もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2013年09月

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Panzerは、GMT社が2012年に発表したシミュレーションゲームです。テーマはWW2における戦車戦。1943年以降の独ソ戦を舞台に独ソの戦車同士が激突します。独ソのAFV(装甲戦闘車両)が1両単位で登場し、その種類は独ソ合わせて計17種類。他に対戦車砲、火砲、歩兵が登場します。
今回初めてPanzerで対人戦を行う機会を得ました。以下はそのレポートです。

前回までの対戦-->こちら

シナリオ5 突破戦、ウクライナ1943

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イメージ 10次に選んだシナリオは、歩兵が出てくるやつということで、シナリオ5「Passing」を選びました。これはドイツ装甲部隊による突破と、それを阻止せんとするソ連戦車部隊の戦いです。ドイツ軍の主力は10両の4号戦車H型と4両の3号戦車M型。それに若干の歩兵部隊が加わります。対するソ連軍は7両のT-34/76戦車と2門の76.2mm対戦車砲。それに若干の歩兵部隊です。兵力的にはドイツ軍がほぼ2倍。さらにドイツ軍は練度面でも優位に立っています。攻撃側はドイツ軍なので当然といえば当然なのですが・・・。私はドイツ軍を担当しました。

このシナリオをプレイする途中は気付かなかったのですが、どうも3号戦車を入れ忘れていたように思います。3号戦車が投入されていれば、さらに楽な戦いができたのに・・・。

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序盤は静かに立ちあがりました。両軍とも距離が離れているため互いに相手を射程内に捉えられず、まずは前進して有利な地点を確保しようとします。

イメージ 11第5Turn。1000m前後の距離で両軍の戦車部隊同士が射撃を開始しました。高地を確保し、高度で有利立つソ連軍戦車に対して、我は数の優位を頼んで強引に射撃戦に持ち込みます。練度の優位等もあり計4発の命中弾をT-34/76の車体部分に命中させました。しかし下から撃ち上げる形になるので相手の装甲効果が最大限に発揮され、有効打はなし。一方T-34の射弾も数発が4号戦車の砲塔に命中します。しかし4号H型はG型に比べて砲塔部分の装甲が強化され、徹甲弾に対する抗堪性が高まっています。結果として1発も4号H型の砲塔装甲を射貫できず、空しく弾き飛ばされました。強いぞ、4号H型。

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イメージ 12第7Turn。700mまで距離を詰めた4号戦車隊は、下から撃ち上げる形で強引に狙い撃ちします。2発の徹甲弾がT-34/76の砲塔に命中しました。この距離ではT-34/76の砲塔装甲は4号H型の75mm徹甲弾に抗堪し得ず、1両が撃破され、もう1両が中破しました。対するT-34/76の徹甲弾も4号戦車に命中しますが、その尽くが4号H型の前面装甲に阻まれて有効打とならず。4号H型の強さが際立っています。

4号G型とH型の違いについては、上に述べた装甲値以外に速度の違いも表現されています。4号H型は装甲が強化された代わりに速度が遅くなり、戦場ではやや使い勝手の悪い車両になってしまいました。とはいえ、徹甲弾に対する抗堪性がこうも違うと、速度の違い等は些細な違いに思えてきます。

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イメージ 13第8Turn。別動隊でノロノロと機動していた(足は遅いので・・・)4号H型計5両が制高地に進出。戦場を見下ろすポイントに布陣しました。そこから1400mの距離を隔ててT-34/76 5両が集結しているのが見えます。練度の優位を生かして主導権を握ったドイツ軍はT-34/76の集団に対して計10両の4号H型が一斉に火ぶたを切りました。10両もの集中射撃。片や700mの近距離から、片や1400mながらも高度の優位性を持った状況で。まさに十字砲火を浴びることになるT-34/76隊の運命は悲惨でした。5両のうち3両が撃破され、生き残った2両も履帯に命中弾を受けて走行不能。この時点で稼働戦車の大半を失ったソ連軍の投了でゲーム終了となりました。

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感想

プレイ時間は1シナリオ1~2時間でした。ただ今回はいずれも中途終了だったので、フルターンプレイした場合は、もう少しプレイ時間が延びると思います。大規模なシナリオを完遂しようと思えば、半日ぐらいはかかるかも知れまえん。
今回上級、選択ルールについては原則全て適用しました。ただ上級ルールは兎に角、選択ルールについてはルールを完全に理解した上でプレイした訳ではなかったのでルール適用の漏れはあったと思います。まあプレイしていて支障のない範囲だったので、大きな問題だとは思っていません。

