もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2020年08月

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Flying Pig Games社のOld School Tactical(OST)シリーズは、WW2における陸上戦闘を分隊規模で描いたシミュレーションゲームシリーズである。1Hexは実際の50mに相当し、1Turnのスケールは不明だが数分と思われる。1ユニットは歩兵1個分隊、車両1両、支援火器や火砲1基/1門を表す。指揮官もユニット化されている。

ゲームシステムは、アクションポイント(APs)を消費してユニットを移動させたり、射撃させたりする。Turn開始時にダイスを振り、そのTurnに使用できるAPsを決定する。各ユニットは1APを消費する毎に射撃又は移動を1度実施できる。1ユニットは原則として1Turnに2APsまで消費できる(例外あり)。1APの消費で1回の射撃または移動を実施できる。ただし移動は1Turnに1回に制限されている。従って1ユニットは移動と射撃の組み合わせ又は2回の射撃を実施できる。

射撃システムはソフト目標と装甲目標で異なったシステムを採用している。
ソフト目標に対しては、火力と防御力の差を求めて、それに応じてICT(歩兵戦闘結果表)で2D6を振って結果を求める。結果にはモラルチェック系のものとユニット除去系のものがある。射撃戦闘は原則として1対1だが、指揮官が介在すると2ユニットによる共同射撃が可能になる。単独の射撃ではなかなか敵ユニットを除去できない場合でも、共同射撃では容易にステップロスや除去に持ち込める。
対装甲車両の場合、命中判定と損害判定の2段階を踏んで解決される。徹甲弾の命中率と破壊力は火砲の性能によって個別に設定されており、長距離でも精度や威力が下がらない兵器やその逆など、火砲の種類による性格の違いが表現されている。例えば75mmシャーマンでティーガーやパンターといったドイツ製重戦車に損害を与えるのは至難の業である。

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今回、OSTシリーズの1作品である「Ghost Front」をプレイしてみた。これはOSTシリーズにおける2番目のエクスパンションモジュールで、1944年12月のアルデンヌ攻勢における米独軍の戦いを11本のシナリオで再現する。

Lausdell Crossroads

米第2歩兵師団が守る交差点をドイツ軍第12SS装甲師団が突破を試みるというシナリオである。
ドイツ軍の兵力は、歩兵10個分隊、パンター戦車3両が主力。一方の米軍は各種歩兵8個分隊と多数の支援火器。そして交差点付近に埋設した地雷原と道路障害物が防御兵力の全てだ。私はドイツ軍を担当する。

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攻撃側はドイツ軍。戦闘地域の東側から侵入する。米軍は隠し玉として隠匿されたユニットと地雷原がある。特に後者は厄介。地雷を踏まないためには、安全が確保された経路を歩くことだ。

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米軍が南北軸に展開しているのを見たドイツ軍は、米軍戦線の翼を付くことにした。このシナリオでは吹雪の影響で視認距離が4Hexに制限されている。そこで「我が全力を以て敵分力を撃つ」の鉄則通り主力を北側から侵入させ、火力集中で敵部隊を1つ1つ制圧しながら前進していく。米守備隊は前進するパンター戦車に対してバズーカ砲で反撃するも、バズーカの威力では重装甲を誇るドイツ戦車には歯が立たない。パンツァーファーストでもあれば良かったのだろうが・・・。

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ドイツ軍は着実に米軍部隊を撃破しながら前進していく。米軍戦線の北翼を突破したドイツ軍。戦線背後に回り込む。結局ドイツ軍は自軍の損害が殆どない状態で米軍を撃破し、勝利を収めた。

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Daredevil Tanker

次に選んだのは戦車戦シナリオである。ドイツ軍の戦車6両と米軍の戦車12両の激突だ。兵力的には米軍の方が2倍の優位に立っているが、ドイツ軍はエリート戦車兵(第1SS装甲師団所属である)である上、強力な新型ティーガー重戦車(キングタイガー)とパンター戦車を合計3両も持っている。特にキングタイガーは、非力な米戦車にとっては荷が重い。
対する米軍は、強力な90mm砲装備のM36ジャクソン駆逐戦車2両を持っているが、それ以外は「そこそこ使える」76mmシャーマンが4両、あとは重防御だけが頼りも75mm砲搭載のシャーマンジャンボが1両、対戦車戦では非力な75mmシャーマンが4両、そして「数合わせ」のM5スチュアート軽戦車が1両だ。私は米軍を担当したが、この戦力で強力なドイツ戦車とどのように戦えというのか・・・。

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序盤、早くもドイツ戦車の射撃を受けてシャーマン1両が炎上する。米軍の方は、この距離から撃っても有効打は期待できないということで、我慢するしかない。

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さらに前進する米戦車だが、ドイツ戦車の長距離射撃を受けて次々と撃破されていく。それでも米軍も反撃を実施。虎の子である特殊徹甲弾を使ってパンター1両を撃破。他に2両のドイツ軍4号戦車を撃破した。

