もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2018年04月

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「砲兵」から見た世界大戦

古峰文三 パンダ・パブリッシング

「第二次大戦の本質は機動戦ではなく火力戦だった」。ウォーゲームをこよなく愛し、ドイツ流電撃戦の美しさに魅了された我々にとっては甚だ違和感を覚える言葉である。しかし筆者は様々な事例を引きながら第二次大戦における陸の王者が、戦車に代表される機動部隊では決してなく、砲兵に代表される火力戦部隊であることを、様々な事例を引き出して説いていく。その説明は軽快であり小気味が良い。所謂「通説」を打破していく視点には爽快さすら覚える。
しかしちょっと待って欲しい。この著作は論文ではない。確かに数値は引用されているので定量的な根拠はあるのだが、最大の問題はその出典が明かされていない。従って数値の信憑性を確かめる術はない。例えば「1944年以降の北西ヨーロッパで撃破された英戦車は、その約40%が間接砲撃と航空攻撃であり、22.7%が対戦車砲によるものであるのに対し、ドイツ戦車によって撃破されたものは14.5%に過ぎない」と言われてもどこまで信じて良いのかわからない。
何はともあれ、欧州大戦における戦車や砲兵の価値について一石を投じる著作であることは間違いなく、これによって欧州大戦史についてより深く理解が進む事を願ってやまない。

お奨め度★★★★

注:「決戦!アバオアクーDX」は、5月6日(日)開催予定のゲームマーケット2018春に出品の予定です。事前予約を受付中ですので、詳しくはこちらをご参照下さい。

作戦方針

前回のソロプレイであまりに脆く連邦軍が敗れ去ったので、今回はもう少し連邦軍にとってマシな戦いができないか考えてみた。
連邦軍の戦艦を全てNフィールドに集めると、ジオン側にとって格好の標的を提供することになる。特にジオン側のエリート部隊が集中している場合は命取りになる。そこでジオン側エリート部隊の集中に対して対応しやすくするため、戦艦も含めた全戦力の20~25%
をSフィールドに回すことにした。さらにSフィールドの戦力はジムだけではなく、突撃艇や戦闘機も含めた「諸兵科連合」部隊とした。これによってもしジオン側がSフィールド方面を軽視してきたら、Nフィールドを助攻、Sフィールドを主攻としてアバオアクーに迫る予定である。

1Turn

前回の教訓からNフィールドの連邦軍は、中央を厚くした魚鱗の陣を組んでアバオアクーへ突撃する態勢を組む。しかしその陣形変換が終わる前にジオン軍が早くも仕掛けてきた。得意の中央突破で連邦軍の中央部に食い込む。

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2Turn

イメージ 9連邦軍が前半で2回連続でアクションを取ったため、ジオンの先鋒を叩くことができた。しかもザンジバル級の機動巡洋艦1ユニットを撃破できたため、サドンデス負けの危険もかなり減った。この時点でNフィールドのジオン軍はほぼ無力化。一方、連邦側のマゼラン級戦艦はいまだ1ユニットも失われていない。

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3Turn

イメージ 8連邦軍の増援は「ザビ家の内乱」とRGM-79GSジムコマンド。後者は例のバニング小隊だ。対するジオン軍はMS-18Eケンプファー。ユニット数不足のジオン軍にとって苦しい展開が続く。
先にアクションを取ったのはジオン軍。後退しつつ兵力を整える。ケンプファーも出撃して後退掩護する。その甲斐あってか、このTurnは大きく突破されることはない。

「意外と兄上もお甘いようで・・・」

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4Turn

イメージ 10連邦軍の増援はRGM-79SPジムスナイパーと補充3(4)。補充チットは温存する。
ジオン軍の増援はMA-08ビクザムと補充5。補充は早速使ってリックドム2ユニット、ザク、ザンジバル、ムサイ各1ユニットを復活させた。ビグザムはSフィールドに向かわせ、その他はNフィールドの守りを固める。

