もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2022年02月

3
220108_山と渓谷202112

書籍紹介「山と渓谷2021年12月号」

特集は「雪山登山の教科」。初心者向けの雪山(例えば雲取山や丹沢、北横岳等)は排し、最小限でもピッケルを使う必要がある山を対象にした雪山特集になっている。ノウハウ編では、雪山での歩き方、アバランチギア(雪崩発生時の救助キット)の使い方等、内容的には中級以上となっている。私にはまだ手が届かない領域の話ばかりだったが、内容的には面白かった。紹介されているコースは、黒斑山、蓼科山といった初級の山々から、硫黄岳、安達太良等の中級の山、さらには北アルプスや南アルプスといった上級向けの山々も紹介されており、読み応えがあった。

お奨め度★★★

Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

本作については、以下の紹介動画も参考にされたい。




前回までの展開 --> こちら

1Turn後半(開戦2日目)

両プレイヤーとも12OPを使用。これで両プレイヤーのOPは共に15OPとなった。
SO_SSN_Victor3 ソ連軍としては米空母部隊を何とか始末したい。否、始末とは行かなくても空母の1隻でも損傷を与えれば、攻撃力を殺ぐことができる。そう考えてソ連軍プレイヤーは最強のヴィクター3型SSNを「米空母キラー」に差し向けた。その優れた戦術支援値+1と65式重魚雷の存在は、上手く行けば米空母に一撃必殺を見舞うことができるはずだ。しかも手元には秘密兵器"Stealthy Approach"がある。旨く行けば驕り高ぶった米空母を大破させることができるかもしれない。
乾坤一擲の想いを込めて振ったソ連側ダイスは3,5,8.無情にも米空母には届かなかったが、それでも米艦隊のASWを"Stealthy Approach"で躱し、護衛艦艇に1ステップロスを強いた。

Turn01d


重魚雷搭載のヴィクター3型は米空母部隊にとっても十分な脅威である。ソ連軍としてはその能力を全面的に活用し、米空母殲滅を狙うべし。逆に米軍は哨戒潜水艦等を駆使してヴィクター3型が空母部隊に近づく前にそれを阻止撃破すべし。

ここでちょっと「ズル」(宇垣裁定)をし、North7-8に配備されているアルファ級をヴィクター3型に変更した。

US_STK_A6_S NATO側としては上記の「ズル」によってさらにヴィクター3型の脅威に晒されることになったが、逆に米空母が健在な間にソ連艦隊を撃破すべく、2回目のアルファストライクを実施した。今度はソ連側に迎撃機がないため、F-14の護衛はつけず、爆撃機とその支援機のみからなる攻撃隊である。再び200発のHarpoonが大空を埋め尽くす。
ソ連側の防空戦闘によって約70%のHarpoonが無効化されたが、約60発のHarpoonがソ連艦隊に迫る。打撃巡洋艦「キーロフ」はさらに数発のHarpoonを受けたが、何とかこれに耐えた。しかしより小型のスラヴァ級ミサイル巡洋艦はさらに数隻沈没した。そして最も痛かったのは、揚陸部隊が壊滅してしまったことだ。これにより、ソ連側が当初目論んでいたノルウェーの電撃占領は頓挫した。

ソ連側のノルウェー方面への作戦軸として、北部ナルヴィクへの進攻と中部トロントヘイムへの進攻の2種類がある。効果が大きいのはトロントヘイムへの上陸だが、安全なのはナルヴィクへの上陸だ。どちらが良いかは判断が難しいが、より堅実なプレイを目指すのならナルヴィク進攻が無難ではないかと思う。ナルヴィクへの上陸に対して米空母が攻撃を試みる場合は、GIUKラインを突破してノルウェー海へ進出する必要がある。それは米空母にとってもかなりリスクの高い行為になる。
トロントヘイムへの上陸に対して米空母が対応するためには、今回のようにGIUKラインの「向こう側」から攻撃を仕掛けることが可能になる。ただし、GIUKラインの外側が「絶対安全」という訳でもないので、米空母を引きずり出す「餌」という意味でトロントヘイム上陸は有力な手段と言えるかもしれない。


