もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2018年08月

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平成関東大震災-いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった

福井晴敏 講談社文庫

福井晴敏氏といえば、「終戦のローレライ」とか「機動戦士ガンダムUC」とかいった作品で知られた小説家であり、少なくとも私の周囲では毀誉褒貶が激しい(どちらかと言えば毀貶の方が多いかな?)人物です。この作品は、その福井氏が書いた第2次関東大震災を描いた短編です。本書の主人公は東京都庁で地震に遭遇し、その後様々な困難を経て自宅のある墨田区まで帰宅するというストーリーです。この話は極端なパニック小説ではなく、どちらかといえば等身大の主人公が大地震という非常事態に対して等身大に対応する話です。もし本当に関東大震災が発生したら、我々自身が遭遇するであろう場面をリアルに再現しています。
1~2時間程度で読み終わる短いストーリーですが、内容は面白く、また防災に関する知識もさり気なく書かれているので、万人にお奨めできます。
なお、本書の初版は2007年なので今から11年前。東日本大震災はまだ起こっていません。それでも本書の内容を古臭く感じないのは何故でしょう。

お奨め度★★★★

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Compass Gamesの「Blitz!」(以下、本作)は、第2次世界大戦を戦略規模で描いたシミュレーションゲームである。極地地方を除く世界5大陸とその周囲の海洋がフルマップ1枚に描かれている。マップはいくつかのエリアによって区分されており、陸上エリア、海上エリア及び島嶼エリアに分かれている。ちなみに日本本土は2つの地上エリアによって構成されている。

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登場する勢力は、日、米、ソ、独伊枢軸、英仏連合の5勢力。それぞれの国家をプレイヤー1名が担当する。なおプレイヤーが5名未満の場合、1人のプレイヤーが複数の勢力を担当することになる。
1Turnは実際の約半年、1ユニットは1個艦隊、軍又は軍集団規模の地上部隊、航空軍規模の航空部隊となる。ユニットの内容は抽象的なものであり、"Zero"(ゼロ戦のこと)だとか"Naval Air"(海軍航空隊)とか、"Moble Fleet"(機動部隊)等といった名称がついている。

基本システムはシンプルで、枢軸陣営、連合陣営の順で移動・戦闘を行い、その後に両陣営が生産を行うというもの。余分に石油を消費すれば、電撃戦と称して1回分の移動・戦闘を追加で実行できる。生産はリソースと呼ばれるポイントを消費することで行われ、1ポイント毎に1ステップ分の戦力を生産/回復できる。さらに新兵器開発と称して開発中の兵器をフォースプールに移動させることもできる。新兵器開発には1Turnで開発可能な上限が設定されており、上限を超えた開発投資は禁止されている。また開発投資はタダではなく、既存兵器の生産/開発と新兵器開発はトレードオフの関係にある。従って既存兵器の生産/回復にリソースを回しすぎて、新兵器開発まで手が回らないのは良くある話。とはいえ、既存兵器だけだと兵器生産が頭打ちになことが必定。従って兵器開発は可能な範囲で着実に推進しておくことが重要である。
ちなみに開発を成功させるためには膨大なリソースが必要になるのだが、原爆も各国が開発することができる。無論、我が大日本帝国でもだ。

ゲームプレイ

今回、私は大日本帝国を担当した。

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序盤、中国大陸での勢力拡張を図った我が大日本帝国は、しかし拝金主義者の米国が裏で手を引いた戦闘機部隊(フライング・タイガース)に等によってその進撃を阻まれた。
その頃欧州ではポーランドとの間に先端を開いたナチスドイツが、ポーランド攻略に失敗(ポーランドはその後介入してきたソ連が分捕る)。さらにフランスへの侵攻を開始したものの、マジノ線に阻まれて苦戦中である。
そうこうしている間にも拝金主義者共は大東亜共栄圏の中核というべき比島に対して続々と兵力を増強してきている。このまま放置すれば比島が難攻不落の大要塞となりかねない。そう考えた帝国は、平和と自主独立を守るため、真に止むに止まれぬ理由により、成金主義者の米国に対して宣戦を布告した。
米国との間で戦端が開かれたことで、これまで米国から提供を受けていた石油資源の入手が困難となった。それを補うためにオランド領インドネシアに進駐いた帝国は、同地の石油資源を手に入れた。
しかし肝心の比島攻略は苦戦続き。"1"の目以外なら攻略できる所で"1"の目を連続して出してしまい、開戦後1年ぐらいは比島を占領することができなかった。しかし米国も欧州第一主義に基づき比島へ積極的な兵力増強を怠ったため、開戦後1年余りの1943年夏に帝国はようやく比島を占領した。

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その間、北西大西洋ではUボートと英艦隊が激闘を繰り広げ、その隙をついてソ連が中近東へ進出。ペルシャを支配し、インドを伺う。さらにシベリア鉄道を利用して軍を極東へ派遣しつつあった。ソ連による対日侵攻の意図は火を見るより明らかである。帝国は直ちに兵力を整備し、満州へ派遣。さらに海軍の精鋭航空部隊も満州へ送られ、極東ソ連軍の越境侵攻に備える。

ドイツが動いた。独ソ不可侵条約を破って西部ロシアへの侵攻を開始したのである。シベリア方面へ向かっていた極東ソ連軍は直ちに反転して欧州へ戻る。やってくれたね。ドイツさん。

