もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2021年07月

欧州海域戦_表紙


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
今回挑戦するのは「パンテレリア沖海戦」。「ハープーン作戦」と呼ばれるマルタ島輸送作戦の途中で起こった海戦だ。シナリオの詳細については、 こちらの記事 を参照されたい。

前回はイギリス駆逐艦の活躍の前に全く良い所がなかったイタリア海軍であった。しかし史実では大いに善戦し、ハープーン作戦を失敗に導いた立役者の1人にもなっている。
前回の反省点は、イタリア艦隊が英駆逐艦に不用意に接近し、速射砲によって大損害を被ったこと。そこで今回は伊巡洋艦の砲口径に優位を生かすべく、アウトレンジ戦法で挑むこととした。

Turn00


1Turn

IT_CL7a
「敵艦隊発見」

距離約30kmで敵を認めた両艦隊はそれぞれ対応行動を起こす。
伊艦隊は単縦陣のまま右へ変針。敵との距離を詰める。
対する英艦隊は水上戦闘能力に優れた第11駆逐隊(艦隊型駆逐艦5隻)を増速させて船団前程に進出。伊艦隊を阻止する構えを見せる。
伊巡洋艦2隻(「ライモンド・モンテクッコリ」「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」)は、距離15Hex(約22km)から英駆逐艦に対して初弾発砲。しかし些か遠すぎた。6インチ砲弾は大きく目標を逸れた。

Turn01


2Turn

英駆逐艦の接近を見たイタリア艦隊は左へ60度変針。接近経路を避けてT字戦法に出る。この運動で伊艦隊の単縦陣は崩れて2列陣形となった。
対する英艦隊も猪突猛進は避けて距離10Hex(約15km)で右へ60度変針。伊艦隊と並行態勢に入る。船団を守るのが目的なので、距離を取って戦うのが得策と判断したためだ。
2隻の伊軽巡が再び発砲。しかし変針直後の射撃であったこともあり、射弾は目標を逸れた。

Turn02


3Turn

IT_DD14a英輸送船は右へ変針。敵艦隊と距離を取りつつある。一方英第11駆逐隊と伊艦隊は距離10~12Hexを隔てて並行砲戦。しかし距離が遠いためお互いに命中弾なし。
このTurn、枢軸軍による空襲がある。狙われたのはMS05「ケンタッキー」。船尾方向から突入してくるので、恐らくドイツ空軍のJu88爆撃機であろう。進入方向を守る英護衛駆逐艦「バードワーン」等が激しい対空砲火を撃ちあげる。激しい対空砲火に恐れをなしたのか、Ju88は目標の遥か手前で爆弾を投下。爆弾は目標を大きくそれていった。

Turn03


4Turn

IT_CL10aイタリア巡洋艦「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」が初めて夾叉弾を得た。狙われたのは英駆逐艦「イシュリール」。艦が小さかったので命中はなかったが、このままだと命中を受けるのは必定である。

5Turn

夾叉を受けた英駆逐艦は右60度変針して敵艦隊からの離隔を図る。それを見たイタリア巡洋艦も変針してこれを追う。

Turn05


6Turn

MS05b 英駆逐艦が速度を30ktまで上げた。これに対してイタリア側には速度の遅いナヴィガトーリ級駆逐艦が混じっているため、無暗に速度を上げる訳には行かない。
伊巡洋艦「サヴォイア」が再び夾叉弾を得た。しかし今回も命中はなし。
このTurn、再び枢軸軍の空襲があった。1機のJu88が雲間から突如急降下し、油槽船「ケンタッキー」に250kg爆弾2発を命中させたのである。火災を起こした「ケンタッキー」は消火活動に大童の状態であった。

Turn06


7Turn

CW_DD15b英駆逐艦は右へ180度一斉回頭を行い、再び伊艦隊への接近経路を取る。それを見た伊艦隊は右120度回頭。英駆逐艦の頭を押さえる位置に布陣する。
伊巡洋艦「サヴォイア」が英駆逐艦「マッチレス」に6インチ砲弾1発を命中させた。両軍を通じてこの戦い初の命中弾である。「マッチレス」は小破し、砲塔の一部が破壊された。

Turn07


8Turn

英艦隊は再び左120度一斉回頭を行い、伊巡洋艦への接近を避ける。
旋回中の英艦隊に対して伊巡洋艦2隻が砲撃を行うが、距離が遠いためか、命中弾は得られず。

Turn08


9Turn

CW_CL10a 伊巡洋艦「サヴォイア」の主砲が再び英駆逐艦「マッチレス」を捉えた。6インチ砲弾1発が命中。船体に命中弾を浴びた「マッチレス」は最大速度が20ktにまで低下してしまう。
伊第10駆逐隊もその射程距離に英駆逐艦を捉えた。駆逐艦「アスカリ」が最大射程距離から放った主砲弾が英駆逐艦「パートリッジ」に命中。「パートリッジ」は小破する。

