もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2010年05月

今、空港の待合室からこのネタを書いています。
いやー、無線LANって便利ですね。
私も遅まきながら漸くモバイルな時代に突入しました。

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以前にYSGAでEmpire of the Sun(GMT)の対人戦を戦った際、連合軍司令部の再配置について、考察の足りなかったことを露呈してしまいました。そこで今回は1944年以降における戦いを見越した連合軍司令部の再配置について考察してみようと思います。

YSGAにおける対戦記-->こちら

司令部再配置に関する考察

米軍が日本本土に近づくにつれて司令部との距離が問題になってくる。特に戦争末期、日本本土近海での作戦行動や蘭印方面への大規模な侵攻作戦を考慮した場合、司令部をどこに配置するかは重要といえる。
下図を見て頂きたい。これは真珠湾のC Pac HQ(中部太平洋方面司令部)とタウンスビルのSW Pac HQ(南西太平洋方面司令部)の指揮範囲を示したものである。実際には日本軍のAZOIによる補給線妨害があるので下図の通りには行かないが、まあ目安と思って頂きたい。

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沖縄や中国本土海岸は両司令部の指揮範囲外である。また蘭印方面はボルネオ、ジャワの線までで、マレー、タイ、仏印、ビルマといった一帯はやはり指揮範囲外である。従ってゲーム終盤における連合軍部隊を効果的に運用するためには、司令部の再配置が不可欠となってくる。

余談だが、SW Pac HQをタウンスビル(3727)ではなく、ケアンズ(3626)に配置した場合、沖縄、大阪、名古屋まではSW Pac HQの指揮範囲に入る。ただし東京はやはり範囲外である。

ではどのように再配置を進めていくのか。
司令部を再配置する際、その司令部のみに補給線を依存していた部隊が補給切れとなる。この場合ステップロスを強いられるので、下手に配置変更をした場合、取り返しのつかないことになる。従って再配置は慎重に行わなければならない。

イメージ 3結論からいえば最初に配置変更するのはC Pac HQである。この司令部ならば仮に配置変更のために一時的に除去しても、その損失は最小限で済む。具体的には真珠湾、ミッドウェー、ダッチハーバー等に展開している陸上部隊と航空部隊がステップロスの対象となる。航空部隊のステップロスについては問題にはならない。なぜなら米軍には有り余る航空補充能力があるからだ。陸上部隊はやや厄介であるが、損害の小さかったターンを狙って再配置すれば補充は可能だ。再配置先はエニウェトク、サイパン、トラック、ペリリュー付近が適当であろう。この付近であればマップ全域に指揮範囲を展開できる。例えばサイパンに司令部を配置すれば、セイロン島まで指揮範囲に入る。無論日本軍の反撃は要注意だ。必ず守備隊をスタックさせることを忘れないようにしたい。

イメージ 4一度C Pac HQの引っ越しが完了すれば、あとは楽だ。SW Pac HQも適宜引っ越しさせれば良い(絶対必要な訳ではない)。引っ越し先としては北部ニューギニアか西カロリン方面が適当か?。日本本土と南方資源地帯一帯に指揮範囲が及ぶようにしておけば良い。


以上、連合軍司令部の再配置について考察してみた。
他の太平洋戦争を扱った作品とは異なりEmpire of the Sunの場合1944年以降の連合軍も決して楽ではない。1944年以降の連合軍の戦い方についても十分に研究する価値のある作品であると考える。

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戦史のよもやま話第2弾です。

問題です。
「WW2に参加した双発軍用機のうち、最も優秀な機体はなんでしょうか?」

これだけでは範囲が広すぎるので以下の制限事項を設けます。
・量産された機材であること
・実戦に参加した機材であること
・戦闘を主任務とする機材であること(輸送機、偵察機、練習機等は含まない)

「優秀」については特に定義しません。
性能が優秀でも構いませんし、戦歴が優秀でも構いません。スタイルでもOKです。とにかく「優秀」と主張できる何かがあれば良しです。

いくつか候補を上げます。
日本なら陸攻、屠竜、銀河等
米国ならP-38、B-25、A-20等
英国ならボーファイター、ブレニム、モスキート等
ドイツならBf110、He111、Ju88等