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5Turn

イメージ 11連邦軍の増援は補充5(6)と「ザビ家の内乱」。補充は丁度貯まってきたのでまとめて使った。ジム3ユニット、ボール1ユニット、パブリク2ユニット、コアブースター1ユニット、サラミス/コロンブス3ユニットが復活した。ジオン側はMSN-02ジオングとMS-14Sゲルググ。しかもゲルググはなんとシャア搭乗。ジオングとゲルグルでシャアが2人いるのも如何なものなので、ゲルググはランバラル用に変更した(能力上は変化ない)。彼らはNフィールドに向かう。
「ザビ家の内乱」にも関わらずジオン側行動チットを引いたのはジオン側にとっては幸運であった。Sフィールドではビグザムがその主砲でサラミス1個戦隊を瞬殺したとか、衛星ミサイルの直撃で艦載機を搭載したサラミス1個戦隊が壊滅したとかいった武勲はあった。
Nフィールドでも新たに登場したシャアとランバラルが最初の一撃でコアブースターとパブリク1個中隊を叩き潰したのはさすがであった。しかしランバラルは自らの弾切れによって戦闘不能。シャアのジオングもボール部隊の遠距離射撃によって戦闘不能を余儀なくされてしまう。

「ええい、私としたことが」
「赤い彗星も地に落ちたな」

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6Turn

イメージ 14イメージ 12連邦軍の増援はRX-78ガンダムとホワイトベース。この段階でガンダムというのも痛しかゆしだ。確かにガンダムは強力なのだが、ガンダムを引くとジオン側に余分に1枚増援チットを引かせてしまうことになる。このまま押し切りたい連邦軍としては、このガンダムはあまり嬉しくないかもしれない。何はともあれ、ガンダムはNフィールドに回した。Sフィールドの危機を救わせる手もあったのだが、現時点では勝利が最優先。Nフィールドでの突破目前の状況なので、切り札登場ということもある。
イメージ 13ジオン側の増援は、MS-14Sゲルググ、補充3、補充2だ。ゲルググはまたもやシャア専用。既にジオングが盤上に出ているのでどうしたものかと思ったが、ここは「変わり身のシャア」の本領発揮ということで、シャア専用ゲルググにご登場いただくことにしよう。
また補充は当然全使用。リックドム1ユニット、ザク2ユニット、艦船2ユニットが復活した。
このTurn、連邦、ジオン共に1アクションずつ実施した。連邦軍が先に動いたため、Nフィールドで圧力を強化し、アバオアクー要塞まであと3Hexと迫っていた。シャアのゲルググも出撃するも、圧倒的な連邦軍の圧力を押しとどめることはできない。
Sフィールドではジオン軍が同方面の部隊をNフィールドへ向けて転進させることにした。エルメス、ビグザム、そしてザクが計5個中隊。そして巡洋艦3個戦隊。都合約70機のモビルスーツと10数隻の艦船部隊が苦戦する味方を助けるべく急行する。

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7Turn

イメージ 16連邦軍の増援は、強襲揚陸艦「グレイファントム」と補充4(5)。前者は役立たずだが、後者はかなり有難い。当然全使用。
ジオン軍はこのTurn1枚しか増援がないが、それが補充4という望み得る最良のチットであった。当然使用する。ガトル2ユニット、ザク、ムサイ各1ユニットが復活した。
このTurnも連邦、ジオン共に1アクションずつであった。連邦軍は遂に要塞に取り付き、パブリク突撃艇がミサイル攻撃を仕掛ける。しかし要塞は中破したものの持ちこたえた。そしてSフィールドからの救援艦隊が戻ってきた。エルメスのララァは、要塞付近に遊弋するコロンブス級改造空母艦隊を襲撃し、メガ粒子砲の一撃でこれを葬っていた。

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このTurnからゲーム終了判定が入る。このTurnは1d6で5-6が出るとゲーム終了となり、ジオンの勝利が確定する。出目は"4"。ゲームはまだ終わらない。

