もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2019年09月

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190814シミュレーション日本降伏


シミュレーション日本降伏-中国から南西諸島を守る「島嶼防衛の鉄則」

北村淳 PHP研究所

かつての冷戦時代、日本の海上自衛隊は世界第3位の海軍であると喧伝されていた時期がある。その頃中国海軍といえば、旧式艦ばかりでとても海上自衛隊に太刀打ちできる状態ではなかった。しかし時代は変わった。現在の中国海軍は空母、原潜、イージス駆逐艦等を多数揃え、量的な面のみならず質的な面でも海上自衛隊を凌駕するに至った。状況は空でも同じで、航空機の質量両面で航空自衛隊は中国空軍に対して著しい劣勢を強いられている。そのような状況下で中国共産党指導部が南西諸島獲得を企図したらどうなるのか・・・。
本書での筆者の主張は以下のように整理できる。
まず純粋な海空兵力を比較した時、日本の海空兵力は中国軍の敵ではなく、尖閣や南西諸島で日中が海戦を行えば日本側には勝機はない。そのために日本側の頼みは米軍の来援だが、米軍が尖閣諸島や南西諸島を巡る戦いにおいて安保条約を発動して日本を助ける蓋然性は低い。従って日本が中国の侵略から自国を守るためには、中国の海空兵力に対抗できる防衛戦力を整備する必要がある。
筆者曰く、平和ボケの根源は米軍依存(「いざとなったらアメリカ軍が助けに来てくれる」)であり、米軍依存の原因が平和ボケにあると。この無限ループを抜け出さない限り日本に未来はないと。
日本は民主主義の国だから様々な考え方が許されている。軍事力を絶対悪と見る向きには「平和ボケで何が悪い。戦争よりは平和ボケの方が絶対マシ」という考え方もあろう。そういった考え方に則れば、現在の「アメリカ属国状態」から例えば中国や統一朝鮮の属国状態になっても一向に構わない、と考える向きもある。
しかし本書の著者はそのような考え方は取らない。日本が真の独立国になるためには、日米関係は維持しつつ日本が自力で他国の侵略から自国国土を守り切れるようにすることを主張する。そしてそのことが「無限ループ」からの脱出する方策だという。

私はといえば、筆者の主張に100%同意する訳ではないが、少なくとも中国や統一朝鮮の属国にはなりたくないと思う今日この頃である。

お奨め度★★★★

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津山城を見たあと、近くにあったので立ち寄ってみた。山陽山陰地方における鉄道の歴史を記録した展示施設だ。元はJR津山駅に付属する車両基地を利用したものらしい。

設備中央には大きな転輪台があり、機関車一両の向きを丸々入れ替えることができる。転輪台を中心として放射状に車庫が並ぶのはこの種の車両基地の一般的なスタイルだ。その車庫には、かつて山陽・山陰地区で活躍した様々なディーゼル機関車、ディーゼルカー、そしてSLが展示されている。

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屋内展示は、プラレールのジオラマと津山市を再現した中規模なジオラマの2種類があった。あくまでも子供向けのレベルである。

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正直なところ、それほど凄い展示ではないのだが、値段が安いので行ってみて損はないと思う。