イメージ 14Panzerシリーズの特徴として、とにかく戦車戦闘は詳細に描かれています。1Hex100mというスケールも戦車の性能差を表現するには適切なものに思えてきます。ただ気になる点として、やや主導権ダイスの影響が大きいようにも思えますが、これも主導権ダイスに練度の修正が適用されるので、上手く機能すれば人的要素の違いが表現できます。人的要素といえば、練度と士気が別の概念でルール化されているので、「士気は高いが練度は低い」という映画等でありがちな部隊についてもうまく表現されています。歩兵戦闘はかなり省略された表現になっていますが、戦車中心のゲームなので止むを得ないと言えましょう。それでも戦車戦闘における歩兵の位置づけは適切に表現されています。火砲や航空機、さらには間接射撃や人口障害物もルール化されています。いつか発表する機会があるかも知れませんが、本ゲームにおける間接射撃の威力はなかなか強烈で、下手に戦車部隊が密集隊形を組んでいると、忽ち大規模間接射撃の餌食になってしまいます。

イメージ 15ASLに比べるとメジャーとは言えないPanzerシリーズ。確かにルールは多く全てを理解するのは大変ですが、基本ルールだけなら驚く程シンプルです。上級、選択ルールについても戦車だけならば口頭説明でも対応可能。歩兵や砲兵を入れたらさすがに複雑になりますが、その辺りはステップバイステップで取り入れていけば良い。兎に角戦車戦についての再現性はASLを確実に凌いでいるので、戦車に興味がある方にとってはプレイしてみる価値のある作品だと思います。

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Panzerは、GMT社が2012年に発表したシミュレーションゲームです。テーマはWW2における戦車戦。1943年以降の独ソ戦を舞台に独ソの戦車同士が激突します。独ソのAFV(装甲戦闘車両)が1両単位で登場し、その種類は独ソ合わせて計17種類。他に対戦車砲、火砲、歩兵、輸送車両等が登場します。17種類というと一見少なそうに見えますが、4号戦車、パンター、ティーガー、ティーガー2、スターリン、T-34等の有名どころは余さず登場し、クルスク戦やウクライナ戦等を再現する分に不自由はありません。
これまでPanzerのソロプレイは何度か紹介しましたが、今回初めて対人戦を行う機会を得ました。以下はそのレポートです。

シナリオ1 ウクライナ遭遇戦

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イメージ 181943年後半のウクライナにおける独ソ戦車中隊同士の交戦を描いたシナリオです。基本ルールのみでもプレイ可能なシナリオですが、今回は上級ルールと選択ルールを取り入れてプレイしました。
ドイツ軍の戦力は4号戦車G型が11両、対するソ連軍はT-34/76(1943年型)が10両です。典型的な遭遇戦タイプのシナリオです。下名はドイツ軍を担当しました。

イメージ 15序盤、高地を占拠したドイツ軍戦車部隊は、高度面での優位を利用して1000m以上の遠距離から射撃を開始しました。序盤の撃ち合いで双方1両ずつ失った後、ソ連軍戦車計7両が射程距離内に入ってくるに至って射撃戦はいよいよ本格化してきました。
1000m以上の遠距離射撃なので双方命中率は低いですが、それでも何発かは敵戦車に命中しています。しかし何故か貫通できない。高度の利があるので当方が有利な筈ですが、T-34/76の前面装甲は固く、この距離では撃ち抜けません。後で気づいたのですが、車体命中ならT-34の装甲を比較的楽に撃ち抜けた筈なのですが、この時は運悪く射弾の殆どがT-34/76の砲塔部分に命中し、その大半がT-34/76の装甲によって弾き返されていました。

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イメージ 14一方T-34/76からの射弾も命中率が低い割にそれでも何発かが4号戦車の前面装甲に命中します。4号戦車G型の場合、T-34とは逆に砲塔が脆く、その代わり車体装甲が比較的分厚くなっています。そのためこの距離なら砲塔は抜いても車体は抜けない筈でした。しかしこちらもまた運悪く敵の射弾はその多くが装甲の弱い砲塔部分に命中し、薄い砲塔装甲を貫いた砲弾によって友軍戦車は次々と撃破されていきました。

