もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2017年03月

鋭意制作中の空母戦ゲーム「決戦、南太平洋1942」。
引き続いて空戦システムを取り入れた空対艦攻撃を試してみる。
珊瑚海海戦における米攻撃隊による日本空母部隊攻撃の場面を題材として空対艦攻撃ルールを検証したい。

前回は米空母「ヨークタウン」を発進した攻撃隊が日本艦隊上空に達し、日本側迎撃戦闘機の迎撃を受ける場面まで描いた。今回はその戦闘解決から開始する。

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中高度戦闘、護衛のF4Fと迎撃する零戦。1対1の対決はまず迎撃戦闘機の射撃から解決する。零戦の空戦力は"7"、F4Fの空戦力は"6"なので、零戦が"+1"のコラムでダイスを振る。

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イメージ 9出目は"5"。さらに迎撃機(CAP機)による射撃は、護衛戦闘機と爆撃機の比率によってDRMが適用され、護衛機が爆撃機の1/4以上1/2未満の場合は-1DRMとなる。出目は"4"に修正され、結果は"SA"。F4Fがステップロスした上に強制帰還となる。ステップロスは即座に適用されるが、強制帰還された護衛機は反撃可能。F4Fから零戦への射撃は戦力差-1に加えて、1ステップユニットによる射撃なので左へ2コラムシフトして-3のコラムとなる。
出目は無常にも"9"。結果は"X"となっているが、これは対爆撃機戦闘の場合のみの結果なので、ここでは効果なしになる。F4Fは強制帰還となり零戦は行き残ったので零戦は突破に成功。護衛スクリーンを突破したので、零戦は爆撃機を攻撃できる。ここでF4Fが零戦をアボートさせていれば、爆撃隊を守りきれたのだが・・・・。

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イメージ 10零戦は2ステップを持つSBDを攻撃する。爆撃機に対する攻撃は、戦闘機対戦闘機の場合とは異なり、戦闘機側からの一方的な射撃となる。その代わり戦闘結果によって戦闘機側にも損害が出るようになっている。零戦の空戦力は"7"。SBDの空戦力は"(5)"である。零戦は"+2"のコラムでダイスを振る。DRMはない。

出目は"1"。結果は"A"で攻撃を受けたSBDは強制帰還となる。ちなみに、もしこの時"6"以上の目を出した場合、攻撃を行った零戦が強制帰還となる(空戦解決表が赤)。

次に低空域におけるTBDと零戦との空戦を解決する。護衛がないので零戦とTBDの戦闘をそのまま解決する。戦力差は+4。出目は"8"であった。結果は"SA"でTBDはステップロスした上に強制帰還となる。しかし戦闘結果が赤なのでTBDを迎撃した零戦も強制帰還となり、次の空戦には参加できない。

零戦の妨害を突破したのは、SBDが1.5ユニットだけであった。彼らは果敢に日本艦隊を攻撃する。SBD全機は史実通り「翔鶴」1艦を集中攻撃する。

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イメージ 11日本艦隊の対空火力は、「翔鶴」の8火力と「瑞鶴」「妙高」「羽黒」「衣笠」「潮」「夕暮」の対空火力が合計14火力で合計22火力。攻撃ユニット2ユニット、急降下爆撃機で左へ2シフトするので、12火力のコラムで対空射撃を解決する。

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イメージ 12出目は"10"と"5"。SBD1ユニットがステップロスしたが、爆撃自体はステップロスの前に実施すると見なすので、2:1、5:4で爆撃を解決する。命中率は"8"だ。出目は"3"、"9"で、5:4は外れだが、2:1は命中。結果は"C"(特殊損傷)だ。特殊損傷表。SBDの急降下爆撃時の貫通力は"6"で「翔鶴」の装甲値も"6"なのでDRMはなし。出目は"5"で結果は"2Hs"。「翔鶴」は2損害を被った。

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結局「ヨークタウン」隊は3ステップ(約10機)を失ったが、「翔鶴」に2弾を命中させてこれを小破せしめた。

