前回紹介したシナリオ4「クルセーダー作戦」に引き続き、「レジェンド・ビギンズ」の別のシナリオを試してみることにしました。選んだのはシナリオ3「ロンメル登場」。1941年3月末から同年6月終了までを扱ったシナリオで、ロンメルによる最初の攻勢と、それに対する英軍の反撃を描きます。
筆者は枢軸軍を担当しました。
41年3月後半

幸先の良い出だしである。

41年4月前半

後手に立った英軍はベンガジ(3222)まで後退。ベンガジの港湾施設を爆破し、独軍の進撃を妨害する。
枢軸軍は足の遅いイタリア軍でベンガジを包囲、独機甲部隊はキレナイカの奥地にまで進出する。
先頭を進む独第5軽機甲師団はメキリ(3226)を守るインド軍第3自動車化旅団と交戦。これを撃破した後、デルナ(3728)の港湾、Martuba(3529)の飛行場を制圧した。
ベンガジ方面では、ベンガジを守るオーストラリア歩兵旅団をイタリア軍が包囲し、数に物を言わせてここを占領していた。
英軍はトブルク、バルディア方面に後退。同方面で防衛態勢に入る。

41年4月後半

トブルク周辺に到達した枢軸軍は、アリエテ機甲師団を主体とする部隊でエル・アデムを攻撃。兵力では枢軸軍が優位に立っていたが、イタリア兵の戦意は振るわず攻撃は失敗に終わった。


41年5月前半

英軍はエル・アデムで包囲下にある友軍を救うべくトブルク要塞内部から反撃を開始した。しかし独軍偵察部隊の頑強な抵抗にあい反撃は失敗。エル・アデムは伊アリエテ機甲師団その他の攻撃を受けて陥落した。
勢いに乗る枢軸軍はトブルク要塞地帯の包囲を進める一方、足の速い快速部隊をエジプト国境に向けて進発させる。国境付近で英軍が築いたフォート・カプッツォの陣地に対して独伊の快速部隊が強襲攻撃を仕掛けたが、陣地を守るマチルダ重戦車大隊とインド歩兵旅団の抵抗にあって攻撃は失敗に終わってしまう。
脆弱な側面を晒したアリエテ師団に対し、英機甲旅団が襲いかかる。航空部隊の支援を受けて英軍の最初の攻撃には耐えたアリエテ師団であったが、引き続いて行われた英機甲旅団の第2次攻撃には耐えられず後退を余儀なくされてしまう。この戦いでアリエテ師団は兵力の半数以上を失い、以後その回復に多大な時間を要することになる。
海ではマルタ島を基地とする英艦隊が猛威を振るっていた。枢軸軍期待の増援である独第15機甲師団の戦車大隊は、海上でその戦力の1/3を失い、補給物資や増援部隊も次々と撃沈されてしまう。


41年5月後半

先ほどのTurn、英軍の攻撃を受けて大損害を被った伊アリエテ師団はトブルク周辺にまで後退。独軍の機甲師団も同じくトブルク付近にまで後退する。
増援部隊等によってある程度戦力を回復したドイツ軍機甲部隊は反撃を開始した。リビアン・オマール、フォート・カプッツォの中間地帯に展開していたインド第3自動車化旅団とマチルダ重戦車大隊のスタックをドイツ軍2個機甲師団が攻撃する。空軍の支援もあって独軍の攻撃は成功。突破に成功した独機甲師団はハルファヤ峠(2545)を制圧した。

41年6月前半

英軍機甲部隊(第2機甲師団他)はリビアン・オマール南部に布陣していた独第5軽機甲師団を包囲攻撃。しかし空軍力の差異や戦車性能の違いによって英軍の攻撃は失敗。直ちに駆けつけた独第15機甲師団と第15機甲師団が英第2機甲師団を攻撃し、これを撃破していた。

英軍の攻勢

独軍の反撃
41年6月後半

バルディアでは先の損害から戦力を回復した伊アリエテ師団が中心となって総攻撃を開始。海からイタリア艦隊の艦砲射撃などの支援があって、バルディアを占領した。
この時点でゲーム終了となった。

結果

最終Turnにシディ・バラニを占領できれば勝利条件を達成できたのだが、そういった意味では悔しい引き分けであった。
感想

前回紹介した「クルセーダー作戦」に比べてターン数が2倍近くになっていますが、プレイ時間はほぼ同じぐらいでした。ユニット数が少なめであることや、補給物資の制約等によって攻撃の機会があまり多くなく、そういった意味では意外とサクサク進めることができます。
ゲームとしては非常に面白い作品です。「クルセーダー作戦」はどちらかといえばガチンコ勝負ですが、こちらは機動戦あり、陣地戦あり、包囲戦あり。海上輸送や補給遮断戦等も適度にスパイスとして効いています。細かいルールが多いので一見すると取っ付き難そうに思えるのですが、プレイしてみるとそれほど複雑ではなく、概要を理解できればあとはサクサク進めることができます。
プレイ時間の関係上キャンペーンシナリオをプレイするのはちょっと難しいとは思いますが、シナリオでも十分に楽しめる作品であることは確かです。唯一の難点は国際通信社の日本語版がやや不出来な事。エラッタも発表されていますが、十分ではなく、シナリオの中にもいくつか間違いがあるようです(この当たり、国際通信社にはより積極的なサポートが望まれる所です)。
問題点はあるものの、本作が現時点で入手可能な北アフリカ戦キャンペーンゲームの最高峰の一つであることは間違いありません。この機会により多くの人が本作の魅力を感じて頂ければ、と思います。
