もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2013年05月

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空母戦ゲームを作ろう

G/WのFLAT TOP例会で個人的に空母戦熱が盛り上がってきた。早速押し入れを探してみると、25年前にデザインした空母戦ゲームの残骸が出てきた。25年前のデザインなのでルール的に大雑把な部分はあるが、それでも整理し、再調整すれば十分使えそうだ。そこでこの「幻の空母戦」をベースに、新作空母戦ゲームをデザインしてみよう。タイトルは、

「決戦!南太平洋1942」

そういえば昔エポックから似たようなタイトルのゲームが出ていたなあ・・・。

デザインコンセプト

目指すゲームは「精密空母戦」である。精密空母戦と言っても「航空母艦」(ツクダ)のように空母対空母を極限まで精密化するのではなく、空母を含めて水上部隊、基地航空隊、陸上部隊も含んだ海空戦闘を出来る限りリアルに再現したい、というのが目指すコンセプトだ。プレイ時間については、練習シナリオ4時間以内、空母決戦シナリオ約10時間、ロングキャンペーン(4~5日程度の作戦行動を再現するシナリオ)で約20時間のプレイ時間を見込んでいる。プレイ時間を上記の範囲に収めるのがデザイン上の1つの目標としたい。

スケールについては、1Turn=実質1時間、1Hex=30海里。ちなみにこのスケールについては、25年前から変わっていない。
タイムスケールはFLAT TOPに合わせた。このことについては「航空決戦をある程度リアルに再現しようとすれば1Turn=1時間ぐらいが限界ではないか」(これ以上長くすると、航空決戦の再現するには抽象化度が大き過ぎる)、という意見がFLAT TOP例会の際聞かれたので、それを参考にした。下名もFLAT TOPをプレイした際にはこれに近い感想を持った。実はこのゲームに手掛ける少し前、もう少し大きなタイムスケール(1Turn=8h)ぐらいのゲームを考えていたこともあった。仮にもう少しプレイアビリティを重視し、例えばキャンペーンシナリオでも1日あれば終わる、ぐらいの難度でゲームをデザインするのであれば、1Turn=8hという選択肢もあり得たと思う。所謂「フリートシリーズのような空母戦ゲーム」だが、新たにエンジンを設計するのが面倒だったので、古い設計図が使えるエンジンを使いまわしすることにした。

マップスケールはFLAT TOPの約2倍。それだけ地図は大雑把になる。これは索敵ルールのプレイアビリティを考慮した結果である。FLAT TOP場合、マップのスケールが細か過ぎて索敵時のプレイアビリティに難があると感じた。また海軍戦略の再現という点についてもFLAT TOPの場合ポートモレスピー周辺の機動余地が小さく、その点にやや難がある。それよりもHexスケールを大きくしマップの扱う範囲を広く取った方が、プレイアビリティが向上する上、海軍戦略の再現という意味では優れているように思える。

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作成中のマップ案である。実際にはもう少し範囲を絞り込み、不要な部分を削ろうと思っている。

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こちらは中南部ソロモンの主要部。ブインからヘンダーソン基地までは11Hex(330海里)である。

イメージ 3航空機は1ユニット6機。ステップロス制で、表と裏の2ステップを持つ(1ステップ=約3機)。左の図が航空機の例である。言わずと知れた米海軍の偵察爆撃機SBDドーントレスだ。数値がいくつか並んでいるが、左下の数値は索敵力/索敵距離となっている。右下の数値は巡航速度(いわゆる移動力)だ。巡航速度が丸く囲まれているのは、このユニットが空母艦載機であることを示している。丸の色によって母艦を区別する。空戦力や爆撃力はユニットには記載されていない。これらの数値はシナリオ毎に与えられる(同じ零戦でもシナリオ毎に能力が異なっている・・・、かもしれない)。

イメージ 4イメージ 5日本海軍の水上機と米海軍の飛行艇を並べてみた。数値の意味はドーントレスの場合と同じ。赤文字の"S"は水上機又は飛行艇を示している。また赤文字の"2"は機体のサイズを示している。機体サイズのルールは選択ルールにしようか、それとも基本ルールにしようか迷っている。選択ルールとするのなら、ユニットにサイズを記載する必要はないかもしれない。

