もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2020年04月

写真00


Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。
やや大きめのシナリオということで、RS7:Aerial Blockadeに挑戦してみる。VASSALを使ったソロプレイである。

前回 --> こちら

35Turn

RU_Su24_KrylovWP軍の攻撃隊が次々と前線を飛び越えた。先に超低空に逃げたTu-16Kの編隊も命かながらNATOの対空火網を突破。奇跡的に無傷で味方前線にたどり着いた。Badgerのクルー達にとっては正に生きた心地もなかっただろう。最後尾のMiG-27Kに対して数発のSAMが発射されたが、MiGは全弾回避した。
最後まで味方編隊を守っていた2機のエスコートジャマー機Su-24MP "Fencer F"も機首を東に向けて離脱に入る。

写真36


36-43Turn

その後数発のSAMが発射されたが、命中はなかった。両軍とも損傷の激しい機体は近傍の飛行場に着陸。その他は戦場離脱を図る。最終的に全機が戦場から姿を消したのは第43Turnであった。

結果

WP軍攻撃隊の損害

ファイタースイープ(合計12機)
  3 x {4} CAP MiG-23MLD(計12機) 損失4
北方攻撃部隊(合計48機)
  3 x {1} Escort Jam Su-24MP(計3機) 大破1
  3 x {1} Chaff Laying MiG-23M(計3機) 損失1、小破1
  4 x {4} Close Escort Su-27S(計16機) 小破1
  6 x {4} Bombing Su-24(計24機) 損失1
  2 x {1} Recon Su-24MR(計2機)
南方攻撃部隊(合計48機)
  3 x {1} Escort Jam Tu-22PD(計3機) 損失2
  3 x {1} Chaff Laying MiG-21bis(計3機) 大破1
  4 x {4} Close Escort MiG-23MLD(計16機) 損失1
  6 x {4} Bombing MiG-27K(計24機) 損失3、大破1、小破2
  2 x {1} Recon MiG-25RB(計2機) 損失1
防空制圧(合計8機)
  2 x {4} SEAD Tu-16K(計8機) 損失1、小破1
合計:損失14、大破3、小破4(52VP)
パイロット:戦死11、捕虜13、脱出後生還2(26VP)

NATO戦闘機の損害

  US F-15C 2機 大破1、小破1
  US F-16C 2機  
  CA CF-18 4機 損失1
  WG F-4F 8機 損失6
  UK F.2A 2機 損失2
  合計:損失9、大破1、小破1(39VP)
  パイロット:戦死5、脱出後生還12(5VP)

NATO地上施設の損害

 Gutersjoh AFB(2903):6VP
  格納庫:重損傷
  燃料庫:完全破壊
 Siegerland AFB(2628):3VP
  格納庫:重損傷
 Mendig AFB(1437):6VP-->BDA失敗だから0VP?
  格納庫:軽損傷
  燃料庫:軽損傷
  滑走路:重損傷
  (BDA失敗:NATO 2VP)
 Rhein-Main AFB(3444):2VP
  格納庫:軽損傷
 その他
  Hawk:1重損傷:1VP

最終結果

 WP:56~62VP
 NATO:80VP
 WP軍の重大な敗北

感想

まず勝敗について。
このゲーム、攻撃側が厳しい。攻撃側はSAMやAAAに晒されるため航空機の損害が大きくなりやすい。またパイロットが生還できないケースが多く、その分さらに損害が増える。しかもこのシナリオのように副目標が設定されている場合は、対地攻撃でVPが得にくくなる。個人的な感想としては、副目標が設定されている場合のVPは、目標数で割らずにそのまま加算した方が良いと思う。

と思って複数目標による割り算を適用せずにVPを計算した所、WP軍のVPが25~40VP増えた。それで計算するとVPは1~18VPになり、「WP軍の敗北」又は「WP軍の不完全な作戦(事実上の引分け)になった。