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8Turn

イメージ 15連邦軍の増援は補充3(4)。補充で得た全戦力をSフィールドに回した。攻撃正面を拡大してジオン側にプレッシャーをかけるためである。ジオンの増援はMAN-03ブラウブロ。この状況下では足止めになるエリート部隊は有難い。
このTurn。ジオン軍が先にアクションを起こした。ジオンはパブリク突撃艇を第1目標とし、マゼラン級戦艦を第2目標としていた。エルメスがマゼラン級の1個戦隊を捉え、メガ粒子砲で撃破していく。ムサイやザク部隊もパブリク突撃艇を撃破あるいは戦闘不能にしていく。
最後にアクションを取ったのが連邦軍であった。パブリク隊の大半が殆どすべてが戦闘不能になっていたので頼りになるのは艦船部隊のみだ。マゼラン級戦艦、サラミス級軽巡、そして増援で現れたホワイトベースである。しかし艦砲の命中率は低い。練度の一番高いホワイトベースの場合ですら撃破率は1/6、その他の戦艦は1/18、軽巡は1/36に過ぎない。とにかく数を撃つしかないが、要塞はなかなか落ちない。しかし遂にピンゾロが出た。殊勲打を放ったのは強襲揚陸艦「グレイファントム」。先ほど役立たずと言われていた艦である。「グレイファントム」の放ったメガ粒子砲だか実体弾式の主砲だかが要塞の弾薬庫を直撃。これを吹き飛ばしたのである。
勝利条件は要塞2つを落とすことなので残り1つ。
そして最後は主人公がキッチリ決めた。要塞の内部に入り込みこれを撃破したのである。この段階で要塞2個を潰した連邦軍の勝利となった。

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感想

連邦軍にとって魚鱗の陣を敷いたのは正解だった。鶴翼だと中央突破されて左右に分断され、勝利条件に絡む戦艦群を潰される可能性がある。魚鱗だと兵力の優位を生かせるので、連邦にとっては有利だ。
ただし第7Turnまでに決着できなかった点については反省すべき点も多い。特に艦船の主砲はある段階からは要塞攻撃に的を絞った方が良いように思える。可能なら第5Turn、遅くとも第6Turnからは艦砲射撃の目標を要塞中心にすべきであろう。無論、そのためには盤面で圧倒的に有利な状況を作っておく必要があるのだが・・・。

選択ルールを入れた場合、連邦軍の方がやや不利なようだ。

「圧倒的じゃないか、我が軍は・・・」

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OCS-Sicily2をソロプレイしてみました。シナリオはNo.2「Gela CounterAttack」。枢軸軍によるゲラ海岸への反撃を描いたシナリオです。このシナリオは枢軸軍側だけが1Turn実施し、その結果で勝敗を判定します。明らかにソロプレイ指向のシナリオと言えるでしょう。

作戦計画

勝利条件は明白である。独軍によるGela海岸(41.07)の第2機甲師団司令部撃破。又はGela(40.07)とScoglitti(43.05)の占領である。そのための独軍兵力は、ヘルマンゲーリング装甲師団、イタリアLivno歩兵師団である。さらに航空兵力として1x He.111、2x Ju.88の計3ユニットが登場する。
対する連合軍は守備兵力として第1歩兵師団、第44歩兵師団、第82空挺師団の一部、第2機甲師団の一部、軍団砲兵などが登場する。さらに海上兵力として巡洋艦、駆逐艦各1ユニットが登場する。

連合軍は最重要のGela海岸に最強の第1歩兵師団(22-4-3)を配備する。また第45歩兵師団(24-3-3)はScoglittiに配備した。

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枢軸軍の作戦はシンプルだ。すなわちオーバーランの繰り返しでGela海岸に突入する。通常戦闘は行わない。なぜなら連合軍の強力な砲爆撃によって事前に撃破される可能性が高いからだ。枢軸軍の補給ポイントは計10SPである。燃料用として2SPを用意し、残り8SPは全て攻撃に回すことにした。

