もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2021年07月

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210514_零戦撃墜王

零戦撃墜王

岩本徹三 光人社NF文庫

零戦を駆って撃墜202機(自称)の戦果を残しながら戦争を生き抜いた文字通り零戦撃墜王:岩本徹三氏が自ら綴った著作である。実戦経験者しか書けない壮烈な描写がいくつも見られる。無論、この種の戦史の常として戦果の誤認や誇張は避けられない。本書はあくまでも「一方の戦争参加者から見た戦争の姿」と捉えるべきで、本書の記載内容全てが完全な事実と捉えるのは危険である。
本書を読んで興味深いのは、個々の空戦場面もさることながら、必ずしも「零戦バンザイ」的な視点ではないことである。これは筆者が主に戦ったのが1943年以降の時期であったことも関係あると思われるが、筆者は連合軍機の優れた点は正直に評価している。特に速度性能については連合軍機が明らかに勝っていたことを認めている。
また海軍の同僚に対しても筆者の視線は厳しい。増援で現れた艦隊航空隊(恐らく第2航空戦隊と思われる)に対する辛辣な評価や、戦争末期に無茶な命令を下す参謀を「馬鹿参謀」と蔑む。特攻についても、「この作戦が知らされた時、搭乗員達の士気は明らかに落ちていった」と搭乗員視線から見た正直な感想を吐露している。
先にも書いたが、本書に記載されている戦果・損害をそのまま鵜呑みにするのは危険である。とはいえ、兵力において遥かに勝る連合軍はラバウル航空隊を「フォートレス・ラバウル」と称して恐れていたことは米側の戦記も記載されている。そういった意味で筆者らの奮戦は、評価されてしかるべきであろう。

お奨め度★★★

欧州海域戦_表紙


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
今回挑戦するのは「パンテレリア沖海戦」。「ハープーン作戦」と呼ばれるマルタ島輸送作戦の途中で起こった海戦だ。シナリオの詳細については、 こちらの記事 を参照されたい。

前号までの展開は、--> こちら

11Turn

IT_CL7a勇敢にも接近を続ける英駆逐艦とそれを迎え撃つ伊艦隊。その距離は6Hex(約9km)まで近づいてきた。この距離だと両軍の砲火もその正確性を増してくる。英駆逐艦の砲撃を受けた伊駆逐艦「アスカリ」が被弾小破。だが戦闘続行は可能だ。
それに対して伊艦隊は、軽巡「ライモンド・モンテクッコリ」が英駆逐艦「マーン」に2発の6インチ砲弾を命中させた。「マーン」は中破し、事実上戦闘力を失う。

Turn11


12Turn

TorpMk9Pa英艦隊はこのまま座して死を待つよりも決死の突撃を敢行する。とはいえ残った艦隊駆逐艦は僅かに2隻(他に船団護衛中のハント級駆逐艦5隻と防空軽巡「カイロ」が残っていたが・・・)。その2隻に対してイタリア艦隊の集中砲火が降り注ぐ。至近距離から放たれる巡洋艦の砲撃はすさまじいものがあったが、奇跡的にも命中弾なし。英駆逐艦2隻は必中の思いを込めて12本の魚雷を解き放った。

Turn12


このTurn、またもや枢軸軍の空襲があった。狙われたのは輸送船「オラリー」。船尾方向から接近して来たJu88は、対空輪形陣の弱点を突く形となった。250kg爆弾1発が至近弾となったが、幸い「オラリー」の損害は軽微であった。

13Turn

IT_CL10a英駆逐艦が渾身の想いを込めて放った魚雷は、しかし無情にも目標を逸れた。反転して離脱を図る英駆逐艦に対し、イタリア艦隊の砲火が降り注ぐ。トライバル級の駆逐艦「ベドウィン」は、伊軽巡「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」の放った6インチ砲弾2発を受けて中破。また最後まで無傷であった駆逐艦「イシュリール」もイタリア駆逐艦の集中砲火を浴びて中破した。

Turn13


14Turn

DamegeH英駆逐艦は煙幕を展張しつつケツをまくって逃げを図る。煙幕が功を奏したのか、イタリア軽巡による射撃は至近距離であったにも関わらず両方外れ。しかし伊駆逐艦の射撃は的確であった。1発が英駆逐艦「イシュリール」に命中。同艦は大破して最大速度が10ktまで低下してしまう。

Turn14


ナヴィガトーリ級駆逐艦を侮るなかれ。一見鈍足で使えない同級駆逐艦だが、その砲戦能力は英海軍のL/M級艦隊駆逐艦に匹敵するのだった。英駆逐艦はこの思わぬ大敵によって多大な出血を見ることになる。