WP軍の失敗としては、搭乗員の多いTu-22PDを2機も失ったこと。攻撃力が不足しているのに攻撃目標を分散させて損害を増やしたことだろう。他に命中率の高い誘導爆弾を使わず、命中率の低いバカボムを使用したことも問題かとも思ったが、後で調べてみると、今回の環境下でEOGMを使用した場合の平均打撃値は5.0。Su-24による通常爆撃での平均打撃値は(2ヵ所に爆撃を仕掛けた場合で)3.4。ややEOGMの方が大きいが、EOGMの場合は小さな結果が沢山得られる傾向があるのが気になる所。地上目標に対する戦果は累積ではなく個別なので、小さい結果を多数得るよりも大きな結果を少数得た方が有利なのだ。

作品に対する感想に移る。
細かいルールが多いので全てを正確に理解してプレイするのは困難である。しかも重要度の高いルールでも忘れる場合があるので、満足にプレイするためにはかなりの熟練を要するだろう。またプレイ自体に手間がかかる。今回のソロプレイでは記録時間も含めて約40時間を要した。対人戦でも20~30時間は必要になるのではないかと思う。加えて事前準備が必須。それがないともっと時間がかかる。
ゲーム展開としては、とにかく飛行機が落ちない。ドッグファイトを戦っても「両軍とも戦果・損害なし」という結果がしばしば発生する。そのくせドッグファイトを1回戦うと士気が著しく低下し「もう疲れたので帰ります」といって簡単に離脱してしまう。
SAMやAAAの命中率も低い。少し気になったので、前々作の「Down Town」と比較してみたが、AAAの威力はDown Townの方が上、SAMはRed Stormの方が命中し易かった。Down TownのSAMってこんなに命中率が低かったかなぁ・・・?。

とまあ色々と書いたが、結論部分は前回と同じだ。
本作はゲームバランスやプレイアビリティ等ではいくつか問題を抱えており、そういった意味で万人受ける作品ではない。「プレイヤーを選ぶ作品」であることは確かだ。だから私は本作を決して万人には奨めない。
しかしながら本作は複雑な現代航空戦を余すことなく再現した作品である。特に現代航空戦の神髄、すなわち迎撃戦闘機と地対空ミサイルによって構成された統合防空システムと護衛戦闘機や電子戦機等を従えた大規模攻撃部隊との戦いを完全に再現したほぼ唯一の作品である。そういった点から本作は、真に現代航空戦の魅力を感じることができ、またそのための苦難を乗り越える根気を持ったプレイヤーのみお奨めしたい。そのようなプレイヤーのみが本作をプレイする資格があり、また本作の魅力を感じる能力を持った者なのだから。

Np pain, No gain.

写真37



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写真39


Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。
やや大きめのシナリオということで、RS7:Aerial Blockadeに挑戦してみる。VASSALを使ったソロプレイである。

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29Turn

US_F16_Bronco戦意を回復した米空軍のF-16C 2機編隊が、離脱を図るMiG-27の正面からAIM-9M Sidewinderによる攻撃を加えた。1機のMiG-27が至近弾を受けて損傷したものの、F-16Cも空対空ミサイルを撃ち尽くす。護衛のMiG-23MLDが報復を期してF-16を取り囲む。

写真31


NATO_Patriot離脱中のWP機は、NATO側SAM部隊の反撃のよって苦しめられていた。Su-27S Flanker 1機がPatriotミサイルの至近弾を受けて損傷した。別のMiG-21はPatriotによるレーダー追跡を受けたが、所謂「対レーダー戦術」によって追跡を振り切った。
メンディヒの飛行場へ戦果確認のために飛来してきたMiG-25RB "Foxbat B"は高速偵察機だ。最大速度マッハ3を誇るこの高速偵察機は、高高度を飛行する限り敵戦闘機やSAMを寄せ付けない。しかし今日は違っていた。地上に靄がかかっているため、偵察機は低空に降りて写真撮影する必要がある。低空における"Foxbat"は、他の飛行機と何ら変わりのないジェット機の1つに過ぎなかった。
RU_MiG25_Volkov写真撮影のために低空に降りて行ったMiG-25RBは、いきなりレーダー警戒装置による警告信号を受けた。地上の地対空ミサイルの追尾レーダーにロックオンされたことを示すシグナルである。MiG-25はチャフを巻きつつミサイル回避につとめる。来た。左の低空から低層雲を突き抜けてミサイルが飛び出してくる。そのHawkミサイルはMiG-25の至近距離で爆発。致命傷を受けたMiG-25は、コントロールを失って落ちていく。WPの14機目の損失である。

