もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2014年01月

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フランス革命-歴史における劇薬

遅塚忠躬著 岩波ジュニア新書

フランス革命の概要を知りたいと思って購入したが、失敗だった。といってもこの本が悪い訳ではない。選んだ私が悪いのだ。
本書は「岩波ジュニア新書」とあるように、青少年に対して歴史の面白さ、難しさ等を伝えようとして書かれた著作である。従ってフランス革命という歴史的な事件を扱いながらも、フランス革命の流れを順番に追うのではなく、フランス革命の意義やフランス革命に関わった人たちの生き様を描こうとしている。しかも「ジュニア新書」だから、かなり回りくどい言い方で説明している。「青少年にわかりやすく」を意図した文体であることは理解できるが、青少年というには余りにオッサンな自分から見れば単に「回りくどい」だけの文章に感じてしまった。
フランス革命の断片的な部分は理解できるのだが、フランス革命の全体像はいま一つ理解できなかったのは、自分の読解力の無さゆえか・・・・?。

お奨め度★★

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これも昨年の話になりますが、12/8のYSGA例会にて主題のゲームをプレイしました。
このゲームはタイトル通りナポレオン戦争のフランス国内戦役を扱った作戦級のゲームです。
初版は1978年にOSG社から発行され、その後AH社から1983年に第2版が発売され、さらに1997年に第3版が発売されました。今回プレイしたのは第2版です。

以前からこの"NAB"は「槍隊ゲーム」の1つで、実は今回のプレイに先立ってAmazon.comにゲーム本体を注文していました。

今回念願の初プレイということで、いきなり主役のナポレオンというのはキツいので、連合軍側の主役と思われるシレジア方面軍(ブリュヒャー)を担当しました。他に参加者は2名。下名を含めてフランス軍1名、連合軍2名(シレジア方面軍、ボヘミア方面軍)という布陣です。

結果的には(初体験ということもあり)ヘボヘボなプレイでした。
ナポレオンとは3度戦い3度とも大敗。フランス軍のモラル上昇に貢献する始末です。ただ負けるだけならまだしも、その全てが包囲されて損害2倍という体たらくは「無残」の一言。マルヌ川の戦に下がるまで、初期戦力の2/3以上を失うという大損害を被りました。

その後増援部隊を得たシレジア方面軍はナポレオンに対して反撃開始。しかし機動力に勝り、指揮官能力に優れたフランス軍相手に前進を続けるのは結構辛い。部隊を広く展開させて包囲を避けるように展開。ゆっくり前進していく。しかしパリは遠い。そんな感じでゲームは進んで行きました。結局朝から晩までプレイして、全ターン数の6割方終わりました。このペースでは2日間でキャンペーンシナリオは完遂できそうです。

プレイの感想ですが、古いゲームだけに「人に優しくない」。ユニットは指揮官の場合は指揮官名のみ、部隊の場合は移動力のみしか記載されていない。せめて指揮官には能力値(統率力、司令能力、従属値、ボーナス)、部隊には移動力の他に従属値と最大戦闘力を記載して欲しかった。ユニット自体に記載されている文字も小さく、老眼には結構堪えます。またスタック制限と編成制限のルールが思いの外複雑なので、ルール違反しないようにスタックするのは結構きつい。また増援表も意味が掴み辛い面があり、慣れるまでは一苦労でした。

とまあ、こんな感じで古いゲーム故に最近のゲームのような優しさはありません。しかし慣れればそれほど対した話ではなく、十分にプレイ可能です。ゲームシステムも基本的なレベルではシンプルなので、それほど悩まし部分はありません。基本的なシステムは移動、強行軍(一種の反応移動)、戦闘の繰り返しで、そこに管理ポイントや連絡線といったルールがプラスされます。プレ20世紀ゲームなので現在のような戦線の概念はやや乏しく、大兵力同士のぶつかり合いという感じになります。もちろん一点に兵力を集中すれば、簡単に包囲されてしまうので、ある程度の戦線は必要です。その辺「慣れ」は必要なのですが、難解という程ではありません。慣れればナポレオン時代の作戦機動の妙に魅せられること必定です。

