自作空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。今回は、追加シナリオであるミッドウェー海戦に挑戦する。まずはソロプレイで試してみた。
===========================================================
「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->を参照して下さい。
===========================================================
「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->を参照して下さい。
===========================================================
なお、ミッドウェー海戦シナリオの概要は-->を参照されたい
前回までのあらすじ
ミッドウェー攻略を目指す日本艦隊は、南雲中将率いる空母機動部隊と近藤中将率いる攻略部隊に対して同島攻略を命じた。しかしミッドウェー近海には空母3隻からなる3群の米機動部隊がやはり奇襲を企図して遊弋していたのである。激しい航空決戦で日本側は空母「赤城」「加賀」「蒼龍」の3隻が大中破し、いずれも航空機運用能力を失った。一方の米軍は「ヨークタウン」「ホーネット」が中小破した。決戦2日目、日本側砲撃部隊がミッドウェーに接近し、激しい艦砲射撃でミッドウェー基地を壊滅させた。そしてその夜半、日本側の上陸船団が遂にミッドウェー近海に姿を現したのである。
詳しくは-->こちら
06:00
夜明けと共に両軍は活発な索敵戦を展開した。ミッドウェー基地を無力化された連合軍は、ジョンストン島から飛行艇を発進させ、空母艦載機と共同で広範な索敵戦を展開する。一方の日本軍は、空母艦載機と水上偵察機で索敵戦を展開したが、両方とも損耗が激しく、索敵兵力を捻出できない。結果は明白であった。米軍の索敵機が次々と日本艦隊発見を報じたのに対し、日本側の索敵機は米機動部隊を発見できない。米軍の攻撃機はミッドウェーに上陸中の日本軍上陸部隊を襲った。輸送船1隻と駆逐艦1隻が沈没した。それでも残りの輸送船はなおもミッドウェーに対する上陸を続けている。
10:00
米軍機による攻撃は続く。しかしこのTurnの攻撃は冴えず、損傷していた輸送船1隻を撃沈したのみであった。日本軍に残った輸送船は9隻。そしてこのTurn、ミッドウェーに対する上陸作戦が完了したのである。14:00
ミッドウェー東方海域で日米の空母同士の決闘が戦われた。日本空母「飛龍」と米空母「エンタープライズ」「ホーネット」との決闘である。しかし戦いの決着は一瞬であった。先手を取った米機動部隊が日本空母を奇襲した。空母「飛龍」には、SBD艦爆の投じた1000ポンド爆弾2発が命中した。「飛龍」の艦上で発進準備待機していた戦爆連合27機が次々と誘爆を起こした。一瞬にして「飛龍」は大破した。さらなる攻撃が日本艦隊を襲う。重巡「利根」が直撃弾を受けて大破。僚艦「筑摩」はSBD艦爆27機の集中攻撃を受けて多数の命中弾を受けて轟沈した。戦艦「榛名」も魚雷1本を受けて中破する。
日本軍は空母2、重巡2、駆逐艦1、輸送船3を失い、空母3、戦艦2、重巡1が大中破、重巡2が小破した。航空機の損害は212機。連合軍側に沈没艦はなく、空母2隻が中小破した。航空機の損害は152機である。史実に比べれば日本軍の損害がやや小さいと言えるかもしれない。またミッドウェーに対する上陸を成功させた点も史実より高評価になる。しかし日本軍の損害は連合軍を遙かに上回っている。ゲーム上で連合軍が勝利したことは妥当な結果と言えよう。
感想
ミッドウェー海戦は、空母同士の戦いで全てが決する典型的な空母決戦であった。史実を見れば明らかなように、空母決戦に敗れた日本海軍は作戦そのものを失った。また史実とは逆に日本側がもし空母決戦に勝利していれば、MI作戦は日本側の勝利に終わっただろう。空母部隊を失った米軍にとって、圧倒的な日本側の侵攻部隊を阻止する術はなかったからだ。このような史実を考慮すると、空母決戦でいずれか一方が勝利を得た段階で、シナリオ自体も完了できるのが望ましい。本シナリオでは両軍にサドンデス条件を設定することでこれを実現している。すなわち一方が空母戦に敗れて大量のVPを失った場合、対する側が自動的に勝利できる仕組みだ。
ところで空母戦の結果が痛み分けの場合、作戦自体はどちらの勝利に終わるのだろうか。例えば南雲機動部隊と米機動部隊の双方が打撃力を喪失した場合、作戦自体の勝者は果たしてどちらか。
もし両者が彼我の状況を知悉していた場合、日本側が勝利するだろう。なぜなら空母を失った米軍にとって、「大和」以下の圧倒的な日本艦隊を阻止することは不可能だからだ。
しかし史実における日本軍の立場に立ったとき、痛み分けの結果から勝利を引き寄せ得たであろうか?。
この疑問に対する回答こそデザイナーの歴史観が問われる。
私は、「否」とする。
何故か。
それは日本軍にとって「想定外」の出来事だからである。
「妾の子でも勝てた」
「米空母なぞ鎧袖一触」
それが作戦前における日本海軍の一般的な認識であった。
それが「本妻の子」である筈の精鋭1,2航戦が米空母との戦いで"EX"の結果を食らって壊滅してしまった。これは聯合艦隊司令部をして驚愕せしめる事態であったことは想像に難くない。だから南雲機動部隊が戦闘力を失った時点で聯合艦隊は作戦中止を決断しただろう。思い返せば、珊瑚海海戦でも勝利したはずのMO部隊は、作戦を中止して引き上げているではないか。
もし両者が彼我の状況を知悉していた場合、日本側が勝利するだろう。なぜなら空母を失った米軍にとって、「大和」以下の圧倒的な日本艦隊を阻止することは不可能だからだ。
しかし史実における日本軍の立場に立ったとき、痛み分けの結果から勝利を引き寄せ得たであろうか?。
この疑問に対する回答こそデザイナーの歴史観が問われる。
私は、「否」とする。
何故か。
それは日本軍にとって「想定外」の出来事だからである。
「妾の子でも勝てた」
「米空母なぞ鎧袖一触」
それが作戦前における日本海軍の一般的な認識であった。
それが「本妻の子」である筈の精鋭1,2航戦が米空母との戦いで"EX"の結果を食らって壊滅してしまった。これは聯合艦隊司令部をして驚愕せしめる事態であったことは想像に難くない。だから南雲機動部隊が戦闘力を失った時点で聯合艦隊は作戦中止を決断しただろう。思い返せば、珊瑚海海戦でも勝利したはずのMO部隊は、作戦を中止して引き上げているではないか。
だから本シナリオでも日米が痛み分けの結果に終わったときには、米側が勝利するようにデザインされている。日本側のサドンデスラインを低めに設定することでこれを再現しているのだ。
因みにこの結果、本シナリオは日本側にとって些か不利なシナリオとなっている。兵力的には優勢だが、航空戦力では必ずしも優勢とは言えない南雲機動部隊は、自隊とほぼ同等の航空兵力を持つ米機動部隊相手に勝利を収める必要があるからだ。それはそれで良いとは思うが、やや日本軍に苦しすぎるきらいがあるので、若干VPラインを日本側に甘くしようと思う。