もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2021年08月

山伏という名前が特徴的ですが、静岡県安倍川流域にそびえる標高2013mの山です。西には大井川渓谷を挟んで南アルプス南部の山々が聳えるという絶好のロケーション。梅ヶ島温泉からなら日帰り登山が可能ということで、梅雨が明けた暑い夏の日に行ってみました。

登山口は安倍川支流の西日影沢になります。河原沿いの駐車場に車を停めて歩き始めたのは朝の8時過ぎ。西日影沢の向こうには山伏の雄大な姿が見えています。

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駐車場から20分ほど歩いた所に山伏への登山口があります。そこから本格的な登山路になっていきます。
最初は西日影沢沿いの緩やかな登山路です。

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少し登ると古城跡のような石段が見えてきました。ワサビ田跡だそうです。

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大きな滝のようなところを過ぎると最初の目標である大岩に着きます。ここまでの所要時間は約1時間。

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さらに沢沿いの道を登っていき、さらに登ると山肌を縫う細い登山路になります。そこを過ぎると第2の中継点である蓬峠に到着します。ここまでの所要時間は約2時間。

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ここからは最後の急登が始まります。歩いている分にはとにかく大変なのですが、とにかく頑張って歩くだけ。1時間と少しで西日影沢分岐に到着し、そこから15分ほどで山伏の山頂に到着しました。所要時間は3時間15分ほど。コースタイムよりも20~30分ほど短い時間でした。

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山伏の山頂は広くて気持ちよく。南アルプスの山々や富士山が綺麗に見えました。

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帰りは来た道を戻ります。途中で昼食を取ったりしたので、所要時間は2時間45分で下山しました。

感想ですが、思ったよりも手強い山でした。コースタイムが片道3時間程度だったので少し楽な山だと思っていたのですが、標高差が1000m以上は伊達ではなかったです。あとは沢沿いの登山路なので渡渉過所が数か所あり、その分気を使いました。その分、沢沿いを歩くのは別の意味で気持ち良かったです。


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210704_気象と戦術

気象と戦術

木元寛明 サイエンス・アイ新書

気象と戦争の関係について歴史的事例と現代の知見を元に記した著作。取り上げられているテーマは、ワーテルロー会戦、ナポレオンのモスクワ遠征、ノルマンディ上陸作戦、キスカ島撤退、ディエン・ビエン・フー、湾岸戦争等で、降雨、降雪、気温、視程、海象といった気象条件が戦争に与える影響について論じている。戦史に関する記述は比較的簡潔だが、的を射ている。また筆者の実体験(筆者は元自衛官で戦車部隊指揮官)に基づく知見や米軍の教範から得た数値データ等、興味深い。ボリューム自体はやや少なめで短時間で読みこなせる。資料的な価値はそれほど多くはないが、戦争と気象の関係について新たな知見を得ることができる著作である。

お奨め度★★★

210616_世界の艦船

世界の艦船2021年4月

海人社

特集は「中国海軍」。最早手垢の着いたテーマだが、21世紀に入ってからの中国海軍の発展ぶりは、海軍や艦船に興味を持つものにとっては無視できないテーマであることは間違いない。記事の内容は中国海軍と米海軍との比較、中国海軍と海上自衛隊との比較検証、中国海軍の新鋭艦船や艦載兵器等である。また、いつものことながら、巻頭のカラー写真は見ごたえがあり、素晴らしいものであった。

お奨め度★★★

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三陸鉄道は1982年に久慈~宮古間と釜石~盛間でそれぞれ開通。2011年の東日本大震災でJRが旧山田線の一部(宮古~釜石)を三陸鉄道に移管され、現在では盛~久慈間の162kmを結んだ線になっています。この路線は度重なる風水害と特に2011年3月の東日本大震災で甚大な被害を受けて復興が危ぶまれていましたが、現在では全線復旧しています。

