もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2016年01月

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世界の傑作機No.63 ホーカータイフーン/テンペスト

文林堂

WW2の英戦闘機といえば、スピットファイアとかモスキートが有名だが、タイフーン/テンペストもそれなりに著名な機体と言えよう。タイフーンは様々な欠点に悩まされながらも対地攻撃や低空での空対空戦闘に活躍し、欧州反攻作戦では重要な役割を担っていた。またテンペストは非常に洗練された戦闘機であり、WW2英戦闘機の中で最強の機体の1つと言えよう。
本書は「世界の傑作機」の例に洩れず、これらの機体について設計や構造、そしてその戦暦をコンパクトにまとめてある。日本ではあまり知られていない両機だけに、本書の役割は貴重だろう。ただ発行が1997年とやや古いため最近の「世傑」に比べると内容的にやや物足りない感は否めない。

お奨め度★★★

こんな面白いものがタダで読めるのか、と思って防衛研究所の戦史研究年報をチマチマ読んでいます(旅先でもiPadで読めるのが良い・・・)。

今回紹介するのはその第7号。日本陸海軍におけるエアーパワーに焦点を当てた記事が面白かった。

特に興味を引いたのは戦間期における海軍航空戦力の発展-山本五十六と軍事革新。これは日本海軍における航空戦力の発展に於いて山本五十六という個人が果たした役割について検証したものである。太平洋戦争期における山本五十六の戦略・作戦指導については賛否両論があるが、この記事は戦時中ではなく戦争前の段階での彼の役割を評価している点が面白い。太平洋戦争初期における日本海軍航空隊の実戦力が世界で1,2を争うものであったことは論を待たない。その中で山本五十六という人物の存在とその功績について改めて考えてみるのも良いのでは。

他に大本営発表とミッドウェー海戦では、ミッドウェー作戦そのものではなくそれ以前の大本営発表とそれをもたらした日本海軍の情報処理能力について問題を投げかけている。また軍事作戦と軍事占領政策-第2次大戦期東チモールの場合では、軍事占領政策という微妙な問題を扱いつつ、東チモールにおけるそれを「成功例」として評価している点が面白い。

タダで読めるので、皆さんもどうそ。

お奨め度★★★★

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会津若松駅から徒歩5分ぐらいの場所にあるスーパー銭湯風の温泉です。
泉質は無色無臭。効能云々についても特にどうこうということはありませんでした。
(と思ったら、翌朝ちゃんと体に温泉の感じが残っていたので、少し驚き)

ここの「売り」は内部設備の豪華さ。
スーパー銭湯風と書きましたが、まさにスーパー銭湯と同じく中には温泉有り、食事する所あり、その他至れり尽くせり。半日ぐらいノンビリしようと思えば、平気で出来てしまいます。

コストパフォーマンス的にはサイコー。

朝10時から開いているので、時間があれば立ち寄ってみるのも一興かな。

お奨め度★★★★

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主題のゲームをYSGA例会にてプレイしました。参加者3名で私以外は本ゲーム初プレイです。
まずは練習で私以外の2人にシナリオ2本を計3回プレイして頂いてルール確認。
その後、本番プレイです。

ビットブクルのイーグル

イメージ 6最初にプレイしたのはシナリオ25.5「ビットブルクのイーグル」。1979年西ドイツ上空におけるソ連空軍と米空軍の激突を描いた仮想戦です。ソ連軍はMiG-23Bフロッガーが4機。米軍はF-15Aイーグル、F-4Eファントムが各2機です。下名はソ連軍を担当。

イメージ 10ソ連軍を担当した下名の作戦は、中距離ミサイル戦でとにかくF15Aを減らすこと。接近戦になればファントムは脅威ではないので、4対2でF15を落す。あとは間合いが重要。
結果的にはそれが成功。4機のMiG-23がF-15 2機に対して2機づつで火力を集中し、出目の良さも手伝って中距離ミサイル戦で2機のイーグルを葬った。こちらの損害はなし。機数が4対2となった時点でファントム隊は戦意を喪失して離脱した。

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サンダーチーフ奮戦す

イメージ 7イメージ 11次は好きな機体を選んでもらって自作シナリオ。向こうはそれぞれF-105Dサンダーチーフ、A-4Cスカイホークを選んできた(各2機)。こちらはバランス上MiG-19Cファーマー4機を選択した。サンダーチーフが大きな機体と鈍重な機動性を持て余して明後日の方向でウロウロしている間、4機のMiGと2機のスカイホークがドグファイト。スカイホークは小型で運動性ならMiGに負けないが、いかんせん亜音速機。アフターバーナーを吹かして飛び回るMiG-19を捕まえるにはパワー不足。対するMiG-19はキャノン及び発展型アトールミサイルで何度か攻撃を実施するも、有効打は30mmキャノン砲による1ショットのみ。スカイホーク1機が被弾によってミサイルを投棄した。その間、サンダーチーフ2機は全く戦局に寄与する所なし。