お奨め度★★★

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190808_空母対空母

空母瑞鶴戦史-空母対空母

森史郎 光人社NF文庫

森史郎氏得意の太平洋戦史。しかも空母瑞鶴が主人公の長編である。本書はその第4段。南太平洋海戦における日本艦隊と米機動部隊との死闘を描く。
今回の見どころは、日本側母艦航空部隊と米機動部隊の息詰まる死闘である。米機動部隊の防空戦闘失敗という僥倖に恵まれた日本側母艦航空部隊。ミッドウェーの復仇戦を期して米空母に襲いかかったが、彼らを待ち受けていたのは想像を絶する猛烈な対空砲火であった。次々と火を噴いて落ちていく日本攻撃機。辛うじて生き残った機体も被弾で穴だらけになっていく。しかし生き残った艦爆、艦攻が空母「ホーネット」に致命傷を与え、空母「エンタープライズ」を撃破した。彼らの犠牲は日本空母艦隊に「最後の戦術的勝利」をもたらしたものの、それは戦局全般には殆ど寄与することにない儚い勝利であったのだ。
本書を読んで気づかされる点。南太平洋海戦では日米両軍とも多くのミスを犯したが、その中で日本側のミスは彼我の戦力に対する甘い見積もりや敵戦力、敵に与えた戦果に関する判定ミス等、上級レベルでのミスが目立つ。また日本側空母部隊の勇戦にも関わらず、戦果拡大を図るべき水上部隊の予想外の戦意の低さ(敵方に向かって前進せず、敵から離れようとする傾向が強い)にも驚く。見敵必戦を信条としていた日本海軍であったが、ソロモンを巡る戦いでは戦意不足や徹底さを欠いた攻撃が目立つのは否めない。
いずれにしても空母を中心とした機動部隊同士の戦闘をこれほど面白く描いた作品は珍しい。空母戦好きであれば、是非一読したい作品だ。

お奨め度★★★★


津山城、別名鶴山城。慶長年間に森忠正によって築かれた平山城である。日本三大平山城と言われていたそうである。その規模は、広島城をも凌いでいたとのことだが、確かに先日みた岡山城広島城とはスケール感が全く異なっている。

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駐車場からまずは45段の石段を上がると、そこがようやく津山城の入り口になる。巨大な石垣を横手にみながら、入場料を払って中に入ると、石段を登る階段が。
それを超えると、またまた2段目の石垣と階段があり、さらにその上には3段目の石垣と階段が・・・。しかもいずれの石段も重厚を極め、その迫力たるや凄まじいものがある。

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石段を上った最後の地点が本丸趾。明治初期には天守閣も残されていたらしいが、明治の廃城令によって天守閣や数多くの櫓が廃却された。その後石垣だけが残っていたのが、平成期に備中櫓が再建されている。
本丸一帯は公園になっているが、そこから津山市街を一望できるようになっている。津山にも高いビルが増えては来ているが、それでも津山城からその全てを見下ろすことができる。

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こちらは備中櫓。内部は公開されていて、清楚な畳の間になっている。この中で津山城の歴史などを紹介するビデオが上映されていた。

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私にとって津山城訪問は2度目になるが、来るたびに新しい発見のある城郭である。まさに天下の名城というに相応しい城ではないだろうか。

お奨め度★★★★

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概要

「激闘!グデーリアン装甲軍」(以下、本作)は、米MMP社から発表された”A Victory Denied"の和訳修正版である。テーマは1941年7月~9月のスモレンスク攻防戦を1Turn=約7日、1Hex=10マイル、1ユニット=師団(ドイツ軍)~軍団(ソ連軍)で描く。
基本システムは、元々Game Journal誌4号付録として発表されていた「激闘!マンシュタイン装甲集団」(英語版"A Victory Lost")と同じ。軍司令部を表すチットを引いて、相当する司令部を活性化するというチットドリブンシステムである。

作戦研究

本作での攻撃側はドイツ軍である。従ってドイツ軍の立場になって勝利条件を検討しよう。 まずドイツ軍にとって勝利条件が2種類ある。1つはモスクワ侵攻、もう1つは南方旋回である。勝利条件はランダムに決められ、1/6でモスクワ侵攻、1/3で南方旋回、1/2でプレイヤーが選択、となっている。最後のプレイヤー選択でモスクワ侵攻を選択した場合、勝利条件が通常のモスクワ侵攻よりも厳しくなる。従ってゲーム的な勝利を目指すのであれば、ドイツ軍プレイヤーは南方旋回を選択することになるだろう。
これらを勘案すると、総統命令(=ダイス目)で「モスクワ侵攻」が出ない限り、勝利条件は「南方旋回」に落ち着く。前者の可能性が1/6と極めて小さい以上、南方旋回を前提として勝利条件を検討してみたい。

