もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2019年09月

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備中高松城と清水宗治といえば、このブログを読んでいる方で知らない方は殆どいないと思う。羽柴秀吉中国進攻の中で最も劇的な場面となった場所。毛利方の武将清水宗治は、秀吉率いる数的に優勢な織田方の軍勢を相手に高松城の湿地帯を生かして善戦する。しかし秀吉側の軍師黒田官兵衛の献策による水攻めによって高松城は水没してしまう。高松城危うし、という正にその時、本能寺の変で信長討たれるの報が秀吉陣営にもたらされる。危機に陥った秀吉は、巧みな外交戦で毛利方との和睦をまとめ上げた。高松城城主清水宗治は、毛利方和睦の条件として切腹を命ぜられ、両軍の見守る中見事な最後を遂げたという。
とまあ、戦国史の一大転機となった場所である備中高松城。先に紹介した鬼ヶ城から山を下りた所にある平城である。城と言っても石垣や天守閣といった往時の遺構が残っている訳ではなく、一面の湿地帯に二の丸跡、本丸趾といった跡地が残っているだけ。とはいえ、水攻めを受けた高松城の地形については往時そのままと言って良く、当時の雰囲気を思い起こすことは十分にできよう。

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こちらは本丸趾です。
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なお、城跡の近くには巨大な鳥居があり、一体なんだこれは、と思わずにはいられない。これは最上稲荷の大鳥居とのことであった。総社地方にはこういった神話的なものが数多く残っているのだろうか。

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190814MALTA

MALTA 1940-1942

Ryan K.Noppen Ospley

マルタ島を巡る航空戦をキャンペーンレベルで分析した著作である。イタリアの参戦から始まってイタリア軍のマルタ島への爆撃開始と英ハリケーン戦闘機の迎撃。ドイツ軍の介入。英スピットファイア戦闘機の投入。マルタ侵攻作戦の中止などが記されている。オスプレイの書籍らしく、単純な戦記ではなく、両軍の兵力やハードウェア比較等にページを割いており、特に英独伊各国の航空部隊についての戦闘序列は資料的に価値が高い。
全般的な記述量は少なめだが、それだけに読みやすく、また数値的な記述も比較的豊富なのが嬉しい。

お奨め度★★★

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鬼ヶ城(きのじょう)は古代の城である。奈良時代だかその前だか、朝鮮半島における白村江の戦いに敗れた大和朝廷は、倭(日本)を守るために西日本にいくつかの大城塞を築いたという。その代表が福岡の大野城だが、今回紹介する鬼ヶ城もそんな城塞の1つだ。
岡山県総社市の中心部から北に広がる鬼城山。鬼ヶ城はその一帯に築かれた山城である。総社市からは鬼ヶ城の山頂付近に復元された山城の様子を伺うことができる。見るのは簡単だが、行くのは結構難儀である。市街地から山に向けて車を走らせ、途中から狭い山道に入る。車1台がやっと通過できそうな山道。所々に行き違いのための待避スペースが用意されてはいるが、前から車が来るとそれなりに難儀する。
標高約400mの駐車場からは500mほど歩かなければならない。前回紹介した松山城に比べれば物の数ではないが、それでも炎天下の山道を歩いて登っていくのはそれなりにキツイ。ようやくの思いでたどり着いた所には、再現された鬼ヶ城の雄姿が広がっている。

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駐車場の近くにはビジターセンターがあって入場無料。内部には鬼ヶ城に関する様々な展示物が紹介されている。冷房完備で涼しく、ゆっくり過ごすには丁度良い場所である。

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車がないとアクセスがやや不便な鬼ヶ城だが、行ってみる価値は十分にある城である。

お奨め度★★★★

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Sticks and Stones(以下、本作)は、Platoon Commanderシリーズと呼ばれる作品群の1つである。Platoon Commanderシリーズとは、1946年以降の地上戦闘を小隊レベルで再現する作品群で、本作以外にもいくつかの作品が発表されている様だが、詳細は不明である。 本作のテーマは1980年代における「第4次世界大戦」(仮想戦)。西ヨーロッパにおける通常兵器同士の地上戦である。なぜ「第3次世界大戦」ではなく「第4次世界大戦」なのかは、本作を購入してのお楽しみ、ということで。