Turn01e


無論、ソ連側としてもこのまま米空母を逃がす気はない。先ほどの「ズル」によってアイスランド近海に姿を現したヴィクター3型攻撃原潜(SSN)が米空母部隊に襲い掛かったのである。数本のType65魚雷が2隻の米空母の航跡を捕まえた。しかし次の瞬間、米海軍の護衛艦群が身を挺して魚雷を防いだのである。爆沈する米護衛艦艇。唖然とするソ連側艦長。そこに米対潜部隊の報復攻撃が降り注いだ。ヴィクター3型の艦長達は、まるでデスラー砲を跳ね返されたデスラーのような気分になったのであろう。しかしその感慨が長く続くことなく彼らは海中に没した。

要するにNATOがASWダイスで10の目を3個出したので、カードを使ってもヴィクター3型を救えなかったのである。

ソ連軍は大西洋を東へ向かうNATO船団に目をつけた。空中給油機により航続距離を延伸されたTu22バックファイア2個戦隊(約48機)でNATO船団を襲う。先ほど大活躍したスペイン空母「デダロ」からシーハリアーが迎撃の為発進していく。

Turn01f


シーハリアー隊はまたもや奮戦し、バックファイア12機をミサイル発射前に叩き落した。それでもバックファイは70発以上の対艦ミサイルを発射。10発以上が命中し、カナダ海軍の駆逐艦やフリゲート艦計8隻が犠牲となった。

その直後に襲撃してきたフォクストロット型潜水艦が遂に「デダロ」を仕留めた。バックファイアのミサイル攻撃により弱体化した防御スクリーンを易々と突破したソ連海軍フォクストロット型潜水艦は、「デダロ」に魚雷3本を命中させたのである。栄光に包まれたこのWW2型軽空母は、全艦炎に包まれながら、大西洋にその姿を没した。

USS_Princeton


米本土東岸近海では、米海軍の対潜部隊がソ連弾道ミサイル潜水艦(SSBN)群に対する掃討作戦を実施した。裏では激しいスパイ合戦が行われ、スパイを駆使して米対潜部隊をソ連側SSBN群が躱していく。さらには無反響コーティングによる無音化によって米攻撃原潜や対潜哨戒機による攻撃を回避した。結局、この時点で米本土沖に展開するソ連SSBN群に被害はなし。ただし米本土におけるソ連側スパイ網は、FBI/CIAの激しい情報戦によって壊滅状態に陥った。

Turn01g


以上で第1Turnの全アクション終了。戦争トラックの進展、FSP(第1撃ポイント)の取得等を行う(FSPが0から1になる)。その後天候を決定。North7-8が悪天候になった。最後にカードを引き直してTurn終了となる。

Turn01h


つづく

3
220106_後期日中戦争

後期日中戦争

広中一成 角川新書

本書は1941年12月以降の日中戦争を扱った戦史である。太平洋正面の戦いとは違い、日中戦争はいわば「忘れられた戦争」であり、日本軍にとっても連合軍にとっても中国戦線は主戦線ではなかった。日中戦争全体についても盧溝橋事件や南京虐殺、あるいは零戦絡みで重慶爆撃戦などはそこそこ有名ではあるが、それ以外の戦いは殆ど知られていない。本書はその「忘れられた戦争」である1941年12月以降の日中戦争について、そこで主役をつとめた第3師団の戦いを軸に描いている。
本書で取り扱うのは、長沙作戦、常徳会戦、大陸打通作戦など計5つの戦いである。筆者はこれらの戦いについて全般的な流れを記すとともに、日本軍による細菌兵器や化学兵器の使用、日本軍による虐殺についてもページを割いている。
本書は決して日本軍の悪行を糾弾する著作ではない。とはいっても日本軍万歳的な著作でもない。どちらかといえば日本軍に対して批判的な立ち位置ではあるが、イデオロギーに偏することなく戦場での事実を淡々と描き進んでいる。そういった意味で好感が持てる著作であった。
日中戦争に興味のある向きには一読をお奨めしたい作品だ。

お奨め度★★★

Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

本作の概要については、以下の動画でも示されているので、参照されたい。



今回、VASSALによるソロプレイにチャレンジしてみることにした

前回までの展開 --> こちら

1Turn前半(開戦1日目)