現在でも十分通用する傑作ゲームに相応しい作品だと思いました。

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青森駅前にあるお寿司屋さんです。昨年の年末に訪れました。

リーズナブルな値段で本格的な寿司が食べられるので、旅行の合間に結構使っています。
今回食べたのは\1500の「上にぎり」。10巻ほどで\1500なので回転寿司よりは勿論割高だが、味は段違い。
回転寿司とは比べ物にならない。

ボリューム的にはやや物足りない感もあるが、本格的な寿司だから「やや物足りない」ぐらいの方が良い。

お奨め度★★★★

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ナポレオン フーシェ、タレーラン 情念戦争1789-1815

鹿島茂 講談社学芸文庫

本書はフランス革命からナポレオン戦争期を生きた3人のフランス人、ナポレオン、フーシェ、タレーランの3人について、その歴史上での足跡を追う著作である。それだけならただの歴史文書になるのだが、本書がユニークな点は、3人の主人公に共通するキーワードとして「情念」という言葉を設定し、ナポレオンを熱狂情念、フーシェを陰謀情念、タレーランを移り気情念の体現者とした。ここで言う情念とは、食欲、性欲、金銭慾、名誉欲等のさらに上位に位置する欲望の事で、筆者によればこれらの情念が満足された人が真に幸福なのだという。このあたり、情念にいついての考え方は序章に整理されていて非常に面白い。
とはいえ、内容となるとそれほどでもない。前半は主人公達のゴシップ集が中心で政治的、軍事的な動きはなく、後半になると政治や軍事に関する話も増えてくるが、それでも大ざっぱすぎる感がある。例外的に詳しいのがワーテルロー会戦で、筆者が自ら現地視察を試みただけのことはある。ワーテルロー戦以外は大雑把で、勝ち負け+アルファぐらいである。また主人公が3人いるので、話があちらこちらに飛ぶので追いかけるのが辛い。
まあナポレオン時代の著作としては貴重であり、読んでいて面白いことは確かである。

お奨め度★★★

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謙信上洛は、1990年にツクダホビーから発表されたシミュレーションゲームである。テーマは上杉謙信による上洛戦で、「天正6年(1978年)に急死した上杉謙信が、もし死なずに上洛戦を敢行したら」という仮想戦である。プレイヤーは織田方と反織田方に別れ、畿内一帯の支配を目指して戦う。

今回はオプションなしでプレイしてみることにした。下名が上杉方を担当する。

前回までのあらすじ-->こちら

6Turn(7月下旬)

イメージ 11北陸戦線では上杉勢の猛攻によって遂に北ノ庄城が陥落した。織田家の次男、織田信雄(2-2)は北ノ庄で討死する。越前各地の織田方の諸城も次々と陥落していった。越前平定を終えつつある上杉勢は、いよいよ畿内に向けての南下準備に入る。

イメージ 10イメージ 13畿内では有岡城を囲む羽柴秀吉(3-5)麾下の軍勢に対し、石山城を出撃した雑賀衆(6-2)、本願寺勢等計12,000名が強襲を仕掛けた。兵数では劣る雑賀らだが、戦術能力で織田方を圧倒した。羽柴勢は散々に叩かれて敗走。その際に織田方の名立たる武将2名が討ち取られ、有岡の包囲は解かれた。

イメージ 14遠江では、浜松奪回を目指す滝川一益(4-3)、丹羽長秀(2-4)ら2万以上の軍勢が浜松に近づく。さらにその後方から柴田勝家(4-4)麾下の1万強の戦力も浜松に近づいてきた。織田方の戦力は3万を超えている。それに対して兵数に劣る武田勝頼は、武田信豊(2-2)に約2000の兵を預けて浜松に篭らせ、自らは残りの手勢を率いて二俣城付近まで後退。織田方の動きを見る。
しかし勝頼の弱気な布陣が裏目に出た。せめて1月程度は持ってくれると期待した浜松の武田信豊が、織田方の包囲攻撃を受けて僅か3日で開城してしまった。全くなんたる腰抜け。

