もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2022年05月

羽田から新千歳空港へ

冬休み初日。早朝の羽田空港は大混雑である。オミクロン株という新たな脅威が迫り、諸外国では軒並みコロナ感染が再爆発しつつある中、少なくとも表面上は我が国のコロナ禍は一段落しつつある。(この記事は2021年12月29日に書いている)
「この機会を逃さず」
と思うのは誰もが同じ。かくいう私も慣れない航空会社のチェックインにとまどり、危うく乗り遅れる所であった。

私が乗ったのはAirDoの0650発新千歳行き。機内は「ほぼ」満席状態だったが、完全な満席状態ではなかったらしい。旅行者が増えてきたとはいえ、やはりコロナの影響はまだまだ健在という訳か・・・。眼下を見ると、初冬の首都圏が朝日を浴びて綺麗に見える。

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しばらく飛行すると、眼下に雪に染まった山々が見えてくる。大きな平地は米沢盆地か?。しばらく飛行すると雲が出てきて下方の地形が見えなくなる。気が付くともうそこは北海道。飛行機は新千歳空港へのファイナルアプローチに入っている。

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新千歳空港から小樽へ

新千歳空港には定刻より約20分遅れて到着した。空港に直結した新千歳空港駅に出て、0906発の快速「エアポート」に乗る。この列車は札幌経由で小樽へ直行する。札幌までもそこそこ人が乗っていたが、札幌から小樽までの方が客が多かった。まるでラッシュ時のような状況。恐らくその大半が小樽への観光客なのであろう。私は新千歳空港から座りっぱなしだったので、車中の喧騒を尻目に外の景観を楽しんでいた。

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小樽から余市へ

小樽にはほぼ定刻の1020頃に到着した。乗り換え時間が少しあったので、駅の外に出てみる。

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次の列車は小樽1053発の倶知安行きである。ローカル線の鈍行列車。ガラガラというイメージが強いが、この路線はいつも混んでいる。混み具合というのは旅客需要を輸送容量で割算した結果である。旅客需要に合わせて輸送容量を減らせば、混雑度はそう変わるものでもない。

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幸い座席は取れたので座っていく。この路線。景観が良いのは倶知安付近から南の方になるのだが、今回の目的地余市まではそれほどビックリするような景観がある訳でもない。
30分ほどの乗車時間の後、列車は余市に到着した。

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つづく

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220320_デスゾーン


デス・ゾーン-栗城史多のエベレスト劇場

河野啓 集英社

栗城史多という登山家の名前は知っていた。またその彼がヒマラヤ山中で遭難死したことも知っていた。しかし彼がどのように死んだのか、また彼の登山歴がどのようなものだったのかについては詳しく知らなかった。入院中、彼が4度目のエベレスト登山で凍傷によって右手親指を除く9本の指を失った事を知り。さらにその後も山の登り続けていたことをネット情報で知り、俄然興味が湧いてきた。
本書は、栗城史多という登山家が、どのような生い立ちで登山を志し、どのような登山を行ったのか。そして周囲はそれをどのように見ていたのか。さらに言えば、彼の標榜していた「無酸素単独登頂」の実態がどのようなものであったのか。多くの証言や映像情報等を通じて明らかにしていくノンフィクションである。ネット時代の寵児ともてはやされ、一時は時の人となっていた栗城史多。しかし彼の内面には深い闇があった。それが何であったかは本書を読めば明らかになるだろう。

お奨め度★★★

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歴史問題は解決しない:日本はこれからも敗戦国でありつづける理由

倉山満 PHP文庫

本書はなぜ日本において歴史問題は解決しないかを記した著作である。本書は歴史問題の解決方法を記した著作ではない。そうではなくて歴史問題の解決が困難な理由を記したものである。本書曰く、ウェストファリア体制によってヨーロッパで確立した限定戦争の思想。それはヨーロッパ人によって都合の良い身勝手なものであったが、明治以降の日本はその思想(「文明」を言い換えることもできる)を受け入れ、模範生となった。しかしウェストファリア体制を受け入れないアメリカ、ロシア、中共が世界の大国を占めた時、限定戦争は無制限戦争に変わった。そこには敵を犯罪者と捉え、戦闘員と非戦闘員を区別しない野蛮な戦争(「聖戦」と呼び変えることもできる)を引き起こした。そこに戦時と平時の区別はなく、そのことは日本に対するアメリカの戦後政策がそれを如実に著わしてる。
本書の主張がどこまで正しいかは判断に迷う所だが、歴史問題の本質を考える際に参考となる著作とはいえるだろう。

