私のブログでもしばしば登場するVASSALですが、これは一言で言えば
「PC上でボードゲームをプレイするためのツール」
です。
「PC上でボードゲームをプレイするためのツール」
です。

GMT社の傑作ゲーム「Ukraina43」のVASSAL画面の一部
ウォーゲームをプレイする際の問題点
ボードゲーム(特にウォーゲーム)をプレイしたことがある方には自明なことなのですが、ウォーゲームをプレイする際に大きな制約となるのが、対戦相手、対戦場所、対戦時間の3つです。対戦相手とは同好の趣味を持つ人のこと。決してメジャーとは言えないウォーゲームの場合、対戦相手を確保することが難しく、それがプレイの弊害になっていることは否定できません。私自身も昨今でこそ比較的対戦相手に恵まれている状況ですが、数年前は対戦相手が遠隔地に集中していたため、対戦機会を得るためには安いとは言えない交通費を支払って出かける必要がありました。
対戦場所については、ウォーゲームはマップだけでも「フルマップ」と呼ばれている凡そA2版の広さを持つ地図を1~2枚広げる必要があります。1枚なら炬燵の上に広げることも可能ですが、2枚以上となると炬燵をはみ出します。かといって畳の上に広げてプレイするのは、(若い人ならとにかく)中年以上の年代の人にとってはかなり辛いものがあります。それに同好の士が集まってプレイするには、どこかの会議場を借りる必要があり、それなりの組織的な活動が必要になってきます。
対戦時間については、一般的なウォーゲームの場合、標準的なプレイ時間は4時間以上。いわゆるキャンペーンシナリオの場合、プレイ時間が20時間以上に及ぶ場合も珍しくありません。長時間連続でゲームを続けるためには、体力的な問題やマップ等を広げておく場所を確保する問題等、困難が伴います。
VASSALを導入すれば、これらの問題点の多くについて改善が期待できます。
まず対戦相手の問題ですが、VASSALを導入すると対戦相手を全国各地から得ることができます。また言葉の問題を乗り越えることができれば、世界中から対戦相手を探すことも可能です。
例えば以下の画面を見て下さい。
まず対戦相手の問題ですが、VASSALを導入すると対戦相手を全国各地から得ることができます。また言葉の問題を乗り越えることができれば、世界中から対戦相手を探すことも可能です。
例えば以下の画面を見て下さい。

この画面はVASSAL上でネット対戦の相手を探すツールです。ここには現在世界中で実施されているVASSAL対戦の状況を見ることができます。上の画面からは、現在"Battlestar Galactica FFG"のネット対戦に20名が参加していること。VASL(Advanced Squad Leaderのバーチャル対戦版)のネット対戦には8名が参加していること等を見ることができます。
対戦場所の問題については言うまでもありません。マップはPC上に展開されるため、物理的なスペースは必要ありません。普通のマップのように全画面を俯瞰できないという問題はありますが、高解像度のモニターを使うことによってかなり解消できます。ちなみに私は22インチの液晶モニターと古い17インチのCRTをデュアルで使っていますが、概ね問題なくプレイできています。
対戦時間については、VASSALを使った場合、ゲーム中いつでも保存・再開が可能なので、対戦相手の都合に応じてプレイ時間をいつでも確保できます。またこのメリットは所謂「ソロプレイ」にも有効で、プレイ時間が長時間に渡るゲームをソロプレイする際の制約条件が大きく緩和されました。
少し変わった使い方として、出先でウォーゲームを楽しむという方法もあります。私の場合、旅が好きなのでしばしば旅をしていますが、その時ノートPCを持参し、ノートPCでVASSALによるプレイを楽しむことがあります。現在は専らソロプレイが主ですが、将来屋外におけるネット環境が整備されてくると、場所を選ばずにVASSAL対戦を楽しめるようになるかもしれません。
VASSALを導入する際の注意点
VASSALを導入するためには、まずVASSAL本体とモジュールと呼ばれるゲームをダウンロードする必要があります。VASSA本体は以下のサイトからダウンロードできます。VASSALをプレイする際必要となるモジュールについては、ゲームタイトル毎に用意する必要があります。上のサイトからもモジュールをダウンロードすることができますが、それ以外にも米国のGMT社、日本の国際通信社、Game Journal等では自前でVASSALモジュールを無料配布しています。
VASSAL本体をインストールし、モジュールをダウンロードしてきたらゲームの準備は完了です。VASSAL導入やVASSALによるプレイの手順についての詳細は以下のサイトを参照されるのが宜しいかと思います。
準備ができたら、まずソロプレイでVASSALを試してみるのが良いかと思います。無論、親しい友人が既にVASSAL経験者である場合は、その友人から操作方法を教えてもらいつつ、いきなりネット対戦というのもありかも知れません。ある程度操作に慣れてきたら、must attack等を使って対戦相手を探すのが良いかと思います。
なおVASSALのネット対戦をする場合は、Skypeを導入しておくことをお奨めします。勿論諸般の事情でSkypeを導入できない場合もあるとは思いますので、その場合は携帯電話で代用するか、あるいはチャットで対応するという手もあります。ただ対面対戦に近い感覚でプレイする場合には、Skypeがあった方がよりベターです。

Game Journal社の海戦ゲーム「大日本帝国の盛衰」のVASSAL画面の一部
最後に
とまあ色々書いてきましたが、私自身VASSALを導入したのはここ2~3年です。しかもその間専らソロプレイが主で、ネット対戦の世界に足を踏み入れたのは、数日前のことに過ぎません。ですから本来であれば私のような者よりがVASSAL云々を語るよりはもっと適任の方がいらっしゃると思います。ただ、できれば多くのウォーゲーマーにVASSALの魅力について知ってもらい、VASSALによるネット対戦が活発化される一助になれば良いかな、と思い駄文を書かせて頂きました。最後に、
Let's Play VASSAL