本作のシステムは極めてシンプルで、主導権判定をした後、射撃、移動、近接突撃の順番で解決していく。特徴的なのは、エイド・フォーカスマーカーの存在とイベントカードの存在。前者については、ASL等における指揮官ユニットとほぼ同等のものと思えば良い。後者は戦場における様々な幸運不運や、外部からの支援攻撃を表す。1ユニットは1個小隊、1Turn=15~60分、1Hex=150mに相当する。

シナリオ1.アボリジナル

このシナリオは一番規模の小さいシナリオで、いわば練習シナリオである。エイブラムス2小隊と歩兵部隊からなる米増強中隊に対し、T-72 10個小隊からなるソ連軍の戦車大隊が攻撃を仕掛けるという内容である。

プレイする前に疑問に思った所があり、エイド・フォーカスマーカーについてゲーム開始時はどうすれば良いかが不明であった。今回はセットアップ時には、エイド・フォーカスマーカーを手元に残す形でプレイした。

セットアップ

防御側の米軍はマップ中央付近で視界の効きそうな森林地帯に主力となるエイブラムス戦車2個小隊を配置し、キラースタックとする。歩兵部隊は道路を扼する市街地に配置し、その後方にM901対戦車ミサイル車両を配置した。さてさて・・・。

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第1Turn

T72主導権判定でソ連軍が主導権を握った。T-72 10ユニットがマップ端から進入する。両軍とも視界外なので射撃は発生しない。米軍はエイド・フォーカスマーカーをキラースタックに配置。ソ連軍はフォーカスマーカーを主導権マーカーに配置し、エイドマーカーを最後尾スタックに配置した。


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第2Turn

ABRAMSこのTurnもソ連軍が主導権を握った。ソ連軍は数の力で圧倒すべく、一気に距離を詰めてエイブラムスの前面に展開する。それを見たエイブラムスは機会射撃を実施。前面に展開してきた4個小隊のT-72を悉くステップロスさせた。エイブラムス、強えー。出目は悪かったのにね(6ゾロとか6,4とか・・・)。
道路上を前進したT-72 2個小隊も距離2ヘクスからDragonミサイルによる機会射撃を受け、1ユニット混乱、1ユニットステップロスという損害を被った。僅か1Turnで1個大隊の半数がステップロスしたことになる。

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第3Turn

Forcus_SOダイス判定では米軍側に主導権が移ったが、ソ連軍はフォーカスマーカーを使って振り直した結果、ソ連軍が主導権を握った。しかしソ連軍の回復は出目が悪く、ステップロスした1ユニットが回復したのみであった。
それでも主導権を握ったソ連側はエイブラムスに対して先制射撃を実施。1Hitを与えてエイブラムス1ユニットを混乱状態とした(米軍はフォーカスマーカーを使ってリロールしたが、Hitを無効化できなかった)。
残ったエイブラムス1ユニットはT-72のスタックを射撃。5Hitを与えて、うち2HitはT-72側で無効化したものの、残った3Hitでスタック丸ごと消滅した。
Dragonミサイルも近距離に迫ったT-72に対して4Hitを与えたものの、そのうち3Hitは無効化され、残り1HitでステップロスしたT-72をスクラップにした。
T-72は視界外に残っていた4ユニットを前進させる。そのうち1ユニットがエイブラムスの機会射撃を受けてステップロスしたが、残り3ユニットは無傷で前進した。

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第4Turn

Dragon米軍が主導権を握った。主導権判定のダイスで米軍が"6"を出したので、ソ連側が振り直しをしても主導権を取れないからだ(主導権はダイスを振り合って大きい方が勝ち。同じ目なら前Turnに主導権を取っていない方が主導権を取る。)
混乱していたエイブラムスは回復に成功。一方、ソ連軍は混乱していたT-72 1ユニットが回復しただけであった。エイブラムスの先制射撃でT-72 2ユニットスタックが混乱。そこにM901から発射されたTOWミサイルが飛び込んできて2ユニットがステップロス。一方のソ連軍もT-72 1ユニットの反撃でエイブラムスを混乱させた。 この段階でソ連軍は10ユニット中4ユニットが壊滅、4ユニットがステップロスしていたため、完全戦力で残っているのは2ユニットのみ。しかも生き残った6ユニットのうち混乱状態になっていないものはステップロスした1ユニットのみという状態である。
それに対して米軍はエイブラムス1ユニットが混乱状態になっていたものの、ステップロスはなし。この時点で勝敗の帰趨は概ね見えてきた。
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第5Turn

