もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2021年04月

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210106_幻の東部戦線

幻の東部戦線

古峰文三 アルゴノート社

タイトルが一見誤解を生みそうだが、本書は東西冷戦下でのドイツ再軍備について随筆風に記述した著作である。本書はかつてインターネットで公開されていたが、数年前から読めなくなっていた。
内容はとにかく面白い。ドイツ再軍備と言いながらも、そこには当然米ソ両国とドイツ周辺の東西諸国の思惑が複雑に絡み合う。WW2直後から始まる東西冷戦。冷戦というタイトルから我々はそこに本当の危機を読み取り辛いが、東西両陣営が国境を接する東西ドイツでは本物の危機がWW2直後から冷戦終結まで続いていたのである。本書を読めばそのことがよくわかる。
本書を読んで衝撃的なのは、東西両陣営、特に東側の核戦略である。よく「ソ連軍は核兵器を「大きな大砲」としか見ていない」と言われているが、まさにその通り。60年代から80年代まで旧ソ連が描いた戦略は、「開戦劈頭の大規模な核攻撃」で、しかも彼らは西側諸国が「核反撃に躊躇するだろう」とまで予想していたから、彼らの「本気度」がわかろうというものだ。東側の戦略は、大規模な核攻撃で西側の指揮系統を混乱させ、その間隙を突いてライン川突破を図るというもの。彼らは西側の避難民を追い立てながら前進するから、西側は戦術核兵器を撃てないだろう。彼らはそう考えていた。所謂「反核平和運動」もソ連側から見れば「西側に核兵器を使わせないため核兵器に対する罪悪感を植え付ける」ための手段だと考えれば、空恐ろしくなる(反核運動の対象は常に西側の核兵器であり、共産圏の核兵器はその対象ではない)。
本書を読んで興味深いのは、核兵器の使用を前提としながらも、その中で通常兵器の運用について詳しく書かれていることである。核兵器の存在が通常兵器を無効化するのではなく核攻撃下で如何に通常兵器を運用していくのか。本書の読みどころの1つだと思う。
核兵器の存在が常に念頭にあった冷戦時代だが、冷戦を終わらせる決定的な要因は核兵器ではなく通常兵器であった。西側の優れた通常兵器が冷戦を勝利に導く鍵であったという本書の指摘は的を射ていると思う。
本書を読むと、MMPの「Iron Curtain」等がプレイしたくなる所だ。

お奨め度★★★★

辻堂駅からバスで10分ほど、徒歩なら30分ほどかかります。海岸近くにある辻堂海浜公園。その中に辻堂交通公園があります。
会場の入り口近くには、古びた小田急の電車が置いてありました。最近は少なくなったクリーム色とブルーのラインが特徴の車両です。「ウルトラセブン」等でも時々見かける車両です。

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310円を支払って中に入ると、鉄道ジオラマや航空機に関する展示物等、結構見どころがあります。個人的にはジオラマが良かったかな。

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大宮の鉄道博物館や名古屋のリニア博物館等には当然及びませんが、近所でぷらっと立ち寄るには良い場所ではないかと思いました。

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AtlanticChase


Atlantic Chase(以下、本作)は、GMT社が2021年に発売を開始した最新の海戦ゲームである。1ユニットは軽巡以上の艦船1隻(駆逐艦、輸送船は戦隊単位)、ヘクスマップにはヨーロッパ近海の大西洋、北海で、北東端はムルマンスク、南東端はジブラルタル、マップの外には北米と中南米、アフリカ大陸がつながっている。1Hexの大きさは凡そ100海里ぐらいか。

今回、本作のシナリオをいくつかプレイしてみたので、その結果を簡単に報告したい。ただし以下のプレイはかなり重大なルールミスがあったということをお断りしておく。

前回までの記録は --> こちら

OP4.Berlin:January-March 1941

巡洋戦艦「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」による通商破壊戦を扱ったシナリオである。ドイツ本国から出撃した2隻の巡洋戦艦は大西洋で通商破壊戦を実施した後、フランス西部のブレスト港に入港した。その後、ブレストを基地として大西洋に睨みを効かせることになる。

