ジャンボは1ユニット壊滅、1ユニット混乱の被害を被った。ただし5号戦車1ユニットが弾切れを起こした。残る5号は2ユニット。

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第5ターン

イメージ 12米軍が主導権を握った。増援で得た戦車部隊(M4とM5の混成部隊)を前線の強化につぎ込む。他にM4x2を5号戦車の射程内に飛び込ませたが、5号戦車のストップ射撃を受けて1ユニット壊滅、1ユニット混乱の被害を被った。5号戦車強い。
その間、独軍は主力部隊を突撃体勢にして次ターンに備えた。一方の米軍はなけなしの増援部隊(M4/76x4)をサン・ヴィット方向より転進させた。

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第6ターン

イメージ 13主導権を握った独軍は総攻撃を開始した。まず間接射撃が生き残りのM36駆逐戦車に降り注ぐ。M36部隊は大損害を被り、周囲に対する射撃能力を失った。
戦線後方からノロノロやってきた6号戦車Bが漸く前線に姿を現した。距離750mでシャーマンを撃つ6号戦車B。その射撃はシャーマンを混乱させるに留まったが、米軍戦車の火砲は化物のような6号戦車Bには全く効き目がなかった。
そして次に4号戦車x4のスタックが前進を開始する。距離500mで姿を現したドイツ戦車に対し、M4とM5の混成スタックが射撃を開始。しかしダイスに恵まれずその射撃は効果がない。4号の反撃はM4,M5計3ユニットのスタックを全て混乱状態にした。
続いて独軍歩兵が前進。近接突撃によって生き残っていたM36駆逐戦車を完全に壊滅させた。

米軍は生き残り部隊で最有力のM4/76x4からなるスタックを突撃させた。5号戦車のスタックに隣接する位置まで前進した76mmシャーマン。5号のストップ射撃によって1ユニット壊滅、1ユニット混乱の損害を被ったM4隊は、残った2ユニットで乾坤一擲の射撃を行った。が、ダイスが根性なしで5号戦車相手に有効打なし。

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第7ターン

最早米軍に勝機はなかった。5号x4、4号x4が盤外へ突破。この時点で勝利を諦めた米軍は投了した。

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結果

VPの合計は125。勝利条件の55点を大きく越える独軍の圧勝に終わった。
両軍の損害を比較すると、失ったユニット数では独軍7ユニットに対し米軍19ユニット。特に戦車兵力についていえば独軍が失った装甲車両は偵察車両x4だけなのに対し、米軍はM4x6、M36x2、M5/M8x5の計13ユニット。戦車戦での一方的な結果が、独軍の圧勝につながった。


感想

米軍の敗因は第4ターン。5号戦車x4が突出してきた時、M36駆逐戦車でサプライズアタックを行わなかったことでしょう。この時サプライズアタックをしていれば、たとえ装甲の厚い5号戦車といえどもかなり高い確率で2ユニット壊滅の損害を被っていたと思われます。無論5号戦車の反撃でM36にも相応の損害が予想されますが、序盤で5号戦車中隊に大損害を与えることができれば、後の戦況はかなり有利に進めていくことができたでしょう。

このシナリオは、「装甲擲弾兵」の中でも比較的規模の大きいシナリオです。マップは3枚。ターン数は10ターンと大き目ですが、ユニット数はそれほど多くないので、プレイアビリティはそれほど低くはありません。今回は記録を取りながらのプレイでしたが、第7ターン終了までの所要時間は3~4時間でした。対人戦ならもっとスピードアップが予想されるので、最終ターンまでプレイしても3時間程度で終えることができるのではないでしょうか。

今回は独軍の圧勝に終わりましたが、バランス的にも独軍有利だと思われます。米軍はかなり広い戦線を少ないユニット数で守る必要があり、どうしても局面あたりの兵力は手薄になります。また独軍主力である5号戦車に対抗できるのは、M36の他は76mmシャーマンのみ。それもダミーを被っていなければアウトレンジ射撃される危険もあります。ターン数も比較的長めなので米軍はどうやって独軍を阻止したら良いのか、今の段階では名案が思いつきません。「歩戦分離」が基本なのかな・・・・。もう少しやり込めば別の手が見えてくるかもしれませんが、初心者同士の戦いならば独軍有利なようです。

ここまで「装甲擲弾兵」シリーズを何本かこなしてきましたが、噂に違わず優れた作品であると感じました。ルールの量は中程度ですが、良くまとまっているためプレイアビリティは高いです。普通のゲームとは違う概念があるので少し戸惑いますが、慣れれば大したことはないです。諸兵科連合効果や偵察の重要性、攻撃と防御の違い等、さりげなく「戦術」が再現されている点が良いです。指揮統制ルールはありませんが、シンプルさを狙ったゲームなので仕方が無い所でしょう。