続いて「レキシントン」隊による攻撃である。こちらは簡単に経過だけを記す。
低空侵攻したTBD艦攻に対して「瑞鶴」の零戦隊が迎撃する。零戦隊はF4Fの半数を撃墜して残りを遁走させた。護衛スクリーンを突破した零戦隊がTBD艦攻を攻撃。これを全機撃墜して空母を守りきった。
一方戦闘機の妨害を受けずに艦隊上空に進入したSBDx0.5ユニットは「翔鶴」に対して必殺の急降下爆撃を敢行したが、こちらは日本艦隊の対空砲火に阻まれて攻撃は失敗した。

一連の戦闘で日本軍の損害は「翔鶴」2打撃(中破)。一方米軍は攻撃隊の約半数(6ステップ=20機以上)を失うという大損害を被った。

感想

まずマイナーな話から。
砲爆撃表で5:4のコラムがあるのに、5:2のコラムがないのは不自然に感じた。ここは雷撃表と合わせる形で5:2を生かして5:4をなくそう。元々5:4のコラムは重巡同士の撃ち合いで、8門艦(4火力)と9~10門艦(5火力)との差を出すために入れた経緯があるが、ややマニアック過ぎるようだ。
「翔鶴」への損害については概ね期待した結果が得られたと思う。ホントはもう1発当てて3打撃にすると、ほぼほぼ史実とイコールな感じになるが、まあ仕方がない。
気になったのは米軍側の損害の多さだ。6ステップ中5ステップが空戦による被害で、F4Fが2ステップ、TBDが3ステップやられている。ちょっと零戦の評価を上げ過ぎたか・・・。まあ零戦がある程度強くないと日本側プレイヤーのモチベーションを維持できない恐れがあるので、ある程度は仕方がないとは思うが・・・。

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後日談

同じシナリオをこの後連続4回プレイしてみた。

第2海戦

第1波の「ヨークタウン」隊はTBD隊が零戦の迎撃で壊滅しながらも、SBD隊が奇襲に成功して日本艦隊を攻撃。対空砲火も大外れ。まさに必殺のチャンスであったが、爆撃のダイスがスカスカで「翔鶴」に1打撃を与えたのみ。
続く第2波「レキシントン」隊は、零戦2ユニットの迎撃を受けるも、F4Fの奮戦等でこれを撃退。雷爆同時攻撃を敢行したが、こちらは雷爆撃の出目がスカで命中なし。

「翔鶴」1打撃、米軍機4ステップ失う(TBDx3、SBDx1)

第3海戦

イメージ 13第1波はTBD隊が零戦に食いつかれたが、なんとこれを返り討ち(1ステップロス)。SBD隊は奇襲成功で全機が日本艦隊上空に殺到する。対空砲火でTBD隊がアボートとなったが、SBD隊は1ステップを失っただけで全機が投弾に成功した。「翔鶴」には4弾が命中(2H2C)。特殊損傷による追加打撃によって6打撃を被った「翔鶴」は轟沈した。
第2波は零戦をかわして奇襲に成功。行き残った「瑞鶴」に攻撃を集中する。魚雷1本、爆弾1発(推定)が命中して「瑞鶴」中破(3打撃)。対空砲火でTBDは1ステップ失った。

「翔鶴」沈没、「瑞鶴」中破(3打撃)、零戦1ステップ、米軍機2ステップ(SBDx1、TBDx1)失う。

第4海戦

第1波は零戦2ユニットの迎撃を受ける。TBD隊は零戦の攻撃でアボート。しかしSBD隊は護衛のF4Fの奮戦で全機目標上空に到達した。SBD隊の爆撃によって「翔鶴」に3弾が命中(2HC)。特殊損傷による追加打撃と合わせて、「翔鶴」は5打撃を被り、沈没寸前の状態となる。
第2波は零戦1ユニットの迎撃を受けるも、F4F隊の奮戦でこれを撃退(1ステップロス)。沈没寸前の「翔鶴」に攻撃を集中。爆弾1を命中させてこれを撃沈した。