ソ連側は15OP、NATOは12OPを使用する。

SO_SSGN_Echo2ソ連軍は旧式のエコー2型原子力ミサイル原潜(SSGN))3ユニットで英本土の航空機にミサイル攻撃を仕掛ける。出目よく2Hitと2附帯損害。ヒット数が偶数なので防御側であるNATO側が損害を適用する。ニムロッド哨戒機が1ユニット消滅した。
さらに別のエコー2型SSGN2ユニットが英本土南部の港湾施設を巡航ミサイルで攻撃。1打撃を与え、在泊中の英海軍対潜フリゲート艦数隻を撃沈破した。
NATOは、カード#27"Fighters to Norway/Denmark"で米本土に待機していたF-15 Eagle 1ユニットをノルウェーに送り込んだ。しかしこれはかなりリスクの高い「賭け」である。

SO_FTR_MiG31ソ連軍はなおも英本土を叩くべく巡航ミサイルを搭載したTu22バックファイア3ユニットで英本土を攻撃。護衛にはソ連最強のMiG31とMiG25が随伴する。ノルウェー海上空では英空軍のファントム戦闘機がこれを迎え撃つ。西側技術を流用して作られたソ連の新型空対空ミサイルは容赦なくファントムを粉砕し、ファントム1ユニットが海の藻屑となった。しかしファントム隊も奮戦し、MiG25 1ユニットを撃破した。 そしてパトロール機の急報を受けて英本土から予備のファントム隊が発進する。空戦の結果は激しいものとなり、英空軍のファントム1ユニットが撃墜されたが、MiG31、Tu22各1ユニットがステップロスしてしまう。
肝心の巡航ミサイル攻撃については、合計5ヒットを与えて英本土の空軍基地は壊滅的打撃を被った(ただし累積ヒット数は最大5まで、6.10.4参照)。しかしソ連側も長距離護衛戦闘機はほぼ全滅、貴重な長距離爆撃機1ステップを失うという手痛い打撃を被ってしまう。

Turn01a


上記で空中給油機でソ連戦闘機の航続距離を延伸させたのはルール違反であった。エラッタにより空中給油機によって航続距離を延伸できるのはSTKユニットのみとなっていた。途中で気づいたが、手遅れだったので、そのまま進めることとする。

NATO側は手薄になったノルウェー海の制空用に、ノルウェーに進出していた米空軍のF-15を発進させる。さらに空母5隻を擁する米英連合の大機動部隊が英本土西方海域に進出してきたので、ソ連側はキロ級潜水艦の一帯をBIUKギャップを抜けて攻撃に差し向けた。が、雷撃は失敗に終わる。

NO_MP_P3C NATO側はノルウェーに近づくソ連上陸部隊を叩くべく、まずはノルウェー空軍のP-3Cオライオンを発進。ソ連軽空母「キエフ」を発進してきたYak38フォージャーの迎撃を掻い潜ってソ連上陸部隊を発見した。空母2隻(「キエフ」「ミンスク」)、原子力打撃巡洋艦「キーロフ」、その他、スラヴァ級、カラ型、キンダ型等の巡洋艦、ソブレメンヌイ級、ウダロイ級の駆逐艦等、40数隻の水上戦闘艦と、それに護衛された水陸両用戦闘群からなる。総勢100隻近い規模の大艦隊だ。ソ連海軍最強の水上部隊だ。

US_FTR_F14_Ken英本土西方に接近した4隻の米空母からは200機近い大攻撃隊が続々と発進。ノルウェーを目指すソ連艦隊に攻撃を仕掛けるためだ。ソ連艦隊の空母2隻からはなけなしのYak38フォージャーVSTOL戦闘機が飛び立つ。

「敵わぬまでもせめて一太刀」

そう思ったのか・・・。
しかし所詮VTOL戦闘機。本格的な世界最強級の空対空戦闘能力を誇るF-14トムキャットの敵ではなかった。フォージャーは全機撃墜され、米攻撃隊は無傷のままソ連艦隊をHarpoon空対艦ミサイルの射程距離内に捉える。
一斉に発射されたHarpoonは約200発。まさに飽和攻撃を絵に書いたような攻撃だ。ソ連側の対空防御は奮戦し、Harpoonの80%以上を撃墜又は無力化したが、それでも40発弱のミサイルがソ連艦隊に殺到した。
打撃巡洋艦「キーロフ」には3発以上が命中し、「キーロフ」は大破してしまう。スラヴァ級などのミサイル巡洋艦4隻が撃沈破、揚陸艦艇も10隻以上が海の藻屑と消え去った。