艦船については悩んでいる。1隻1ユニット、駆逐艦以上は全て艦名入り。ここまで決定済。しかしステップロス方式にするか、それともヒットポイント制にするか、そんな基本的な所で悩んでいる。貫通力の概念もルール化したいが、そうすると許容損害度以外に装甲レベルのようなルールも必要。ユニットにゴチャゴチャと数値を書き込むのもなんだかなぁ・・・。だけど装甲レベルの概念がないのも少し寂しいし・・・。

まあ、そんな感じでゴチャゴチャ作ってみます。

こうご期待。
(とまあ、取りあえず企画を立ち上げてみたが、果たして日の目を見るかどうか。まあライフワークと思って頑張ります)


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日米両軍の基地航空隊による長距離偵察の例。ちなみにこの偵察網を実現するために必要な機数は、日本軍の場合12~24機、米軍の場合は18~36機になる。これはあくまでも例なので、例えばエスピリッツサントからの索敵線を左に30~60度ずらすことは可能だし、投入機数を増やすことで索敵覆域を広げることも可能。基地からの索敵能力は偉大なのだ。

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埼玉県の飯能付近には「飯能うどん」と呼ばれるうどんがあるそうです。
今回、秩父方面登山の帰りにその飯能うどんを試してみました。

西武飯能駅から徒歩6~7分の所に今回紹介する「古久や」があります。
店の前には10人前後の待ち行列。こんな人気店だったとはちょっと意外でした。
(地元の人らしい会話を聞いたところによると、普段はこんなに混まないとか・・・)

15分ほど待たされて肉うどん(\730)と天ぷら(\100)を注文しました。
出てきたうどんは一見すると「武蔵野うどん」風ですが、うどんの麺が光っています。
武蔵野うどんのような太い麺ではなく、どちらかといえば讃岐うどん風でした。

武蔵野うどんとはまた少し違った味わいで、それなりに美味しかったです。

お奨め度★★★

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最近体調不良が断続的に続いていたため山登りを少し控えてみましたが、先日、晴天を利用して秩父の低山を歩いてみました。
行ったのは秩父の日和佐山。飯能駅から2つ先の駅、高麗駅から歩いて行ける山です。

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当日の天候は晴天。久しぶりの登山なので少し緊張しましたが、軽装で歩く山歩きは快調そのもの。標高が上がるにつれて開けて行く視界が気持ち良いです。

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途中に北向地蔵という場所を通りました。白い花はツツジか何かの一種でしょうか。

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五常の滝。心が洗われます。(と言いつつ、歩きながら考えていたのは、新作空母戦ゲームのシステムのことだったりして・・・)

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約3.5時間の山歩き。急な坂はなかったし、登山道も整備されていたので歩きやすかったです。距離的には10kmぐらい歩いたと思います。

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帰りは飯能から横浜まで一気にワープ。飯能-横浜が乗り換えなしで1.5時間というのは便利になったものだなぁ、と感慨無量。

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結論。やっぱり運動するのはいい事ですね。心地よい疲労感は残りましたが、翌日の体調が随分と良くなっているようです。
来週も晴れたらどこかへ行こ。

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FLAT TOPは米アヴァロンヒル社が1981年に発表した空母戦ゲームである。テーマはソロモン諸島周辺における空母戦であり、珊瑚海海戦、第2次ソロモン海戦、南太平洋海戦等のシナリオが含まれている。
今回、このFLAT TOPをプレイすることになった。シナリオは「珊瑚海海戦」。計109Turnという本作中最長のシナリオである。今回のプレイに参加したのは計5名。日本軍2名、連合軍3名である。私は米機動部隊の半分、空母「ヨークタウン」機動部隊を担当した。