「翔鶴」沈没、零戦1ステップ、米軍損害なし

第5海戦

第1波は例によってTBD隊が零戦の迎撃によりアボート。SBD隊は奇襲に成功して全機艦隊上空に到達する。対空砲火により1ステップロス、1ユニットアボート。「翔鶴」に1弾を命中(H)させたが、1打撃のみでかすり傷程度。
第2波は零戦2ユニットの迎撃を受けてTBD隊がアボート。艦隊上空に到達したSBD隊はしかし対空砲火によって撃退されて戦果なしだった。

「翔鶴」小破(1打撃)、米軍機1ステップ(SBD)失う。

総括

計5回のテストで日本空母に与えた平均損害は3.8打撃。米軍機の損害は平均2.6ステップ(零戦によるもの1.6、対空砲火によるもの1.0)

まあ良い感じではないかな・・・。

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網走市内、南側に呼人(よぶと)と呼ばれる地区があります。網走市を見下ろす天保山への入り口に当たる場所で、女満別方面から網走市内に入ると最初にぶつかる場所です。

その山に登る途中にある喫茶店が「風花」です。かぜはな、という可愛らしネーミングに相応しく、店内は極めて質素な感じ。ログハウス風の外観に、ケーキ売り場と喫茶室がセットになっています。喫茶室といっても座席数が10ぐらいしかなく、数組入れば一杯になるぐらい。「六花亭」の立ち食いコーナーの方が余程立派な感じがします。

チョコレートケーキとコーヒーを注文しました。ケーキは小じんまりとした感じですが、チョコレートとクリームの甘さが程良くマッチしていて美味しかったです。コーヒーも渋い味わいで良かったです。

お奨め度★★★

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鋭意制作中の空母戦ゲーム「決戦、南太平洋1942」。
引き続いて空戦システムを取り入れた空対艦攻撃を試してみる。
テストの題材として選んだのは、これまでも取り上げて来た珊瑚海海戦の一場面。これまでは日本軍による航空攻撃ばかりを取り上げて来たので、今回初めて米軍による攻撃を取り上げてみたい。

選んだのは決戦当日5月8日における米空母艦載機による日本機動部隊攻撃である。史実では、合計73機という日本側を上回る攻撃隊を発進させた米機動部隊であったが、航法の不手際等もあって日本艦隊を襲ったのは計51機に過ぎなかった。彼らは空母「翔鶴」に直撃弾3発を与えたものの、これを仕留めることはできなっかった。

イメージ 7今回は史実とほぼ同じ状況を再現してみることにした。
まず守る日本艦隊の戦力だが、最新鋭空母である「瑞鶴」「翔鶴」を中心とし、重巡4隻、駆逐艦5隻が直衛についている。実際、この時期の日本艦隊はまだ輪形陣の発想が弱く、空母を守る陣形も確立されていなかった。従ってこの海戦でも2隻の空母の周辺には殆ど護衛艦が存在していない状況で、さらに空母2隻も大きく離れていた。このような布陣では、空母同士、あるいは空母と護衛艦艇の相互連携など望むべくもなく、各艦は自艦の対空火力と回避運動だけで自らを守るしかなかった。

今回の実験では、日本側の連携の悪さを再現するルールはない。従って日本側も米艦隊と同様に輪形陣を組んで空母を守ることができるようにした。とはいっても各艦の対空火力は米軍のそれよりも弱体であり、かつ空母を守る護衛艦もやや手薄なのだが・・・・

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日本空母を守る迎撃機は零戦2ユニット(計18機)。「翔鶴」「瑞鶴」から各1中隊だ。

イメージ 8対する米軍は2波に分かれて攻撃する。第1波は「ヨークタウン」から発進した戦爆連合39機で、F4Fx1ユニット、SBDx2.5ユニット、TBDx1ユニットの計4.5ユニットとした。また第2波は「レキシントン」から発進した計21機で、ゲーム上はF4Fx1ユニット、SBDx0.5ユニット、TBDx1ユニットの計2.5ユニットとした。

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それでは攻撃を実施してみよう。波状攻撃の場合、攻撃の解決は波毎に実施される。この場合、まず「ヨークタウン」隊による攻撃を解決した後、「レキシントン」隊による攻撃を解決することになる。では「ヨークタウン」隊による攻撃を解決しよう。