Turn01b


SO_MP_Tu95D ソ連軍は大西洋を進むNATO船団を攪乱すべく長い航続距離を誇るTu95ベアの対艦ミサイル搭載型でアゾレス諸島沖のNATO船団を襲った。この船団は、スペイン海軍の軽空母「デダロ」と数隻のスペイン海軍フリゲート艦が護衛していた。軽空母「デダロ」といっても元々はWW2で活躍した米海軍のインデペンデンス級軽空母「カボット」であり、この時点では完全に旧式装備であった。

SNS_Dedalo_(R01)_underway


「こんな弱体な船団なんぞ、鎧袖一触」

SP_FTR_SHarr ソ連側攻撃編隊はそう思っただろう。
しかし「デダロ」搭載のシーハリアーは思いの外善戦した。偶々付近をパトロールしていたシーハリアー2機のペアは、北方から接近する24機のTu95ベアを発見した。ターボプロップながらも高速のベアは、亜音速機であるシーハリアにとって戦いやすい相手ではない。シーハリアは慎重に爆撃編隊の右後方に占位し、AIM-9サイドワインダーミサイル計4発を発射した。ミサイルは狙い違わず4機のベアを直撃。全く間に4機を葬った。
さらにシーハリアーは30mm機関砲でベアの編隊へ肉薄。さらに3機を葬り、数機がミサイルを投棄して離脱していく。僅か2機のシーハリアーがベアの半数を無力化したのである。

Turn01c


残ったベアは対艦ミサイルを発射。30発弱が発射され、正常飛行したのが21発。決して少なくない。スペイン艦隊の各艦は懸命に対空ミサイルでこれを迎え撃つ。さらにチャフを巻き散らし、妨害電波でミサイルのセンサーを無力化する。それでも近づいてくるミサイルに対しては、短SAM、速射砲、そして最後の砦ヴァルカン・ファランクスが火を噴く。
結局ベアの放った対艦ミサイルは1発も目標を捉えることがなかった。

こうして大西洋の熱い1日は過ぎていく。しかし、まだ開戦初日である。

つづく

4

220102_NewType

NEWTYPEの時代

山口周 ダイヤモンド社

かつて多くの人々を魅了した共産主義であったが、ソビエト連邦の崩壊によってその化けの皮が剥がされ、資本主義を前に完全な敗北を喫した。とはいえ、勝利した資本主義も決して万能ではなく、地球環境問題を初めとする様々な問題に直面している。
筆者は現在我々が直面している地球的な課題の真因を資本主義システムに求めつつ、資本主義システムそのものは肯定しながらもその中での人間の行動様式を変えることで資本主義社会が直面している課題の解決を目指している。そして筆者は、かつて資本主義社会では賞賛されつつも今では無価値となりつつある行動様式を「オールドタイプ」と定義し、逆にかつては資本主義社会であまり賞賛されなかったが今ではより望ましいと思われる行動様式「ニュータイプ」と定義。それぞれの特性を論じている。
本書の内容を要約すると、「生産性向上へのあくなき取り組みは問題を拡大再生産している」「量よりも質を求めよ」「解決策よりも課題設定が重要」「論理だけに頼らずに直感を重視せよ」「ルールに従うのではなく自らの価値観を持て」「経験の大小は意味を失う」「リーダーシップは権威からではなく問題意識から生まれる」等
筆者の主張は理解できるし、現実に起こっている出来事を見ると、筆者の主張を首肯させられる面も多い。しかし私自身は筆者の主張にどうしても同意できない部分、あるいは違和感のようなものが拭えなかった。それは何か。
筆者はスティーブ・ジョブス、チェ・ゲバラ、キング牧師といった人々を所謂「望ましい人格」の事例として挙げている。しかし果たしてそうだろうか?。彼らは確かに「成功者」であったかもしれないが、筆者が危惧する「資本主義社会の歪み」の解決に寄与したとは必ずしも言えない面がある。逆にナポレオンやヒトラーを筆者は評価しないようだが、もし彼らが「成功者」であったら筆者は無批判に評価したのか?。あるいは「成功者」とも評価できる毛沢東や金正恩についてはどのような評価を下すのか?。
結局の所、筆者の主張は特定個人の様々な側面から、筆者の主張する特定の面のみ取り上げ、そのことにより自身の主張を代弁させているように思える。そういった意味において筆者の主張は表面的かつ独善的であるとも言えよう。

お奨め度★★★★

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