この三陸鉄道に先日乗りに行きました。

釜石駅前のホテルで1泊し、翌日は釜石発0546の盛行きに乗ります。釜石盛間はかつては「南リアス線」と呼ばれていた路線で、三陸海岸の美しい風景と喉かな田園風景が魅力です。この地域も例の震災で甚大な被害を被りましたが、今ではかなり復旧が進んでいる様子です。

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約45分で盛駅に到着しました。ここはJR大船渡線との接続駅になっています。しかしJR大船渡線は盛~気仙沼間は現在BRT(Bus-Rail-Train)で運行されており、盛駅のホームも列車の駅というよりもバス停のような風情になっています。BRTの車両を見たかったのですが、残念ながらその姿はありませんでした。

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一旦釜石に戻り、ホテルで朝食。荷物をまとめて釜石発0903の久慈行きに乗ります。この車両は2両編成。しかし後方車両は途中の宮古までなので、前方車両に乗りました。
久慈までは約3時間半の長旅。流石に鈍行列車3.5時間は長旅で、本が旅の友になります。

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途中の宮古駅には1025に到着。ここでようやく半分弱です。釜石~宮古は旧JR山田線で、その頃は釜石~宮古間をキハ110系のディーゼルカーが走っていました。

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宮古駅を出発したのは1040。ここからは以前に北リアス線と呼ばれていた路線になります。所々で海の見える場所があり、特に有名な田本海岸には巨大な護岸設備が見えます。途中でいくつか高い鉄橋の上を走る所があり、景観が良いのでサービスの為に一時停車してくれます。

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久慈には1230頃に到着。NHKの朝ドラ「あまちゃん」で有名になった町です。ここからはJR線になり八戸線で八戸を目指します。さっきまでの1両編成とは違い、今度は2両編成でしかも新型車両。それでも乗車率はさっきの列車を上回っていたので、JR線は美味しい所だけを残したなぁ・・・。
八戸線も海の近くを走る路線で、所々に見える海岸風景が見事です。一番の魅力は八戸市街の手前にある種差海岸。残念ながら列車の窓からは木々や家々が邪魔になり、良い写真は得られませんでした。

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八戸到着は1450頃。釜石からの所要時間は約6時間というロングコースになりました。本来ならば気仙沼あたりを基点にして、北東北の海岸線を完全制覇としたかったのですが、それでも三陸鉄道は全線制覇できたので、大満足でした。

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システム紹介

The Battle for Germany(以下、本作)は、2021年に米国Compass Gamesが発表したシミュレーションゲームだ。テーマは1985年8月を想定した西ドイツにおけるワルシャワ条約機構(WTO)軍とNATO軍の対決。1Turnは実際の1日、1Hexは12kmに相当し、1ユニットは連隊~師団規模になる。

本作は非常に難解かつユニークなシステムを採用している。ルールブックを読んだだけでは全体の概念が理解できないだろう。ルールの概略を理解し、数名で実際に駒を動かしてプレイしてみて、さらに疑問点を確認し、解消するというプロセスの中で少しずつルールを理解していくという地道な作業が不可欠になる。

基本的なシステムは、移動、戦闘の繰り返しとなる。全てのユニットは1Turnに1度移動、戦闘ができる、というのは他の一般的なウォーゲームと同じ。また1つのTurnが同じ手順からなる2つのプレイヤーターンからなる、というのも、多くの陸戦ゲームに見られる基本的なスタイルだ。
本作のシステムをしてユニークたらしめているのは、移動、戦闘の手順だ。多くのウォーゲームでは、移動可能な全てのユニットが移動した後、戦闘を1ヶ所ずつ解決していく。あるいはユニットやスタック単位で移動・戦闘を逐次解決していくようなシステムもある。本作はその両方の特徴を取り入れたものになっている。
手番プレイヤーは活性化する司令部を選択し、その麾下にあるユニットの中から規定数以下のユニットを活性化させる。活性化させられたユニットは、一斉に移動し、戦闘を解決する。それが終わればまた別のユニットたちを移動、戦闘させる。そのようにして希望する全ユニットの活性化が完了するまで繰り返す。その間相手プレイヤーも望めば未活性のユニットを活性化させて予備移動を実施できる。