戦闘機によって守られている艦隊は、まず戦闘機による迎撃を試みることができる。
下の表を見て頂きたい。この表が戦闘機による迎撃の成否を判定する表になっている。表の横軸は攻撃側のユニット数(ステップロスしたユニットも1ユニットとしてカウントする)、縦軸はダイス目だ。"S"と書かれている場合は「奇襲」となり、それ以外の場合は戦闘機による迎撃が成功となる。ただしこの判定は1回の攻撃に1度だけ実施するのではなく、攻撃隊の高度域別に個別に実施する。

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具体的な手順に話を進めよう。
航空攻撃が開始される際、まず攻撃側は自軍の攻撃機を低高度、中高度、高高度に秘密裏に配置する。なお急降下爆撃を行う場合は中高度、雷撃を行う場合は低高度に配置しなければならない。合わせて護衛戦闘機も各高度に配分する。
今回、「ヨークタウン」隊は護衛戦闘機1ユニットしかない。従ってより重要度の高い急降下爆撃機に護衛戦闘機をつけて、雷撃機は裸で突入させることにした。なおこの段階では攻撃隊の具体的な配分を日本軍プレイヤーに開示する必要はない。

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イメージ 9次に日本側が奇襲判定と迎撃機の配分を高度別に行う。まず米軍プレイヤーが攻撃隊の規模(ユニット数)を告げる。ここでは「5ユニット」と宣言する。これは先に示した迎撃表で使用できるコラムを決定するためだ。次に日本軍プレイヤーは低空域に対して奇襲判定を行う。ここで奇襲が出れば米軍プレイヤーは低空にいるユニット数を告げる必要はない。しかし奇襲に失敗したら低空域のユニット数(ここでは1ユニット)を告げる必要がある。
日本軍プレイヤーの振ったダイス目は"7"であった。この出目にGCIレベルによる修正が加わる。今まで触れなかったが、このシナリオにおける日本軍のGCIレベルは-2である。従って修正後のダイス目は"5"になる。
迎撃表で出目"5"と攻撃隊ユニット数"5"(あくまでも攻撃隊全体でのユニット数で判定する点に注意)を交差照合すると、結果は"0"となった。これはアラートレベル"0"を意味する。奇襲に失敗したので米軍プレイヤーは低空域のユニット数を"1"とづける。アラートレベル"0"の場合、攻撃側にユニット数と同数まで迎撃戦闘機を割りつけることができる。日本軍は零戦1ユニットを割りつけることにした。

次に中高度について奇襲判定を行う。中高度ではGCIレベル-2に加えて、日本側にまだレーダーがないのでさらに-2の修正が加わる。合計DRM-4となる。日本軍プレイヤーの出目は再び"7"だった。これにDRMを適用して"3"。迎撃表によるとアラートレベル-1となる。米軍プレイヤーは中高度のユニット数を"4"と告げる。アラートレベル-1の場合、攻撃側ユニット数から1ユニット少ない戦闘機を割りつけることができる。従って日本側は3ユニットまでの戦闘機を割りつけることができるのだが、元々2ユニットしか戦闘機がなかった上、1ユニットを低高度に割りつけてしまったため、残りは1ユニットしかない。その虎の子1ユニットを中高度に割りつけた。
最後に高高度だが、ここには米軍は攻撃機がいないし、フェイントをかける意味もないので、奇襲チェックは省略する。

ここでのポイントは低空から順番にチェックする点と中高度以上ならレーダーがない場合に奇襲される危険がより増すようになっていること。従って日本軍としては囮と判っていても低空侵攻してくるTBD雷撃機を無視し難いようになっている点である(雷撃機を無視して急降下爆撃機に奇襲食らったら踏んだり蹴ったりだ)。