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結局保有兵力の半数以上を失った所で作戦失敗を認めて投降しました。こちらの戦果は撃破2両のみ。完全な敗北です。後で性能を比較してみると、確かにT-34の方が装甲が強力ですが、主砲威力については4号戦車G型が勝ってます。総合的に両者を比較すると微妙な所。T-34/76の方が防御力、速度に優れていますが、4号戦車G型は主砲火力で勝っています。両者の射弾が砲塔に集中したことがドイツ軍にとって不幸でした。

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シナリオ2 ポーランド1944

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イメージ 17次にシナリオ2にチャレンジしました。このシナリオについても過去に紹介したと思います。ドイツ軍はパンター6両、その他6両の計12両に対し、ソ連軍はT-34/85,SU-85,SU-100等計13両。ソ連軍の中でパンターの正面装甲をまともに撃ち貫けるのがわずか1両のSU-100のみ。あとの85mm搭載車両はまさに零距離射撃に持ち込まない限り勝機はありません。明らかに独軍有利なシナリオと思えるのですが、対戦相手の希望もあり試してみることにしました。私は当然ドイツ軍を担当します。

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序盤、いきなり高所に陣取ったパンター5両が1.7kmの遠距離から射撃を開始。射界にあったT-34/85を狙い撃ちし、2両撃破、1両損傷の戦果をあげます。対するソ連軍も反撃し、1発の命中弾を与えますが、パンターの分厚い装甲に対しては全く効果なし。

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イメージ 16第2Turnに入って距離を詰めてきたソ連軍とドイツ軍4号戦車が距離400~600mで激しく撃ち合います。主導権を取ったドイツ軍は(主導権を取った側から先に射撃を解決できます)、一番脅威度の高いSU-100重自走対戦車砲に射弾を集中。パンターからの射撃は外れましたが(命中率70%)、4号戦車の戦車の射弾がSU-100の正面装甲をぶち抜いてこれを撃破しました。この時点でパンターに対する牙を失ったソ連軍。さらにドイツ軍の射撃は続き、4号戦車の射撃によって履帯を破壊されたT-34/85からはクルーがパニックを起こして飛び出し、別の1両は正面装甲を抜かれて炎上します。ソ連軍も意地を見せ、4号戦車3両を近距離射撃により撃破しますが、最早これまでか・・・。

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第3Turn。パンターと4号戦車の射撃でT-34/85 3両が撃破されると、残るはT-34/85 3両、SU-85 2両の計5両となってしまったソ連軍。対するドイツ軍はパンター6両、4号戦車2両、3号突撃砲1両の計9両が健在。この時点で勝利を諦めたソ連軍プレイヤーの投了でお開きとなりました。

結論:やはりパンターは強かった。

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メルトダウン

大鹿靖明 講談社

2011年3月11日、未曽有の大地震が東日本一帯を襲った。東日本大震災である。この時の地震と津波の影響により東京電力福島第1原子力発電所は電源喪失の事態となり、冷却機能を失った原子炉は次々と炉心融解(メルトダウン)を引き起こした。世界最大規模の原子力災害となった福島第1原発事故である。
本書は地震発生及び津波による被害発生から電力喪失、炉心融解に至る事故の過程を追い、地震発生後1週間における福島第1原発と東京電力、そして日本政府の動きを明らかにしている。また本書は地震直後の状況のみならず、事故発生後の東電再生やエネルギー政策の推移、さらには大飯原発再稼働問題まで話を広げている。本書を読むと、地震発生後の東電及び日本政府の混乱した状況や東電の体質的欠陥が明らかになり、福島原発事故が単なる天災というよりは人災の面を強く持っていたことがわかる。
本書を書いた大鹿氏は朝日新聞系のライターなので、どちらかといえば「反原発」の姿勢が強い。しかし筆致は全般的に中立的な視線を保っており、その点は好感を持てる。ただ(これは好みの問題だが)福島原発の現場に関する記述が事故直後およそ1週間(自衛隊機による空中放水とその後の自衛隊、消防庁による地上からの放水まで)に限定している点、やや残念だ。一般に「危機を脱した」と認識された事故後1週間後以降について、もう少し詳しく知りたいと思った。
原発については賛否両論があり、国民的な合意形成はできていないと思う。私個人についていえば、事故前は原発推進派であった。しかし事故によりいわゆる「原発安全神話」が崩壊し、個人的な考え方も変えなければならないと思っている。勿論左翼的な「反原発運動」に与するつもりは毛頭ない。しかし東京電力を始めとする電力各社の時代錯誤的な体質や政府の無策ぶりを見るにつけ、原子力という「危ういエネルギー」をこんな人達に委ねるのは「危うい」と感じている。「原発を直ちにゼロ」というのは現実的な解とは思えないが、原発への依存度は減らしていく必要があるだろう。