この場合の勝利条件は、獲得したVPチットの大小とドイツ軍機械化部隊の損害によって決まってくる。VPチットは大小2種類があり、大が平均4.6VP(合計32VP)、小が平均2.0VP(合計18VP)である。またドイツ軍機械化部隊の損失は、一部を除いてソ連軍に4VPを献上する。
これらを勘案すると、ドイツ軍としては自軍の損害とチットの振れ幅を考慮して30VPぐらいを狙いたい。VPヘクスが集中しているのは、スモレンスクSmolensk(3227)からロスラウリRoslav(2329)までの「モスクワ回廊」部分である。ここを集中攻撃し、ビャジマVyazma(3540)辺りまでをドイツ軍の進出ラインとすると、ドイツ軍の獲得するVPチットは、大が4枚、小が6枚となる。平均すると約30VPが獲得できる。従ってドイツ軍としては戦線中央を突破して一路VYAZMAを目指すのが良い。勿論、ソ連軍の反撃によってVP都市が奪回されないよう、守備兵力を配備していく必要があることは言うまでもない。
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1Turn

第1Turnは特別ルールによりドイツ軍が最初のチットを選択できる。そこでドイツ軍は第3装甲軍を選択。ポロツクPolotsk(4513)からヴィテブスクVitebsk(3919)への連絡線上に展開するソ連軍の一掃を図る。ソ連軍3ユニットに対して装甲部隊を利用した包囲攻撃で2ユニットを撃破したが、最後の1ユニットはステップロスしたものの生き残らせてしまう。
ここからはランダムチットになる。続いて引いてきたのは、先ほどと同じくドイツ第3装甲軍。先に撃破できたなかったソ連軍歩兵部隊の敗残兵を壊滅させる一方、主力はヴィテブスクからスモレンスクSmolenskに向けて南下を開始。途中で機械化部隊1を含むソ連軍2ユニットを包囲殲滅した。
次に引いたのは「増援」チット。ドイツ軍は「グデーリアン」チットを使って「増援」をキャンセルし、割り込んだ。第2装甲軍は2個所でドニエプル川を渡河したが、要域モギレブMogilev(2618)は陥落させるには至らなかった。
しかしその次にもドイツ第2装甲軍を引いたため、結局モギレブは陥落。第2装甲軍はドニエプル川東岸に向けて大きく前進した。
続いてドイツ空軍チットを引いた。爆撃の結果は「外れ」。 その後、ソ連軍チットが続くが、司令部が後退を強いられていたために殆ど有効に利用できず。そして増援。最後にAGCである。
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2Turn

このTurnから独軍の命令チットが激減する。第1Turnの5個からこのTurnは3個だ。ソ連側のチットは2個から3個に増える。個数では両陣営が並んだものの、チット1個あたりの指揮能力が独軍有利なので、独軍の攻勢は継続可能だ。
独軍は、第3装甲軍、グデーリアン、AGCの3枚をカップイン。最初に第3装甲軍が出たのでスモレンスク強襲を行ったが、ソ連PVOの犠牲的な防衛戦によってSmolenskは落ちず。次の増援チットで再びPVOがスモレンスクに復活したので、ドイツ軍にとっては踏んだり蹴ったりだ。
南方でソ連軍が活性化する兆しがあったので、先手を取ったグデーリアンが先制攻撃を敢行。ソ連機械化3-2-6ユニット2個を包囲殲滅。勝利得点都市クリチェフKrichev(2325)を占領し、重要地点ロスラウリまで4Hexに迫った。

