もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2016年01月

イメージ 1

図説・米中軍事対決

河津幸英著 アリアドネ企画

タイトル通り近未来に予想される米中の軍事対決について解説した著作である。想定シナリオとしては、中国による台湾侵攻、尖閣諸島を巡る戦い、米軍による中国本土への攻撃の3つである。米中対決とはいっても内容はほぼ航空宇宙戦に終始しており、弾道ミサイル攻撃と弾道ミサイル防衛、米航空兵力による中国航空部隊との戦い等を扱っている。最新の事情に基づいて記載されているので興味深いが、海上戦や地上戦についてももう少し触れて欲しかった。また全体の中で図解の占める割合が多く、値段の割には読む所がやや少なかったという感想を持った。

お奨め度★★★

「真本信長公記」は、いわゆる信長包囲戦を扱ったシミュレーションゲームだ。基本システムは「太平記」で、「太平記」をやや簡略化したシステムを採用している。1Turnは実際の1~2年程度の期間を表し、全7Turnで信長包囲戦をシミュレートする。

今回、下名は信長陣営を担当してみた。

イメージ 1


Turn1

主導権=右府方
京都の羽柴秀吉麾下3戦力を北幾に、柴田勝家麾下の2戦力を摂河泉に向かわせた。北幾では羽柴秀吉が浅井長政麾下の3戦力を撃破。摂河泉では柴田勝家が本願寺勢を撃破していた。この時点では勝利を確信した信長公であったが・・・。

イメージ 2


Turn2

主導権=公方方
中国道から毛利輝元が足利将軍を伴って山陽道へ攻め込んだ。また東からは武田信玄が甲斐から出撃して駿河・遠江へ攻めこんでくる。さらに北からは朝倉義景公が近江に進入してきた。
三方ヶ原で武田信玄と徳川家康が激突する。ところがなんと合戦直前に徳川家康公が武田方へ寝返ったのだ。そのために織田家本隊から応援に来ていた佐久間信盛が孤立して壊滅。佐久間信盛はそのまま武田方に寝返った。徳川家康の寝返りは、織田方にとって東方の防衛ラインが崩壊したことを意味していた。

イメージ 3


Turn3

主導権=右府方
武田信玄が亡くなり、息子の武田勝頼が後を引き継いだ。その勝頼と徳川家康の連合軍が濃尾地方に攻め込んだ。織田方は濃尾地方での決戦を回避して後退。主力は近江に集結して朝倉義景を叩く。朝倉軍は撃破されて越前に後退していった。

イメージ 4


Turn4

織田信長、羽柴秀吉らの軍勢が濃尾地方へ反転攻勢に転じた。濃尾地方で織田、武田両陣営の大軍同士が激突する。織田方の期待は信長公による家康公への再度の調略成功だが、確率1/6では、所詮期待するのがムリというもの。案の定、家康公への調略は失敗に帰し、織田・武田の大戦力同士で激しい合戦となる。この合戦で壊滅的だ打撃を受けた織田方主力はほぼ壊滅。同じ頃摂河泉でも柴田勝家率いる7戦力が吉川元春、浅井長政率いる10戦力と激しく戦って敗退していた。

イメージ 5


その後

結局、第4Turnの戦いが全てを決した。その後戦力を過半を失った右府方は最早立て直しの可能性はなかった。第5Turn終了時に織田方が投了し、ゲームは終了した。

感想

第2Turnにおける徳川家康の裏切りが全てだった。確率1/6に過ぎないが、こういうのに限って"1"を出してしまう。いずれにしてもこのゲーム、織田方かかなり不利なので、織田方はある程度リスクを取らないと勝てない。従って家康の裏切りもリスクの1つとして考えるしかないのではないか。あるいは家康は使えないと割り切るか・・・・。しかしそれは勿体ない。

余談

その後立場を変えてもう1戦プレイした。今度は下名が公方方を担当したが、やはり最初に家康が武田方に寝返ったため、上記と同様の展開で公方方が勝利した。

こんな面白いものがタダで読めるのか、と思って防衛研究所の戦史研究年報をチマチマ読んでいます(旅先でもiPadで読めるのが良い・・・)。

今回紹介するのはその第15号。太平洋戦争関連の記事が面白かった。

一番有益だったのは「太平洋戦争における戦争指導-アメリカ側から見た研究史」。これは戦後から現代に至る米国における太平洋戦争研究について紹介した内容となっている。米国における太平洋戦争研究書の一挙大公開といった内容で、定番の「モリソンの太平洋海戦史」やニミッツ・ポーター共著の「ニミッツの太平洋海戦史」の他、近年評価の高いジョン・ランドストロムの「The First Team」シリーズやジョナサン・パーシャル/アンソニー・タリーの「Shattered Sword」等もキッチリ紹介されている。太平洋戦争に関する洋書の索引として使えるのが良い。