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7Turn(8月上旬)

越前の平定を終えた上杉軍勢は一向宗徒を含めた約5万の大軍で栃ノ木峠を目指す。栃ノ木峠では、織田、徳川連合軍4万余が柵を築いて待ち構える。決戦の時が迫ってきた。

8Turn(8月中旬)

イメージ 12[信長3-5]上杉謙信(6-5)麾下の主力部隊が栃ノ木峠を守る織田・徳川連合軍を強襲する。
栃ノ木峠の戦い。

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戦術能力に優れた上杉方であったが、織田・徳川連合も徳川家康(5-5)の優れた指揮能力と策による防護効果によって互角の戦いを繰り広げる。結果的には兵力に勝る上杉方が押し切る形となったが、上杉方も大きな損害を被り、その回復に時間を要することになってしまう。

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9Turn(8月下旬)

イメージ 15栃ノ木峠の戦いに敗れた織田・徳川連合軍であったが、すぐその背後の賤ヶ岳に陣地を敷いてなおも死守の構えを見せる。また賤ヶ岳方面への増援部隊とすべく、浜松に布陣している織田軍勢の中から、丹羽長秀率いる1万余を賤ヶ岳に向けて急進せしめた。丹波長秀の軍勢がいなくなったことで兵力的に手薄になった織田方に対し、武田勝頼が攻勢に転じた。柴田勝家、滝川一益の率いる計2万余に対し、武田勝頼は各個撃破を試みた。まず柴田勢1万を叩いて柴田勢は浜松城内まで後退。籠城の構えに入る。また滝川一益隊も勝頼隊の攻撃で損害を被り浜名湖の西側まで追いやられてしまう。

イメージ 16一方の賤ヶ岳。上杉方が再び攻勢を仕掛けて織田・徳川連合が守る賤ヶ岳を攻める。兵力に勝る上杉勢であったが、今回はダイス目が振るわずギリギリの所で敗退を余技なくされてしまう。先のTurn、連続攻勢を続けていれば、賤ヶ岳の線を突破し、琵琶湖を望む所まで進出できたものを・・・。細かい所だが、小さな戦術的ミスが大きな戦略的失敗を引き起こしたと思わずにはいられない。

イメージ 17再び浜松を囲んだ武田勝頼(5-4)麾下の軍勢に対し、城内から柴田勝家、城外からは滝川一益が攻勢を仕掛けてきた。柵を構えて迎え撃つ武田隊。兵力では織田方が僅かに優ったが、指揮能力と地の利を得た武田方が強かった。織田方による反撃は失敗に終わり、浜松の攻囲は継続されることとなる。

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10Turn(9月上旬)

イメージ 18VPが+6点となった。上杉方に有利な状況である。イベントチェックで「義昭出陣」が発生する可能性があるVPレベルだ。確率的には低いが、出目が良ければ1発逆転の可能性が出てきた。

賤ヶ岳方面では、上杉方が消耗したため攻勢を行うことが困難な状況になってきた。上杉方は兵力の補充を努める一方、栃ノ木峠に陣をしき、織田方の北上に備える。
一方の織田方は丹羽長秀麾下の兵力が賤ヶ岳に到着した。合計6万の兵を数えるに至った。

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11Turn(9月中旬)

イメージ 19浜松を囲む武田勝頼の軍勢に対し、滝川一益率いる約8000の兵が側面から武田方の二俣城を囲む。それを見た武田勝頼は、高坂昌信(4-4)率いる兵8000を包囲網から割いて滝川勢攻撃に向かわせる。二俣城付近で滝川勢を捕捉した高坂昌信がこれを撃破した。