写真33


ここに来てSAMによる損害が急増しているが、これはSEAD機による援護の欠落(ARMを撃ち尽くした)と不十分なジャミングである。後者はジャミング機自体の損失と、攻撃そのものが終了したことでジャミング機自体が帰路についたことによる。さらに言えば、SEAD機がSAMに対して殆ど実害を与えていない(大半がShutdownで逃げられて、Hawk部隊1個を使用不能にしたのみ)のも大きい。

30Turn

RU_MiG23_Budarin MiG-23MLD "Flogger K"の2個小隊(計8機)が弾切れになった米空軍F-16C "Falcon" 2機を追う。R-24(AA-7 Apex)ミサイルによるBVR攻撃を仕掛けたが、こちらは1発の命中を得ることもなく外れ。それならば、と、ドッグファイトを挑んだが、今度はエンゲージに失敗。出目の悪さに切歯扼腕するWP軍。F-16Cはアフターバーナーに点火して一気に加速。超低空へ向けて飛び去って行く。

ジーガーラント上空にWP軍偵察機が高速進入。対空砲火が迎え撃つ。しかしそのSu-24MRは被弾することなく離脱に成功。貴重な戦果写真を取得した。その北、ギュータースロー基地では、やはりSu-24MRが強行偵察を実施。恐怖のRapier SAMやGepard自動対空砲の迎撃を受けたが、危うく被弾を免れた。

これで全機任務終了。あとは離脱するのみだ。

31Turn

ZZ_AntiRadarPatriotに狙われたMiG-27Kが対レーダー戦術でロックオンを躱す。別のMiG-23MLDはHawkに狙われた。こちらは対レーダー戦術でもロックオンを外せず、至近距離でHawkミサイルが炸裂。しかし対レーダー戦術のおかげでロックオンを粗くすることには成功していたので、それが奏功して危うく損傷を免れた。

「まるでサーカスだぜ」

RU_Tu16_Elenaてなことをミグのパイロットが叫んだかどうかはこの際どうでもよい。
悲惨だったのはTu-16K "Badger G"だ。この大型SEAD機は、自衛用のジャマーを搭載していない。また小型戦術機のように急降下してロックオンを躱すことの不可能だ。チャフ回廊によって隠れようとするが、新型のPatriotはチャフ回廊を無効化する能力を持っている。最後の頼みは味方のエスコートジャマー機。Su-24MPが至近距離から強力なスポットジャミングをPatriot陣地にしかける。そのおかげでTu-16KはギリギリでSAMを回避できた。しかし彼らの苦闘が終わったわけではない。

写真34


32Turn

「よし、超低空を逃げる」

ZZ_SAMLaunchチャフ回廊による妨害が効かないと悟ったTu-16Kの編隊は超低空へ向けて降下を開始する。そこへPatriotミサイルが飛来。しかし今回も幸運がBadgerを救った。ギリギリでミサイルは目標を逸れた。そしてTu-16Kの編隊は危機を脱した。低空から打上げてくるNATOの携行SAMやレーダー照準対空火器の脅威がまだ残ってはいたけれども・・・。

34Turn

Patriot SAMを回避すべく急降下したMiG-27Kが、超低空からNATOの携行SAMによる攻撃を受けた。

「やばいぞ、早く逃げろ」
「スティンガーだ」
「誰だ、誰が狙われている?」


フレアをまき散らしながら回避するMiG-27Kであったが、1機が至近弾を受けて損傷する。


写真35


つづく
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(今年2月の記録です)

宮崎県南部、日南市にある飫肥城は、九州南部を治めた伊東氏の城郭です。Wikipediaによれば、この飫肥城を廻り、伊東氏と薩摩の島津氏とは100年以上にも渡って争いを繰り広げたそうな。

写真14


JR九州日南線の飫肥駅から徒歩約15分。駅から出て左手に向かい、酒谷川の橋を渡ると、そこからは飫肥の市街地です。しばらく歩くと飫肥城へ向かう看板があり、それに従って右に曲がると、道は昔の武家屋敷の風情になってきます。正面には飫肥城の大手門が・・・。