あるいはに「太平洋戦争における航空運用の実相-運用理論と実際の運用との差異について-」では、日本陸海軍における航空運用理論の変遷と実戦での適用状況について分析した後、それぞれの特徴や問題点について触れている。その中で日本海軍の航空運用について「艦隊決戦と言う枠組みから脱することができず、航空戦の実情に適合できていなかった」という批判については、手厳しいが鋭い。

もう1つ「現代史の中の戦史」についても触れておかねばならない。計8ページの小論文だが、産業革命以降の国家や戦争の位置づけについて論じた内容である。この論文の中で筆者は1960年代を一つの境とし、国家や戦争に対する考え方がその前後で変貌し始めたと論じている。内容的にはやや理想主義に走っている感もあり個人的に全てについて首肯できる訳ではないが、このような軍事専門誌で所謂「反戦的な」内容の論文が発表されていることは興味深い。

タダで読めるので、皆さんもどうそ。

お奨め度★★★★★

イメージ 1

世界の傑作機No.119 ハインケルHe219ウーフー

文林堂

ドイツ軍最強のレシプロ夜戦として知られているHe219ウーフ。本書はこの特徴のある夜間戦闘機を取り上げた著作だ。世傑の他の著作と同じく本書も機体の概要から機体構造、戦歴、細部ディテールといった記事が含まれている。しかし本書は機体のディテールと装備に対する記事がやたらと詳しく、機体そのものの解説や戦記に関する記述が薄目である。その点、残念な著作であった。

お奨め度★★

イメージ 16

先日、主題のゲーム/シナリオをプレイしたが、どうも初期のソ連軍による攻勢が上手く行っていないようだった。そこでソロプレイで独ソの戦い方を再検証してみた。
なお、今回の検証では、キャンペーンシナリオの「ダイス振り直し」ルールを採用した。

イメージ 1


第1Turn

イメージ 8ここでのソ連軍の常法は奇襲チット2枚を使ってヘクス6222とヘクス6031に突破口を穿つというもの。戦闘比はそれぞれ4-1と3-1で、1ステップのドイツ軍を除去できる確率は92%、83%。仮に出目が悪くても振り直しを要求すれば確実に突破口は穿つことができる。勿論両方失敗したらどうしようもないが、その確率は約0.5%なので、もしそうなったら素直に「降参しました」といってしまおう。

ちなみに、序盤におけるソ連軍の攻勢についてはこちらに詳しい手順が記載されているので参照されたい。私も序盤のムーブはほぼ当該記事に従っている。

イメージ 10ちなみに今回のプレイでは、第1Turnにはほぼ上記の記事通りの流れとなった。ミンスク(MINSK 5426)も予定通り陥落した。また前回の対戦では陥落させられなかったために苦戦の原因となったポロトスク(POLOTSK 5719)もキッチリ1Turnに陥落させた。他にはモギレブ(MOGUILEV 6726)も落としてドニエプル川東岸のドイツ軍数個師団を完全包囲するとともに、司令部2個を吹き飛ばしたので、ヒトラー総統ご機嫌斜め。早くもドイツ軍指揮官解任という事態に相成った。

イメージ 2


ドイツ軍は「総統の意思に反した撤退」とイベントチット「大釜」を使ってドニエプル川東岸で包囲された部隊を後退させる。彼らはオルシャ(Orsha 6223)とミンスクの間に広がる森林地帯に紛れている。

イメージ 3


第2Turn

イメージ 9支援チットが6枚残っているので、ソ連軍は大攻勢を継続する。攻撃の目玉は第3親衛機械化軍団(12-12-4)によるヴィルナ(WILNA 4724)に対する突破挺進であった。戦闘比3-1の攻撃であったが、出目に恵まれず攻撃は失敗。ソ連軍最強の第3機械化軍団は、ヴィルナ守備隊と相打ちによって壊滅した。