・・・・
へ、私ですか?。
私はやっぱり↓の機体かな・・?。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/4/a/4ae1392d.jpg

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先日、YSGAにて主題のゲームをプレイしました。

注:PanzerBlitzについて詳しくは-->こちら

先に紹介した「カランタン攻防戦」が終了したので、引き続いてHill of Death本体に含まれるシナリオをプレイすることにしました。
選んだシナリオはシナリオ4「Take the Hill」。以前に紹介したことのあるシナリオです。

ダイス判定の結果、私が独軍、対戦相手の方が英軍を担当します。

セットアップ

前回の経験から、英軍で一番厄介なのは長射程距離を誇る17pdr対戦車砲であると判断した。そこで兎に角17pdr砲を展開させないよう、17pdr砲が視界に入り次第これを撃破するという方針を立てた。次に対戦車火力に優れるアキリーズ駆逐戦車を優先目標とし、装甲の厚い(だけどノロマな)チャーチル重戦車やクロコダイル火炎放射戦車は後回しとしました。
英軍のブレンキャリアも数が多いので厄介です。機会を見て数減らしをしましょう。

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セットアップ時の状況


1Turn

英軍部隊が次々と前進してくる。チャーチル重戦車、歩兵を乗せたブレンキャリアが次々と前進してくる。でも無視無視。続いて17pdr砲を引いたハーフトラックが前進してきた。よし。
「フォイエル」
4号戦車が距離2000で主砲を放った。ピンゾロで見事命中。輸送中の17pdr砲を葬った。
これで慎重になった英軍は慎重になり、17pdr砲を独軍の視認距離外に待機させる。
独軍は目標を変更。既に視界内に入っていたアキリーズ駆逐戦車を狙った。数度の射撃でこれを撃破する。
さらにパンター1ユニット、3号突撃砲2ユニットを112高地に前進させる。112高地はこの一帯を制する制高点だ。勿論英軍もそのことを承知しており、歩兵部隊を前進させてきた。しかし市街地以外では歩兵は戦車の敵ではない。歩兵部隊の突撃は全く効果なしに終わった。

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2Turn

先手を取った英軍はアキリーズ駆逐戦車が距離750で112高地に陣取るパンター戦車を射撃した。命中。虎の子パンター戦車が1ステップを失った。痛い。
パンターの敵は3号突撃砲が取った。3突の放った砲火がアキリーズに命中。アキリーズを撃破。先のTurnにおける損害と合わせてアキリーズ駆逐戦車隊は壊滅した。
チャーチル重戦車、クロコダイル戦車が前進してきた。75mm対戦車砲がチャーチルを狙い打つが、混乱させるのが精一杯で、撃破するには至らない。さすがにチャーチルは重戦車だ。堅い。
クロコダイルは112高地直下まで接近してきた。火炎放射をまともに浴びた3号突撃砲が撃破されていく。

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3Turn

112高地前面ではなおも激しい戦闘が続いている。3号突撃砲が至近距離に迫ってきたクロコダイルを直接射撃で撃破した。
その右翼では75mm対戦車砲が突進してきたブレンキャリアを撃破。
しかし独軍防御線最右翼の一角は英軍歩兵の突撃を受けて壊滅。陣地線の一角が崩れた。

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4Turn

先のターンに登場してきたドイツ軍の増援部隊が前線に姿を現した。ティーガー戦車2.5ユニットからなる強力な部隊だ。その主砲が火を噴き、チャーチル戦車が吹っ飛んだ。
英軍は連続チット引きを利用して独軍防御線中央部結節点に激しい近接射撃を加えてきた。独軍防御陣地に崩壊の危機が迫る。

というところで時間切れとなり、最終結果を待たずに時間切れとなった。


感想

この後の結果がどうなるかは予断を許さない状況ですが、英軍プレイヤーの見解は、「このまま続けても勝利条件を満たすことは難しいのではないか」ということでした。実はその点については私も同感で、特に重装甲を誇るティーガー戦車がスタックを組んで路上で頑張られてしまうと、対戦車火力の劣る英軍にはかなり苦しいように思います。