前回までの経緯-->第1回
前回までの経緯-->第2回
前回までの経緯-->第3回

1942年5月8日

0100~0500

いよいよ決戦最終日である。
イメージ 6「ヨークタウン」隊が選んだ作戦は「片道攻撃」。とはいっても後年の特攻作戦ではない。「ヨークタウン」から発進した攻撃隊がポートモレスピー沖の輸送船団を攻撃後、ポートモレスピーに着陸し、以後同基地に指揮下に入ると言うものだ。攻撃隊を発進させた後の「ヨークタウン」は南に進路を変じ、オーストラリア方面に向けて退却するという作戦だ。
この作戦が成立するためには日本側輸送船団の位置を友軍偵察機が確実に捕捉し続けることが絶対条件になるが、幸いな事にポートモレスピー南方海域は晴れ渡っており、夜間索敵に対する障害はない。期待に担ってポートモレスピーを発進するB17フォートレス、ハドソン、カタリナといった長距離哨戒機は、暗夜の海に日本船団の姿をハッキリと捉えていた。

「攻撃隊発進」
未明の空に33機のドーントレス艦爆が「ヨークタウン」を発進したのは0200であった。ポートモレスピー東南東580マイルの地点である。暗い夜空に編隊を組んだ米海軍第5偵察爆撃/爆撃中隊(VB/VSB-5)は、160ノットの巡航速度で東の空に向けて飛び立った。

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0600

イメージ 7夜が明けた時、日本のポートモレスピー攻略船団は、目標の20マイル南方の地点にまで迫っていた。重巡、軽巡、駆逐艦等によって援護された計30隻の大船団である。33機のドーントレスは二手に分かれて2隻の輸送船に向けて急降下を開始した。当初12隻だった日本側攻略船団は、途中米潜水艦の攻撃によって2隻を失い、残り10隻になっていた。33機のドーントレスは対空砲火によって3機を失ったが、日本輸送船1隻を撃沈した。
あと9隻。

この時に日本側の対空砲火を恐れて攻撃隊目標を分散しなかったことが結果的には戦火拡大の不徹底さにつながった。せめて3隻の輸送船を狙っていれば、損害が多少増えたかも知れないが、戦果を拡大できた可能性が高い。

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0700~1400

イメージ 8ポートモレスピーからも攻撃隊が発進し、沖合に迫った日本船団を攻撃する。0800にはB17、B25、B26、A24(ドーントレスの陸軍型)等計45機が日本船団を襲ったが、輸送船1隻を撃沈するに留まった。
ポートモレスピー基地では再攻撃の準備が進められていたが、ラバウルから発進する日本機の空襲が行われているため再攻撃の準備が遅々として進まない。それでも「ヨークタウン」の第5偵察爆撃/爆撃中隊は敵襲の中で再攻撃の準備を進め、1000に15機、1100に6機の艦爆が再攻撃のために発進していた。彼らの攻撃でさらに日本軍輸送船1隻を撃沈。日本輸送船の残りは7隻まで減少したが、そこまでだった。

イメージ 91400に日本軍の揚陸ポイントが150ポイントに達し、日本軍が自動的勝利条件を満たした。こうして全109Turnのロングシナリオは、第105Turn目に遂に決着がついた。MO作戦は成功したのである。

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両軍の損害

日本軍の損害

沈没:軽空母「祥鳳」、輸送船5隻、砲艦1隻
損傷:なし
航空機:100機弱(推定)

連合軍の損害

沈没:空母「レキシントン」、給油艦1隻、潜水艦1隻
損傷:なし
航空機:約200機

感想

完敗である。日本側の戦略の前に我々は敗れ去った。

イメージ 8敗因はいくつもあるだろうが、最大の敗因は
「日本軍は明確な戦略目標=MO作戦の完遂を念頭に置いて作戦を遂行していたのに対し、我々は場当たり的な行動に終始した」
ことにあっただろう。
当初我々は日本軍がラエ方面に日本軍が基地航空隊を配備してこないことに奇異の念を抱いた。我々の事前演習では、日本基地航空部隊のラエ展開は必然的な行動と捉えており、ラエとポートモレスピーとの間で繰り広げられる空中戦が序盤における焦点になると考えていたのである。

イメージ 10実際には日本軍はラエを無視し、陸上機は全てラバウルに引き揚げたのである。お陰でラエ方面への航空戦は終始我が方のペースで展開し、ポートモレスピーの防衛は楽になった。と、我々は思った。
しかし日本軍はラエを無視したのではなく、放棄することによって航空戦力を温存を図った、というのが正しい。この時温存した日本側航空戦力が最終日におけるポートモレスピー攻防戦に大きく響いてくる。これに対する認識が我々の方に乏しかったことは否めない。