後から考えると、ここはドイツ側の配置も拙かった。デュナブルグ(DUNABURG 5017)南方の森林地帯に第12装甲師団(7-7-3)が待機しているので、それをヴィルナに投入すれば、そう簡単にはヴィルナは落ちない。ソ連側としては、例えばルバイコ将軍を使うことでヴィルナ攻略のチャンスを得ることができるが、TO範囲外の攻撃なのでソ連側としても大出血は逃れられない。ソ連軍3個戦車/機械化軍団がルバイコ将軍指揮の元にヴィルナを攻撃したとしても、最初の攻撃で2D6の出目9以下ならヴォルナは落ちない。10以上を出してE2の結果を得て、再攻撃を仕掛ければ、ほぼ確実にヴォルナは陥落する。なお、ソ連軍は攻撃時に装甲突破を宣言しておくことを忘れないように。

その他、ソ連軍は、オルシャ、ミンスク間で生き残っていたドイツ軍を1つ1つ掃討していく。

イメージ 4


第3Turn

イメージ 11ソ連軍は大攻勢を継続した。まず戦線北部に残っていたヴィテブスク(VITBESK 6120)とポロトスク(POLOTSK 5719)に対して砲兵支援をつけた歩兵部隊によって攻撃する。孤立していたこれらの都市の守備隊はいずれも壊滅し、これらの都市はソ連軍の手に落ちた。その間、ミンスク、オルシャ間の残存ドイツ軍部隊は、ソ連軍の攻撃を受けていずれも壊滅。ミンスク以東のドイツ軍は全て姿を消した。

イメージ 5


イメージ 12ミンスク西方では、7個のソ連軍機械化軍団と1個の騎兵軍団がミンスク、ヴィルナ間の街道付近に進出。次Turnでのヴィルナ攻略に向けた態勢をつくる。それに対してドイツ軍はティーガー重戦車大隊の支援を受けた第6戦車師団(10-9-3)、第12装甲師団などの兵力を投入してヴィルナ東方の森林地帯に進出していたソ連第9戦車軍団(10-9-3)に対して装甲反撃を実施した。この攻撃は効を奏してソ連軍戦車軍団は壊滅。この反撃成功によってヒトラー総統は上機嫌になったという。

イメージ 6


結果

第3Turn終了時点で、ソ連軍は都市獲得によって6VP、ドイツ軍の「総統の意思に反した撤退」によって1VP、そして初期配置されていた第3装甲軍が全滅したために1VPの計8VPを獲得した。これはソ連軍にとって最低ラインの勝利条件をクリアしている。また次Turnでのヴィルナやデュナブルグの攻略はソ連軍としても困難だと予想されたので、今回のプレイはここでお開きとした。

イメージ 7


感想

イメージ 13第1Turnの攻撃はほぼ狙い通りに上手く行ったと思う。ただしミンスクを占領した3個戦車軍団のうち、1個が補給切れになってしまったのは拙かった。このため第2Turnに電撃的にヴィルナを取ることができなくなった。補給線の維持には注意を払うべきだろう。

支援マーカーの扱いについてだが、ソ連側が意識的にプレイすれば、少なくともこのシナリオ期間中は大攻勢を継続することは可能だろう。そうなれば、ミンスク以東の攻略目標は第4Turnまでに全て陥落させることは容易だ。無論、それだけでは6VPにしかならないので、第3装甲軍の壊滅で1VP、「総統の意思に反した退却」で1~2VP獲得できる。ヴィルナを落せばもっと確実だが、そうならなくてもまあ大丈夫だろう。

イメージ 14もう少し野心的なプランとしては、大攻勢は第2Turnまでとし、第3TurnにTOをスモレンスクからオルシャに前進させ、第4Turnにオルシャで攻勢をかけるというもの。しかしこのプランだと、第4Turnに大攻勢がかけられない(オルシャは小都市であること、あるいは支援マーカーがどうしても1個足りない)ので、レンドリースを使っても支援範囲が+5から+3に減少してしまう。結果、オルシャまでTOが前進したとしても、その支援範囲はデュナブルグ前面までが精一杯で、ヴィルナには届かない。さらに大攻勢がかけられないためレンドリースの入手が確実ではない。結果としてあまり旨味がないように思える。

結論、今回のソロプレイの結果ぐらいが、ソ連軍にとって概ねベストに近い展開なのではないか。

イメージ 15

↑このページのトップヘ