ドイツ軍を担当した私は、まずブレストに初期配置されている重巡「ヒッパー」で船団襲撃を試みるが、なんと船団護衛に戦艦「ラミリーズ」がついていたので、船団1隻を撃沈するのが精一杯。逆に「ラミリーズ」の主砲射撃を受けて中破してしまい、這う這うの体で逃げるのが精一杯であった。
一方本国にいる巡洋戦艦2隻。史実ではGIUKギャップを突破したが、距離的に遠いGIUKギャップは突破と判断(これは後に述べるルールミスも絡んでいる)。所謂チャンネルダッシュでブレストを目指す。すったもんだの末、巡洋戦艦2隻はブレスト入港に成功。さらに迎撃のために北上してきた英軍H部隊をルフトバッフェが返り討ちにし、空母「アークロイヤル」、巡洋戦艦「レナウン」を撃破した。
しかし最終的には英船団に対する戦果が足らなかったために英軍の勝利に終わった。独軍としては危険を冒してでも巡戦2隻による大西洋突破を図るべきだった。

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感想

ここまで4本のシナリオを終えて所要時間はセットアップ含めて6~7時間であった。1シナリオあたりの所要時間はセットアップを含めて2時間弱ということになる。この数値から見てもわかる通り、本作は見た目の大袈裟さと比べると、驚くほど簡単にプレイできる。英文計64ページのルールを読み込むのは結構大変だが、ルールブックの半分ぐらいは図表類なので、量的にはそれほど恐れるに足りない。ただしルールの概念が斬新なので、ルールブックを読んだだけでは理解できない部分が多い。私も実際にプレイしてみて初めて概念を理解した所が多々あった。

今回はお互いに初プレイであったたのでいくつかのルールミスがあった。細かい点は省略するが、一番大きなミスはINTELマーカーの配置について。INTELマーカーというのは一種の「移動妨害」マーカーで、Trajectory上に置かれる。これが置かれると色々と面倒なことが起こるのだが、今回はその配置にミスがあった。
ルールによると、INTELマーカーを配置できるのは、「敵港湾」「航空基地」「Task Force Station」「ステルス部隊(潜水艦と機雷)」となっている。我々が勘違いしたのは3番目の「Task Force Station」で、このStationの所を読み飛ばして、Task Forceは全てINTELマーカーの配置対象と勘違いした。そのためTrajectoryが交錯する場所はINTELマーカーがジャンジャン置かれることになってしまい、TFの移動がノロくさい「やや爽快感に欠ける」プレイになってしまった。このルールを正しく適用すれば、何故英海軍がGUIKギャップに巡洋艦による哨戒網を張る必要があるのかも正しく再現できるのだが、その点は少し残念である。いずれにしても正しいルールで再戦してみたい。

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Atlantic Chaseは、大西洋における通商破壊戦を斬新かつ簡明なルールで再現した佳作である。海戦における情報の不確実性をTrajectoryとStationという斬新な概念で表現した点は高く評価したい。さらに本作は情報の不確実性を扱いながらも、隠匿要素が全くないことにも注意したい。つまりソロプレイが容易にできるということを意味する。無論簡単なルールなので省略された要素も多々ある(例えば「アークロイヤル」と「フューリアス」が両方とも単なる「空母」という評価になっており、両者の差異がない等)。しかし僅か2時間弱で通商破壊戦をキャンペーンレベルで再現できる点は素晴らしい。
今回プレイしたシナリオ以外にも多数のシナリオ(作戦シナリオは計9本)が用意されており、その中には定番とも言うべき「ライン演習」や戦艦「ティルピッツ」による援ソ船団(PQ-12)攻撃。さらにはPQ-17を巡る戦いなどもシナリオ化されている。極端に言えばAHの「ビスマルク」とGMTの「PQ-17」が一つの箱に入っている、というのは大袈裟か。

私自身、機会を見つけて再戦したいと思っている。
HMS Nelson

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「山牛」で山形牛を堪能した あと、近くにある「文翔館」に立ち寄ってみました。
「文翔館」というのは、昭和50年まで県庁舎及び県会議事堂として使用されていた建物を山形県郷土館として再使用しているものです。