Turn09


このTurn、またもや空襲があり、ドイツ空軍のJu88が輸送船「オラリー」の船首方向から急降下爆撃を行ったが、防空軽巡「カイロ」の激しい対空砲火を浴びて撃墜された。

HMS_Cairo


10Turn

CW_DD11a英艦隊はここで決断を迫られることになる。すなわちこれまで同様にダラダラとピストン運動を繰り返しながら時間を稼ぐが、それとも間合いを詰めて反撃に出るか。
前者の場合、被弾するリスクは減少するものの英側からの効果的な反撃は難しく、結局はイタリア側の砲火によってすり減らされていく。
一方後者の場合、被弾のリスクは高まるが、こちらからの反撃も有効性を増してくるので、うまく行けば敵艦を撃破できるかもしれない。仮に撃破できなくても、イタリア側が接近戦を嫌がって非敵方向へ舵を切れば、船団への脅威はそれだけ小さくなる。

英艦隊は熟慮の末、後者を選んだ。伊艦隊への接近である。中破した「マッチレス」は左120度変針で敵から離れる一方、残った駆逐艦4隻はなおもイタリア艦隊への接近を図る。
それに対して伊艦隊も猛烈な砲火で迎え撃った。軽巡2隻による射撃はいずれも「外れ」であったが、駆逐艦からの砲撃が目標を捉えた。命中弾を受けたのは英駆逐艦「パートリッジ」。この被弾により中破した「パートリッジ」は、戦闘能力を失った。
英駆逐艦の砲火が漸く一矢を報いた。駆逐艦「マーン」の放った4.7インチ砲弾が伊駆逐艦「プレムダ」に命中したのである。元ユーゴスラヴィア駆逐艦「ドゥブロヴニク」は、この攻撃により小破したが、なおも戦闘可能であった。

Turn10


Ju88


つづく

3
原城趾を見学 した後、パンフレットにその名前が載っていたので立ち寄ってみた。原城趾から1km強の距離なので、車で行けば2~3分で行ける。
館内は島原半島におけるキリシタンの歴史や天正の少年遣欧使節団の話、その後の為政者によりキリシタン弾圧や島原の乱、さらには島原の乱の後に信仰を守った人たちの歴史が様々な資料や史料と共に紹介されている。
また約12分間のDVDが常時上映されており、島原キリシタンの歴史をわかりやすく紹介してくれている。入館料300円分の価値は十分にある。

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お奨め度★★★

3
210505_ソヴィエト連邦の超兵器

ソヴィエト連邦の超兵器-戦略兵器編

多田将 ホビージャパン

表紙は結構ふざけているが、内容は極めて真面目にソ連の戦略兵器について解説している。
取り上げられているのは、各種弾道弾、潜水艦、水上艦艇である。長距離爆撃機などは「戦術兵器編」で扱う予定なのか、本書では取り除かれている。
本書では、上記戦略兵器について、主に冷戦時代における発展経緯について紹介している。当時は不明であったロシア側の設計名称なども現在では判明しており、逆に我々にとって馴染の深いNATOコードネームは「刺身のつま」程度の扱い。R-36M弾道弾が「SS-18」のことだというのは、Wikipediaで確認しないとわかりませんでした。
本書では我々が良く知っている冷戦時代のソ連兵器についての解説書であるが、当時はあまり知られていなかったこと(例えばソ連が核出力100Mtという巨大な核魚雷を開発し、敵国の港湾攻撃を企図していたことなど)も紹介されており興味深かった。
次に予定されている戦術兵器編も楽しみである。

お奨め度★★★

欧州海域戦_表紙


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
今回挑戦するのは「パンテレリア沖海戦」。「ハープーン作戦」と呼ばれるマルタ島輸送作戦の途中で起こった海戦だ。シナリオの序文からこの戦いの背景を見てみよう。