お奨め度★★★★

9月初旬の日曜日、YSGA例会に参加しました。
今回プレイしたゲームは以下の通りです。

Panzer(GMT)

本ブログで何度か紹介した戦術級戦車戦ゲームです。
今回最初の本格的な対人戦ということで、シナリオを計3本プレイしました。
確かにルールは多いですが、基本的なシステムは洗練されているので、慣れれば十分プレイ可能です。

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大本営(同人)

太平洋戦争開始直前の大日本帝国政局を裏で操る黒幕になり、政局の中で自派の影響力を拡大するのがゲームの目的です。ゲームには人員とリソースの2つからなり、内閣に自派の有力者を送り込んで影響力拡大を図ります。ゲームに登場する人物は、近衛文麿、米内光政、東條英機、山本五十六、永野修身、松岡洋右、石原莞爾等といった有名人で、有名な人物はそれに見合った影響力を持っています。
人物が我々にとっては比較的馴染みやすい人たちなので、それなりに楽しめました。

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18切符をあと2日分残しておきながら、誤って切符ごと洗濯してしまい、格安旅行の計画がパーになってしまった私。しゃあないので究極の格安旅行を計画しました。

名付けて「180円で関東1周旅行」

大都市近郊区間という制度を利用した格安旅行です。
下の図は東京近郊の大都市近郊区間です。この区間内であれば、経路に関わらず最短距離で運賃を計算してくれるという有難い制度です。
もちろんだからといって1日中電車に乗っていて良い訳ではありません。
途中で改札を出ることは勿論不可ですが、それ以外に同じ経路を2度以上乗車することは禁止です。例えば東京から横浜へ行く際、
(1) 東京-(中央線)->八王子-(横浜線/相模線)->茅ヶ崎-(東海道本線)->横浜は○
(2) 東京-(東海道本線)->小田原-(東海道本線)->横浜は×

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今回、私が採用した経路は、以下の通りです。朝0600頃出発し、戻ってきたのは1700頃。所要時間は約11時間でした。

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前半(茅ヶ崎-->小山)

茅ヶ崎から小山までを相模線、横浜線、八高線、上越線、両毛線経由で移動しました。所要時間は約6時間でした。
この路線は、最初の八王子までは工場や住宅地が立ち並ぶ比較的平凡な景観ですが、橋本近くで丹沢の山々が近くに見えて少し旅の気分になります。
八王子から高麗川までの八高線は横田基地の近くを通るぐらい。高麗川から先は大都市近郊区間唯一の非電化区間でディーゼル車両が走っています。この路線は景観も良く、旅気分が盛り上がります。途中小川町や寄居で東武線等との乗り換えもあり、面白いです。
高崎からは上越線、両毛線経由で小山へ。この路線は前橋の市街地や渡良瀬川、赤城山の景観等、前半戦で屈指の観光路線です。

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後半(小山-->藤沢)

小山には12時頃に到着。丁度昼飯頃だったので駅のBeck's Coffeeで昼食をとりました。駅ナカでファーストフードを食べられるのは嬉しい。駅弁が売っていなかったのが少し寂しいですが・・・。
小山は東北本線と新幹線の他、高崎方面へ向かう両毛線と水戸方面へ向かう水戸線が交差している交通の要域です。ここからの旅は水戸線、常磐線経由で友部から上野に戻り、東京に出て東海道本線を南下。出発地に戻るというものです。実の所、例えば我孫子から成田線に入り、成田、千葉経由で総武線又は京葉線経由で戻るというコースもあります。こちらならより長い時間旅が楽しめたはずですが、今回は割愛しました。

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水戸線の景観です。水戸線といえば、普段殆ど利用する機会のない路線であり、しかも付近に有名な観光地が少ないため観光路線としてもあまり知られていません。しかし今回乗ってみると、意外と日本風の田園風景が多いことに驚きました。「大和駅」とか「羽黒駅」とかいう面白い駅名の駅もありました。

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感想

格安旅行の割には楽しめました。改札から出られないのは心苦しいですが、格安旅行だけに仕方がありません。好きな本を片手に冷房の効いた部屋(電車の中)で、移り行く景色を見ながら1日を過ごすのも悪くはありません。
機会があれば、お試しあれ。

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