もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2018年06月

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ソロモンに散った聯合艦隊参謀

高橋博視 芙蓉書房出版

1943年4月18日、聯合艦隊司令長官山本五十六と共にブーゲンビル島で散った樋端久利雄(といばな くりお)。本書は彼の半生とその最期を記した著作である。「昭和の秋山真之」「帝国海軍の至宝」と言われた樋端だが、その活躍期間は短く、その最期はあまりも早かった。樋端が聯合艦隊参謀を命ぜられたのは1942年11月20日。その時期ガダルカナルでは第3次ソロモン海戦が日本側の敗北に終わり、ガダルカナルの戦局は日本側の劣勢が明らかとなっていた。そのような時期に聯合艦隊参謀の任に赴いた樋端にとって活躍の機会は殆ど無かったと言って良い。本書を読んでも樋端という男が類い希な頭脳を持った逸材であることは理解できるが、軍人として有能かどうかは今ひとつ見えてこない。伝説として扱うにはその活躍の機会があまりも乏しかった人物、といったら言い過ぎだろうか。

お奨め度★★★

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ホルモンうどんと言えば、岡山県の津山市が有名ですが、隣接する兵庫県佐用町でもホルモンうどんが有名とのこと。今回、佐用の近くを通ったので、ホルモンうどんを試してみました。

「一力」は佐用町の中心部から国道373号線沿いに少し西に外れた場所にあります。駅からはやや離れているので、足がないと行くのが少し大変かもしれません。
店内はカウンターのみ数席の小さなお店で、真ん中でおばあちゃんが焼きうどんを焼いてくれるというスタイルです。

定番のホルモン焼きうどんを注文しました。ホルモン焼きと野菜の炒め物に水分がやや少なめのうどんを混ぜたものです。それを焼き鳥のタレ風のタレにつけて食べるのが佐用スタイルです。このタレとうどんの相性が抜群に良い。またうどんの水分が少ないので、うどんが肉や野菜がフニャフニャにならない点も良いです。

佐用「一力」のホルモン焼きうどん。お奨めです。

お奨め度★★★★

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岡山県西北部にある高梁市にある山城です。日本で一番高い場所にある山城で、標高430mの臥牛山頂にあり、シャトルバスの終点から約100mの標高差を登り切った所にあります。街歩きのスタイルで登りきるのは結構キツイ場所です。

この城のすごい所は山頂部に石垣や石段がそっくり残されているだけではなく、修復された天守閣やその他の建物もそっくり残されていること。以前に紹介した波賀城天空の城として名高い竹田城に比べてもこちらの方が規模や往時の雰囲気を残しているという面で優っていると思われます。

今まで完全にノーマークだったこの備中松山城ですが、今まで回った城郭の中でも1,2を争うほど魅力的な城郭だと思いました。

お奨め度★★★★★

Game Journal#63付録の「クルスク南方戦線」(以下、本作)は、1943年7月5日に始まるクルスク戦を、1ユニット=1個師団、1Turn=1日のスケールで再現するシミュレーションウォーゲームだ。システムについてはこちらの記事で紹介したので参照されたい。

イメージ 17なお前回のプレイでいくつかのルールミスが発覚した。一つはドイツ軍指揮官ユニットの使用。指揮官は事前にプロットする必要がなく、好きな時に割り込める。またモロトフカクテルについては、前回はソ連側が目標を自由に選択していたが、実際には目標を無作為に抽出する必要があった(そのため強力なティーガーをモロトフカクテルで集中攻撃するのは難しくなる)。

イメージ 11今回は前回に引き続きの対戦となる。担当はドイツ側。セットアップ前に泣きを入れて戦車チットの1枚をヴィットマンにさせてもらった。代償はソ連側の戦車チット2枚を自由に選ばせることである。その結果、ヴィットマンの他、ティーガー、フェルディナント、パンターが全て登場し、戦車の布陣は文句なしとなった。後は支援チットがちゃんと来てくれれば・・・・。

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1Turn(43/07/05)

イメージ 10第1Turnのドイツ軍は攻撃のみで移動はできない。しかし自分が好きな支援チットを選択できる。そこでドイツ軍は工兵チットを中心とし、指揮官チット、戦闘機、ルーデル等でチットを構成する。攻撃は3箇所。第2SS装甲軍団の正面に展開しているソ連軍歩兵師団が目標だ。ドイツ軍はソ連軍のトーチカ・機銃陣地を予測して工兵隊を投入したが、ソ連軍はその裏をかき、対戦車砲をずらりと並べて対抗してきた。まさにパックフロント。おかげで貴重な3号突撃砲1ユニットが昇天してしまう。それでも圧倒的な兵力のドイツ軍は難なくソ連軍第1線に突破口を穿ち、ソ連第52親衛歩兵師団、第67親衛歩兵師団(共に3-1-2)及び第100歩兵師団(2-1-2)は壊滅する。