英軍が勝機を得るためには、近接突撃を多用して独軍歩兵を積極的に片づけていくのが得策だと思いました。後に少し触れますが、近接突撃で相手戦車を始末するのは至難の技です。しかし歩兵相手なら近接突撃は極めて有効な手段です。数的優勢を利用して近接突撃を多用。独軍歩兵を始末して残った重戦車はなんとか頑張って混乱状態に持っていく。英軍が勝利を得るにはこれしかないように思いました。それでもティーガー対策はかなり幸運が必要だと思いますが・・・。

プレイ中に少し問題になったのですが、このゲーム、歩兵による近接突撃がやや使いにくいように思います。特に射撃結果表の関係上、戦車スタックを歩兵の近接突撃で撃破するのはかなり困難ではないかと思います(注)。とはいえ近接突撃以外の方法なら何とかなるのか?、という訳でもありません。結局の所、市街戦にでもならない限り歩兵で戦車を始末するのは殆ど不可能ではないかと思いました。

私のお気に入りの一つである「装甲擲弾兵」はそのあたりの処理がスマートです。「PanzerBlitz」では近接突撃でも通常の射撃と同じ判定表を用いますが、「装甲擲弾兵」の場合は射撃戦と近接戦闘を別の結果表で判定するようになっています。そのため射撃戦では戦車に成すすべもない歩兵部隊も近接戦闘で戦車に一泡吹かせることが可能になっています。このあたりは史実をどのように評価するかの問題であり、どちらが優れているという話ではないのですが、私としては歩兵の役割がより積極的に評価されているという点で「装甲擲弾兵」シリーズを推したいです。

(注)戦車スタックを近接突撃で撃破するのが困難な理由は、通常射撃では加算されないスタックの防御力が、近接突撃とオーバーランの場合だけは加算されます(例えば防御力15のパンター戦車2ユニットがスタックしていた場合、防御力は30になります)。対装甲射撃判定表はディファレンシャル(攻撃力と防御力の差に基づく)方式なので、防御力が加算されると途端に防御側が有利になります。


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先日、YSGAにて主題のゲームをプレイしました。

注:PanzerBlitzについて詳しくは-->こちら

今回最初は対戦相手の方に用意して頂いたオプションシナリオ「カランタン攻防戦」をプレイすることになりました。これは1944年6月、D-DAY直後に行われた米独両軍によるカランタン攻防戦を描いたシナリオです。カランタンを死守する米第101空挺師団に対し、装甲兵力を含むドイツ軍がその奪回を試みるという状況です。ダイス判定の結果、私が米軍、対戦相手の方がドイツ軍を担当します。

攻撃側はドイツ軍で、カランタンの占領が目標です。勝利条件はカランタンの市街地ヘクスをドイツ軍が1ヘクスでも占拠し続ければドイツ軍の勝利。それを阻めば米軍の勝利です。

OB(戦闘序列)を見てみると、米軍は101空挺師団が主力となる部隊で、当然ながら歩兵が中心です。降下兵10、工兵3、機銃3、81mm迫撃砲1。その他装甲兵力としてM10駆逐戦車が4ユニット、M8装甲車2ユニットが登場します。さらに第6Turnに増援部隊としてシャーマン戦車6、機械化歩兵6、ハーフトラック6、M7自走砲3が登場します。また第2Turnと第3TurnにP-47サンダーボルト戦闘爆撃機が各1ユニット登場します。
対するドイツ軍は、やはり歩兵12ユニットを基幹とする歩兵部隊の他、対空砲大隊。装甲兵力としては増援として登場する3号突撃砲8、4号駆逐戦車2、対戦車用装甲車5、その他が登場します。

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M10駆逐戦車。本シナリオでは4ユニットが登場し、米軍の対戦車火力の主体を成します。対戦車火力18は17ポンド搭載のアキリーズやファイアフライに迫る数値ですが、防御力6はやや脆弱です。それでもドイツ軍の4号戦車や3号突撃砲と互角に戦えるよう評価されており、他の作品に比べるとM10に対する評価は比較的好意的だといえましょう。

