もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2015年01月

機動戦士ガンダムUC

福井晴敏 角川スニーカー文庫

今回紹介するのは、小説版である。映像作品や漫画の原作となった作品だが、映像作品と比べると細部がやや異なっている。
内容的には映像作品を見た人でも十分に楽しめると言える。否、映像作品を見た方が「より楽しめる」といった方が良い。キャラクターのイメージが映像作品によって鮮明になるため、登場人物やメカに関する描写がより立体的に把握できる。それでいて映像作品では見えてこない登場人物の内面的な葛藤やメカ・組織についての詳細な背景説明についても描写されており、映像作品とはまた違った味わいがある。
文庫本とは言っても全10巻はかなりのボリュームなので読み応えは十分である。

お奨め度★★★★

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かつてSix Angle誌の付録ゲームとして発売されていたザポロジェ1943。ふとしたことから入手したので、とある休日にソロでプレイしてみた。デザインは山崎雅弘氏。

1Turn=半日、1ユニット=大隊~連隊(ドイツ)、旅団から師団(ソ連)、1Hex=2kmのスケール。基本システムは移動、戦闘の繰り返し。ドイツ軍の自動車化部隊のみ対応移動が可能。戦闘はマストアタック。ただしCRTは攻撃側有利で流動型なので、防御側がマストアタックに期待して部隊を敷き詰めると、挟まれて退路を断たれてドボン。というパターンになる。

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2時間ほどのプレイで全10Turn中8Turnまでプレイした。序盤ドイツ軍は外郭防御陣地から後退しつつザポロジェの最終陣地帯に後退していく。第5Turn頃からザポロジェ最終陣地を巡って両軍の戦いが始まる。当初は陣地帯を生かしたドイツ軍の防御が優勢を占めているが、第6Turnに前線を突破されてザポロジェ市内にソ連軍が乱入。ドイツ軍は反撃にてこれを叩きだそうとするが失敗。最後はドイツ軍主力の第16装甲師団が包囲されて万事休す。ソ連軍の勝利で終了した。

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今回のプレイではドイツ軍がザポロジェ前面で死守戦を展開して敗れ去ったが、ドイツ軍としては下手に抵抗するよりも一目散にドニエプル川西岸に撤退した方が得策かもしれない。勝利条件的には、ドイツ軍の全部隊がドニエプル西岸に撤退し、かつソ連軍のドニエプル渡河を阻止すれば勝利する。現実的には第1Turnの戦闘でドイツ軍ユニット1~2個程度吹き飛ばされる可能性があるので、単に逃げ回っているだけでは勝てない。しかし運よく第1Turnを凌げば、あとは機械的に撤退戦を戦って全軍をドニエプル川西岸に逃がすことは左程困難ではない。システムの特性上、4-1以下のオッズでは囲まれない限り死なないし、戦闘後前進は1Hex限定なので包囲を避けるのもまた容易。
運悪く第1Turnに1部隊以上が壊滅したとしても、勝ち目の薄いザポロジェ市街戦を戦うよりは、最初から引き分け狙いの撤退戦の方が美味しい。ちなみにドイツ軍が撤退戦を行った場合、余程間抜けなドイツ軍でない限り、これを阻止する力はソ連軍にないと思われる。

一旦ドニエプル川西岸にドイツ軍の撤退が成功すると、ドイツ軍はザポロジェダムの破壊を試みることができる。成功率は5/6で、成功すればソ連軍はドニエプル西岸に渡れなくなる。これで万事休す。万一ダム破壊に失敗したら、ソ連側にも勝機が出てくるのだが・・・。

逆にザポロジェ市街地でドイツ軍がソ連軍と戦っても、兵力差で勝ち目はないと思われる。

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デッドライン

トム・デマルコ 伊勢原弓訳 日経BP社

本書から今から15年前に発表されたITプロジェクトに関する小説である。本書の主人公であるトムキンスは、会社をリストラされたその日に謎の女に拉致される。彼が連れてこられたのはモロビアという旧共産圏の国であった。トムキンスは、モロビアの国家的プロジェクトであるソフトウェア開発のプロジェクトリーダーを任されることになる。
とまあ設定とかストーリーは陳腐な内容だが、本書の価値はそんな所にあるのではない。本書は小説という形を借りてソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントの有り方を解いている。本書に書かれている内容は示唆に富んでいて、15年経過した現在でも全く色褪せていない。言い方を変えれば、15年間の間にソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントの実態は大した進展を見せていない、ということになる。
本書に紹介されている教訓をいくつか紹介しよう。
「管理の本質はたったの4つしかない。適切な人材を雇用し、その人材を適所にあてはめ、人々の士気を保つ、チームの結束を強め・維持する」
「どれほど強い脅しをかけても、最初に割り当てた時間が足りなければ、やはり仕事は完成しない」
「リスクを管理することによってプロジェクトを管理せよ」
「コーディングをできる限り遅らせて、その時間を詳細レベルの設計書を書く時間にかけるようにする」
・・・・
いずれも現時点においても「正しい」と考えられている考え方であり、また現場で忘れられることの多い考え方である。
2~3時間で読み終えるボリュームにも関わらずプロジェクト管理について学ぶべきポイントが満載されているので、機会があれば一読をお奨めしたい。

お奨め度★★★★★

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北海道の小樽駅を降りてすぐ左手に見える階段の上が三角市場です。
その三角市場の一角にあるのが今回紹介する「味処たけだ」です。

この店で嬉しいことは、早朝07:00から店が開いているということ。
例えば急行「はまなす」で北海道に入ったその足でそのまま小樽に移動。小樽で魚料理を堪能する、といった芸当も可能です。

今回はウニ入り親子丼\1500税込を注文。これはサケ、イクラ、ウニが乗った丼で、他に汁物と前菜がつきます。これで\1500は絶対安い。味も水準以上です。

小樽には高い割にそれほど旨くない店があるのですが、この「味処たけだ」は良かったです。

お奨め度★★★★

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兵藤二十八の防衛白書2014

兵藤二十八 草思社

防衛白書という名前になっているが、本物の防衛白書とは異なるスタンスで著述されている。本書は、まず第1部で米国、中共、ロシア、朝鮮半島における政治・軍事的な近況について説明し、第2部で自衛隊の現況と問題点について書いている。書かれている内容は興味深く、(明らかな誤記を除けば)誤った記述等は見つからなかった。ただ筆者の主張がやや極端なので、鵜呑みにするのではなく「こういう考え方もあるんだ」と冷静な視点で見つめる必要があろう。あと中国と朝鮮半島に対するあからさまな敵意(書き方自体が敵意丸出し)には少し違和感を覚えた。

お奨め度★★★

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