1943年7月10日

枢軸軍は突撃グループを3つ編成し、Gala海岸を目指す。ヘルマンゲーリング装甲師団は2個機動襲撃部隊を編成し、残りはイタリア歩兵師団とヘルマンゲーリング装甲師団の偵察部隊からなる襲撃部隊である。最初の襲撃グループは、ヘルマンゲーリング装甲師団の主力。計5ユニットからなる攻撃部隊が目標に隣接したところで全航空兵力を投入してヒップシートを仕掛ける。順当にDG状態したところでヘルマンゲーリング装甲師団がオーバーランを実施した。
1-1攻撃であったが、奇襲が決まったので4シフトして5-1。出目は"9"でDRM+2を適用して"11"。結果はDL1o2。もちろん連合軍は耐えるしかない。工兵大隊と第1歩兵師団2ステップが失われる。
なおもドイツ軍はオーバランを繰り返す。しかし2回目のオーバランはまさかのピンゾロ。逆奇襲を食らって-1シフト。1-2という絶望的な比率での攻撃となる。戦闘結果も最悪のAL1o1で虎の子ティーガー大隊と装甲擲弾兵大隊が失われた。
通常戦闘では1-1攻撃をドイツ軍が仕掛けたものの、またもや逆奇襲。最低比の1-5による攻撃であったが、出目に助けられてAL1o1/Do1の結果。ドイツ軍は2ステップを失ったものの、何とか米軍にも1ステップの損害を与えた。

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突破フェイズ。枢軸軍は温存していた予備の襲撃部隊を投入する。ヘルマンゲーリング装甲師団の3個大隊が峠を超えて海岸線に殺到する。戦闘比1-1の攻撃。しかしここではドイツ軍が奇襲に成功して4-1。ダイス目は"8"で練度差によるDRM+2を適用して"10"。結果は"Ao1e4/DL1o2"。ドイツ軍は虎の子重戦車大隊を失ったが、連合軍は全滅を避けるために後退するしかなかった。これでドイツ軍は漸くGela海岸を占領した。

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結果

枢軸軍の勝利

感想

機動襲撃のコツを掴めばあとはダイス勝負。普通にプレイすれば枢軸軍の勝利は堅いのではないだろうか。

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小谷城に行った後に昼食に立ち寄ったラーメン屋さんです。滋賀県長浜市の南部、国道8号線沿いにあります。「塩元帥」の名前の通り塩ラーメンがメインで、他に醤油ラーメンがあります。お奨めは塩ラーメンとのこと。ラーメンと唐揚げのセットを注文しました。

塩ラーメンは定番の焦しネギ入り。ネギの香ばしい香りが塩ラーメンの淡白な味と良くマッチしています。また太めの麺も好みに合っていてよし。ただ麺が少しふにゃふにゃだったのがちょっとアレでした。

でも十分にお奨めできる美味しいラーメンでした。

お奨め度★★★

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Zone of Control - Perspectives on Wargaming

Henry Lowood and Raiford Gunis

ウォーゲームに関する書籍で約60件のウォーゲームに関する記事が掲載されている。執筆者の多くは現役のゲームデザイナーで、Mark Herman、Jack Green、Ted S.Raicer等は我が国でも良く知られたデザイナーだ。執筆者の中には、Game Journal編集長のふーらー氏も名を連ねており、実世界を実世界通りにモデリングする限界や抽象化したシミュレーションの優位性を説いている(個人的にはあまり合意できない内容であった)。
個人的に面白いと思ったのは、まずJack Green氏の論文。ジュトランド海戦をテーマとした精密ゲームのDNで、詳細化された砲戦システムと審判を導入したマルチプレイヤー用のビックゲームのようであった。またDown Townシリーズのデザイナーとして知られているLee Brimmicombe-Woodは、ゲームにおける航空戦力の扱いと空戦ゲームの歴史について語っている。Mark HermanはEmpire of the Sun(GMT)を題材としてCard Driven System(CDS)について、Ted RaicerはPaths of Glory(GMT)を題材としてWW1テーマゲームとCDSの可能性についてそれぞれ興味深い論文を投稿している。
また本書は単なるウォーゲーム紹介ではなく、軍や学術界におけるウォーゲームの利用、あるいはコンピュータ利用の一人用シューティングゲーム(FPG)等についてもページを割いている。尤も、FPGに関する記述は殆ど理解できなかったというのが本音だが・・・。
英文約800ページととにかくボリュームが多く、読み通すのは大変だが(私は2ヶ月以上かかった)、それほど高価でもなくウォーゲーマーなら一読して損のない内容だと思う。

お奨め度★★★★


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