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さらに激しく打ち合う両軍。米軍はさらに4号戦車1両を撃破した。しかし米軍も6両の戦車を撃破されていた。残りは米軍が6両に対してドイツ軍は2両。この時点では勝機ありと判断した米軍ではあったが・・・。

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残ったドイツ軍がパンター戦車と厄介なキングタイガーである。しかもキングタイガーには装甲指揮官が搭乗している。そこから繰り出される射弾が米軍戦車を苦しめた。既に特殊徹甲弾を使い果たし、頼みの駆逐戦車M36ジャクソンも撃破されていた米軍は、射撃に耐えて敵中に飛び込むしかない。敵中に飛び込めば勝利条件的には米軍の「勝ち」なのだ。

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結局米軍は全戦力の75%に相当する9両の戦車を失い、ドイツ軍戦車4両を撃破した。損失比率でいえば米軍の敗北だが、勝利条件的には米軍の勝利となった。ドイツ軍に一定の損害を与えた上、勝利条件となる道路網を切断することに成功したからだ。

感想

戦術級ゲームなのでルールはそれなりに多い。それでも分隊クラスの戦術級ゲームとしてはシンプルな部類に入るだろう。歩兵同士の戦闘から戦車戦、砲兵射撃や航空攻撃等、陸上戦闘の主要な部分が再現できるのも良い。西部戦線以外にも東部戦線や太平洋戦線もゲーム化されているので、プレイしてみたい。

つづく

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200515_WW2海戦と軍人

世界の艦船2019年11月号増刊-第2次大戦 海戦と軍人

白石光 エートゥシー・プロダクション

Kindle unlimitedで無料で読めるのでダウンロードしてみた。WW2における主要な海戦を取り上げ、その流れとそれらの戦いで主役を努めた海軍軍人(一部海軍以外の軍人も登場)を取り上げた小文集である。それぞれの記事は数ページの内容なので、個々の海戦に関する記述は多くない。また何か目新しい視点が得られるわけでもない。肩肘張らずに軽く海戦史を読んでみたい。そんなときには最適である。無料だし。

お奨め度★★★

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三春城に立ち寄った あと、向かったのが奥会津温泉。翌日に尾瀬方面の山登りに行く予定なので、付近で一泊する予定です。
内湯とサウナだけのシンプルなつくりでしたが、室内は清潔で気持ちよく浸かれました。泉質は無色無臭で柔らかい感じ。浴場から見える奥会津の景観も良かったです。

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お奨め度★★★

つづく

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ツクダホビーから1990年に発表された「ラグナロック作戦」(以下、本作)は、田中芳樹氏の小説「銀河英雄伝説」(以下、銀英伝)の一場面であるラグナロック作戦を作戦級で描いたシミュレーションゲームである。
今回、この「ラグナロック作戦」をVASSALでソロプレイしてみた。以下はその記録である。

前回は --> こちら

16Turn

ルンビーニ星系付近で同盟軍アッテンボロー艦隊を帝国軍の遊撃艦隊が捕捉した。ミュラー大将率いる12,000隻の艦隊である。兵力的には帝国軍が2倍の兵力である。しかし両艦隊の交戦は竜頭蛇尾の結果に終わり、両軍とも約1000隻の艦艇を失ったに終わった。
イゼルローン方面からロイエンタール上級大将の18,000隻がロフォーテン星系に到着。ロフォーテンに集結した帝国軍の主力艦隊はローエングラム公直率の第1線兵力が68,000隻(ラインハルト、ミッターマイヤー、ロイエンタール各提督が指揮)、後方警戒及び予備兵力はワーレン、ミュラー、シュタインメッツ各提督が率いる29,000隻である。

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17Turn

惑星ウルヴァシーで暴動が発生した。勝利を目前にして帝国軍は足踏み状態となる。鎮圧のためにシュタインメッツ艦隊がウルヴァシーへ向かう。
帝国軍は第1線兵力を集結させて前進を開始した。目指すは同盟の首都星ハイネセンである。リューカス星域まで前進してきたラインハルト艦隊とロイエンタール艦隊の計48,000隻に対し、チャンスと見たヤン艦隊は攻撃を開始した。兵力は32,000隻。帝国軍の2/3であるが、戦術の妙で補うしかない。
帝国軍の「縦深陣」に対して、ヤンは「側面包囲」で裏をかいた。最初の一撃で帝国軍5,000隻を撃破したヤン艦隊。損害は2000隻である。まずは幸先良し。さらに本格的な戦闘ではラインハルトの「側面防御」に対してヤンは「突撃」を実施。悉くラインハルトの裏をかくヤンなのであった。