写真15
写真16


飫肥城の魅力は大手門の見事さで、正面の白壁と本丸に続く石段が見事な造形美を形造っています。石段を登り切った所が飫肥城の大広間にあたる所ですが、大手門の見事さと比べるとやや拍子抜けした感じが・・・・。それにしても3月の早い時期だったにも関わらず、桜がチラホラ咲いていたのはさすが南九州。

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写真18


帰りは途中で食事をし、武家屋敷を見ながらノンビリ駅へ向かいました。途中小村寿太郎生誕地や小村寿太郎生家などがあり、明治を代表する外交官とこの飫肥との関わりの深さを物語っております。

写真19
写真20
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お奨め度★★★★

3

200216_大西洋地中海の戦い

大西洋地中海の戦い

木俣滋郎 光人社NF文庫

かつて朝日ソノラマから出版されていた「第2次大戦海戦小史」の後半部分が出版社を変えて出版されたものである。内容はWW2における連合国(英米)と枢軸国(独伊、一部ヴィシーフランス)の主な海戦を章立てにして紹介したものである。取り上げられているものは、ラプラタ河口海戦、マタパン岬沖海戦、タラント港空襲、ビスマルク追撃戦、PQ17の壊滅、バレンツ海海戦等であり、概ねWW2欧州戦線の主要な海戦は網羅されている(北岬沖海戦とか、カラブリア沖海戦とははどうなった?、まっ良いか)。この筆者の特徴は史実を淡々と書く所にあるのだが、本書では少し感情移入した所があり、例えば英空母グロリアスがドイツ戦艦の砲撃を受けて撃沈されようとしている場面では、「静かに目を瞑って見給え!突然、戦艦に砲撃されて慌てふためいて・・・が目に見えるようではないか!」という感じである。
「第2次大戦海戦小史」は初版が1986年出版なので今から34年も前になる。現在では戦史関係の資料の入手は当時よりも遥かに容易になった。とはいえ、欧州戦線における海戦史を扱った著作はまだまだ少なく、そういった点からは本書は価値のある著作と言える。

お奨め度★★★

写真42


Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。
やや大きめのシナリオということで、RS7:Aerial Blockadeに挑戦してみる。VASSALを使ったソロプレイである。

前回 --> こちら

21Turn

RU_MiG27_GromovWP軍の攻撃編隊はそれぞれの目標に向かって散開。ファイナルアプローチに入る。突入を援護すべくSEAD任務のTu-16Kが大型のARM"kh-28M"をPatriotの陣地に向けて発射。慌ててPatriot部隊はレーダーをシャットダウンする。その他のNATO側SAM部隊から数発のSAMが発射されたが、遥か彼方に飛び去って行った。

22Turn

NATO_Hawk_31NATOのSAM部隊が次々と目を覚ましていく。WP軍SEAD機も何とかNATOのSAMを制圧しようとするが、何ぜ相手は数が多い。僅か数機のSEAD機で全てを制圧できるものではない。そしてSAMによる損害も出始めていた。
チャフ散布任務中であったMiG-23Mは、Nike-Herculesの至近弾を受けて損傷。任務を中断して離脱を開始する。爆撃目標に向かっていたMiG-27K Flogger J2の4機編隊もHawk地対空ミサイルの攻撃によって1機が被弾・損傷する。

写真22


23Turn

NATO_VulcanWP軍攻撃編隊の一部が攻撃目標に突入した。MiG-27K 4機編隊がラインマイン飛行場(Rhein-Main 3444)に突入してきたのである。基地を守る20mmヴァルカン砲が火を噴く。対空砲火を掻い潜ったMiG-27Kは、超低空からラインマイン飛行場の格納庫に爆弾を投下する。

写真23


ZZ_RadarShutdownWP軍のSEAD機も対空制圧任務を継続している。1機のKh-28M ARMがHawkミサイル部隊に命中。この部隊に損害を与えて使用不能にした。別のHawk部隊はARMの接近を見て慌ててレーダーをシャットダウンする。しかしその一方でWP側SEAD機に残されたARMもだんだん少なくなってきている。

24Turn

整備を終えたF-15C戦闘機が、ジーガーラント(Siegerland 2628)の飛行場で出撃準備を完了した。しかしすぐ目の前にはWP軍の攻撃隊約20機が迫ってきている。