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12Turn(9月下旬)

イメージ 20浜松の包囲レベルが3になった。次Turnでは60%以上の確率で浜松城が陥落することになる。それを見た武田勝頼は浜松城に麾下の兵力を集結させて万全の配備とする。一方の織田方は明智光秀麾下の約1万を後詰として浜松方面に派遣した。明智光秀の到着が早いか、あるいは浜松の落城が早いか・・・。


13Turn(10月上旬)

イメージ 21浜松が落城した。柴田勝家は「瓶割り柴田」異名通りに水瓶を割って最後は全滅したという。浜松の落城によって兵力に余裕が出た武田勝頼麾下2万の兵は、遠江を目指していた明智光秀隊と同じく退却中の滝川一益隊を猛追する。吉田城(4-2)付近でこれを捕捉した勝頼隊はこれを散々に叩いた。

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14~15Turn(10月中旬~下旬)

イメージ 17その後の展開は簡単に触れておこう。
勢いに乗る勝頼隊は三河から尾張にまで進出し、明智、滝川らの軍勢を散々に叩いた。織田方は多くの兵を失い、織田の本城たる清須にまで迫っていた。織田方も兵力的に余裕がある訳でもないため、武田の跳梁に対して成す術もない。
結局ゲーム終了時点で反織田方のVPは23点に達した。勝利に必要なVPが30点なのであと7点及ばなかったが、惜しい所であった。反織田方に有利なイベントが出ていれば勝利も不可能ではなかっただけに惜しまれる。

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感想

イメージ 24プレイ時間は6時間弱であった。1Turnに最大3度の移動機会があるが、1度に動かせるスタック数が少なく、せいぜい10個以下なのでプレイ自体はサクサク進む。ルールの簡単なのでプレイは容易だ。ただ戦闘解決等でやや曖昧な点がある。GameJornalのリプレイ記事を一読しておくことをお奨めしたい。

イメージ 22オプションユニットを入れない場合は上杉方が不利、というのが専らの定説だが、その通りだと感じた。武田勝頼の軍勢は兵力的には織田方方面軍2個程度に相当し、戦術能力の優位を活かせば野戦でこれを撃破することも可能。しかし3個方面軍以上が相手なら分が悪い。
上杉本隊は戦術能力で優位に立つので同数の敵が相手なら勝機は動かない。しかし織田・徳川連合軍相手だとそうはいかない。徳川家康の戦術能力は上杉謙信に迫り、柵を使えば互角に戦える。しかも兵力では織田方が優位に立つことも可能。よって今回のプレイでもそうであったように、栃ノ木、賎ヶ岳のラインで陣地を構えられれば、突破するのはなかなか困難となる。

イメージ 23そこでオプションユニットだ。オプションユニットを追加することで武田方の攻勢能力に広がりが出てくるので、織田方もウカウカできなくなる。また上杉方にオプションユニットを追加することで賎ヶ岳での戦いで上杉方が力押しできる可能性も出てきた。そういった意味では確かにオプションユニットを追加することでゲームバランス的には上杉方に傾くことは間違いないだろう。

イメージ 25しかし個人的には敢えてオプションユニットを加えずにプレイすることをお奨めしたい。確かに上杉方に勝機は薄いが、それでも歴史逆転に挑んでこそ真にやりがいがある。上杉方の勝機は運に依存する所が大きく、特に序盤で「宇喜多離反」や「雑賀中立」といった影響度の極めて大きいイベントが出ると、かなり上杉方は苦しくなる。その場合でも後半まで粘って「義昭出陣」が出れば逆転の可能性はある。

イメージ 12「謙信上洛」は運の介在する要素が大きく、それがゲームバランスを大きく左右する点が難点といえば難点である。しかしテーマ的には面白く、またプレイアビリティにも優れた好ゲームである。機会があれば、プレイしてみて損のない作品だと思う。

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