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まず旧県庁舎の方ですが、内部は展示スペースとギャラリーになっています。まず2階部分(建物の構造的には3階)はかつての県庁舎であったころの設備が再現されており、正庁、貴賓室、知事室、警察部長室、内務長官室などが再現されています。

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その向こうは「街並探訪」というコーナーになっており、明治、大正、昭和、平成における山形県の街並みや風土が紹介されています。

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また展示スペースの一角はギャラリーとして使用されており、県内高校生の建築設計デザインコンテストや建築物の模型が展示されていました。建築設計デザインコンテストについては、その質の高さに唖然。

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1階部分(建物の構造的には2階)は、各種の文化的な展示スペースになっており、最上川関連、山形の文学、さらには山形の女性について展示がありました。

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渡り廊下の向こうは旧県会議事堂で、ここは議場ホールや会議室、ギャラリーが今でも一般で使用できるようになっています。その日も一番大きな議場ホールでは何某かのイベントが開催されていました。
ちなみに会議室の料金ですが、定員24名の会議室で1日利用して料金は4000円ちょっとと破格の安さです。これはどこかのゲーム会会場に使えそうですね。

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じっくり回れば1時間どころか2時間ぐらいはかかりそうな施設です。しかも入場料は無料。これは機会を見つけて行くしかない。

お奨め度★★★★

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Atlantic Chase(以下、本作)は、GMT社が2021年に発売を開始した最新の海戦ゲームである。1ユニットは軽巡以上の艦船1隻(駆逐艦、輸送船は戦隊単位)、ヘクスマップにはヨーロッパ近海の大西洋、北海で、北東端はムルマンスク、南東端はジブラルタル、マップの外には北米と中南米、アフリカ大陸がつながっている。1Hexの大きさは凡そ100海里ぐらいか。

本作はかなり特殊なシステムを採用している。従ってそのシステムを言葉で説明するのは相当困難である。ただし1度プレイしてみると、それぞれのルールの意味がすんなりと理解できるようになる。 本作のシステムで核となるのは、Trajectory(航跡)とStation(展開)である。麾下の水上艦をいくつかのTF(Task Force)に編成して行動させるという点では、本作も他の海戦ゲームと大きく変わる所はない。ただし本作ではTFを表現する方法が特徴的なのだ。それがTrajectoryとStationだ。
(下図はLiving Rule p5より抜粋)

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TFはそれぞれ固有のTrajectoryとStationを持っているが、マップ上に置かれるのはTrajectoryかStationかいずれか一方だけとなる。Trajectoryは細長い木の棒で、Stationは円柱型である。Stationは特定の海域に留まっているTFを現し、移動しない(できない)。TFを移動させる場合には、複数のTrajectoryをマップ上で「繋いで」いく。いわばTFの列があたかも艦隊の航跡を現すようになる。TFは航跡上のどこかに存在している、ということになる。
このTrajectoryを配置するという行為においては、最大15個までのTrajectoryを接続できる。例えばスカパフローからキールまでが3ヘクスしかないので、15個のTrajectoryを使うとマップをほぼ横断することも可能である。このTrajectoryを自由に配置できるというのがまず本作の特徴である(ただし1本の線で繋がっていなければならない)。

ゲームの核となるシステムはアクションである。先に書いた「Trajectoryを配置する」というのも一種のアクションだが、それ以外に索敵、交戦、航空攻撃、ステルス兵器(潜水艦と機雷)による攻撃等が加わる。アクションを実行するためには主導権が必要であり、主導権を保持する限り何度でもアクションを繰り返し実行できる。もちろん一定条件で主導権の交代があり、それによって両方の陣営がアクションを実行できる。本作に所謂"Turn"の概念はないが、この主導権交代が一種の"Turn"のように機能する(主導権交代時期に天候判定も行われる)。