北からの脅威が解消した帝国は、いよいよ本格的な対米戦に挑む。比島と蘭印を支配した帝国は、東南アジアの要地を次々と平定し、大東亜共榮圏の基礎を築いた。さらに英国が欧州戦線に手を取られている間、無防備状態のインドに帝国が侵攻。ここを支配した。
さらに再編成なった帝国海軍機動部隊が長駆ハワイ真珠湾を奇襲攻撃。在泊していた米太平洋艦隊を撃破した。時に1943年冬。第2次世界大戦は新たな局面を迎える・・・。

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感想

今回は時間の関係上ここで終了とした。全16Turn中8Turnまでである。
私にとって今回の対戦はルールを1度読んできただけでのプレイであったため、正直何をやって良いのか判らず、概ね歴史的な流れを意識しながらのあまり方針のハッキリしないプレイであった。戦略級ゲームの場合、単に歴史の流れを追うだけではなく、自ら方針を決めて「状況を作っていく」必要があるのだが、今回はそこまでできなかった。また本作で「勝つ」ためには「帝国主義的なプレイ」(他者から資源地帯を奪って自国の国力伸張を図る)が必要なのだが、それは我々が普段教えられてきた常識や倫理観(戦争はいけない、帝国主義は悪い)に反する。
「そんなこと気にするぐらいならウォーゲームするな」
という批判が聞こえてきそうだが、この種の偽善的な倫理観は、他の多人数マルチをプレイする際にも感じる部分である。とはいえそれではゲームに勝てないし、さらにはゲームを主体的に楽しむこともできない。次回プレイする際には、もっと積極的、帝国主義、そして主体的な戦略で挑みたい。

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立石寺。通称山寺。平安時代に開山された天台宗の寺院である。松尾芭蕉が「おくのほそ道」で訪れたことでも有名。入口から約1000段の石段があるとされており、一番上まで行くと結構大変である。

大朝日岳に登った翌日に立石寺に登ってみた。

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現着は10時頃だった。その日は日本中で35度を超える猛暑日だったので、この山形立石寺も結構暑い。駐車場から登山口まで歩き、そこから石段を登って立石寺の境内に入っていく。麓には鳥居があって、お寺なのか神社なのか一瞬わからなくなるが、麓には日枝神社という神社も入っているらしい。

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山門から中に入っていく。いきなり急な石段があり、1歩1歩と登っていく。途中で色々あったけど、じっくり見ている暇がない。取り敢えず写真でご勘弁を。

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仁王門を過ぎるとゴールはあと一歩。暑い中一番上の奥の院に着いたのは10時40分頃。下からの所要時間は約30分であった。

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帰りは痛む足を庇いながら下山。昨日山で痛めた足がまだ治りきっていない。途中、開山堂で眼下に見える風景を堪能。

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麓に降りてきたのは11時過ぎであった。ちなみに調べてみると前回山寺に行ったのは2000年の年末。実に18年以上も前になる。自分の記録によれば、ゲート入口から山頂まで所要時間5分で歩き切ったとあった。我ながら「元気だったなぁ」と驚いた。

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私、Twitterをやっていて、時々ブログの記事をアップしているのですが、実の所殆どTwiiterを開いていませんでした。

今日久しぶりにTwiiterを明けてみると、皆さん、"いいね"やコメントを付けて頂いているではありませんか・・・・。

皆さん、本当にすいません。
コメントを返さなかった方々、本当にすいません。

これからはちゃんと返事するようにしますので、見捨てないで下さい。
(だけど誹謗中傷はダメよ)

ムカつく相手にガツンと言ってやるオトナの批判術

バルバラ・ベルクハン 小川捷子訳 CCメディアハウス

タイトルは過激だが内容は至って平凡な交渉術のノウハウ本だ。平凡だが学ぶべき点は多い。とはいえ、ある程度社会生活を真っ当に営んできた人たちにとっては当たり前の内容ばかりなのだが。
本書は大きく分けて2つのパートに分かれている。自分が他人を批判する場合と他人が自分を批判する場合とだ。前者はいわゆる交渉術に関する部分であり、多くの読者が注目する個所であろう。かくいう筆者もここを読みたかった。
書かれている内容のうち気になった点を列挙しよう。

 ・不満を溜め込んではいけない
 ・自分には変えられないことがあることを認める(相手は貴方の力を必要としていない)
 ・自分の影響が及ぼないものへの意見を差し控える。
 ・客観的で建設的な批判は人の助けになる。
 ・人に責任(罪)を問うてはいけない。
 ・自分を基準にして相手を評価してはいけない。
 ・「壊し屋」(人の成果物にケチをつける人物)を相手にしてはいけない。近くに「壊し屋」がいたら自分とは距離を取るようにする。
 ・「壊し屋」は子供でもできるが、オトナの「壊し屋」も多いので要注意
 ・全ての人が満足する解決方法はない。

とまあこんな感じだ。列挙してみると結構仰々しいが、常識人であれば普段の生活で自然に気をつけていることだろう。
後者はいわゆる自己確立の内容で自身が相手に批判された時、どのようにしてそれに耐えるかだ。これも自己が確立した人物であれば日ごろから自然と行っていることであり、敢えて列挙することはないだろう。
総じていえば交渉術についてコンパクトに纏めた良作といえよう。万人にお奨めしたい著作であり、無駄な争いを避けるための必読書ともいえる。

お奨め度★★★★★

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