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イメージ 10これで迎撃機の割り当ては完了したので、次に空中戦を解決する。
空中戦は高度域別に解決され、どのような順番で解決しても同じなのだが、ここは説明の都合上、中高度から解決しよう。中高度では、零戦1ユニットとF4Fx1ユニット、SBDx2.5ユニットが対峙している。他の空母戦ゲームの例に洩れず、迎撃機は護衛戦闘機を突破しなければ、爆撃機に襲いかかることはできない。また護衛戦闘機1ユニットは最大2ユニットの迎撃戦闘機と渡り合うことができる(かなり不利だが)。従って迎撃側は護衛戦闘機の2倍を超えるユニット数を投入した場合のみ、敵爆撃機を攻撃できる。
こう書くとあたかも護衛戦闘機が無敵のように思えるが、ただしこのルールには裏があり、護衛戦闘機との対決に勝利した迎撃戦闘機はそのまま爆撃機攻撃に加われる。従って迎撃機の方が護衛機よりも少ない場合であっても、迎撃機が精強であれば、護衛スクリーンを突破して爆撃機を襲撃出来る場合がある。先に書いた「2倍の迎撃機を阻止できる」というのも、2倍の敵戦闘機の攻撃に耐えられればという条件つき。逆に2倍の敵によって瞬殺されれば、護衛の意味はなくなる。

具体的な戦闘解決に進もう。まず迎撃機と護衛機が空戦する。この場合、両方がお互いに射撃を行うことで空戦を解決するが、戦闘結果は常に迎撃側が先に適用する。従って迎撃側の射撃で護衛側が瞬殺されると、護衛側は反撃の機会のないまま護衛スクリーンは突破されてしまう。戦闘機同士の空戦は戦力差システムで解決し、攻撃側-防御側でコラムを探して射撃を実施する。また航空機の性能は以下の航空機性能表にまとめられている。

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イメージ 10イメージ 9零戦の空戦力は"7"、F4Fの空戦力は"6"である。零戦がやや有利だが、これはガダルカナル上空での戦歴に基づいて算出したレーティングであり、決して「無敵零戦」を再現するルールではない。今では広く知られているが、ガダルカナル上空での零戦とF4Fの戦いは、キルレシオで言えば互角がややF4Fが有利(対爆撃機の戦果もカウントしての話)であった。しかし逆に言えば、長距離侵攻、敵地上空、爆撃機護衛という不利な条件にも関わらず零戦はF4F相手に互角に近い戦歴を残したということになる。本作でもそのことを考慮し、空戦力自体はやや零戦が有利なレーティングとした。そして史実と同様、侵攻側は迎撃側に比べて不利になるようにルール化することで、史実と同様の結果が再現されることを狙っている。

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(つづく)

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歴史群像2017年04月号

学研

特集は珊瑚海海戦。比較的良く知られた海戦なので、特に目新しい記述はなかったと思う。あとは軍艦の迷彩に関する記事、空母ミッドウェーに関する記事、捕虜の扱いに関する記事が面白かった。

お奨め度★★

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レイテ戦記 大岡昇平 中公文庫

言わずと知れた戦記文学の大作。レイテ島を巡る日米の激闘を陸海空に渡って記述した著作である。本書の焦点はレイテ島を巡る陸上戦闘であり、第16師団の壊滅、リモン峠の戦い、オルモック上陸戦、ブラウエン降下作戦等が圧倒的な詳細さで描かれている。あまりに情報量が多いので、場所と時系列的な関係の把握に苦労する程だ。レイテ島の地誌に詳しくない読者が本書を読むと、まず馴染みのない地名の羅列に圧倒されるのではないだろうか(かくいう筆者もその1人である)。
陸戦がメインといっても海戦記述について手を抜いている訳ではない。レイテ海戦の記述については、旧軍人や海軍御用達の作家たちなら決して書けないような、日本艦隊の士気の低下(レイテ湾突入に対する恐怖)や劣悪な技量(サマール戦での稚拙な戦い)についても筆者の筆致は鋭い。
本書の魅力については、本書巻末に菅野昭正氏による詳細な解説文で述べられているので、ここで繰り返す必要はないだろう。「私が事実と判断したものを、出来るだけ詳しく書くつもりである」「七五ミリ野砲の砲声と三八小銃の響きを再現したいと思っている」(「5.陸軍」より)という筆者の言葉が本書の全てを物語っている。

お奨め度★★★★★

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