気になる点は、やや主導権ダイスの影響が大きいかな、ということ。それからレーティングがやや枢軸軍有利かな、と思える点です。

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わたらせ渓谷鐵道の「1日フリーきっぷ」(\1,800)を使って同鉄道を堪能してきました。

最初に乗った0930桐生発のわたらせ渓谷鐵道間藤行きは満員。休日なのである程度の混雑は予想していたものの、これほどの混雑ぶりは予想を超えていました。始発駅から早くも立客が出る始末です。ローカル私鉄とは思えない繁盛ぶり。いやはや・・・・。

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わたらせ渓谷の景観

途中水沼、神戸(ごうと)といった駅で客が少しずつ減り、終点2つ手前の通洞で8割方下車。終点間藤に降りたのは、・・・・、それでも数十名はいました。

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終点間藤駅のしだれ桜

ここから徒歩で「足尾鉱山精錬所」に行きましたが、その話については-->こちらを参照して下さい。

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間藤駅に戻り1245発の桐生行きに乗り込みます。次に向かったのは花輪駅。なんでも駅近くにある旧花輪小学校で「わたらせ渓谷鐵道今昔物語」というイベントを開催しているとのこと。その間神戸駅に「やまと豚弁当」なる駅弁を電話で予約。駅の停車時間を利用して弁当をゲットしました。

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花輪駅には1330頃到着。旧花輪小学校の訪問にについては-->こちらを参照して下さい。

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とまあこんな感じでわたらせ渓谷鐵道を堪能しました。全般的に楽しめた鉄旅でしたが、苦言を2つばかり。
一つはとにかく混んでいる。行った時期が悪かったのかもしれませんが、乗る列車乗る列車満員状態。鉄道会社からは嬉しい悲鳴が聞こえてきそうですが、乗る方はねえ・・・。今度はもう少し空いている時期に行きたいです。
もう1点は車両がボロい。最近の3セクは、例えば会津鉄道等はJRも顔負けなくらい綺麗な車両を走らせていたりしますが、この「わた鉄」は酷かった。アテンダントを乗務させるなどしてサービス改善を図っている点は評価しますが、車両のボロさはなんとかなあ・・・。

まあいくつか不満はありましたが、全般的には楽しめたので、機会があればまた来たいです。

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ロンメル戦記

山崎雅弘 学研M文庫

ロンメル将軍といえば、「砂漠の狐」の異名を持つドイツ軍の伝説的名将である。本書はロンメル将軍の生い立ちからWW1大戦期における活躍、WW2緒戦のフランス戦役、そしてメインテーマである北アフリカでの活躍を経て、ノルマンディ戦前後における彼の行動とその最期を描くノンフィクションである。
本書は事実を中心として淡々とした調子で進んでいくが、個々のエピソードが面白く、読んでいて飽きない。またロンメル将軍の戦い方についての筆者の分析はわかりやすく、彼の勝利の多くが心理面に依っていたことを示している。
比較的新しい視点に基づいたロンメル将軍像であり、WW2戦記に興味のある方ならば一読をお奨めしたい作品だ。

お奨め度★★★★

あまり政治ネタは触れないつもりでしたが、ちょっとだけ。

今回の普天●問題でハトさんが色々と叩かれています。
まあ確かに経緯について問題があるとは思いますが、それでも約束期限までに一定の結論を出したのだから、私は一応評価しています。「支持する」とまでは行かないけど、「ちょっと見直した」かな。

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先日、「わたらせ渓谷鐵道」に乗っていた時のこと。ふと見ると「わたらせ渓谷鐵道今昔物語」という催しが近くの小学校で開催されているという情報を得ました。早速当該駅で下車。歩いて2~3分の場所にあるその会場へ足を運んでみました。

その会場というのが「旧花輪小学校記念館」。かつては小学校であった建造物を保存し、博物館として再利用している施設です。入館料は無料なので、早速中に入ってみました。

木造2階建ての校舎は、まさに絵にかいたような「昔の小学校」。内部も木造建造物に相応しい古さです。私が通っていた小学校もかなり古かったですが、ここまで古かったかどうかは・・・。ちょっとしたタイムスリップを感じることができました。

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肝心の「わたらせ渓谷鐵道今昔物語」については、まあこんなものかな。線路の歴史や古い写真、ジオラマで再現した往時の景観などを楽しませてもらいました。

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イベントのポスターです

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国鉄時代の特急列車を並べたポスターです

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旧花輪駅の駅名看板です。



あと花輪駅近くの写真も紹介します。何もない駅ですが、その分ローカル線の風情を堪能できる駅でした。

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