例を説明しよう。ニューヨークから英本土に向かう輸送船団を、ブレストを出撃した独巡洋戦艦が攻撃する場面を想定する。まずニューヨークから英本土までは輸送船団のTrajectoryが既に配置されているものとする。これは輸送船団がTrajectoryの"どこか"に存在することを意味する。 主導権を得た独軍プレイヤーは、ブレストにいるTFのStationをTrajectoryに変換し、ブレストからTrajectoryを伸ばして、船団のTrajectoryと交差させる。Trajectoryを伸ばす行為は自由で、主導権交代のトリガーにはならない。
続いて独軍プレイヤーは、"Naval Search"を選択し、英輸送船団を捜索する。これに成功すると輸送船団のTrajectoryが減少する(いくつになるかは索敵の結果次第)。索敵の効果が高いとTrajectoryが消し去れてStationになる。TrajectoryがStationに変化して時点で、その輸送船団は「そこにいた」ことなる。続いて独軍プレイヤーは"Naval Engagement"を宣言し、輸送船団に対する襲撃を実行する。 こう書くと如何にも簡単に船団攻撃ができそうに思えるが、実は索敵や交戦を実施する毎に主導権交代判定が行われ、主導権が英側に移る可能性がある。一旦英側に移ると、再び英側は輸送船団のTrajectoryを伸ばすことになるので、元も黙阿弥である。

こうして捜索、攻撃、そしてそれに対する回避等を繰り返して、両軍とも自身の目的へ向けて邁進することになる。
(下図はLiving Rule p5より抜粋)

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今回、本作のシナリオをいくつかプレイしてみたので、その結果を簡単に報告したい。ただし以下のプレイはかなり重大なルールミスがあったということをお断りしておく。

OP1.Homecoming:August 1939

WW2開戦前夜の1939年8月。ニューヨークから本土へ向かう高速客船「ブレーメン」。その目的はドイツ本国への帰還であった。一方、それを英本国艦隊。果たして「ブレーメン」は英海軍の追跡を逃れて無事ドイツ本国へたどり着けるか。

という設定でのシナリオである。このシナリオは登場ユニット数が少なく、入門用のものである。私はドイツ軍を担当したが、ノルウェー西方海域で英巡洋艦に捕捉されてしまい、任務は失敗に終わった。

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OP2.First Test:November 1939

南アメリカ近海で通商破壊戦を実施中の装甲艦「グラーフ・シュペー」が本国へ向かっている。それを援護し、さらに新たな封鎖作戦を試みるため、新鋭巡洋戦艦「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」からなる艦隊が北海へ向けて出撃していった。英本国艦隊の注意を引き付けて、その間に「グラーフ・シュペー」を無事本国へ帰還させるのが目的であった。

このシナリオは英軍を担当した。ドイツ軍の戦力は上記の通りだが、英仏軍(まだフランス海軍が健在!!)は、フォーブス提督麾下の戦艦「ネルソン」「ロドネー」を主力とする機動部隊。「ウォースパイト」「レパルス」、空母「フューリアス」を含む機動部隊。そしてフランスの戦艦「ダンケルク」と軽巡2隻からなる北大西洋艦隊が主力である(他に哨戒用巡洋艦数隻)。ちなみにフランスの「ダンケルク」は本作ではすごぶる評価が高く、砲撃力はドイツの「ビスマルク」と同等、速度はそれよりも速いので、ある意味「欧州最強の戦艦」である(ホンマかいな・・・??)。

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この戦いでは空母「フューリアス」とフランス艦隊が大活躍。「フューリアス」偵察機が本国へ向かう「グラーフ・シュペー」をフランス西岸沖で発見。それを「ダンケルク」以下のフランス艦隊が追撃し、砲力の優位を生かして「シュペー」を半身不随にした後、最後は「フューリアス」の艦載機がトドメを刺した。

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続いてGIUKギャップを突破してきた「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」を「フューリアス」の艦載機がアイスランド南方海上で捕捉した。ただちにフォーブス提督麾下の戦艦「ネルソン」「ロドネー」が現場へ駆けつける。「ネルソン」「ロドネー」は主砲火力の優越を生かして「シャルンホルスト」を撃沈し、「グナイゼナウ」を撃破(こちらは「ネルソン」中破)。最後は例によって「フューリアス」の艦載機がトドメを刺した。

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OP3.Norway April-May 1940

所謂ノルウェー侵攻作戦を扱ったシナリオである。独軍を担当した。詳しくは覚えていないが、確か英軍の戦艦「ロドネー」を撃沈し、こちらは「シャルンホルスト」が中破。ノルウェー侵攻自体にも成功したので、ドイツ軍の勝利に終わった。

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つづく

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