お奨め度★★★

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横浜駅西口から徒歩10分。岡野の交差点近くにあるラーメン屋さんです。
北海道風ラーメンとのこと。
私はつけ麺を注文しました。
ツルツルで太目の麺に暖かいつけ汁。美味しいつけ麺の定番です。つけ汁の中には何やら怪しげなものが、と思ったら、くたくたに柔らかいチューシューでした。美味しかったです。
トッピングの卵を付けて940円という価格も良心的で、何度か訪れてみたいと思うお店でした。

お奨め度★★★


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TS

Twilight Struggle(以下、本作)は、米GMT社が2005年に発売したシミュレーションゲームだ。本作は、WW2終了直後から1989年冷戦終結までの約30年間にわたる約半世紀の冷戦時代を扱う。全10Turnなので、1Turnは実際の4~5年間に相当する。プレイヤーは米ソそれぞれの首脳を演じる。

今回は、本作をVASSALでソロプレイしてみた。以下はその記録である。

前回までの展開 --> こちらく

8Turn

Card107_チェゲバラこのTurnから終盤戦に入る。一旦捨て札を山札に戻し、終盤戦カードを加えてシャッフルし、デッキを再構築する。
ヘッドラインはソ連が「東南アジア得点」、米が「ベイルート米海兵隊兵舎爆破」。双方とも自軍に不利なカードであったが、イスラエルの支配権を失い、米軍の方が不利益が大きかっただろう。

米側は「ヨハネ・パウロ二世の教皇選出」でポーランドの共産党一党支配に楔を打ち込む。ソ連は直ちに反応してポーランドでの反政府運動を鎮圧するが、さらに米国は西ドイツにも楔を打ち込み、ヨーロッパでのソ連側の優越に

アフリカ、南米では、「チェ・ゲバラ」がアフリカ、カメルーンでクーデターを起こして現政権を転覆。さらに南米ウルグアイでもクーデターを起こすが、こちらは政権転覆には至らず。

このTurn終了時点でのVPは米側11点

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9Turn

Card26_CIAの工作このTurn、ソ連側に得点カードが3枚やってきた。「欧州」「中東」「南米」である。作戦ポイントを使って地歩を広げたいソ連側にとって、あまり嬉しい状況ではない。しかし欧州で有利な状況を作り出し、得点差を縮めるという意味ではチャンスでもある。
ヘッドラインはソ連が「スエズ動乱」、米が「CIAの工作」。ソ連側の意図としては「スエズ動乱」でフランスの支配を崩し、欧州で優越を得た上で、「欧州得点」カードを出してVPを稼ぐ魂胆である。 しかし米側が「CIAの工作」を出したことでその意図はほぼ露呈してしまう。ソ連側としては苦々しい展開だ。




Turn09a


ソ連側予定通り「欧州得点」を出して5VPを獲得。得点差を詰める。その後焦点は南米と中東に。まずアメリカが「フンタ」でペルーの親ソ政権に揺さぶりをかけた後、クーデターで政権転覆を狙うが、これは失敗。一方のソ連は3OPでベネゼエラでクーデターを仕掛けて政権転覆に成功した。それに対してアメリカは積極的な対抗手段には出ず、4OPを使ってフランス、イスラエル、ウルグアイで政権固めを行う。
ソ連が「南米得点」カードで空しく得点を数えているのを尻目に、アメリカは「ウスリー川紛争」でソ連の生命線ともいうべき北朝鮮とアフガニスタンに浸透を開始する。

Turn09b


当然ソ連側もこの動きは対処せざるを得ず、北朝鮮に2OPを使って支配固めをする。しかしアメリカも強力な4OPカードで金王朝に圧力をかけ続ける。結局カードの差がモノを言って最終的に金王朝は倒され、北朝鮮に親米政権が樹立した。

このTurn終了時点でのVPは米側8点

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Card100_ウォーゲームちなみにこのTurn、米側に「ウォーゲーム」カードが来ていた。米側はこれをイベントとして発動することにより即座にゲームを終わらせることができる。そしてその場合、VP差でアメリカが勝利できたことはほぼ間違いない。対人戦であれば間違いなくそうしていただろう。しかし今回はソロプレイなので、最後まで見てみたい気持ちがあったので、あえて最善手は採らなかった。







10Turn

Card89_大韓航空機撃墜最終Turnである。既に大勢は決しているが、ソ連としてはどこまで盛り返せるか・・・。
ヘッドラインはソ連が「アンドロポフ書記長への手紙」、米が「大韓航空機撃墜」。ソ連側はささやかなVP獲得を狙ったカードである。一方のアメリカは強力な火0度を序盤に使用した。「大韓航空機撃墜」カードは非常に強力なカードであるが、デフコン値を下げてしまうという副作用がある。つまりデフコン値2の時は核戦争の引き金になるので使えない。現在のデフコン値は3であり、ソ連側がクーデター等でデフコン値を下げる可能性は高い。そこでその前に使ってしまおうという魂胆だ。
因みに、もしこの時ソ連側がデフコン値を下げるようなカード(例えば「オリンピック開催」)を使用した場合、デフコン値が一気に1まで下がって核戦争になる。この場合、最終的な核戦争の原因となるカードを使った側(この場合はソ連側)が敗北になるので、アメリカとしては痛くはない。もっとも、ゲームが「核戦争勃発」で終わってしまうのは、両プレイヤーにとってあまり気持ちの良いものではないと思うが・・・。