「発進中止、今すぐ発進中止だ」

指揮官が叫ぶ。誘導路に進み出ようとしていたイーグルは、その場で行き足を止めた。

写真24

写真21


25Turn

NATO_Roland2ジーガーラント上空のWP軍の攻撃隊が突入してきた。Su-24 "Fencer"4機の編隊だ。飛行場の手前約4kmまで接近した時、飛行場の北東に配置されていたRoland 2地対空ミサイルが発射された。LOAL(Lock-on After Launch)=発射後ロックオンという戦術だ。ギリギリまで敵を引き付けておき、敵が射程距離に入った瞬間にミサイルが斉射されたのだ。突然のミサイル攻撃に慌ててSu-24は急旋回。辛くもミサイルを回避する。
その4機は爆弾を対空陣地と格納庫に向けて投下する。格納庫への投弾は外れたが、対空陣地には命中して一時的にこれを制圧する。

写真25


RU_Su24_Krylovさらに4機のSu-24が後続してくる。対空砲火はなおも迎え撃つが、先の爆撃によってその威力は殺がれていた。攻撃隊の半数は地上のF-15戦闘機を狙い、残り半数は格納庫を狙った。F-15を狙った爆弾は外れたが、格納庫には命中弾を与えた模様である。

写真26


その北のギュータースロー(Gutersloh 2902)でもWP軍機による攻撃が始まっていた。超低空を突っ込んでくるSu-24がまず対空陣地を制圧する。続いて8機のFencerが近づいてくる。

写真27


RU_MiG27_Gromov南のメンディヒ(Mendig 1437)では、12機のMiG-27K "Flogger J2"が飛行場に殺到してきた。Roland 2、ヴァルカン砲、そして軽対空火器が迎え撃ったが、1機も打ち落とすことができない。MiG-27が投じた爆弾は、格納庫、燃料庫、そして滑走路に直撃弾を与え、それぞれ損害を与えていた。

写真28


26Turn

「今だ、急げ、緊急発進だ」

写真29


US_F15_Tacoジーガーラント基地では指揮官たちの怒号が飛ぶ。1機のF-15がタクシーウェイから滑走路に侵入。そのまま緊急発進していく。WP機による攻撃の一瞬の間隙をついてだ。周囲の対空陣地はなおも火を放ち続けている。対空砲火のただ中での危険な緊急発進だ。
上空にいたSu-27Sの1個編隊が、F-15めがけて急降下する。危うし。

その北のギュータースロー基地では、WP軍による攻撃が続いていた。NATO側の対空火器が意外と弱体だと気付いたWP機は、徐々に大胆になってきた。ギュータースロー基地でも格納庫、燃料庫に命中弾が降り注ぐ。

27Turn

RU_Su27_RostovWP機による攻撃は終わった。戦いは終盤戦。今後の焦点は離脱を図るWP機とNATO防空網の最後の対決。そして戦果を見届けるWP偵察機とNATO軍の対決に焦点が移る。
先に離陸したF-15を狙ってSu-27S 4機が急降下してくる。離陸直後でスピードに上がらないF-15は正に良いカモだ(ルール9.16)。銃撃を浴びたF-15は何とか撃墜は免れたが、もはやボロボロで空中戦を戦える状況ではなかった。

敵空襲下での緊急発進は自殺行為であることを証明した形となった。ただし、「弱い敵機」に先に格闘戦を仕掛けて、Undetected状態にして攻撃を避ける、という裏技もある。

北のギュータースロー基地ではNATOの防空網が一矢を報いた。イギリス陸軍のRapier地対空ミサイルがSu-24 1機に命中。これを撃墜したのである。WP軍の損失はこれで12機目になる。

写真30

写真32


28Turn

NATO_Rapier低空を離脱中のWP攻撃機がNATOの対空火器による射撃を受けた。危うく回避するWP機。
WP軍の偵察機が戦果確認のため目標上空に侵入する。ラインマイン飛行場上空を高速で通過した偵察型MiG-25RB "Foxbat B"は対空砲火を掻い潜って写真撮影を実施。成功する。
戦場を離脱中のMiG-23 1機がHawk地対空ミサイルの直撃を受けた。そのMiG-23はバラバラになって落ちていく。WPの損失は13機目になる。

つづく
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