1942年6月、北アフリカではガザラを巡る戦いが続いていた。地中海中央部に位置するマルタ島は枢軸国にとって北アフリカへの輸送路の障害となっていたが、そのマルタ島も枢軸軍の激しい攻撃によって危機的状況が続いていた。
6月12日、輸送船6隻を伴った輸送船団がジブラルタルを出航してマルタ島に向かった。ハープーン作戦と呼ばれるマルタ島輸送作戦である。船団は軽巡「カイロ」を旗艦とするフォースX(軽巡1、駆逐艦9隻、掃海艇4)によって直接護衛され、さらに間接護衛部隊として戦艦1、空母2、巡洋艦3、駆逐艦8からなるフォースWが随伴した。
対する枢軸軍は航空機、潜水艦による攻撃に加えて戦艦、巡洋艦を含む部隊による迎撃を企図していた。ハープーン作戦と同時に東地中海からマルタ島を目指していたヴィガラス船団を迎撃するため戦艦2、巡洋艦4その他が向かい、ハープーン船団に対してはアルベルト・ダ・ザラ上級少将率いる軽巡2、駆逐艦5からなる部隊が迎撃に向かった。
6月15日早朝、シチリア海峡パンテレリア島沖でハープーン船団とイタリア巡洋艦隊が遭遇した。兵力的にはほぼ互角の両者である。イタリア艦隊はハープーン船団を阻止できるか。


とまあこんな感じの戦いである。戦闘序列(直接水上交戦したもののみ)については、例によってVincent O'Hara氏の 「Struggle For the Middle Sea」 によると、英艦隊が防空軽巡1、駆逐艦5隻、護衛駆逐艦4隻、掃海艇4隻の計14隻。それに輸送船5隻が加わる。対するイタリア艦隊は軽巡2、駆逐艦5の計7隻である。隻数だけを見れば英艦隊が有利だが、英艦隊は輸送船団という足手まといが存在すること、英側の防空軽巡は実質的な砲戦力は駆逐艦クラスと同程度しかないこと、ハント級護衛駆逐艦も対水上戦能力は乏しい事等を加味すると、両者の実質的な戦闘力はほぼ同等だと言える。

なお、シナリオ化するに当たっては、英艦隊のうち水上戦闘力に乏しい掃海艇4隻を戦力外とみなしてシナリオから外した。

Turn00a


1Turn

史実通り英艦隊は麾下の第11駆逐隊に対して速度を上げてイタリア艦隊に向かわせた。この部隊はトライバル級やM級等の新鋭駆逐艦からなる部隊で、英艦隊の中では最も水上戦闘力に秀でた部隊であった。
一方のイタリア艦隊は単縦陣のまま右に60度変針し、英艦隊への距離を詰めていった。

Turn01a


2Turn

CW_CL10a両軍が砲戦距離に入った。イタリアの軽巡、駆逐艦は距離10~14Hex(15~21km)で主砲射撃を開始した。軽巡部隊は英旗艦の防空巡洋艦「カイロ」を狙い、伊駆逐艦は英第11駆逐隊を狙った。しかしいずれも命中弾なし。英第11駆逐隊も距離10~11Hex(15~17km)で主砲射撃を開始したが、これまた命中弾はなかった。

Turn02a


3Turn

CW_DD15a両者の距離はさらに接近し、砲撃は激しさを増した。最初に命中弾を受けたのは英駆逐艦「マッチレス」。M級の新鋭艦だ。「マッチレス」は小破したが、ただではやられていなかった。「マッチレス」の主砲弾が伊駆逐艦「アルフレッド・オリアーニ」に命中したのである。砲塔誘爆を起こした「オリアーニ」は最大速度20ktまで低下してしまう。戦闘続行困難となった「オリアーニ」は列外に離脱していった。
英艦隊はやや距離が遠いが魚雷を発射する。伊艦隊に対する牽制のためだ。

このTurn、イタリア空軍機による輸送船団攻撃が行われた。狙われたのは最後尾のタンカー「ケンタッキー」である。雲間から急降下したイタリア空軍のスツーカは、上手く対空砲火を躱して爆弾を投下したが、狙いが逸れて「ケンタッキー」は助かった。

Turn03a


4Turn

イタリア艦隊は右へ変針して魚雷を躱しつつ英艦隊の後尾に着く態勢となる。しかし変針によって乱れた陣形を英第11駆逐隊は見逃さない。伊駆逐隊の先頭を進む駆逐艦「アスカリ」は2発の命中弾を受けて中破。戦闘力を失う。その後方を進む伊駆逐艦「プレムダ」も命中弾を受けて小破。この時点で駆逐艦3隻からなるイタリア第10駆逐隊は事実上戦闘力を失った。

Turn04a


5Turn

IT_CL7a英第11駆逐隊は右180度旋回を行い、逆順となる。右舷側に見える伊駆逐艦「プレムダ」に対して第11駆逐隊は集中砲火を浴びせた。元ユーゴスラヴィア駆逐艦「ドゥブロヴニク」は、この攻撃により中破し、この時点で文字通りイタリア第10駆逐隊は戦闘力を完全に失う。
イタリア軍もようやく英第11駆逐隊を主目標に変更。軽巡群が第11駆逐隊めがけて射撃を開始した。軽巡「ライモンド・モンテクッコリ」の放った6インチ砲弾2発が英駆逐艦「マッチレス」に命中。「マッチレス」は中破した。