核爆発


アメリカが西ドイツで攻勢を強めてくる。それに対してソ連は対応せず、「イラン革命」で中東での勢力拡大を図る。アメリカは「ジハード」カードを「国連調停」で無効化し、4OPを使って一気に西ドイツ支配を固める。
ソ連はそれに対抗せず、宇宙開発に精を出す。「小さな一歩」を月面に記したのはソ連の宇宙飛行士であった。年齢的に見てガガーリンではないと思うが、1980年代で現役バリバリの宇宙飛行士と言えば・・・、ま、誰でも良いか・・・。
さらにソ連はなけなしの3OPカードを使ってスペースシャトルの打ち上げを試みる。成功すれば4VPと結構大きな得点になるが、出目に恵まれず失敗。ソ連邦存続の夢を賭けた宇宙往還機は無残にも爆散した。

シャトル爆発


その間、アメリカは「パナマ運河を返還」し、パナマ、コスタリカの親米政権を支援。ベネゼエラの共産政権に圧力をかける。さすがにベネゼエラをソ連としても無視できず、こちらに影響を行使する。するとアメリカは今度はヨーロッパに影響拡大。デンマークを親米化する。
ソ連は一か八かの「サミット」を開催。それが奏功してソ連が2VP獲得。その後は中米とヨーロッパで勢力争いになる。劣勢なソ連側は、それでも中米で拮抗を維持したが、ヨーロッパでは東ドイツで親米政権樹立(ベルリンの壁崩壊か?)、ポーランドでも共産党の一党独裁が揺らいだ。

Turn終了時点でのVPは米3VP。その後最終結果判定でヨーロッパはアメリカ優勢(+8)(カッコ内の数値は当該地域における勝利得点の差分、主戦場国や隣接国支配の修正は適用済み)、アジアはアメリカ支配(+13)、中東はソ連支配(-4)、アフリカは拮抗(-1)、中米は拮抗(+1)、南米は拮抗(0)。最終結果は米20VPとなり、史実通り冷戦に勝利したのはアメリカ合衆国であった。

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感想

Card94_チェルノブイリまずはルールについて。
今回もいくつかのルールミスを犯した。一つは敵側イベントの発動について。敵側イベントが発動した際、その効果を適用するのはカードを使わなかった側なのだが、それを逆にして適用してしまった。
例を上げよう。「スエズ動乱」というソ連側に有利なカードがある。このカードでイベントが発動した場合、イギリス、フランス、イスラエルのいずれから合計4ポイントの米国側影響ポイントを取り除かなければならない。この時、仮にカードを使ったのがアメリカプレイヤーだったとしても、どこの国から取り除くかを決めるのは、常にソ連側プレイヤーになるということだ。そこを間違えて「カードを使ったプレイヤーが選択する」としてしまった。途中で気が付いて修正したが、序盤、ソ連が有利な時に間違ったルールを適用したから、ソ連側に不利に働いたことは否めない。

もう1つはカードの効果だ。いくつかのイベントカードには、そのカードを無効化するカードが設定されているのだが、あるイベントカードを出した時に既に無効化するカードが有効だった場合、イベントは無効化されるのだろうか?。
例を上げよう。「NORAD」というカードは、「ベトナムの泥沼」が有効になった時点で無効化される。では、既に「ベトナムの泥沼」がイベントとしてプレイされた後に「NORAD」をプレイした場合はどうなるのだろう。
この点、最初は「無効化しない」としてプレイしていたが、ルールを読むとやはり「無効化される」が正しいようだ。この間違いも少しばかりアメリカ側に利していたように思う。

ゲームとしては素直に面白いと思う。まず設定が秀逸。1945~1990年の冷戦時代。それを皆が良く知る歴史的事件(例えば「大韓航空機撃墜」「朝鮮戦争」「ベルリン封鎖」等)をゲーム上で再現でき、しかもルールが簡単でエキサイティング。ゲームとしての面白さと歴史ゲームとしてのフレーバーが上手く調和した作品といえる。無論、描かれている歴史的状況はかなり抽象化されており、シミュレーションゲームというに相応しいかどうかはやや疑問が残るが、そういった点を差し引いても本作は優れたゲームであると言えよう。

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