イメージ 9船団攻撃についても判断が甘かった上、攻撃に徹底を欠いた恨みがある。我々は日本側輸送船団を好餌と見、そのポートモレスピーに対する接近をむしろ好機として捉えた。そしてたかだが12隻の輸送船なんぞ鎧袖一触であると思っていた。
しかし日本軍の認識は違っていた。彼らは事前の演習によって航空攻撃だけで輸送船団を止めることが困難であることを確認し、自信を持って船団を前に進めてきたのである。そして上陸に呼応する形でポートモレスピーに攻撃を集中、同基地の能力を奪っていった。

イメージ 11我々にとって勝利のチャンスは空母機動部隊だった。「レキシントン」を失ったことは兎に角、「ヨークタウン」がポートモレスピー南方海上に残っていれば船団の阻止は可能だっただろう。結果論から言えばポートモレスピー南方海上に留まるべきであったが、これは結果論であろう。空母の価値は機動力と秘匿性にあるのだから、今回の作戦についても必ずしも誤りではないと考える。事実「祥鳳」を沈めた時点で勝利目前まで行ったのだから、その後「レキシントン」が沈められてしまったことは不運であった。
空母運用についての問題点は、本来統一運用すべき所を、2つの部隊に分離してしまったことにつきるだろう。

イメージ 12Flat Topについて言えば、有名なゲームなのでプレイ以外の場所で色々と語られてきた。しかし実際にプレイした、という話は意外と聞かない。私の知る限りシミュレータ誌で2度ほどリプレイが取り上げられたぐらいである。私自身実際にプレイした回数は数える程しかない。
今回プレイしてみて思ったのだが、プレイ時間が思ったほどはかからない。2日間で100Turn以上進められた我々の事例が良い先例になると思っている。無論大規模シナリオではそれだけプレイの手間が増えるため、1Turn当たりの所要時間が増えることが予想される。しかしより規模の大きい第2次ソロモン海戦や南太平洋海戦にしても、Turn数は66Turnと短く、2日もあればプレイ可能ではないだろうか。古いゲームなので細かい点では首を傾げる部分もない訳ではないが、ハウスルールで十分対応可能である。

注意点としては、お互い信頼関係で成り立っているゲームなので、当事者の熟練が不可欠だ。本番プレイの前に1~2度の練習プレイを行って、ルールに習熟しておく必要がある。そうでなければ当日混乱する恐れがあることは必定だ。また航空機の航続距離や上級ルールの採用についても当事者同士で認識を合わせておく必要があろう。
いずれにしても空母戦ゲームとしては現時点でも最高峰と言って良い作品なので、これを機会により広くプレイされることを望む次第である。

空母戦ゲームに傑作なし

以前に「空母戦ゲームに傑作なし」と題して記事を書いたことがある。
空母戦ゲームに傑作なし
空母戦ゲームに傑作なし(2)
空母戦ゲームに傑作なし(3)

この認識については、改めなければならない。
今回我々は戦略に負けた。ということはFLAT TOPは戦略を競うゲームであることの証左だ。
空母対空母という短いスパンではなく、上陸作戦をも含めた視野で空母戦を捉えることで、FLAT TOPが傑作の名に相応しいゲームであることを自分自身で証明する結果となってしまった。

自らの不明を恥じる次第である。

(おわり)

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データ指向のソフトウェア品質マネジメント

野中誠他 日科技連

ソフトウェアの品質保証活動を進める際、データによる分析は欠かせない。しかし目的意識のないままデータ分析を進めても、現場の負荷を増やすだけで利益はない。データ分析とは、目的意識を明確にし、目的実現を達成するために必要な活動を行うべきである。
本書はデータ分析を「ソフトウェアを開発している組織においては必須の取り組み」であるとし、データ分析の目的を「組織が保有するリソースの多くを顧客価値の増大へと投入すること」としている。そして本書では正しい分析を行うための手法や具体的な分析の進め方について、事例を上げて紹介している。分析対象としては、工数、レビュー指摘数、リリース後品質、レビュー効果、欠陥や規模の測定といった実戦的な内容となっている。
データを使ったソフトウェア品質マネジメントを志す組織にとっては必読の著作である。

お奨め度★★★★

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