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WG_11PG_32PG戦闘ルールもユニークだ。一言で言えば「お互いにダイスを振り合って大きい目を出した方が勝つ」というもの。ただしこのダイス目に様々な修正が加わる。彼我の戦闘比も地形効果もダイス目修正要素に過ぎない。 様々な支援は自軍のダイスを有利にするものだが、主要なものは、AFVによる支援、砲兵支援、航空支援等がある。特にユニークなのがAFVによる支援である。ユニットには、それぞれのユニットが装備するAFVが2種類記載されており、主装備(primary)と副装備(secondary )とされている。装備はAFVの車種名(レオパルド2とかBMPとか)が記載されている。戦闘の際には、攻撃側、防御側がそれぞれ支援に投入するAFVを宣言し、D10を振る。その出目がAFVの支援値以下なら支援が成功で戦闘時に有利なDRMが得られる。支援値の大小が装備の優劣を現しており、優秀な装備は支援値が高い。さらに支援値の高いAFVは、相手の支援値を減らすこともできたりする。
先にも述べたように、戦闘には様々な支援があり、その成否を判定する必要があるので、1度の戦闘で両軍が合わせて10回以上ダイスを振り合うことも珍しくない。そんなこんなで戦闘自体は非常に時間がかかる。戦闘ルール自体も大ボリュームで、陸戦ルールを示す7.7項だけでルールブック全体の20%弱を占めている。

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BE_Air_Group1_F16航空戦ルールについては、基本的にはGDW社の名作「The Third World War」(以下、TTWW)に近いシステムで、双方が任務を割り振った後(AWACS優勢を持つ側が後で任務を決定できる)、まず制空戦闘を解決。制空戦闘が終わった後で、条件を満たせば、他任務の航空機を戦闘機で射撃できる。制空戦闘は、空戦力の高い機体が順番に射撃していき、空戦力が同じならAWACS優勢を占めている側が先に射撃できる。空戦力はF-15の9が最強で、F-18とMiG-29が8、F-16が7・・・となっている。ちなみにTTWWと違う所は、制空戦闘で一方が全滅しない限り、他任務に投入している敵機を攻撃できない。従って航空戦で劣勢なWP側も、爆撃任務機を守るために制空戦闘機を上げておく必要がある。逆に制空戦に勝利して敵機を一掃すると、宣伝効果で1VPを獲得できる。
航空機による攻撃任務には、近接支援、飛行場攻撃、インフラ攻撃、SAM制圧がある。SAM制圧が任務化されている点、21世紀のゲームらしい所。SAMはかなり強力(何もしなければ攻撃機を40%で撃墜、撃退できる)なので、自軍航空兵力の損失を低減するためには、SAM制圧任務の実施が必要となる。

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取り敢えずプレイしてみた

今回は練習ということで、シナリオ3「THE BATTLE FOR NORTHAG」(北部軍集団の戦い)をプレイした。北ドイツ平原を巡る戦いを扱ったシナリオで、開戦から最初の6日間を描く。今回は4人でプレイし、私はNATO軍の一部を担当した。

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今回は約8時間のプレイで最初の2Turn分をプレイした。WTO軍はハンブルグを攻めて西ドイツ軍を拘束しつつ、その南ではハノーヴァー前面で英ライン軍団(BAOR)がWTO軍と激闘を交えている。そんな所で今回はお開きとなった。

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時間がかかった原因は、細かいルールが多くその確認に時間がかかったこと。さらに1ユニット1ユニットで選択肢が多く、何をするかで迷った事等が時間のかかった要因である。ルールに慣れればもう少し時間を短縮できると思うが、1Turnあたり2~3時間はかかると思う。

結論

今回はホンの「触り」をプレイしただけなので、ゲーム展開についての論評は差し控えたい。システム的には細かいルールが多く手間がかかるが、決してプレイ不可能ではない。細かいルールも現代戦の雰囲気を感じさせるものであり、手間に見合う価値はあるように感じた。機会を見つけて再戦してみたい作品である。

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