「キルヒアイス、俺はここまでしか来られない程度の男だったのか」

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18Turn

リューカス星系の決戦場のミッターマイヤー艦隊が合流した。これで決戦場における帝国軍の艦隊は定数68,000隻、実数56,000隻となった。それに対してヤン艦隊は定数32,000隻、実数29,000隻である。兵力的にはヤン艦隊は半数。しかも帝国軍はなおも後方から増援部隊が近づいてきている。ヤンは現有兵力での戦術的勝利をあきらめて撤退行動に入る。しかしその瞬間をラインハルトは待っていた。

「いまだ、全軍突撃せよ」

猛烈な砲火がヤン艦隊を襲う。これまで整然とした陣形を保っていたヤン艦隊は、退却に入った瞬間に混乱が生じた。ラインハルトはこの攻撃で最高のダイス目12を出した。この追撃戦でヤン艦隊は9,000隻(9ステップ)にも及ぶ損害を出した。ミラクルヤンらしからぬ失敗と言えるかもしれない。

このリューカス星系の戦いはラグナロック作戦最大の宇宙会戦となった。参加兵力は帝国軍が68,000隻、同盟軍が32,000隻である。損害は帝国軍が18,000隻、同盟軍が14,000隻。参加兵力の多い帝国軍の方が損害が多いという奇妙な結果になったが、戦いそのものの勝者がどちらかなのかは明らかであった。

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19Turn

帝国軍はハイネセンに対する最後の攻勢を開始した。先行していたミッターマイヤー艦隊がランテマリオ星系を占領し、そこに帝国軍の補給基地を建設した。ハイネセンを密かに出撃したヤン艦隊がランテマリオ星系への奇襲攻撃を企てたが、肝心な所で行動チェックに失敗し、千載一隅の機会を逃した。

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20Turn

最終Turnである。現在帝国が支配している同盟有人惑星は17ヶ所。あと1ヶ所。首都星ハイネセンを帝国軍が支配すれば帝国軍が勝利する。ただしそのためには同盟軍有人惑星を1つも失うことができない。同盟軍には神出鬼没のヤン・ウェンリーとアッテンボローが健在である。
ラインハルトの親衛艦隊がハイネセンに侵攻した。ハイネセンを守る同盟軍ビコック大将は衛星軌道での抵抗をあきらめて惑星上に避難した。制宙権を確保した帝国艦隊はハイネセンの同盟軍首脳部に対して降伏を勧告。オーベルシュタイン上級大将の策謀もあって同盟政府のトリューニヒト最高評議会議長が降伏を受諾。自由惑星同盟政府は銀河帝国に全面降伏し、ここに100年以上続いた銀河帝国と自由惑星同盟との戦いが終結した。

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感想

プレイ時間は記録を含めて約10時間。対人戦ならこの半分ぐらいだろう。序盤のプレイ感覚は軽かったが、両軍ともユニット数が増えてくると、やや重くなる。特に中盤以降両軍の艦隊決戦が頻発するようになると、プレイ時間は一気に伸びてくる。やはり戦術チットを選ぶ部分に時間がかかるようだ。

今回はソロプレイで試したが、ダミールールや戦術チットルールがあるので、本来はソロプレイ向きではない。本当の魅力は対人戦でしかわからないだろう。ソロプレイで感じたのは、ダミールールが強烈。一旦ヤンをダミーの海に逃がしてしまうと、捕捉するのが極めて困難になる。例えばヤンがフェザーンに突入し、フェザーンを占領することも不可能ではない。そして一旦それを許すと、帝国軍はイゼルローン方面から補給を通さない限り補給切れになってしまうので苦しくなる。単純な兵力比では帝国が3:1以上で有利なのだが、能力の違いやダミールールによって帝国側が決して楽勝ではない。このあたりの処理の仕方は上手い。

ルールについては危険宙域について移動に関する制約を記したルールを見つけることはできなかった。補給線を通さないルールがあるのでそれだけで十分ということなのだろうか。実際には殆ど影響がないのだが、危険宙域に自由に出入りできるというのはやや違和感がある。
あと、ダミーの移動についてだが、ルールの書き方がやや曖昧である。ルールには「ダミーが表している本当の部隊の能力で移動できる」とあるが、では本物のダミーはどのように動くのだろうか。基本的には自由に移動できると考えた方が良いと思うが(そうでなければダミーとそれ以外が容易にバレてしまう)、対戦の際には事前に調整しておいた方が良いと思う。

全般的にルールは比較的優しくプレイ感覚は軽い。それでいてプレイバランスは良好で原作の雰囲気も程よく再現されている佳作である。

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三春そうめんを食べた あと、向かったのが三春城。伊達政宗の奥州支配においては重要な役割を果たした城だとか・・・。どちらかといえば花の名所として知られている城だそうです。

駐車場から本丸までは若干の標高差があるので、そこを登っていきます。途中に紫陽花が綺麗に咲いています。

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徒歩10分ぐらいで山頂に到着。山頂部が本丸趾になっています。天守閣や櫓がある訳でもなく、ただ草むらの中に本丸跡を示す碑が立っているだけです。

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つづく

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