このTurnの射撃戦でソ連軍がさらに3ユニットを撃破された。残ったのは僅かに3ユニット。しかもいずれも混乱状態で、2ユニットはステップロスさえしている。この時点で勝利を諦めたソ連軍の投了でゲーム終了とした。

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感想

見ての通り米軍の圧勝に終わった。戦車数が10対2ならさすがのエイブラムスでも苦戦するかと思ったが、湾岸戦争もかくやの如き米軍の大勝である。
米軍の勝因としては、序盤でT-72の先鋒部隊を叩けたことにある。特に機会射撃が上手く決まったことが大きい。実際にプレイしてみると、戦車砲やミサイルと言った攻撃兵器の威力がかなり大きく、スタックしていてもまとめてやられる危険が大きい。例えば2Hit食らって避けられなければ、それで1スタック行動不能である。さらに米軍には機会射撃のカードがあり、カードが残っている限りエイブラムスはガンガン撃ってくる。
ソ連側の敗因は何も考えずに全戦力を敵防御線にぶつけてしまったことだろう。これほど防御射撃が強烈だとわかっていれば、エイブラムスは後回しにしてまず歩兵を片付ける、といった戦術でもよかったように思う。エイブラムスと撃ち合いながら、一方で歩兵やM901のミサイル攻撃も受けなければならないというのは、確かに分の悪い戦い方だった。

ルールは日本語で5ページと極めて少ない。そのため、砲兵支援や航空攻撃は省略されている(Fire Supportというカードで表現されているのか?)。電子戦もカード1枚で再現と割り切り方が潔い。少し判断の迷ったのがスタックに対するオーバーキルの扱い。例えば2ユニットスタックを射撃してHitを割り振ったら、一方がオーバーキルしてもう一方が生き残った場合。オーバーキル分は他方に適用されるのか。という点。私はオーバーキル分を無視するとして処理した。

プレイのヒントとしては、戦車同士をスタックさせるのは必須ではないしむしろ危険である。戦車スタックがまとめて行動不能になる危険性が大きい。それよりは戦車と歩兵戦闘車をスタックさせた方が良い。スタックに対する射撃では、防御側の中で最強の防御力を使用する。従って戦車と歩兵戦闘車がスタックしている場合、防御力の強い戦車の防御力が使用できる。またスタックが被ったHitはスタック内で平等に分配するというルールがあるので、歩兵戦闘車が戦車の弾除けになってくれる。今回のソ連軍は戦車ばかりの編成だったので、上記のような戦術は採用できなかったが、もう少し大きいシナリオでは是非諸兵科連合を試してみたいものである。

という訳で、次はもう少し規模の大きなシナリオに挑戦しようと思っている今日この頃なのである。

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備中松山城の説明は、前回実施したので省略する。間違いなく日本を代表する山城といって良い備中松山城に行ってみた。
車の場合は山の中腹の城見橋公園まで上がることができ、そこに駐車場があるのでバスに乗り換える。バスは所要時間10分とかからずに備中松山城の入口ともいうべきふいご峠に到着する。

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ここからは山道を約700m歩かなければならない。登山と考えれば大したことはないが、登山用の装備もなく、しかもいきなり山道に入るのは結構キツイ。しかもこの炎天下である。苦しみながらも一歩一歩登っていくしかない。

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10分程歩いてようやく松山城の巨大な石垣が見えてくる。三層構造の見事な石垣は、ここが山の中であることを忘れさせてくれるぐらい立派なモノだ。

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さらに上がっていくと、ようやく松山城の本丸に到着する。目の前に松山城の天守閣が見える。決して壮大な天守閣ではないが、それでも十分に立派な造りのモノだ。

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天守閣の内部は二層構造になっている。オリジナルではなく再建されたものだが、木造なので雰囲気は良い。天守閣の二層部分からは下の本丸部分が良く見える。

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帰りは元来た道を降りていく。途中で見晴らしの良い場所があるので、立ち止まって眺めてみる。眼下に見える備中高梁の街並みを見下ろす。
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バスの時間を含めると往復で1時間強の山歩きである。しかしそれだけの価値は十分にあると思う。日本一の山城というのは、必ずしも誇張ではない。

お奨め度★★★★★

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