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2Turn(43/07/06)

第1塹壕線を突破したドイツ軍は第2SS装甲軍団を中心に第2防衛線に迫る。ソ連軍は部隊を集結して防衛ラインを構築するも、兵力不足は否めない。ドイツ軍、プロホロフカまであと4ヘクス。

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3Turn(43/07/07)

イメージ 14ドイツ軍が縦深突破攻撃で戦線に突破口を穿った。まず通常攻撃フェイズに第2SS装甲師団「ダスライヒ」(4-3-5)がソ連軍歩兵師団を撃破して突破口を啓開。移動フェイズに敵の背後に回り込んだ装甲部隊が前線のソ連軍歩兵部隊を包囲した。ドイツ軍はソ連軍が引いた5線の塹壕線のうち3線までを突破。プロホロフカにも第3SS装甲師団「トーテンコップ」(4-3-5)、第6装甲師団(4-2-5)が接敵にした。

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イメージ 13しかしソ連軍も第5親衛戦車軍団(4-2-4)を主力とする反撃部隊がプロホロフカに向けて反撃を実施してきた。ドイツ軍右翼先鋒を守る第3SS装甲師団が反撃に晒される。対戦車砲を総動員してソ連軍を迎え撃ったが、ソ連軍のダイスが冴え渡り合計7ヒットも食らってしまう。第3SS装甲師団はたまらず後退。それでも貴重な88mm対戦車砲や戦車部隊を失い、SS師団もステップロスを余儀なくされてしまう。

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4Turn(43/07/08)

ドイツ軍第6装甲師団がプロホロフカを攻撃し、同地を占領する事に成功した。その後方を第2SS装甲師団、第10装甲師団が攻撃して守りを固める。

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イメージ 15しかしソ連軍もすかさず反撃を実施する。ドイツ軍は砲兵15火力を投入して突撃破砕射撃を実施。ソ連軍の反撃を迎え撃つ。しかし期待の砲兵射撃は15発撃って僅か2ヒットというショボさ。期待の戦車戦もソ連側の先制射撃によって貴重な戦車2ユニットを失ってしまう。一連の戦闘で第6装甲師団は完全に壊滅。プロホロフカもソ連軍が再び奪取する。

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5Turn(43/07/09)

イメージ 12戦車に大損害を被ったドイツ軍は、ソ連側の戦車兵力を潰すことが先決と判断し、ソ連戦車師団を狙った攻撃を実施した。この兵力消耗攻撃は一定の成果を収め、ソ連戦車ユニット2個とSU-152自走砲1ユニットを撃破する事に成功した。
しかしソ連軍のの反撃によって3号戦車1ユニットとナスホルン自走対戦車砲1ユニットが失われる。

6Turn(43/07/10)

ドイツ軍は再びプロホロフカに攻撃を仕掛けた。しかし出目に恵まれず攻撃は失敗に終わる。その西方では第1SS装甲師団「ライプシュタンダーテ・アドルフ・ヒトラー」がオボヤンに接敵したが、既にオボヤンを奪取する余力はドイツ軍になかった。

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この時点で勝利を望みがないと判断したドイツ軍の投了でゲーム終了となった。

感想

イメージ 16ドイツ軍の立場から言えば、初期の戦車、装備の引きは悪くなかったが、支援チットの引きが振るわなかった。特に対戦車攻撃の主役であるルーデルのJu-87Dを1度も引かなかったのが辛かった。ルーデルがいれば戦車戦で惨敗する事もなかったかもしれない。後は戦闘のダイスも全般に振るわなかった。


所要時間はセットアップを除いて5時間ぐらい。1Turn=1時間弱なので全9Turnをプレイする場合は8時間ぐらいは覚悟する必要があるかもしれない。バランス的にはドイツ軍が苦しいように思う。勝ち目がない訳ではないが、ドイツ軍で勝利を得るためには的確な戦術眼と幸運が必要と思われる。

ゲームとしては面白い作品だと思う。作戦的な選択肢はあまりないが、駒さばきの妙と支援チット駆け引きといった戦術レベルの面白さがある。テーマがテーマだけに機動戦の余地はあまりなく、戦術面の面白さに着目したのはデザイン側の適切な判断と言えるだろう。個人的にはクルスク戦を扱った作戦級ゲームの中ではベストの1つと思っている。

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用兵思想史入門

田村尚也 作品社

紀元前のギシシア時代から中世、ナポレオン戦争、プロイセンの参謀本部、そして第1次、第2次大戦と冷戦時代、そして現在へ続く用兵思想の変遷を記した著作である。「入門」と書かれている通り、用兵思想の基本を扱った著作だが、これまでこの種の著作がなかっただけに価値のある著作といえよう。

お奨め度★★★

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