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そんでもって

「大型機はアカン、小型機や」
イメージ 8イメージ 9ということになったのかどうか。今回も自作シナリオ。向こうはそれぞれF-5Aフリーダムファイター、A-4Eスカイホーク2各2機。こちらはMiG-21Cフィッシュベッド計4機。数Turnプレイしたが、お互い小型機なので目視確認がままならず。フィッシュベッド2機がスカイホークを追い詰めた所で、
「このゲーム、あかんわ」
とダメゲーム認定を食らってしまい、哀れお開きになってしまいました。

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感想

イメージ 10イメージ 12そんなこんなで、YSGAでは「ダメゲーム」認定を食らってしまったFlight Leaderですが、私は正直な所、そんなにひどいゲームではないと思っています。
まず問題になったのは目視索敵ルール。メンバーが問題にしたのは以下の2点。
「小型機と大型機の差が大きすぎる」
「小型機に対する索敵距離が短すぎて見つけられない」
この批判については全くその通りだと思います。特に第1項目はかなりひどい。実質的には殆ど大きさの変わらないはずのF-16とF/A-18が、このゲームでは片や小型機、片や大型機扱いなので、視認距離が段違い。F/A-18が最大20kmの距離で視認されるのに対し、F-16は8kmまで近づかないと見つけられない。確かにこの差はちょっとひどすぎる。
また小型機が見つけられない点も全く然り。ただしそうでもしないと性能に劣るソ連機は勝ち目が乏しいのもまた事実。ベトナム戦争時のF-4対MiGという状況下では、結構うまく機能するシステムのように思えます。まあ一般化する際に、刻み幅が大雑把過ぎたキライがあるのも確かです。

という訳で上記の欠点については否定しませんが、だからといって本作がダメゲーかというと、決してそうではないと思います。目視索敵ルールは確かに問題がありますが、しかし今まで空戦ゲームでは無視されてきた「目視索敵」の概念がルール化されているという点は素晴らしいと思います。無論、「エアスペ」のようなルールならもっとスマートに処理できますが、「エアスペ」は兎に角時間がかかる。その点、本作のように1時間もあればシナリオをプレイできる(そう、たった1時間で空戦ゲームがプレイできるのですよ・・・)というのは素晴らしいと思えます。しかもハイスピードヨーヨーやロースピードヨーヨーも比較的素直に表現できる点も個人的には気に入っています。

またレーダー誘導ミサイル、電子戦、レーダー索敵、編隊飛行といった今までの空戦ゲームで再現が難しかった部分を比較的簡単なルールで再現している点も素晴らしい。ソ連機で言えば、MiG-21のように電子装備は弱いけど空戦性能に優れた機体と、MiG-23のように電子装備はそこそこ強力だけど運動性がダメな機体、といった機体の特徴も上手く表現されていると思います。

という訳でダメゲー認定するのはまだ早いのでは、と、個人的には思っています。

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ダメゲーと認定されたもう1つの理由として、空戦ゲーム特有の問題、すなわち「空戦機動の意味が一般の人には分かりにくい」という点もあると思います。空戦ゲームをある程度プレイした事がある人にとって「ハイスピードヨーヨー」や「ロースピードヨーヨー」はある程度理解しています。従って高度差を利用した接敵や、垂直運動を組み合わせた横方向への急激な旋回運動等は「体で覚えている」とも言えます。ところが、一般のゲーマーにとって空中戦とは、「くるくる回って相手のケツを取る」ぐらいの概念しかありません。この差は意外と大きく、空戦ゲームになれたゲーマーならば一連の動きとして理解できる数Turnに渡る空戦機動も、空戦ゲームに慣れないプレイヤーから見た場合は「何をやっているのか分からない」状態になります。後者にとっては毎Turn毎Turnで正に「何をやって良いのかわからない」状態となり、結果として「このゲームは面白くない」ということになるのでは、と、思えます。
実際、空戦を扱った本でもACMだとかBFMについて書かれている本は意外な程少ないので、なかなかムツカシイ所であります。


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こんな面白いものがタダで読めるのか、と思って防衛研究所の戦史研究年報をチマチマ読んでいます(旅先でもiPadで読めるのが良い・・・)。

今回紹介するのはその第5号。その中でも比較戦争経済史-潜水艦と造船の戦いを中心に-が面白かったです。これは所謂交通破壊戦と海上護衛戦をテーマとしたものですが、その勝因と敗因に関する分析が面白かった。紹介するのネタバレになってしまうので、それは読んでみてのお楽しみ。

タダで読めるので、皆さんもどうそ。

お奨め度★★★

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