RMS_DD_NavigatoriClass_DaRecco


15Turn

逃げる英艦隊。追う伊艦隊。このTurnはヘタリア海軍の本領発揮。煙幕に邪魔されて1発の命中も得られず。

このTurn、枢軸軍の空襲があったが、対空砲火に阻まれて外れ。

16Turn

英駆逐艦「マーン」に6インチ砲弾が命中。「マーン」は大破する。

17Turn

伊軽巡部隊はまたもや煙幕に阻まれて命中弾なし。一方、伊駆逐艦隊は英駆逐艦「イシュリール」に集中砲火を浴びせて撃沈。ようやく最初の獲物をしとめた。

18Turn

最終Turnである。イタリア艦隊は、英駆逐艦「パートリッジ」に命中弾を与えてこれを大破に追い込み、さらに射程距離内に入ってきた護衛駆逐艦「バードワーン」に命中弾を与えて小破せしめたが、そこまでだった。 頼みの空爆もまたもや外れ。この時点でタイムアップとなった。

Turn18


両軍の損害

英艦隊

沈没:駆逐艦「イシュリール」
大破:駆逐艦「パートリッジ」「マーン」
中破;駆逐艦「ベドウィン」「マッチレス」、油槽船「ケンタッキー」
小破:駆逐艦「バードワーン」

伊艦隊

小破:駆逐艦「プレムダ」「アスカリ」

VPではイタリアは50VPを獲得、英側は0VPであったが、イタリアがボーダーラインである50VPをギリギリでクリアしたため、イタリア海軍がギリギリ勝利した。プレイ中はイタリア側の圧勝と思えたが、意外とギリギリだった。イタリア側としては優勢を決めた13Turn以降の戦いがやや雑であった感がある。

感想

シナリオ自体はいい感じに仕上がっているように思う。ある程度勝敗が見えてきても、ボーダーラインが厳しいので劣勢側にもチャンスがある。空襲の結果にややバラつきが大きいように思ったので、その点だけ少し手を加えよう。それから輸送船のVPを少し高めにし、輸送船を攻撃する「美味しさ」を増やそう。それ以外は今のままで良いんじゃないかな・・・。

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4
南島原から車で約30分、島原市街からでも約30分。雲仙温泉は湯量豊富な良質の温泉地として有名である。そこからさらに山に向けて登っていくと、平成新山として有名な雲仙普賢岳の登山口である仁田峠に到着する。

ここはツツジの名所としても有名で、特に5月は峠一帯にツツジが咲き誇り、その鮮やかさは言葉にできない程である。私が訪れた時にも丁度ツツジが見頃であったため、その絶景を堪能できた。惜しむらくは天候が曇っていたことだが、曇っていてもツツジの美しさは全く見劣りする所がなかった。

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展望台からは島原深江地区の市街地やその向こうに見える有明海、そして平成新山の雄姿と、全く非の打ち所がない絶景であった。

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お奨め度★★★★

4
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中国的天空(上)

中山雅洋 大日本絵画

日中戦争における中国空軍といえば、我々の中では「弱い」「零戦のカモ」「13機で27機が全滅」といったイメージが強い。しかし以前に台湾へ旅行へした時に感じたことは、彼らは日中戦争における航空戦を必ずしも負けと認識しておらず、特に陸攻隊に対する果敢な迎撃戦等は勝利したと考えている。
本書は、日中戦争における航空戦について日中両方の戦史を調べ上げ、その実態を明らかにした労作である。
前半では中国空軍の誕生から、満州事変、上海事変、盧溝橋事件から日中戦争、重慶爆撃までを扱っている。日本でもよく知られているロバート・ショートの戦死、渡洋爆撃、中国空軍の反撃、零戦の登場なども描かれており、これらのエピソードが日中双方の視点から描かれている点が興味深い。
下巻を読むのも楽しみである。

お奨め度★★★★

3
原城趾 を見学した際、近くに日野江城というのがあるという情報を得て、立ち寄ってみた。
国道251号線から少し内陸に入り、案内板に導かれて山の中に入っていくと、やがて道は狭くなり、車1台がやっと通れる広さぐらいに。
「前から車が来たら離合できないな」
とビクビクしながら走っていくと、やがて城跡に到着した。

駐車場といっても草むらのような所に車を停めて、中に入っていく。
こんな山城にこんな立派な石垣が、と思うような石垣を見ながら山道を登っていくと、やがて日野江城の本丸跡につく。本丸跡は少しばかり広くなっており、往時には天守のような施設が立っていたのかもしれない。本丸跡からは南島原一帯が一望でき、原城よりも戦略的な価値は高そうだ。

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日野江城はキリシタン大名として名高い有馬晴信が島原一帯の主城とすべく整備したという。歴史的経緯から知名度では原城に劣るが、城自体の戦略的価値は日野江城の方が上だというのも頷ける。

お奨め度★★★

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