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3Turn

ドイツ軍はさらに苦しくなり、命令チットが3枚から2枚に減少する。ソ連軍は3枚のまま。いよいよ独軍にとって攻勢継続も怪しくなる雰囲気だ。ドイツ軍はグデーリアンとAGCをカップインする。
ドイツ第3装甲軍はスモレンスクを両翼から包囲。Smolenskの分断を図る。しかし左翼を守る第12、第19装甲師団(いずれも9-2-10)に対し、ソ連第20軍は果敢な反撃を実施。包囲攻撃によってドイツ軍装甲師団に後退を強い、2個装甲師団をステップロスさせるという大戦果を上げた。
それに対してドイツ軍はグデーリアンの第2装甲軍をスモレンスクとロスラウリの中間付近に進出させ、南方からスモレンスク攻略にあたる第3装甲軍を支援する態勢とした。しかしこれは精鋭第2装甲軍を2手に分ける結果にもなり、ドイツ軍にとっても危険な賭けであった。
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4Turn

ドイツ軍が先手を取った。第3装甲軍がスモレンスク背後のソ連軍を攻撃し、ソ連第20軍を撃破する。先手を取られたソ連軍はスモレンスク守備隊を残して後退。スモレンスクは敵中に孤立する。
第2装甲軍は再びロスラウリ方面へ南下。補給線上のソ連軍を掃討しつつロスラウリを包囲する。
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5Turn

このTurnからドイツ軍の補給事情が少し改善され、利用できる命令チットが2枚から3枚に増大する。またミンスクポケットを包囲していたドイツ歩兵部隊が前線に戻ってくる。北方戦線ではドイツ第3装甲軍がスモレンスクを包囲攻撃。最高比でスツーカの支援付きでスモレンスクを陥落させた。南方ではロスラウリを包囲するドイツ第2装甲軍がやはり総攻撃を仕掛けていたが、ロスラウリのソ連軍は同地を死守する。
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6Turn

第2装甲軍は再びロスラウリに総攻撃を仕掛けるが、攻撃はまたもや失敗に終わる。
第3装甲軍はエルニャYelnya(3032)からSpas Demensk(2836)まで進出。同方面のソ連軍を撃破した。

このTurn終了時点でドイツ軍が目標を決定する。モスクワか南方旋回か?。ダイス判定の結果、「グデーリアンの選択」となった。プレイヤーがモスクワ直撃又は南方旋回のいずれかを選択できる。ドイツ軍は南方旋回を選択した。
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7Turn

第2装甲軍がようやくロスラウリを占領した。しかし第3装甲軍は現地点で前進停滞。勝利がやや苦しくなってきた。

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8Turn

最終Turnである。ドイツ軍は第3装甲軍によるビャジマ攻略を目指す。最終Turnということで補給を無視してVyazmaに向かうドイツ装甲部隊。2度に渡る行動がモノを言ってついにビャジマをドイツ軍は奪取した。一方南方では、突出し過ぎたドイツ第10自動車化歩兵師団(6-6-10)が、ソ連軍の包囲とカチューシャロケットの集中攻撃を受けて壊滅した。
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結果

ドイツ軍の獲得VP:Majorが4個、Minorが5個
ソ連軍の獲得VP:Majorが3個、Minorが4個

VPを計算すると、ドイツ軍が32VP、ソ連軍が18VP+4VP(第10自動車化師団の壊滅)
ドイツ軍の勝利

VPチットがドイツ軍にとってやや有利な結果に終わったことと、最終Turnにビャジマをドイツ軍が占領したことが大きかった。

感想

面白い。傑作「激闘!マンシュタイン軍集団」(以下、前作)の良い点を引き継ぎ、よりプレイし易い形にまとめた作品といえる。プレイアビリティの面では、本作は前作を上回る作品だ。
前作に見られた攻守逆転の面白さについては本作ではあまりないが、その分攻撃又は防御に割り切ってプレイができる。プレイヤーにとっては優しい仕様だ。

スモレンスク戦を扱った作品は結構多く、傑作の名に値する作品も多いが、本作も傑作という評価が相応しい作品の1つと言えるかもしれない。

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