Turn05a


6Turn

IT_DD13b英第11駆逐隊は、逃げる駆逐艦「プレムダ」に集中砲火を浴びせた。この哀れな元ユーゴスラヴィア駆逐艦は、多数の命中弾を受けてシチリア海峡にその姿を没した。両軍を通じてこの海戦で最初の沈没艦である。
伊軽巡部隊は目標を英第11駆逐隊に変更し、距離9Hex(13km)から6インチ砲による猛射を浴びせた。しかしイタリア側にとっては残念ながら命中弾を得られなかった。

PO_DD27aこのTurn、イタリア空軍機による2回目の輸送船団攻撃が行われた。狙われたのはまたもや最後尾のタンカー「ケンタッキー」である。水面すれすれを突っ込んできたサヴォイア・マルケッティSM.79雷撃機に対して、英駆逐艦「バズワース」とポーランド駆逐艦「クヤヴィアック」が4インチ両用砲で激しい対空弾幕を浴びせる。1発が伊雷撃機の至近距離で炸裂した。破片を浴びた雷撃機は炎に包まれて海面に激突した。

BoP02


7Turn

IT_CL10a英第11駆逐隊と伊軽巡部隊が急速に接近する。距離は6Hex(9km)まで近づいて激しい砲火を浴びせた。伊軽巡「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」に駆逐艦の主砲弾2発が命中する。そのうちの1発が通信室に飛び込んで炸裂した。混乱を起こす伊軽巡部隊であった。

Turn07a


8Turn

イタリア軽巡は右へ60度変針し、英駆逐艦との接近戦を嫌う形とする。しかし英駆逐艦は追いすがる。伊軽巡「サヴォイア」にさらに2発の命中弾を与えてこれを小破に追い込んだ。しかしようやくイタリア軽巡の反撃も功を奏し始めた。英駆逐艦「マーン」と「パートリッジ」に伊軽巡の放った6インチ砲が命中。それぞれ小破相当の損害を被った。

Turn08a


9Turn

英駆逐艦は一旦距離を取るべく左へ変針する。そのため両者の距離は6~7Hex(9~11km)まで遠のいた。両軍の射撃は共に外れである。

このTurn、枢軸軍機による3回目の輸送船団攻撃が行われた。狙われたのはまたもや最後尾のタンカー「ケンタッキー」である。上空から鷹のように舞い降りてきたドイツ空軍のJu-88は、低空から2発の爆弾を投下したが、惜しくも爆弾は目標を逸れた。

Turn09a


終了

この時点でいったんテストを終了することとした。この時点でイタリア側の損害は駆逐艦1隻沈没、2隻中破。軽巡1小破。対する英軍は、駆逐艦1中破、2小破である。イタリア軍は優勢な兵力を持ちながら、それを有効活用できていない。序盤に英第11駆逐隊に対して全力で立ち向かうのが正しい戦略であった。また航空攻撃の出目が悪かったのもイタリア軍にとってはアンラッキーだった。

という訳で細部を修正して再度本シナリオにチャレンジしてみたい。

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南島原の原城といえば、島原の乱の際に一揆勢が立てこもった城郭。圧倒的な幕府勢の猛攻を約4ヶ月間耐えたという。そこに行ってみた。

島原の中心地から車で1時間弱。南島原の市街地からさらに奥に行った所に原城跡はある。天草灘に大きく突き出した半島部がその場所だ。国道沿いの駐車場から歩きはじめると、まず攻め手である幕府方の板垣重昌の碑がある。そこからやや狭くなった地峡部も向こうに原城の姿が見えてくる。大きくくぼんだ地形の上に道路が走っているが、道路は後の時代につけられたものかも知れない。

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原城の本丸には石垣に囲まれている。本丸部分はさほど広い場所ではなく、地積は大きくない。ただし海側に突き出しており、海からの接近路は急峻な坂になっている。これは確かに攻めにくそう。当時は沖合からオランダ軍艦による艦砲射撃も加えられたとのことだが、海が結構遠浅なので、吃水の深い艦が近づくのは難しかったのかもしれない。

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散策に要する時間は30分強。駐車場から1kmほど歩く必要があるが、景観は良い上、当時の地勢が比較的よく再現されているので、気分良く歩くことができよう。


お奨め度★★★★

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