セットアップ

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1Turn

カランタンを守る主力はカランタン市街で穴掘りをする。敵がやってくる前に防御拠点を築こうというわけだ。またM10駆逐戦車も車体を埋めてハルダウンポジションでドイツ軍の接近を待つ。
その頃前線ではドイツ軍の激しい攻撃が始まっていた。ドイツ軍対空機銃が米歩兵を狙い撃ちする。強力な砲兵射撃が前線陣地に降り注ぐ。ダイス目に助けられて比較的損害は軽微であったが、それでも徐々に押されつつあった。
米軍はM8装甲車2ユニットからなる偵察部隊をカランタンから出撃させて、独軍の突破に備える(下図矢印)。

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2Turn

先手を取ったドイツ軍が前衛部隊の歩兵を攻める。圧倒的兵力差で崩壊しそうになる。さらにドイツ軍に増援。3号突撃砲6ユニットからなる機甲部隊だ。米軍危うし。
と、その時上空から爆音が響いた。P-47「サンダーボルト」戦闘爆撃機が急降下。ロケット弾を前進中の3号突撃砲部隊に降りそそぐ。猛烈なロケット攻撃を受けて3突1ユニットが壊滅した。強いぞ、サンダーボルト。

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3Turn

ドイツ軍が我が軍左翼に対する圧力を強めてきた。装甲兵力をも加えて強大な火力で米軍を圧迫する独軍歩戦連合部隊。サンダーボルトが再び飛来し、強力な4号駆逐戦車を狙ってロケット弾を放ったが、装甲の強力な4号駆逐戦車はサンダーボルトの攻撃を耐えた。

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4Turn

左翼のドイツ軍が大きく前進し、戦線左翼からカランタンに迫る。
サンダーボルトが再び飛来、ロケット弾を撃ち尽くした彼らは機銃掃射を雨あられと降り注いだ。3号突撃砲1ユニットがサンダーボルトの銃撃を受けてステップロス。さらに・・・。

カランタンまで1000mの距離に接近してきた4号駆逐戦車のスタックに対し、米軍は盤外砲撃を指向した。通常、この種のゲームにおける盤外砲撃は対歩兵的な意味合いが強く、対戦車火力はあまり大きくないのが通例である。本作でもその例に漏れず盤外砲撃の対戦車射撃はあまり有効ではない。しかし今回だけは違っていた。4号駆逐戦車2ユニットのスタックに降り注いだ海軍の5インチ砲弾がピンゾロを連発。4号駆逐戦車2ユニットをそれぞれステップロスさせた。

戦いの流れが変わった。

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5Turn

米軍は左翼から迫る独軍機甲部隊に対して反撃を指向した。突出してきて反撃力の乏しい敵に対し、M8グレイハウンド装甲車が跳躍。突撃射撃を浴びせる。グレイハウンド1ユニットがドイツ軍の臨機射撃を受けてステップロス。しかし米軍の反撃はなおも続く。
二番手はM10駆逐戦車。至近距離から突撃射撃を浴びせかけてドイツ軍対戦車装甲車を撃破。別のグレイハウンドは側面射撃で3号突撃砲を撃破。歩兵部隊は近接突撃を仕掛けて4号駆逐戦車を葬る。さらにM10駆逐戦車がドイツ軍前面に駆け上がった。

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6Turn

このターン先手を取ったのは米軍だった。1000m以下の至近距離からM10駆逐戦車が砲火を開く。4号駆逐戦車、3号突撃砲、対戦車装甲車が次々と撃破されていった。独軍の先鋒部隊は大損害を被った。
さらに後方からM4シャーマン6ユニットを主体とする機械化歩兵大隊がカランタンの町に入っていった。この時点でカランタン占領を諦めたドイツ軍は後退。カランタン攻防戦は終わった。

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感想

最初はダイス目に恵まれていない面がありましたが、中盤の間接射撃でピンゾロ連続出したのは、まさに逆転満塁ホームラン的なラッキーさでした。結果的には前線部隊が自らを犠牲にして時間稼ぎをしてくれたことが勝因だったと思います。
それにしてもサンダーボルトは強い強い。防御力6もあるので、英軍のタイフーン戦闘爆撃機(防御力4)よりも落とされにくく、しかも火力は強力。全く独軍にとっては悪夢以外の何物でもありません。



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